年に1〜数回の国内旅行。帰省やレジャー、ちょっとした出張でも、宿代や交通費でそれなりの出費になる。
同じ支払いなら、少しでもお得なカードを使いたいと考える人は多いだろう。
ただ「旅行におすすめ」と言われても、還元率やマイルの話が入り混じって、結局どれを選べばいいのか分かりにくい。
結論から言うと、旅行でカードが効く場面は「予約」「移動」「現地・普段使い」の3つに分かれる。この3タイプから、自分の旅行スタイルに合う1〜2枚を選ぶのが近道だ。
この記事では、それぞれのタイプの代表的なカードと、どんな人に向くのかを整理していく。

クレジットカードの専門家。雑誌・メディア等で監修・執筆多数。実際に多くのクレジットカードを実際に使いながら、ユーザーに役立つ情報を発信中
結論、旅行のお得は「予約・移動・普段使い」の3タイプで選ぶ
旅行でクレジットカードがお得に働く場面は、大きく3つある。
宿やツアーを申し込む「予約」、飛行機などの「移動」、そして旅行先や日常での「現地・普段使い」だ。
この3場面は、効いてくるカードがそれぞれ違う。1枚ですべてを最大化しようとすると、かえって選びにくくなる。
だからこそ、自分がどの場面でいちばん得したいのかを起点にすると選びやすい。
なお、年会費無料のカードは持っておくだけでも維持コストがかからない。使わない月があっても損はしないため、旅行のときだけ使う一枚として気軽に持てる。
この記事で分かること
読み進めると、次のことが整理できる。
- 3タイプそれぞれの代表カードと、向いている人
- 年に数回の旅行でも元が取れるかどうかの考え方
- 複数枚を使い分けるコツと、選び方の手順
まず押さえる、旅行でカードがお得になる3つの場面
具体的なカードに入る前に、お得の物差しを押さえておきたい。
旅行のお得は「ポイント還元」と「マイル」という2つの仕組みで生まれる。まずはこの違いを整理する。
予約サイトでたまる「ポイント還元」
宿やツアーの予約は、よく使う予約サイトと相性のよいカードで支払うと還元率が上がりやすい。
たまったポイントは、1ポイント=1円として次の旅行や日常の買い物に使えるのが基本だ。
飛行機でためる「マイル」
マイルは、飛行機への搭乗やカード決済でたまり、貯まると特典航空券などに交換できる。
年に数回の搭乗でも、搭乗ごとのボーナスマイルや毎年の継続マイルがあるため、少しずつ積み上がっていく。
現地・普段使いで効く「付帯サービス」
3つめは、カードそのものに付いている機能だ。
空港ラウンジや旅行傷害保険といったサービスは、旅の快適さや安心につながる。旅行以外の日常の支払いでもポイントがたまる点も見逃せない。
タイプ1「予約でお得」、じゃらん・楽天トラベル派に効くカード
まずは、宿やツアーの予約をよく使う人向けのタイプだ。
このタイプの魅力は、年会費無料で持ちやすいこと。使う予約サイトで選ぶと迷いにくい。
またこれらのカードは、旅行以外の普段使いでも使いやすいカードなので、旅行を機会に保有を考えるのもよいだろう。
じゃらん派ならリクルートカード
じゃらんで宿を予約することが多いなら、リクルートカードが候補になる。
年会費無料ながら基本のポイント還元率が高めで、じゃらんなどリクルート関連サービスの利用でポイントが上乗せされやすいのが特徴だ。
ふだんからホットペッパーなどリクルート系サービスを使う人とも相性がよい。
リクルートカード
| 年会費 | 無料 |
|---|---|
| 還元率 | 0.5%~1.2% |
| 旅行保険 | 国内:最高1,000万円(利用付帯)
海外:最高2,000万円(利用付帯) |
| 国際ブランド | ![]() ![]() ![]() |
楽天トラベル派なら楽天カード
宿の予約を楽天トラベルで済ませることが多いなら、楽天カードが使いやすい。
年会費無料で、楽天トラベルの予約や楽天市場での買い物を通じて楽天ポイントがたまりやすい。
たまったポイントは次の旅行や日常の支払いに回せるため、楽天経済圏をよく使う人に向く。
楽天カード
楽天SPUで最大18倍還元。ポイントアップキャンペーンの多さも魅力
- 年会費無料、いつでも1%還元の高還元率
- 楽天市場なら常時3%還元
- ポイントアップキャンペーンを常時開催
- 楽天ペイなら1.5%還元
楽天経済圏の必須アイテム、カード所持だけで楽天グループの決済に+2倍される。海外保険も付帯。
| 年会費 | 無料 |
|---|---|
| 還元率 | 1.0% |
| 旅行保険 | 海外:最高2,000万円(利用付帯) |
| 電子マネー | 楽天Edy |
| 国際ブランド |
