国際ブランド アメリカン・エキスプレスを徹底解説!

Pocket

AmericanExpress(アメックス)

米国発祥のアメリカン・エキスプレス(アメックス)は、クレジットカード界の中でもトップレベルのステータスを持つ

T&E(トラベル&エンターテインメント)カードとして、世界レベルで富裕層らに愛されてきた。

ダイナースクラブと双璧をなし、ステータスカードとして業界をけん引している。

VISAやMastereCardは日常生活を支え、アメックスは豊富なサービスで人生の楽しみをサポートする。

それを物語るのが1980年代にブレークした「デカケルトキハ、ワスレズニ!」のセリフだ。

米国人でゴルフ界の帝王、ジャック・ニクラウスが、ゴルフ場を舞台に日本語で語ったテレビCM。

ゴルフ界の帝王と華やかなゴルフ場が、見事なブランディング展開を見せつけた。

運送業から金融業を経てクレジットカード界へ

アメックスの母体は江戸時代後期の1850年に、米国・ニューヨークで創立。

運送業としてスタートし、瞬く間に全米の輸送体制を確立させた。

その後、事業が急発展し、隣国のカナダやメキシコなどへ輸送網を構築。

1882年には世界初のマネー・オーダー(郵便為替)の業務を開始した。

この知識を生かし、1891年の世界初のトラベラーズ・チェックの発行を成功させた。

運送業から金融業へ事業を拡げたことにより、クレジットカード会社としての土台を固めたことになる。

時代に先駆けるカードのアイデアや発想力など、確実に顧客ニーズをつかんでいった。

1960年代はジェット機の就航が相次ぎ、休暇の過ごし方も多様化。

66年にはゴールドカード、84年にはプラチナカードが登場した。富裕層を確実に取り込んでいった。

【アメックスの主な歴史】

  • 1850年 米国・ニューヨーク州バッファローで創立 初代社長はヘンリー・ウェルズ
  • 1882年 世界で初めてマネー・オーダーの業務を開始
  • 1891年 世界で初めてトラベラーズ・チェックを発行
  • 1915年 ニューヨーク本社に旅行サービス部門が誕生
  • 1917年 横浜に日本初の事務所を開設
  • 1954年 アメックス銀行東京支店開設 日本支社を設立
  • 1958年 アメックス・カードを米国とカナダで発行
  • 1980年 日本でアメックス・ゴールド・カードを発行
  • 1983年 日本でアメックス・カード(グリーン)を発行
  • 1993年 日本でアメックス・プラチナ・カードを発行
  • 1997年 クレディセゾンと提携し、セゾン・アメックス・カードを発行
  • 2000年 加盟店事業でJCBとの業務提携を発表
  • 2001年 日本旅行と合弁会社の「日本旅行・アメックス」を設立
  • 2009年 日本でANAアメックス提携カードを発行
  • 2011年 日本でデルタ スカイマイル アメックス・カードを発行
  • 2012年 日本でアメックス・スカイ・トラベラー・カードを発行
  • 2013年 日本でスターウッド プリファード ゲスト アメックス・カードを発行
    日本でアメックス・スカイ・トラベラー・プレミアム・カードを発行
  • 2014年 日本でペルソナSTACIA アメックス・カードを発行

出典:アメックス

注目は1980年に日本で初めて発行したのがゴールドカードという点

当時の日本は対米輸出の急増で、世界最大の貿易黒字国になっている。

好景気に沸いたバブル経済に入りかけた時期で富裕層が増加。これに目をつけたアメックスの事業戦略が見事にハマり、日本での認知度が急激に高まっていった。

この3年後に一般カード(アメックス・グリーン)の発行を開始した。

カードの種類と提携カード

アメックスはイシュア(カード発行会社)として独自発行する「プロパーカード」、ホテル・航空会社・銀行・流通などの各業種と連携・ライセンス発行の契約をしている「提携カード」を展開している。

