法人カードには、経理業務の効率化や、キャッシュフローに余裕が生まれるなどのメリットがある。また、ビジネスに役立つさまざまな機能やサービスを備えているカードも多い。
一方で、コストはできる限り抑えたいところ。法人カードの多くは年会費がかかるが、中には年会費無料の法人カードも存在する。
本記事では、年会費無料の法人カードを紹介すると共に、年会費無料の法人カードを選ぶときの注意点をまとめた。
また、年会費無料ではないが年会費が安く、コストを抑えることのできる法人カードも合わせて紹介する。
目次
年会費無料の法人カード
ライフカードビジネス
会員カードを多く発行したい企業におすすめのカード。メンバー会員のカード発行枚数に制限がなく、メンバー会員分のETCカードも無料で発行できる。
ただし、個人向けのライフカードはポイント還元率が高いカードだが、法人カードではポイントが一切つかない。
ショッピング枠は10万円~500万円(500万円超の相談も可)で、キャッシング枠はない。
申込条件は法人または個人事業主。
ライフカードビジネス
年会費 | 無料 |
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追加カード | 無料・枚数制限なし |
還元率 | - |
ブランド | ![]() ![]() ![]() |
ETCカード | 無料 |
ビジネクスト法人クレジットカード
利用限度額100万円以下を希望すれば、審査が簡略化される。
通常では提出が必要な財務書類も、提出の必要がない。本人確認書類だけで審査可能なので、新法人、設立間もない法人におすすめだ。
ショッピング枠は5万円~300万円(300万円超の相談も可)、キャッシング枠はない。
申込条件は、法人代表者または個人事業主。
ビジネクスト法人クレジットカード
年会費 | 無料 |
---|---|
追加カード | 無料(50枚まで発行可能) |
還元率 | 0.25% |
ブランド | ![]() |
ETCカード | 無料 |
年会費無料の法人カードの注意点
年会費無料の法人カードは、コストを抑えることができるのが一番のメリットで。
経理業務の効率化、キャッシュフローの改善、経費の用途を明確にするなど、法人カードに共通するメリットのみ求めるのるのであれば、年会費無料の法人カードで十分だろう。
審査が厳しくないので、個人事業主や設立後間もない法人にもおすすめだ。
ただし、年会費無料の法人カードには、保険やその他ビジネス向けの特典・サービスがついていない。
出張が多く保険も利用したいという場合や、ビジネスに役立つサービスを利用したいという場合、年会費無料のカードは向かない。
また、ポイント還元率も低いか、そもそもポイント付与がない場合もあるので、お得なカードがほしいという場合は、年会費が安くてポイント還元率が高いカードを選ぶと良いだろう。
年会費が安い法人カード
年会費無料ではないが、年会費が安い法人カードは、コストを抑えつつ、基本的な保険やビジネスに役立つサービスを利用することができる。
三井住友ビジネスカード for Owners
安心と信頼のVISAブランドの法人カード。
一般的な法人カードとは異なり、引き落とし口座に個人口座を指定でき、固定電話がなくても申し込み可能なため、設立間もない企業や個人事業主におすすめのカードだ。
申し込みにあたって登記簿謄本や決算書なども必要ない。
また、法人カードとしては珍しく分割払い、リボ払いに対応しているのも嬉しい点だ。
さらに、キャッシング枠を設定することも可能なため、急に事業資金が必要になった場合に重宝する。
申込条件は満20歳以上の個人事業主もしくは法人代表者。
三井住友ビジネスカード for Owners
年会費 | 初年度無料 2年目以降:1,250円(税抜) |
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追加カード | 初年度無料 2年目以降:400円(税抜) |
還元率 | 0.5% |
旅行保険 | 海外:2,000万円(利用付帯) |
EX Gold for Biz
法人カードでありながら最高還元率1.2%を誇るカード。
初年度年会費無料、追加会員年会費無料で、コストパフォーマンスが非常に高い。
国際ブランドをMaster CardとVISAから選択することができ、どちらのブランドのサービスもゴールドカード相当のサービスとなっており、付加価値も高い。
さらに、国内・国外共に旅行保険が付帯しており、空港ラウンジも利用可能とあらゆる面で隙のないカードと言える。
EX Gold for Biz
年会費 | 初年度無料 2年目以降:2,000円(税抜) |
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追加カード | 無料(3枚まで) |
還元率 | 0.6%〜1.2% |
旅行保険 | 国内:最高1,000万円(利用付帯) 海外:最高2,000万円(自動付帯) |
P-one Bussinessマスターカード
年会費は初年度無料、翌年度からは2,000円となっているが、前年に1度でも代表者カードを使っていれば翌年度以降も年会費が無料になる。
実質年会費無料のカードでありながら、サービスは非常に充実している。マスターカードのゴールドトラベルサービスも利用可能だ。
支払方法は1回払い・分割払い・リボ払いが利用可能。また、法人カードでは珍しく、キャッシング枠も設定されている。
>P-one Bussinessマスターカード
年会費 | 初年度無料 2年目以降:2,000円(税抜) 代表者カードのみ年1回のカード利用で翌年度無料 |
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追加カード | 無料(5枚まで) |
還元率 | 0.6%/td> |
ETCカード | 発行1,000円・更新1,000円 |
法人カードを使う理由
年会費無料、年会費が安い、あるいは年会費が高い法人カードにも共通するメリットとして、次のような点があげられる。
経理業務の効率化
法人カードを導入することで、経理担当者の会計処理が非常に楽になる。
法人カードがない場合、経費は各社員が一度立て替えた上で、経理担当者がそのお金を精算しなければならない。
しかし法人カードで直接支払えば、精算の手間がないだけでなく、利用日・利用者・利用場所・利用金額が一目瞭然だ。
利用明細を会計ソフトに取り込める法人カードもあり、経理業務の効率化が図れる。
キャッシュフローに余裕が生まれる
会社同士の取引は掛売が基本だ。そのため、売掛金が入るまでの間、資金繰りが苦しくなることもある。
特に会社設立時は初期投資に費用がかかるため、お金に余裕がなくなることは少なくないだろう。
そこに法人カードを導入すれば、利用代金の支払いが翌月、または翌々月で済むため、キャッシュフローに余裕が生まれるのだ。
個人と法人の区別が付けられる
法人カードは公私の区別をつけやすいカードだ。
個人カードをビジネスで使うと、会計処理が面倒になるだけでなく、税務調査が入った際に経費として認められない可能性もある。
法人カードを導入すれば、会社とプライベートの支出を明確化するのも簡単だ。
自社の状況に合ったカードを選ぼう
法人カードと一口に言っても、様々な種類がある。
年会費無料のカードと、年会費が安いカード、そして年会費が高いカードと、どの法人カードを選ぶのが良いかは、その企業の状況による。
締日~支払日までの猶予期間、キャッシング枠、審査の簡便さ、追加カードのコストなど、自社の状況に合ったカードを選ぶことで、業務効率を改善することができる。
一方で、年会費が高いカードでは、ビジネスに活用できる付帯サービスが充実しているものも多い。
年会費無料のカードは、付帯サービスや保険がなくシンプルな機能となっている。
そういった+αの部分は今は必要ない、あるいは他のサービスでカバーしている企業は、年会費無料のカードを選ぶと良いだろう。