Amazon(アマゾン)と三井住友カードが提携して発行している、Amazon Mastercard(アマゾンマスターカード)/Amazon Prime Mastercard(アマゾンプライムマスターカード)。「Amazonクレジットカード」「Amazonカード」などと呼ばれている。
年会費永年無料、基本還元率1%、Amazon利用では最大2%還元という基本的にお得なカードだが、人によってはおすすめできない場合もある。
お得なカードとしておすすめされることの多いAmazon Mastercard、Amazon Prime Mastercard(以下総称、Amazonカード)について、本記事ではあえて、申込を検討するにあたり注意してほしい点を解説する。
目次
Amazonカードとは?プライム会員と非会員で券種が違う
Amazonカードは、入会時にAmazonプライム会員であるかどうかで、以下のように発行されるカードが変わる。
- プライム非会員→Amazon Mastercard
- プライム会員→Amazon Prime Mastercard
Amazon Mastercard発行後、途中でプライム会員になった場合は新たにAmazon Prime Mastercardが発行される。Amazon Prime Mastercard発行後にプライム会員を解約した場合は、カードはそのままだがスペックがAmazon Mastercardと同様になる。
この2つのカードは、年会費無料で基本還元率1.0%、最高2,000万円補償の海外旅行傷害保険の付帯(利用付帯)など、基本スペックは共通している。
異なるのはAmazon利用時の還元率で、Amazon Prime Mastercardは2.0%、Amazon Mastercardは1.5%となる。
Amazonカードの詳細については以下の記事も参考にしてほしい。
Amazonカードをおすすめしない理由
Amazonカードは、年会費無料で還元率が高く、海外旅行傷害保険も付帯しており、一般的にはコスパの良いカードといえる。すでにAmazonプライム会員である人や、Amazonの利用頻度が高い人にはまずおすすめできるカードだ。
一方で、おすすめできない場合もある。それが、以下のような場合だ。
- Amazonの利用頻度が低く、他のECサイト・実店舗利用が主流の方
- すでにAmazonで他の高還元率となるカードを利用している方
その理由として、以下の点があげられる。
ポイントの使い道が限定的
Amazonカードでは利用金額に応じてAmazonポイントが貯まり、1ポイント=1円としてAmazonでの買い物に当てることができる。
一般的に、クレジットカードのポイントは複数の使い道があるものだが、Amazonポイントの使い道はAmazonでの買い物に限定される。
Amazonをよく利用する人であれば問題ないが、Amazonの利用頻度が低い人は、いくらポイントを貯めても使い道がないということもあり得る。
ポイントを余らせるくらいなら、多少還元率が下がったとしても、よく買い物をするECサイトや店舗、他社ポイント交換で利用できるクレジットカードを選んだほうが良いだろう。
他のカードのほうがお得な場合がある
Amazonカードは、Amazonで還元率1.5~2.0%というお得なカードだが、本カード以外にも、Amazonで同等の還元率となるクレジットカードがある。
なかでも一番お得といえるのが、JCB CARD W。ステータス性に定評のあるJCBオリジナルシリーズで、年会費無料・通常還元率1%というお得さも兼ね備えたカード。海外旅行保険も付帯している。
しかも、Amazonはポイントアップの対象となる「JCB ORIGINAL SERIESパートナー」であり、さらにJCBのポイント優待サイトを経由すると、Amazonでの還元率がAmazon Prime Mastercardと同じ2.0%となる(ただし、ポイントアップの条件あり)。
Amazonプライム会員でない場合は、JCB CARD WでAmazonを利用したほうが高還元率となることがある。
また、JCB CARD WのポイントはOki Dokiポイントで、他社ポイントやマイルにも交換可能な使い勝手の良いポイントだ。
Amazonの利用機会が少ない場合、多少還元率は下がったとしてもOki Dokiポイント使い道の広いポイントを貯めたほうが使いやすい。
Amazonカード以外のAmazonでお得なカードについては以下の記事でも詳しく解説している。
ポイントをAmazonで使いたいならAmazonカードのほうが便利
Oki Dokiポイントは1ポイント=3.5円分としてAmazonでの支払いにも使える。ただし、Oki Dokiポイントは使い道によっては1ポイント=最大5円相当の価値となることもあるので、Amazonでの利用はあまりお得ではない。
1ポイントあたりの価値を保ちつつAmazonで利用する方法としては、Oki Dokiポイント1ポイント=nanacoポイント5ポイントに交換の上、nanacoポイントでAmazonギフト券を購入するという方法があるが、交換の手間がかかってしまう。
ポイントをAmazonで使いたいという場合はAmazonカードのほうが便利だ。一方で、Amazonも利用するものの、それ以外のECサイトや店舗での買い物も多い、Amazonプライム会員ではないという場合は、JCB CARD Wも併せて検討してみてほしい。
OkiDokiポイントおよびJCB CARD Wの詳細は以下の記事も参考にしてほしい。
Amazonカードは発行したほうがいい?
