法人・個人事業主のためのクレジットカードの勘定科目と仕訳【経理処理のまとめ】

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keiri

会社経営者や個人事業主の中には、法人用のクレジットカードを持っている人も少なくない。

様々な会計処理がスムーズになるのはもちろんのこと、法人向けならではの有益な特典やサービスを受けることも可能。

法人クレジットカードの年会費は経費として計上することができる上、カード利用で貯まったポイントを使って会社の経費節減もできる。

キャッシュフローに余裕を持たせることもできるのも隠れたメリットとしてあり、個人事業主や会社経営者にとってはありがたいツールである。

カード会社としても、安定した利用が見込める法人向けクレジットカードには力を入れており、個人向けよりも手厚いサービスや特典を用意している。

しかし、「法人カードは経費処理が難しいのでは?」や「どうやって仕訳をすればいいのだろうか?」と不安に思って、法人カード申し込みに躊躇している人もいるかもしれない。

そこで今回は、法人カードの経費処理の仕方について徹底的に解説していこうと思う。

法人クレジットカード利用の基本的な仕訳

クレジットカードを利用した場合、原則として「カードを利用した日」「カードの引き落としがあった日」の2回仕訳が必要になる。

クレジットカードで消耗品を購入した場合

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
消耗品2000未払金2000

クレジットカードの引き落としをした場合

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
未払金2000普通預金2000

クレジットカードの年会費はどうやって処理すればいいか

法人クレジットカードの年会費は経費として計上することが出来る。

一般的には「支払手数料」が用いられるが、その他にも「諸会費」などの科目が使われることもある。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
支払手数料1250普通預金1250

年会費にももちろん消費税が発生するが、消費税はしっかりと「課税仕入」にしておくようにしよう。

ケース別法人カードの経費支払

会社経営者や個人事業主が、法人カードを使って最も気になる点は、その経費支払いにおける仕訳方法や会計処理ではないだろうか。

ここでは、ケース別に仕訳方法や会計処理について見ていこう。

法人クレジットカードを使って2,000円の本を買った場合

会社で参考にするための本を法人クレジットカードで購入した場合、その際には「未払金」という勘定科目を利用しよう。

「未払金」とは、主たる営業取引ではなく単発の取引で利用される、1年未満に支払われる未払い債務であり、通常の法人クレジットカード利用時は、この勘定科目で問題ない。
ちなみに、仕訳としては以下のようになる。

法人クレジットカードを使って2,000円の本を買った場合の仕訳その1

購入日時点ではまだ支払いが発生しておらず、支払いが発生するのは請求金額がカード会社によって確定してからなので、上記のように「未払金」は貸方勘定科目に来る。

法人クレジットカードを使って2,000円の本を買った場合の仕訳その2

引き落とし日が来るタイミングで、未払金は解消されるが普通預金口座からお金が引き落とされるので、上記のような仕訳となる。

法人クレジットカードを使って2,000円の本を「商品」として買った場合

書店などが業者から本を購入するのは、参考資料としてではなく「商品」としてである。

商品購入は書店の主たる営業取引のため、この場合は「未払金」ではなく「買掛金」という勘定科目を利用する。
仕訳としては、以下のようになる。

法人クレジットカードを使って2,000円の本を「商品」として買った場合の仕訳

法人クレジットカードを使って2,000円の本を買ったがまだ届かない場合

会社で使う本を法人クレジットカードで購入したが、入荷待ちでなかなか納品されないようなときには、「未払金」ではなく、上記の表で少し登場した「前払金」という勘定科目を利用する。