JCB、ダイナースクラブでも同じような発行形態を取り入れている。日本では1997年にクレディセゾンが、初のライセンス発行の形態でカードを発行している。

プロパーカードと提携カードでは、クレジット機能についての違いや差はない

例えばプロパーの「アメックス・グリーン」、提携の「セゾンパール・アメックス」も決済機能は同じ。

個人属性によっては、プロパーカードの利用限度額を提携カードが上回ることもある。

しかし、カードのステータスや世界的な認知度は、比較にならないほどグリーンの方が上だ。

【アメックスのプロパー&提携カードの比較】

特にプロパーカードと提携カードでは、認知度で大差がつくケースがある

例えば、ツアー以外で海外のホテルに宿泊するケースだ。

チェックイン時にデポジット(保証金=通常はチェックアウト後に返還)が必要で、プロパーなら問題なく手続きが進む。

提携カードでは、認知されておらず、VISAかMasterCardのカードを求められるケースがある。

アメックスの世界共通の認識は、カードの券面中央にデザインされた、古代ローマ兵士のセンチュリオン(百人隊長)がシンボル。

amex green

一部プロパーカードにもあるが、提携カードの多くは券面右下にブルーを基調にした「AMERICAN EXPRESS」のロゴをつけている。

クレジット機能は全く同じでも、認識されにくいことがたびたび起きる。

アメックス・カードのラインナップ

アメックスのカードラインナップを見てみる。

プロパーカードは個人6種類、ビジネス3種類の計9種類。

このほか、主要提携カードを以下に取り上げてみた。

【プロパーカード】

▽個人用

  • アメックス・グリーン:年会費1万2,000円
  • アメックス・ゴールド:年会費2万9,000円
  • アメックス・プラチナ:年会費13万円
  • アメックス・センチュリオン年会費36万7,500円
  • アメックス・スカイ・トラベラー:年会費1万円
  • アメックス・スカイ・トラベラー・プレミア:年会費3万円

▽ビジネス用

  • アメックス・ビジネス:年会費1万2,000円
  • アメックス・ビジネス・ゴールド:年会費2万6,000円
  • アメックス・ビジネス・プラチナ:13万円

【主な提携カード】

【ANA】

  • ANAアメックス:年会費7,000円
  • ANAアメックス・ゴールド:年会費3万1,000円
  • ANAアメックス・プレミアム:年会費15万円

【デルタ】

  • デルタ スカイマイル アメックス:年会費1万2,000円
  • デルタ スカイマイル アメックス・ゴールド:年会費2万6,000円

【セゾン】

  • セゾンパール・アメックス:年会費1,000円(初年度無料、次年度は1回の利用で無料)
  • セゾンゴールド・アメックス:年会費1万円(初年度無料)
  • セゾンプラチナ・アメックス:年会費2万円

【MUFG】

  • MUFGカード・イニシャル・アメックス:年会費1,250円(学生は在学中無料)
  • MUFGカード・ゴールド・アメックス:年会費1,905円
  • MUFGカード・ゴールドプレステージ・アメックス:年会費1万円
  • MUFGカード・プラチナ・アメックス:年会費2万円

【その他】

  • ペルソナSTACIA アメックス:年会費1万4,000円
  • スターウッド プリファード ゲスト アメックス:年会費3万1,000円
  • ザ・ペニンシュラ東京との提携によるアメックス・ゴールド:年会費2万9,000円

※年会費は全て税別

高いステータスで知られるアメックスだが、日本で発行されるカードで無料(実質)なのが2種類ある。

1つ目はセゾンパールだ。

当初はアメックスがブランド力維持のため、クレディセゾン側の年会費無料に難色を示していたという。

もう一つは、高校生を除く18歳以上の学生専用の唯一のアメックスブランであるMUFGカード・イニシャル・アメックスだ。

JCBとの提携で日本国内でも利用できる
クレジットカードに求められるのは、やはり利便性だろう。

カードが利用できる加盟店が少なければ、どんなにステータスがあるカードでも、ストレスを感じてしまう。

5大国際ブランドの世界の加盟店数(推計も含む)を見ると、VISA≧MasterCard>アメックス>JCB>ダイナースクラブの順になる

VISAとMasterCardは利便性では、トップブランドといえる。

【国際ブランドの加盟店数の目安】

  • VISA:3,900万店(日本800万店)
  • MasterCard:3,900万店(日本800万店)
  • JCB:2,850万店(日本850万店)

