LINE Payは、株式会社LINEが提供する電子決済サービス。
LINEアプリのウォレット機能から、QRコードの表示または読み取りにより店舗での支払いが可能となる。また、送金や割り勘機能もあり、買い物以外にも活用できる。
LINEアプリから簡単に利用でき、クレジットカードが持てない未成年や主婦でもキャッシュレス決済が利用可能とあって注目度は高い。
本記事ではLINE Payの基本的な使い方から、注意点やお得に活用する方法などを紹介する。
目次
事前チャージ、またはクレジットカード登録で支払い
LINE Payの支払い方法は、銀行口座などから事前に残高へチャージ、または登録したクレジットカードで支払うの2種類ある。基本、クレジットカードからのチャージはできない。
登録できるクレジットカード
LINE Payに登録するクレジットカードとしては、VisaまたはMastercardブランドがあるが、「チャージ&ペイ」設定できるのは、Visa LINE Payクレジットカード/Visa LINE Payクレジットカード(P+)、または三井住友カード発行のVisaブランドのカードのみとなっている。
(※ただし、ANA系の三井住友カードは対象外)
「チャージ&ペイ」とは、事前に残高チャージをする必要がなく、LINE Pay利用時に直接カード払いができる機能である。
LINE Payには、上記以外のVisaまたはMastercardブランドのカードも登録できるが、LINEの一部サービスの支払いにしか対応していない。
また、Visa LINE Payクレジットカード(P+)のチャージ&ペイであれば、5.0%のLINEポイント還元がある。一方、Visa LINE Payクレジットカードはチャージ&ペイではポイント還元の対象外となるので注意しよう。
三井住友カード発行のVisaブランドのカードの場合は、三井住友カードのVポイントの0.5%還元がある。
現在、LINE Pay残高での支払いはポイント還元対象になっていないため、ポイント還元を受けたい場合はVisa LINE Payクレジットカード(P+)でのチャージ&ペイでがおすすすめだ。
LINE Payの還元率 | |||
---|---|---|---|
支払い方法 | 還元率 | ||
チャージ&ペイ | コード支払い(LINEクレカ(+P)) | 5%※ | |
コード支払い | 0.5% | ||
請求書支払い | |||
オンライン支払い | |||
LINE Pay残高 | コード支払い | 0% | |
請求書支払い | |||
オンライン支払い |
※上限500ポイント
Visa LINE Payクレジットカードは、通常のカード決済では還元率1.0%と高還元率のカード。初年度年会費無料、年1回以上の利用で翌年度年会費も無料になるお得なカードだ。
- 「チャージ&ペイ」が利用できるカードは、VisaLINE Payカード/Visa LINE Payクレジットカード(P+)/三井住友カードのVisa
- 現在ポイント還元が受けられるのは「チャージ&ペイ」のみ
チャージ方法
LINE Payにチャージをする方法には、以下がある。
- 銀行口座
- セブン銀行ATM
- QRコード/バーコード
- LINE Pay カード レジチャージ
- コンビニ(Famiポート)
- 東急線券売機
- LINE Pocket Money
- オートチャージ
銀行口座は本人確認や銀行口座との連携が必要になるが、一度連携してしまえば、最も手軽にチャージ出来るため、メインのチャージ方法になるだろう。
QRコード/バーコードはAINZ&TULPE、アインズなど、特定の店舗でのみ利用できる特殊なチャージ方法である。
使用頻度が高い場合、残高不足にならないようオートチャージを選ぶのもおすすめだ。オートチャージは、銀行口座からの登録が前提になる。
支払い方法
LINE Payでは、以下のような支払い方法に対応している。
- コード支払い:実店舗で利用できる決済手段。アプリ上でコード画面を提示し、レジで読み取りをしてもらう。
- オンライン支払い:オンライン店舗で利用できる決済手段。決済方法を選択する際にLINE Payを選ぶ。