前払金は、その商品が主たる営業取引かどうかは関係ない。

法人クレジットカードを使って2,000円の本を買ったがまだ届かない場合の仕訳

法人クレジットカードを使って2,000円の本を2回払いで買った場合

分割払いの時、商品が手元に届いている場合は「未払金」の勘定科目を利用する。

仕訳としては、以下のようになり、未払金がなくなるまで続く。

法人クレジットカードを使って2,000円の本を2回払いで買った場合の仕訳

2回払い以外の分割払いでは金利手数料が発生するが、その場合は「支払手数料」、もしくは「支払利息」の勘定科目を利用し、それ以外は上記と仕訳の方法は変わりがない。

2,000円の本を全額法人クレジットカードのポイントで買った場合

法人クレジットカードのポイントは、「雑収入」となり、仕訳は以下のようになる。

2,000円の本を全額法人クレジットカードのポイントで買った場合の仕訳

法人用クレジットカードの特徴とメリット

経費処理について見ていく前に、まずは法人用クレジットカードの特徴について、特に一般的なクレジットカードと比較しながら見ていこう。

引き落とし口座は「法人名義」

一般的な個人向けクレジットカードの引き落とし口座は、「個人名義の口座」である。

一方、法人クレジットカードの引き落とし口座は、法人名義の銀行口座が指定されることが多い。

ただし、個人事業主が法人クレジットカードを作る際、引き落とし口座は個人名でも問題ない。

カード券面には「2種類の名前」が書かれる

一般的な個人のクレジットカードの場合、カード券面の表に個人名が刻印されている。

これは、本会員がいて実際にそのカードを利用するのが家族会員であっても、家族の名前だけが刻印され、本会員の氏名は刻印されない。

一方で、法人用クレジットカードの券面には、「会社名」と「個人名」が刻印されている。

年会費は基本的に有料のカードが多い

一般向けのクレジットカードと違い、法人向けのクレジットカードの多くは年会費が発生する。

これは、確かなサービスを提供するためには年会費が必要、という考えからである。

無論、数は少ないが年会費が無料の法人カードも存在するので、相性の良いものであれば選択肢に入れても良いだろう。

事業目的で使うことができる

個人用のクレジットカードは、事業目的で利用することを利用規約で認めていないところも多い。
万が一それがばれると、最悪利用停止、強制解約にもなりかねないので注意が必要だ。

個人事業主の中には、一般クレジットカードを「個人の支出用」、法人クレジットカードを「会社の支出用」として分けて使っている人も多く、公私の区別を明確にする上では効果的だ。

ビジネスで役立つ特典や優待が多い

法人用クレジットカードを利用すると、法人や個人事業主にとっては個人向けクレジットカードよりもビジネスで役立つ優待や特典を受けられる事が多い。

例えば、以下のような特典が代表的である。

  • 会計ソフトの月額利用料が数か月間無料
  • 出張をサポートする航空券やホテルの予約機能
  • 財務管理レポート

以上のような優待や特典を比較し、法人カードを検討する時の指針の一つとしても良いだろう。

利用明細書は領収書のかわりになる

また、現金払いとカード払いの違いにも注目してもらいたい。

会社の経費を現金払いにしているところも少なくないが、違いを並べてみるとその差は歴然としている。

カード利用でポイントが付く

会社の経費をクレジットカードで支払うと、利用金額やキャンペーンに応じてカード会社のポイントが付与される。

貯まったポイントを使って会社の備品を購入できれば、それは立派な経費節減の一環である。

資金繰りに余裕ができる

現金で商品購入をしていると、当たり前だがその場で現金を用意しなければならない。

売掛金がまだ入ってこない状況で、出ていくお金だけがとられていく状況では、会社の資金繰りもままならない。

しかし、法人用クレジットカードで商品を購入すれば、資金繰りに余裕が出てくる。

例えば、「月末締めで翌々月10日支払い」の法人クレジットカードがあるとすると、40日間は支払いが猶予されることとなり、40日分の資金繰りに余裕が出てくるのである。

会計処理が劇的に楽になる

そして、法人カード最大のメリットといえるのが、会計処理が劇的に楽になる点であろう。

現金払いを行なっている会社で、社員が宿泊費を立て替えた場合、まず社員は会社の事務や経理の人に領収書を提出する。

経理や事務の人が内容をチェックし、問題がなければ立て替えたお金を社員に渡すのだが、建て替えという手間が余計にかかるため、事務や経理の人にとっては面倒な作業である。