アメックスやダイナースクラブの加盟店は、自社で公表していない。

米国の経済関連サイトなどを見ると、アメックスはVISAの半数の2,000万店弱、ダーナースクラブは3分の1の1,300万店との見方が多い。

日本では国産のJCBが、VISAやMasterCardに比べてやや優勢とされるが、利便性で目立った差はない。

アメックスは日本の加盟店の開拓に、2000年にJCBと提携することで成功した。JCBの決済機能にアメックスと互換性を持たせたのだ。

つまり、一部を除きJCB加盟店でアメックスのカードが使える。

逆に海外では、アメックスが使えれば、JCBのカードも使える。

互いの利点をうまく融合させることで、VISAやMasterCardの利便性に追随している。
※ダイナースクラブも2006年にJCBと提携

アメックスのサービス
実際のアメックスのサービスを見てみる。

アメックスは「T&E」を象徴するクレジットカードだけに、旅行関連のサービスは抜きん出ている。

エントリーレベルとはいえ、他社でのゴールド相当のアメックス・グリーンでも、サービスの充実ぶりがすさまじい。まねのできないサービスともいえる。

【海外旅行保険】 

 

プロパーカード 提携カード
カード維持費(年会費等)
入会審査
ステータス&認知度
付帯サービス
 

傷害による死亡・後遺障害 救援者費用 賠償責任 携行品損害
アメックス・グリーン 5,000万円 200万円 3,000万円 30万円
アメックス・ゴールド 1億円(5,000万円) 400万円 4,000万円 50万円
アメックス・プラチナ 1億円(5,000万円) 1,000万円 5,000万円 100万円

※()は旅行代金等をアメックスで支払わない場合の自動付帯の補償額

ショッピングサポート

リターン・プロテクション

カードで購入した商品の返品を購入店が受け付けない場合、購入日から90日以内なら、アメックスに商品を返却すれば、購入金額の全額を払い戻しする

ショッピング・プロテクション

カードで購入したほとんどの商品の破損や盗難の損害を、購入日から90日以内の間でカード会員1人当たり500万円まで補償する

オンライン・プロテクション

インターネットのWebサービスで、カードの不正使用による損害を、全額アメックスが保証する

旅行サポート

無料ポーターサービス

成田、関西の両国際空港からの出発・到着時には専任スタッフがカード会員の荷物を無料で運んでくれる

手荷物無料宅配サービス

成田、羽田、中部、関西から出発から出国と帰国時に、自宅や指定場所にスーツケース1個を無料で配送する。

スカイ・トラベラー・カードは帰国時のみ。プラチナ以上はスーツケース2個まで無料

空港ラウンジサービス

カード会員用の空港ラウンジを無料で利用できる。

通常のゴールドカードは、会員本人のみが無料だが、アメックスは全プロパーカードで同伴者1名まで無料

プライオリティ・パス

国内外の600カ所以上の空港ラウンジが、ゴールド・カードは本人に限り、年間2回まで無料で利用可能。

プラチナ・カード以上では年会費無料で登録でき、利用回数は無制限

プラチナ以上のカードには、専任のコンシェルジュサービスがつく。

24時間365日対応する秘書的な機能だ。

例えばイベントや学会などで、出張地域のホテルに空きがない場合、コンシェルジュに相談すると、部屋を確保できる可能性もある。

「A国の○○○にある限定商品を購入して送ってほしい」といえば、これもかなえてくれる。

プラチナ以上のサービス

・ホテルグループのVIPプログラムを無料で登録できる
・日本を代表する専門医を紹介してくれたり、セカンドオピニオンを受けることもできる
・一見さんお断りの高級料亭をアメックスが代わりに予約してくれる
・提携する飲食店で会員限定のコースを2名以上で予約すると、1名分が無料になる

サービス体制
アメックスの魅力が最も発揮されるのが、充実したサービス体制だ。

アメックスのサービスを参考にしているクレジットカードも数多い。

上級カードになると、「NOと言わないサービス」とまで言わしめたほどだ。

実際には物理的に無理なサービスは、丁重に断っている。

以下にアメックスを象徴するサービスを挙げてみた。


・海外旅行中にカードを紛失したが、2時間後にホテルまで新しいカードを届けてくれた
・飲食店をコンシェルジュに探してもらい、アメックスの未加盟店もリストアップしてくれた
・プライベートジェットの手配を1時間でしてくれた