- 請求書支払い:請求書の支払いが可能。請求書をスキャンする。
LINE Payでは以前、国内のJCB加盟店(実店舗)で利用できるプリペイドカード「LINE Payカード(JCB)」を発行できたが、2020年12月をもって新規発行が終了した。
LINE Payのプリペイドカードとしては、現在、Apple Pay・Google Pay対応およびオンラインのVisa加盟店で利用できる「Visa LINE Payプリペイドカード」がある。
LINE Pay残高/ボーナス/ポイントの違い
LINE Payを利用するにあたり、サービスに関係するワードを以下に整理した。
- LINE Pay残高:LINE Payに銀行口座からのチャージで増える。その他、友達からの送金された金額などもここに貯まる。
- LINE Payボーナス:キャンペーンのポイントなどで増える残高。LINE Payの支払いや送付で利用することができるが、出金はできない。
- LINE ポイント:LINEプラットフォームで利用できるポイント。1ポイント=1円の価値を持ち、LINE Pay残高への移行、LINEコインへの移行が可能。
LINEポイントは最後の使用から180日後となっており、期限を過ぎるとポイントが消滅する。期限が過ぎそうな場合には、LINE Pay残高へ移行するのが無難だろう。
支払い | 送る | 出金 | |
---|---|---|---|
LINE Pay残高 | ○ | ◎ | ○ |
LINE Payボーナス | ◎ | ○ | × |
LINE ポイント | ○ | × | × |
◎=可能/優先、〇=可能、×=不可
また、LINE Payとは連携していないが、LINEサービスでは以下のようなサービスもある。
- LINEコイン:LINEスタンプを購入できる。LINEポイント 2ポイント=1コインで交換も可能(国によって交換レートは異なる)。現金によるチャージにも対応。
- LINEクレジット:LINE SHOPPING内のみで利用できる通貨。
LINE Payの機能
加盟店での買い物
端末もしくはLINE Payカードに事前にチャージをしておけば、LINESTOREやLINEアプリのゲーム課金をはじめ、加盟店でキャッシュレス決済が可能になる。
LINE Pay加盟店には実店舗、オンラインショップの2つがあり、例えば以下のような店で利用できる。
実店舗の加盟店
- セブンイレブン
- ファミリーマート
- ローソン
- ゲオ
- ビッグエコー
- ココカラファイン
- ツルハドラッグ
- ロフト
- はなの舞
オンラインショップの加盟店
- ZOZOTOWN
- FOREVER21
- SHOPLIST.com
- 新ラクマ
- まんが王国
- ハイブリッド型総合書店「honto」
- LINE STORE
LINE Pay請求書払い
LINE Payでは、以下のような電気、健康食品、コスメなどを取り扱う一部企業では、LINE Payで請求書の支払いを行うことも可能だ。
LINE Pay請求書払いは、対象企業の紙の請求書のバーコードをスキャンすることで、LIEN Payで支払いが可能というものだ。
特に、東京電力の請求書の支払いをLINE Payで行えるのは心強い。
請求書支払い可能な加盟店(一部)
- 東京電力エナジーパートナー
- 九州電力株式会社
- ヴェントゥーノ
- Coyori
- 健康家族
チャージ&ペイで5.0%還元
請求書払いは、通常のLINE Payと同様に、LINE Pay残高での支払いではポイント還元がないが、Visa LINE Payクレジットカード(P+)のチャージ&ペイの機能を使って請求書払いが可能で、支払いに対して5.0%の還元がある。
なお、一回の決済の上限金額は49,999円となっている。
友人への送金、割り勘機能が便利
LINEに友だち登録をしている相手を選び、トーク画面から送金金額を入力し、画像を選択すれば作業は完了する。
送金されたお金は相手がLINE Payに登録した銀行口座へ振り込まれる。
