国税がクレジットカードで納付できるように!税金の種類やメリット、デメリットは??

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zei_zeimusyoクレジットカードの多様な決済シーンが増えている。
その中でも、納税がカード1枚でできる時代になった。ひと昔前なら考えられなかったことだ。

毎年のようにカードで税金を納付できる自治体も増えているので、ここで1つ、クレジットカードで納税するのは得なのか損なのか、実際に考えてみた。

「国税クレジットカードお支払サイト」が登場

国税庁は2017年1月4日から、「国税クレジットカードお支払サイト」を開設した。

所得税や贈与税などをクレジットカードで納付することが可能であり、税金の早期納付や利便性を目的に、納付受託者のトヨタファイナンスが運営している。

実は、同サイトを立ち上げる前に、既に地方自治体を対象にした地方税の納付をクレジットカードでできるようなシステム化がされていたのだ。

その結果、総務省などの調査によると、2016年12月末現在、全国1,788の自治体中1,100を超える自治体でクレジットカード納付を導入している。約64%の導入率だが、国税のクレジットカード納付で、導入に踏み切る各自治体が増加する事なども着目されていたのだ。

この結果を受けて、地方税のクレジットカード納付の実績を基に、国税にもフィードバックする形で今回のシステムは導入された。もちろん実際に運用しての長所、短所、利用率などの各種データ収集なども目的だ。

国税をクレジットカードで納付できるのは初めての取り組みだが、納税者にとっては非常に利便性が向上したともいえる。

5大国際ブランドのクレジットカードが全て利用可能

実は、クレジットカードでの納付は、5大国際ブランドが全て利用できるクレジットカードの種類は問わず、カード券面にこれらの5大国際ブランドのロゴが明記されたカードなら、全て利用できる。

地方税も5大国際ブランドが全て利用可能。これは増税者にとっても非常に嬉しいことだ。

利用できるクレジットカードの国際ブランド

  • VISA
  • MasterCard
  • JCB
  • アメックス
  • ダイナースクラブ

ちなみに、日本発行の中国銀聯カードは使えない。日本国内で発行していないディスカバーブランドも利用できないので注意が必要だ。

サイトからクレジットカードで納付できる国税の税目

国税は直接税、間接税、印紙税その他間接諸税に大別される。直接税は所得税、法人税、相続税などだ。

間接税は酒税やたばこ税で、印紙税その他間接諸税は自動車重量税、関税、有価証券取引税などとなっている。

クレジットカードで納付できる国税

直接税

・所得税・申告所得税及び復興特別所得税・源泉所得税及び復興特別所得税(告知分のみ)・源泉所得税(告知分のみ)・申告所得税・法人税(連結納税を含む)・地方法人税(連結納税を含む)・地方法人特別税・復興特別法人税(連結納税を含む)・相続税・贈与税・地価税

間接税

・消費税及び地方消費税・酒税・揮発油税・地方揮発油税・石油石炭税・航空機燃料税・石油ガス税・電源開発促進税・たばこ税・たばこ特別税・とん税・特別とん税・印紙税・自動車重量税(告知分のみ)・登録免許税(告知分のみ)・関税

ただし、税目によっては運用開始の時期が異なる。
源泉所得税・告知分以外の復興特別所得税、告知以外の源泉所得税は、約5カ月遅れの2017年6月から、クレジットカード納付が始まる。

予定納税については確定申告、修正申告、中間申告などの納付にも、対応できる。

クレジットカードで納付できる地方税

道府県税

[普通税]・道府県民税・事業税・地方消費税・たばこ税・自動車税・固定資産税(特例)
[目的税]・自動車取得税・軽油取引税・入猟税

市町村税

[普通税]・市町村民税・固定資産税・軽自動車税
[目的税]・自動車取得税・軽油土地匹税・入猟税

東京都の23区は特別区となり、独自の税区分になっている。特別区として独自に課税する税目は、個人の市町村民税(特別区民税)、軽自動車税、たばこ税など。

神奈川県横浜市などの市町村と同じように、東京都が23区を直接自治運営するためで、市町村民税の取り扱いをしている。

国税納付はクレジットカードが本当に得なのか…

クレジットカードで納税することが可能になったということは理解した。
だが実際に国税などの納付で、自分はクレジットカードを使うべきなのだろうか?
ここまで読んで、そう思った方も多いのではないか。