楽天ポイントの使い道は幅広い。ためたポイントを無駄なく使いたい人は、
もあわせて読んでおきたい。このタイプが向いている人
予約でお得タイプは、次のような人に向いている。
- 旅行の頻度は年に数回で、まずは1枚を年会費無料で持ちたい人
- 予約サイトが「じゃらん」か「楽天トラベル」でほぼ決まっている人
タイプ2「移動でお得」、飛行機に乗るならマイルがたまるカード
次は、飛行機での移動が多い人向けのタイプだ。
年会費はかかるが、搭乗ボーナスや継続マイルで移動そのものをお得に変えられるのが強みになる。JALかANA、ふだん乗る航空会社で選ぶのが基本だ。
JAL派ならJALカード
JAL便に乗ることが多いなら、JALカードがマイルをためる基本の一枚になる。
年会費は初年度無料、2年目以降は2,200円(税込)。入会後の搭乗ボーナスや毎年のフライトでマイルがたまる仕組みだ。
年に数回JALに乗る人なら、年会費以上のマイルを得やすい。
JALカード
| 年会費 | 初年度無料
2年目以降:2,200円(税込) |
|---|---|
| 還元率 | 0.5%~1.0% |
| 旅行保険 | 国内・海外:最高1,000万円(自動付帯) |
| 電子マネー | QUICPay ※JCBブランドのみ(自動付帯) |
| 国際ブランド |
飛行機に乗る機会が限られていても、カード決済でコツコツためる方法がある。詳しくは
を参考にしてほしい。ANA派ならANA JCB一般カード
ANA便に乗ることが多いなら、ANA JCB一般カードが入門にちょうどいい。
年会費は初年度無料、2年目以降は2,200円(税込)。入会・継続で毎年1,000マイルがもらえ、搭乗ごとにフライトマイルが10%上乗せされる。
継続マイルだけでも年会費に近い価値があるため、ANAに年数回乗る人なら持っておく意味がある。
ANA JCB一般カード
| 年会費 | 初年度無料 2年目以降:2,200円(税込) |
|---|---|
| 還元率 | 0.5%~1.0%(マイル移行コース利用時) |
| マイル特典 | 入会・継続で毎年1,000マイル 搭乗ごとにフライトマイル+10% |
| 旅行保険 | 海外・国内:最高1,000万円(自動付帯) |
| 国際ブランド |
18〜29歳なら、年会費無料でANAマイルがためられる「ANA JCB CARD FIRST」も選択肢になる。若いうちにマイルをため始めたい人は、こちらもあわせて検討したい。
ANAマイルは決済や交換の工夫でもためられる。ため方の全体像は
で詳しく解説している。このタイプが向いている人
移動でお得タイプは、次のような人に向いている。
- 帰省や旅行で、JAL・ANAのどちらかに年数回乗る人
- ためたマイルで、次の旅行の航空券代を軽くしたい人
マイルがたまるカードは、いずれの年会費が発生するのが基本で、マイルを特典航空券に交換するのも一定のマイルが必要になる。
マイルの有効期限も3年ほどなので、3年以内にマイルを貯められるかは見定めたいところ。
またANAカードは一般カードの場合、ANAマイルに効率的に交換するには手数料が発生するものが多いので、覚えておこう。
タイプ3「ラウンジ・普段使い」、三井住友カード ゴールド(NL)
3つめは、旅行のときは空港ラウンジ、ふだんは日常決済でもお得を狙いたい人向けのタイプだ。
年会費はかかるが、利用条件を満たすと翌年以降の年会費が無料になる場合がある。旅行も日常も1枚でカバーしたい人に向く。
空港ラウンジと旅行保険が旅を快適にする
三井住友カード ゴールド(NL)は、対象空港のラウンジを利用できる。
出発前の待ち時間を落ち着いて過ごせるほか、旅行傷害保険も付帯するため、旅行の安心感が高まる。
普段使いでもポイントがたまる
このカードは、旅行以外の日常でもお得を狙える。
対象のコンビニや飲食店などで還元率が上がる仕組みがあり、日常の支払いでもポイントがたまっていく。還元の条件や数値は変わることがあるため、申し込み前に最新の内容を確認したい。
このカードは年間100万円以上の利用で、翌年以降の年会費が無料になる。旅行や普段の支払いをこの1枚に集約できるか、事前に利用予定額を確認しておくと安心。
三井住友カード ゴールド(NL)
補償・サービス・ポイント還元率の3拍子揃った定番のゴールドカード
サービス、還元率、保険、サポート、電子マネーとの連携などクレジットカードの機能をバランスよく備えている。対象のコンビニ・飲食店でのスマホのVisaのタッチ決済・Mastercard®タッチ決済でポイント最大7%還元となるのも魅力。