割り勘機能は金額を人数分で自動計算してくれるため、一人が代表して支払いをおこない、後からほかのメンバーがLINE上で表示された割り勘金額分の送金を行えばよい。
ただし送金や割り勘機能を利用する場合、対象メンバー全員がLINE Payに登録して本人確認をする必要がある。
紛失時の補償もあり
スマートフォンの端末やLINE Payカードを紛失して不正利用があった際、不正利用から30日以内に申告をすれば、上限10万円の補償が受けられる。
クレジットカードなどと比べると補償額は低いものの、万が一の時に補償が受けられるのはありがたい。
初回登録方法
LINE Payは、LINEアプリを利用している人ならば誰でも登録できる。
LINEアプリの『その他』から『LINE Pay』を開き、利用規約に同意する。
パスワードを設定すれば、LINE Payのアカウントが開設される。
電話番号やメールアドレスは、LINEに登録されている内容がそのまま同期されるため、新たに入力する必要はない。
なお、LINE Payの登録自体は本人確認不要。
しかし、本人確認を行わないと送金機能、LINE Payの口座残高を銀行口座へ出金する機能、残高上限に制限がかかるので注意が必要だ。
メリット・デメリット
メリット
LINEアカウントがあれば誰でも利用可能
クレジットカードを持っていない未成年や主婦、シニアなどの場合、キャッシュレス決済ができずに不便に感じることがあるかもしれない。
また、クレジットカードの場合は審査があるため、すべての人が加入できるわけではない。
LINE PayはLINEアカウントを持っていれば、未成年でも主婦でも利用できるため、スマートフォンやiphoneがあれば問題なく使える。
登録も簡単なため、使いたいタイミングですぐに利用を開始できる。
LINE Payプリペイドカードを発行すれば、LINE Pay加盟店だけでなくVisa加盟店でも使えるため、利用の幅が大きく広がる。
入会金や維持費などもかからないため、コストをかけずにキャッシュレス決済を利用したい人におすすめだ。
友人・知人とのお金のやりとりがスムーズ
送金や割り勘などの機能は、SNS機能を持つLINE Payならではのサービスだ。
例えば、友だちに食事代や旅行代金やライブのチケットなどを立て替えてもらった際、LINE Payならば直接会わなくても手軽に送金ができる。
また、相手の銀行口座を聞く必要がないため、プライバシーも守られる。
割り勘機能は大人数の飲み会や、グループでの食事の時などに便利だ。
学校のサークルや親しい友人、部署などでLINEグループをつくり、やりとりをしている人も多いのではないだろうか。
LINE内で支払いを完結させることは手間がかからないだけでなく、支払い漏れなども防ぐことにつながる。
煩雑になりがちなお金のやりとりがスムーズにいつでも行えるのは、LINE Payの大きなメリットといえる。
特典クーポンでお得に利用
LINE Payを利用するならぜひ、使っておきたいのが特典クーポンだ。
人気50社以上のお店において最大10%OFFで利用でき、身近なコンビニやスーパー、ドラッグストアで使える。
何回でも利用できるので、残高チャージでポイント還元がない分、特典クーポンを最大限活用したいところ。
デメリット
ポイント還元が限定的
2020年5月以前のLINE Payでは、利用に応じたポイント還元があったが、現在はVisa LINE Payクレジットカード(P+)で「チャージ&ペイ」支払いをしないとLINEポイントの還元対象とならない。
ただし、Visa LINE Payクレジットカード(P+)でのチャージ&ペイ利用時のポイント還元率は5.0%なので高還元率ではある。
相手に登録してもらう必要がある
送金や割り勘機能を利用する場合、自分だけでなく相手にもLINE Payに登録してもらう必要がある。
さらに、割り勘機能の場合には、メンバー全員の登録が必要だ。
登録には手間はそれほどかからないものの、LINEをあまり使わない人にとっては面倒に感じたり、「LINEで金銭のやりとりをして大丈夫なのだろうか」と、相手が不安に思ったりすることもあるかもしれない。
利用した人の口コミ・評判