しかも、社員が仮に領収書を紛失してしまったら、立て替えたお金を証明するすべはない。

だが、社員に法人カードを持たせている会社ならば、そのようなことは一切ない。

そもそも、お金を立て替えるということがないため、その処理にかかる事務や経理の人の仕事量を減らす結果となる。

カード利用の際にもらえる領収書を、万が一社員が紛失したとしても、社員が自己負担を強いられることはない(もちろん紛失しないに越したことはないが)。

また、法人カードの利用履歴については、利用明細書で把握することが可能である。

利用明細書が領収書の代わりとなるため、紙の領収書は必須とはならなくなってきている。

利用明細書には利用日、利用場所、利用金額が事細かに記載されており、カード別の利用明細書も発行可能だ。

利用明細書は紙で発行されることもあるが、最近ではインターネット上でCSV形式などを使い閲覧できるようになっているものが多い。

年会費は経費として計算される

経費算入OKなカード、NGなカード

法人クレジットカードと個人向けクレジットカードの違いとして、年会費の有無が挙げられ、、法人カードは必ず年会費がかかるようになっている。

個人事業主の中には、「経費の支払いに使っているクレジットカードを経費に入れられたら楽だろう」と考える人も多いだろう。

だが、個人向けクレジットカードの年会費を経費として算入するのは、NGの可能性が高い。

というのも、個人向けクレジットカードは私的に利用している可能性が高く、仮に経費に入れようものなら、後ほど税務署から指摘を受ける可能性が高いからだ。

確定申告をスマートに行うためにも、こういった展開は避けたい所である。

法人カードならほぼ経費として計上できるので、これを使わない手はないだろう。

締め日や引き落としタイミングをチェック

個人向けクレジットカードではあまり意識する人は多くないが、法人クレジットカードでは、「締め日」と「引き落とし日」をチェックしておきたい。

月末締めのカードは分かりやすい

法人向けクレジットカードで最も需要が高いのが、「月末締め」のカードである。

月単位で資金繰りの状況を把握するためには、月末締めの法人向けカードの方が好都合だ。

月末締めの法人向けカードには、「オリコ EX Gold for Biz」などがある。

ちなみに、「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」は10日締め、「JCB法人カード」は15日締め、「ダイナースクラブビジネスカード」は20日締めとなっており、月末締めはむしろ少数派だ。

引き落とし日が遅いと、資金繰りにメリットが

引き落とし日が遅いと、その分キャッシュフローに余裕ができる。

少しでも支払いの猶予期間を長く設定したい場合には、締め日直後にカードを使うようにすること以外に、引き落とし日のタイミングが遅い法人向けカードを選ぶといいだろう。

締め日と引き落とし日は休日の取り扱いが異なる

休日は基本的に金融機関が営業していないが、カード会社は営業している。

これが、締め日と引き落とし日における休日の取り扱いに違いを生み出している。

締め日はカード会社が請求金額を確定させる日であり、カード会社は土日祝日でも関係なく営業しているため、締め日が休日でもこのタイミングで請求金額が確定する。

一方、引き落とし日は金融機関が口座からお金を引き落とされる日だが、金融機関がお休みの休日はそれができない。

よって、引き落とし日が休日の場合、その翌営業日(平日)に引き落とし日が来るのだ。

会計ソフトを使用して仕訳を簡単に

会社の事務や経理の仕事を飛躍的に楽にしてくれるものとして、最近注目を集めているのが会計ソフトである。

「そんなの昔からあるじゃないか」と思っている人も多いかもしれない。

だが、かつての会計ソフトは最後こそ自動的に計算してくれるものの、入力は人力で行わなければならなかった。

何百枚もの領収書とにらみ合いをして、1枚1枚仕訳を行なっていくのはかなりの重労働だ。

しかし、最近の会計ソフトはその当時よりはるかに優秀になっている。

クレジットカードのデータと連動する「クラウド会計ソフト」

最近注目を集めている「クラウド会計ソフト」(Freee、MoneyForwoard、弥生会計オンラインなど)ならば、入力の手間を大幅に減らしてくれる。

クラウド会計ソフトとは、簡単に言うと電子データを取り込んで自動的に記帳してくれるという便利なソフト。

このクラウド会計ソフトとクレジットカードの相性が、抜群に良い。

クレジットカードの支払いデータは基本電子データ化されるため、支払いが行なわれるとすぐに会計ソフトに記帳されるようになるのだ。

現金払いの場合は電子データ化されないので、こう簡単にはいかない。

ちなみに、これらのクラウド会計ソフトの利用料を一定期間無料にする特典がある法人クレジットカードも存在する。

クラウド会計ソフトに自動的に記帳される仕組みは

では、クラウド会計ソフトにどのような流れで自動記帳されていくのだろうか。

  1. 法人クレジットカードでお買い物
  2. 買い物情報(日時、場所、金額)が電子データ化
  3. クラウド会計ソフトが買い物情報を受信し、勘定科目ごとに割り振る
  4. 割り振りが正しいかを利用者がチェック
  5. 確定ボタンを押せば完了

どの店舗のお買い物をどの勘定科目に割り振るか、といった初期設定は必要となるが、実にシンプルでわかりやすい記帳方法である。

メリットが多く便利な法人カード

このように、法人向けクレジットカードには数多くのメリットがある。

キャッシュフローに余裕を持たせることもできるのも隠れたメリットとしてあり、個人事業主や会社経営者にとってはありがたいツールである。

カード会社としても、安定した利用が見込める法人向けクレジットカードには力を入れており、個人向けよりも手厚いサービスや特典を用意している。

しかし、カード会社によって法人向けクレジットカードの概要は大きく異なるため、疑問点があれば申し込む前にカード会社に問い合わせをしておくといいだろう。

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執筆・編集:ono

大人のクレジットカード編集部では、2013年のサイト開設以来、年間200枚以上のクレジットカード情報をチェックし、記事を更新し続けています。

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