*最大7%内訳(通常ポイント0.5%+スマホのタッチ決済利用6.5%)
*商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗があります。
*iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外です。
*一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
*ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
*Google Pay™ で、Mastercard®タッチ決済はご利用いただけません。ポイント還元は受けられませんので、ご注意ください。
| 年会費 | 5,500円(税込) ※年間100万円のご利用で翌年以降の年会費永年無料 ※年間100万円利用の対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。 |
|---|---|
| 還元率 | 0.5~7% |
| 旅行傷害保険 | 国内・海外:最高2,000万円(利用付帯) |
このタイプが向いている人
ラウンジ・普段使いタイプは、次のような人に向いている。
- 旅行も日常も、1枚でお得と快適さを両立したい人
- 年間の利用額がまとまっていて、ラウンジや保険に価値を感じる人
迷ったら「予約用」と「移動用」を分けて2枚持ち
1枚ですべてを狙う必要はない。場面ごとに得なカードを使い分けるのも現実的な選び方だ。
年会費無料のカードを軸にしつつ、飛行機に乗るならマイル系を1枚足す。この組み合わせなら、予約でも移動でも取りこぼしが少ない。
2枚持ちの組み合わせ例
たとえば、次のような分担が考えられる。
- 宿やツアーの予約は、年会費無料カード(リクルートカードや楽天カード)
- 航空券の購入や搭乗は、マイル系カード(JALカードやANA JCB一般カード)
予約と支払いを同じカードにそろえておくと、明細の管理がラクになり、ポイントやマイルも取りこぼしにくい。
申し込み前に確認したい注意点
自分に合うタイプが見えてきたら、申し込み前に次の点を確認しておきたい。
- 年会費と旅行頻度のバランス:乗る回数が年1回未満なら、無料カード中心に組むほうが無駄がない
- ポイント・マイルの有効期限:ためても期限切れで失うと意味がないため、使う予定と合わせて考える
- 還元率やキャンペーンは変動する:数値や条件は変わることがあるため、申し込み前に公式の最新情報を確認する
よくある失敗と回避策
ありがちなのは、年会費のかかるカードを作ったものの、旅行回数が少なくて元を取れないケースだ。
まずは自分の旅行頻度を見積もり、少ないなら無料カードから始めればよい。旅行スタイルが固まってから、マイル系やゴールドを追加しても遅くない。
旅行保険の付き方はカードごとに違う。補償の中身を知っておきたい人は
も確認しておくと安心だ。よくある質問(FAQ)
Q1:年に数回の旅行でも、マイルのカードを持つ意味はある?
搭乗ごとのボーナスマイルや毎年の継続マイルがあるため、年会費と比べて元を取りやすいケースは多い。ただし乗る回数が極端に少ないなら、無料カード中心でも十分だ。
Q2:JALとANA、どちらのマイルをためるべき?
ふだん乗る便が多い航空会社に合わせるのが基本だ。使う路線や搭乗機会で選ぶとよい。
Q3:カードは1枚に絞るべき?
まずは1枚で問題ない。旅行スタイルが固まってきたら、予約用と移動用の2枚持ちも現実的な選択肢になる。
Q4:空港ラウンジは普通のカードでも使える?
多くはゴールドカード以上に付く付帯サービスだ。ラウンジを使いたいなら、対応しているカードかを事前に確認したい。
ただし家族旅行が中心なら、ラウンジを利用できるのは本会員のみであることが多いので、注意。
まとめ、自分の旅行スタイルで1〜2枚から始める
旅行のお得は、次の3場面で決まる。
- 予約でお得:じゃらん派はリクルートカード、楽天トラベル派は楽天カード(どちらも年会費無料)
- 移動でお得:JAL派はJALカード、ANA派はANA JCB一般カード
- ラウンジ・普段使い:旅行も日常も1枚でカバーしたいなら三井住友カード ゴールド(NL)
年に1〜数回の旅行なら、まずは年会費無料のカードから。飛行機に乗るなら、マイル系を1枚足すのが分かりやすい進め方だ。
予約でお得なカードと、移動でお得なカードを分けて持つのも十分にあり。自分の旅行スタイルに合うタイプから、気軽に1〜2枚を検討してみてほしい。



