LINE Payの利用者からは、以下のような声があがっている。
- 未成年でも利用できるため、家族間でのお金のやりとりができるので便利
- 使った瞬間に通知が届くため、何にいくら使ったか確認できるのが良い
- LINE Payカードの券面が4種類から選べ、デザインも可愛い
- IC非対応のため、会計時にはサインが必要となる点はやや面倒
- 一律2.0%の還元率だったが、現在はそのサービスがなくなってしまった
- 利用明細が、LINE上からしかチェックできない点が不便
誰でも手軽に利用できる点や、未成年でも使える点などに満足しているユーザーは多いようだ。
一方で、高還元のポイントプログラムの終了など、特典などに関しては不満を持つユーザーも見受けられる。
お得に利用するコツ
キャンペーンを活用する
LINE PayをはじめとしたQRコード決済では、ポイント還元率アップなどの期間限定キャンペーンが開催されることが多い。
キャンペーンの開催は不定期ではあるものの、まめにチェックして積極的に活用したい。
Visa LINE Payクレジットカード(P+)を使う
2020年5月以降、LINE Payでポイント還元を受けるにはVisa LINE Payクレジットカード(P+)でチャージ&ペイを使うほかない。
LINE Payの利用頻度が多い場合は、このカードを発行・登録すると良いだろう。Visa LINE Payクレジットカードは、年会費無料で利用できる。
また、LINE Payでのポイント還元はないが、三井住友カード発行のVisaブランドのカードでもチャージ&ペイを利用でき、三井住友カードのVポイントを貯めることができる。
特典クーポンを使う
上述したが、身近なお店で使えるクーポンが利用できる。
何回でも使えるので、LINE Payを日常で使う人はぜひ使うことをおすすめしたい。
他のサービスとの違い
現在LINE Payに似たサービスはいくつかあるが、LINE Payはそのなかでも利用手続きが簡単だ。
いずれも年会費や手数料などはかからないという点は共通しているが、クレジットカードが必要だったり、所定の端末が必要だったりする。
Apple Pay
非接触型決済型のサービス。
カードがなくても実店舗、オンラインショップで決済が可能。
手持ちのクレジットカードやSuicaなどを最大で8枚登録でき、電車やバスなどの交通機関でも利用できる。
カードを持ち歩く面倒がないだけでなく、支払いの手間も省ける。
ただし、iPhone7以降のiPhoneやApple Watchなど、対応機種が限られるほか、店舗によっては特約店の対象外となり、共通ポイントが貯まらないことがある。
キャッシュレス決済を手軽に使いたい人へ
LINE Payの最大の魅力は、「LINEを使っている人であればだれでも登録・利用できる」ということだ。
特に、クレジットカードや電子マネーなどを持っていない人にとっては、LINE Payはありがたいサービスといえる。
無料アプリをダウンロードし、簡単な登録を行うだけでキャッシュレス決済機能が使えるようになるという点は、未成年者や学生などにとっても非常に嬉しい。
また、友人・知人とのお金のやりとりなどがLINE内でできるという点も魅力だ。
大人数のサークルや、会社で飲み会の幹事を担当している人などにもおすすめできる。
LINE Payは、特に以下のような人におすすめだ。
- クレジットカード持っていないがキャッシュレス決済を使いたい
- LINEの有料サービスをよく利用する
- 普段から割り勘をする機会がよくある
上記に当てはまる人はLINE Payのメリットを上手に活かせる可能性が高いため、利用を検討してみても良いだろう。
LINE PayにおすすめなのはVisa LINE Payクレジットカード(P+)
LINE Payをメインで使うなら是非活用したいのが、Visa LINE Payクレジットカード(P+)がおすすめ。
基本の還元率は0.5%だが、チャージ&ペイ利用時は5.0%還元となる。ポイント還元の対象となるにはLINE Payアカウントに本カードを登録する必要がある。
年会費は無料で、チャージ&ペイの他、全国のVISA加盟店で使える。