【有事の際の対応】
▽1989年
中国・北京で発生した民主化運動。

多くの死傷者を出し、戒厳令下の北京で取り残された米国人らの救出をサポートした

▽2001年
米国同時多発テロで、崩壊したビルの影響で、ニューヨーク本社ビルも多大な被害を受けた。

中には死亡した社員もいたが、通常通りのサービスを提供し続けた

▽2011年
東日本大震災で、地震発生直後に被災地のプロパーカード全会員に対し、コールセンターの社員が電話をかけて安否確認。

顧客の要望に応じて、生活物資を無償提供した

ステータスの高さ

サービス体制が充実しているアメックスだが、そのステータスをもう少し詳しく見ていく。

世界的な認知度の高さに加え、ステータスの高さは折り紙つきだ。

ただ、バブルはじけた1990年代以降は、アメックスも含めてクレジットカード全体のステータスが下がっているのは間違いない。

他社のカードも交えて、スタータスを比較してみた。

【Sランク】
・アメックス・センチュリオン
【AAAランク】
・ダイナースクラブプレミアム
・アメックス・プラチナ
【AAランク】
・JCBザ・クラス
・三井住友VISAプラチナ
・ダイナースクラブ
・アメックス・ゴールド
【Aランク】
・三井住友VISAゴールド
・JCBゴールド
・アメックス・グリーン

一般的に世界最高峰のクレジットカードと呼ばれるが、ブラックカードとも呼ばれるアメックス・センチュリオンだ。

米国版のホームページには記載されているが、日本版の公式ホームには一切の記述がない。

最高で1億円以上の利用限度額があるともいわれている。

年間1,500万円以上の決済を2年以上すると、インビテーション(招待)されるともいわれている。

審査基準

ステータスの高いアメックスの審査基準が気になるところだ。

とはいえ、現在は経済状況や雇用状況の劇的な変化により、審査も比較柔的、柔軟に対応するケースが増えている。

公式には年収基準や雇用状況(正社員、契約社員など)を明かしていないが、目安として20歳以上で継続収入があれば審査に通る確率が高い。

もちろん、過去に延滞などの事故歴がないことが前提だ。

エントリーカードのアメックス・グリーンの年収基準は300万円以上(税込)とみられる。

正社員などの正規雇用ならほぼスムーズな審査になる。

契約社員で、年収が300万円以下でも審査に通るケースがある。

ゴールドでは年収500万円以上が目安だが、300万~400万円の年収でも審査に通るケースが多数ある。

プラチナはインビテーション制になるが、必ずしも高額な利用歴が必要というわけでもない。

ゴールドで年間100万台の決済で、1~2年後にインビテーションがきたケースもある。

グリーンの会員が、ゴールドを飛び越えてインビテーションがきた例もネット上で報告されている。かなり独自性を持った審査基準ともいえる。

アメックスにはサブカードが必要

アメックスの現実的な問題点では、利用できる店舗が限られてくる現実がある。

加えて、カードキャリアが短いと、利用限度額が極端に低い。

このため、サブカードにはVISAかMasterCardのいずれかの国際ブランドのカードを持たないと非常に不便だ。

アメックスは加盟店に対する手数料が、VISAとMasterCardの2倍近くとあって、利用を断る店舗も多いからだ。

【アメックスの利用限度額の当初の目安】

  • アメックス・グリーン 20万~30万円
  • アメックス・ゴールド 40万~50万円
  • アメックス・プラチナ 200万~300万円

アメックスで間違った認識を持たれるのは、利用限度が無制限ということ。

これは会員に利用限度額を伝えていないために生じた誤解だ。不安ならカードデスクに問い合わせれば教えてくれる。

アメックス・プラチナといえども、一般のゴールドカード並みだ。もちろん、利用実績を重ねれば、利用限度枠が増枠されていく。

ハイステータス、ハイクオリティ

アメックスブランドには、あこがれを持つ方も少なくない。

豊富なサービスに込められたホスピタリティーが満載されたカードだからだ。

真価を発揮するのは、海外旅行時でエントリーグレードのアメックス・グリーンでも感じられるところがすごい。

特筆する点は日本でつくったアメックスでも、簡単な手続きで米国仕様に切り替えができる点だ。

海外赴任などで数年間、米国に在住すると、日本のクレジットカードでは1~2%の為替手数料が上乗せされ、もったいない。

旅行なら問題ないが、現地で生活すると無駄な出費だ。

米国で利用実績のない日本人が、米国仕様のカードをつくれるのはアメックス以外に数社しかない。

海外に軸足を置いた生活なら、アメックスを1枚財布に入れておけば、絶大な安心感が持てるだろう。

ちなみに、マイクロ・ソフトの創始者で資産数兆円のビル・ゲイツ氏、同じく資産数兆円の投資家・ウォーレン・バフェット氏も、そろってアメックス・グリーンを所持していることを明らかにしている。

Pocket