もちろん、個人の状況によって、納付の選択方法が違ってくるのは当然であり、だからこそ両方の納付方法の仕組みをしっかり理解することが大切だ。

クレジットカードと現金よる納付には、異なる点も出てくるので、以下に記載したメリット、デメリットを十分吟味しよう。

メリット

  • 時間を気にせず、夜中でも納付できる
  • 金融機関などに出向く労力がなく、交通費もかからない
  • 現金がなくても納付でき、延滞を免れる
  • 法人の場合、引き落としまでに猶予ができ、キャッシュフローに余裕が出る

デメリット

  • クレジットカードの1回払いでは負担することがない手数料が取られる
  • 1回当たりの利用額が1,000万円未満に限定される
  • デビットカード、プリペイドカードの利用は発行会社によって対応が異なる
  • 税金の納付は重要な個人情報なので漏えいが気になる

実は、クレジットカードの納付は、金銭的なメリットがあまりない。通常の0.5%の還元率のカードでは、ポイント還元率が納付手数料を下回るからだ。つまり、現金による納税よりも増額される。

リボ払いを除く全てのクレジットカードの1回払いは、手数料がかからない。通常契約では、加盟店(国・自治体)が支払う手数料を納税者が負担するのだ。

とはいえ、金銭的以外にも大きなメリットがある。法人経営者にとってのメリットとして挙げられることは、支払い期限を先送りできること。

法人税、消費税などは決算月から原則2カ月以内の納付になる。クレジットカードだと、実際にそこから1カ月以上は引き落としに時間がかかり、投資や資金繰り確保など、キャッシュフローを安定させることができる。

税金納付に関する手数料が意外に高い

国税のクレジットカード納付の場合、手数料が取られる。これが、納付受託者のトヨタファイナンスなどの収入になる。

税込手数料は納付税額によって異なるが、状況によっては、還元率1.0%のクレジットカードでも損する状況が多い。

なので、事業などで資金を戦略的に利用する場合以外は、おすすめしにくい。

国税のクレジット納付の手数料

納付税額 決済手数料(税別)
1円~10,000円 76円
10,001円~20,000円 152円
20,001円~30,000円 228円
30,001円~40,000円 304円
40,001円~50,000円 380円

     
※以降、10,000円を超えるごとに決済手数料76円(税別)が加算される。

例えば100万円の納付税額の場合、7,600円(税別)が決済手数料になる。これに消費税を加えると、計8,200円だ。

還元率0.5%のクレジットカードの場合、5,000円の還元に相当するため、3,200円損する計算だ。

しかし、法人、個人事業主の場合、手数料全額を損金として経費計上でき、税金そのものを圧縮できる可能性が出てくる。

地方税の場合は?

地方税のクレジットカードによる納付は、自治体によって手数料が異なり、10,000円未満の納付税額では無料になるケースもある。ただし、国税よりも手数料が高額になるケースが多い。

例えば住民税(普通徴収)の10,000円以下の手数料では、浦幌町(北海道)ゼロ、江東区(東京都)50円(税別)、箕面市(大阪府)100円(税別)と幅がある。

浦幌町では10,000円以下の住民税の納付は、問答無用でクレジットカードが得になる。江東区の場合、還元率0.55%以上のカードで得する。箕面市では90%以上のクレジットカードで損することになる。

得するのは還元率1.09%以上のカードが必要で、国産ではわずか5枚前後しかない。

納税で手数料を徴収する理由とは

日本国内のクレジットカード加盟店では、カード発行会社との契約で、利用料金に上乗せして手数料を取ることができない。

客が飲食店で1,000円の食事代金をカード決済すると、店側がカード会社に支払う手数料が5~8%。1,000円に+50円~80円。店側がその分を客に請求すると、店側がカード会社から規約違反に問われる。

もちろん、客は本来店側が負担するカード会社への手数料を支払う義務はない。もし、客に手数料を支払わせた場合、最も重いペナルティーはカード会社から契約解除になる。

海外では一部の国・地域で、利用料金に手数料を上乗せして請求できる例もあるが、日本国内では全てのカード会社で、客へ手数料を負担させることを禁止しているのだ。

その原則から外れ、国税や地方税の場合は客(納税者)が手数料を支払うことになっている。本来は店側(国・地方自治体)なのだが。

それでもクレジットカードの納付は、現金納付よりもメリットがあるとされている。表面的には気づきにくいメリットだが、支払い期限の猶予やクレジットカードのポイント還元がそのメリットにあたると、国や地方自治体では見ているようだ。