Amazonカードは年会費永年無料のクレジットカードなので、発行して損をするということはない。
ただ、前述のようにAmazonの利用頻度が低い場合、ポイントが貯まっても使いきれないという可能性がある。
それならば、ポイントの活用機会が多い他のカードを使ったほうがお得だ。特にAmazonプライム会員でない場合は、Amazonカード以外のほうがお得になる可能性がある。
Amazonカードはコスパの良いカードではあるが、使う人の状況によっては他のカードのほうが便利でお得になることもあるので、本記事で紹介したようなケースが当てはまる場合は注意してほしい。
大型セール時は入会がさらにお得になることも
本記事を参考にしていただき、自分はAmazonカードを使ったほうがお得になりそうだという場合、入会タイミングも意識してみると良いだろう。
Amazonでは、Amazonプライム会員向けの大型セール「Amazon Prime Day(プライムデー)」や年末のブラックフライデーなどの大型セール時に、Amazonカード入会でポイントが付与されるなど通常よりもお得になることがある。
また、AmazonカードはAmazonアカウント上での即時発行の仕組みがある。9:00~19:00(日本時間)の間に申し込み、引き落とし口座をインターネットで手続き完了できる場合、最短5分で審査が完了。
審査に通過すれば、Amazonアカウント上でカード情報が発行され、Amazonでの買い物に利用できる。カード本体は後日三井住友カードより送付される。
Amazonカードのリニューアル前後での比較
Amazonカードは、2021年11月にリニューアルをして現在の形になった。
リニューアル以前のカードには現在のようなプライム会員による券種の区別はなく、一般カード(クラシックカード)とゴールドカードがあった。
そして、旧ゴールドカード会員にとっては、現在の新しいAmazonカードは改悪といえる部分がある。
旧ゴールドカードとの比較
旧ゴールドカードは年会費11,000円(税込)がかかっていたが、大きなメリットとして、Amazonプライム会員資格が得られるというものがあった。新しいAmazonカードにはこの特典が引き継がれていない。
新しいAmazonカードの登場により、旧ゴールドカード会員にはカード更新のタイミングで、Amazonプライム会員登録状況に応じた新しいAmazonカードが届けられた。
また、旧ゴールドカードの年会費は11,000円(税込)だが、「WEB明細登録」および「マイ・ペイすリボ」の設定で4,400円(税込)まで割り引かれる仕組みがあった。つまり、通常年会費4,900円(税込)のAmazonプライム会員サービス(当時)を500円割引で利用可能だった。
しかも旧ゴールドカードは、Amazonでポイント還元率2.5%と高還元だった。これが新しいAmazonカードではAmazonで最大2%還元と還元率が下がっている。
新しいAmazonカードの年会費は無料だが、Amazonで最大2%還元となるにはAmazonプライム会員である必要があり、その年会費が発生する。プライム会員でなければAmazonで1.5%還元とさらに還元率は下がる。
この他に、旅行傷害保険やショッピング補償の補償範囲も縮小した。これらをまとめると、以下の比較表となる。
新Amazonカード | 旧クラシック | 旧ゴールド | |
---|---|---|---|
年会費 | 永年無料 | 初年度無料 年1回利用で翌年度無料 ※通常1,375円(税込) | 11,000円(税込) ※条件達成で4,400円(税込)まで割引 |
Amazonでのポイント還元率 | プライム会員:2.0% 非プライム会員:1.5% | プライム会員:2.0% 非プライム会員:1.5% | 2.5% ※カード会員は自動的にプライム会員 |
通常還元率 | 1.0% ※対象コンビニでは1.5% | 1.0% | 1.0% |
旅行傷害保険 | 海外:最高2,000万円補償 | なし | 海外・国内:最高5,000万円補償 |
ショッピング補償 | 年間200万円まで | 年間100万円まで | 年間300万円まで |
こういった点から、Amazonカードのリニューアルのタイミングでカードの利用について見直す人が増えたところもあるだろう。