東京都主税局の見解

手元に現金がなくても支払方法(一括払い・分割払い等)に応じて後払いで納付できること、利用額に応じた「ポイントサービス」等の利益還元が行われることが多いこと等、他の納付方法にはない利益が発生します。そのため、クレジットカード納付を選択した納税者様には、他の納付方法をご利用の納税者様との公平性の観点からクレジットカード納付による立替払システムの利用料として、利用額に応じた手数料を負担いただいております。
引用:東京都主税局

Yahoo!JAPAN公金支払いとの違いは

先にも書いたように、地方税のクレジットカード納付は、国税に先駆けて2006年に三井住友カードが日本総研などと共同で開始。神奈川県藤沢市の軽自動車の納付を実証のため、クレジットカードを導入した。

これらの実証実験の結果を基にYahoo!JAPANでは、地方税や国民年金、国民健康保険などでカード納付を導入するYahoo!JAPAN公金支払いを開始した。

Yahoo!JAPAN公金支払い独自の内容

地方税

・自動車税・軽自動車税・固定資産税・住民税・ふるさと納税

公金支払い

・国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険

光熱費支払い

・水道料・NHK放送受信料・ガス料金

クレジットカードでできる納税項目は、各自治体によって異なる。地方税の自動車税は、多くの自治体で取り入れているが、ふるさと納税を取り入れている自治体は少ない。

自動車税・軽自動車税・固定資産税・住民税の全て対応しているケースも少ない。国税専用のサイトと違い、Yahoo!JAPAN公金支払いの方が幅広く対応している。

納付方法を国税サイトとYahoo!でシミュレーション

実際にクレジットカードによる納税方法を「国税クレジットカードお支払サイト」と「Yahoo!JAPAN公金支払いサイト」でシミュレーションした。

国税サイトとYahoo!の各サイトは、それぞれ国税と地方税で納付する税目が異なる。このため、身近な税目の自動車重量税=国税、自動車税=地方税を取り上げた。

国税クレジットカードお支払サイト

税目:自動車重量税=~1.5t・継続検査時・登録13年未満でエコカー減税なし

  • 自動車重量税24,600円+決済手数料228円(税別)=合計24,828円(税別)
  • 決済手数料が税額に占める割合は0.92%

Yahoo!JAPAN公金支払いサイト

税目:自動車税=排気量1.5~2.0L・自家用・神奈川県・特別税率なし

  • 自動車税39,500円+決済手数料300円(税別)=合計39,800円
  • 決済手数料が税額に占める割合は0.76%

Yahoo!JAPAN公金支払いサイトでは、自動車税の納税手数料が一律300円(税別)。一見すると国税サイトの方が割高に感じる。

しかし、国税サイトでは排気量が1.0L以下の自動車税は29,500円で、決済手数料が税額に占める割合が1.0%以上に上がる。税額によって手数料負担が増減する仕組みなのだ。

納税におすすめのクレジットカードとは

国税も地方税も、5大国際ブランドのクレジットカードが利用可能。さらに国産のクレジットカードなら全て利用できる。※中国銀聯を除く

この中で納税におすすめする個人カード、法人カードをそれぞれ取り上げた。

個人カード

Orico Card THE POINT

OricoCard THE POINT

年会費:無料
通常還元率:1.0%
国際ブランド:VISA、MasterCard、JCB

koushiki-200-40
shousai-95-40

楽天カード

楽天カード

年会費:無料
通常還元率:1.0%
国際ブランド:VISA、MasterCard、JCB

koushiki-200-40
shousai-95-40

Yahoo!JAPANカード

Yahoo!JAPANカード

年会費:無料
通常還元率:1.0%
国際ブランド:VISA、MasterCard、JCB

koushiki-200-40
shousai-95-40

法人カード

JCB法人カード(一般)

JCB法人カード(一般)

年会費:1,250円(税別)
通常還元率:0.5%
国際ブランド:JCB

koushiki-200-40
shousai-95-40

EX Gold for Biz

EX Gold for Biz

年会費:初年度無料。2年目以降2,000円(税別)
通常還元率:0.5%
国際ブランド:VISA、MasterCard

koushiki-200-40
shousai-95-40

アメックス・ビジネス・ゴールド

アメックス・ビジネス・ゴールド

年会費:31,000円(税別)
通常還元率:0.5%
国際ブランド:アメックス

koushiki-200-40
shousai-95-40

まとめ

納税手段の選択肢が増えるという事で、納税者には時間短縮や管理面などのメリット、行政側のメリットとしては業務改革や納税者に対してのホスピタリティなどがあげられるだろう。

納税手段にクレジットカードが出現したことにより、世間にどのような変化があるのか。
今後も注目し続けていきたい。

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