三井住友銀行と三井住友カードは、SBI証券との金融商品仲介サービスを通じた「こどもNISA」口座の予約受付の案内を、2026年10月1日(木)から開始した。子どもの口座で貯まるVポイントと、親権者のクレカ積立で貯まるVポイントは仕組みが異なるため、両者を分けて理解しておく必要がある。

三井住友カード経由でSBI証券のこどもNISA口座を予約できるようになった
こどもNISAは、2027年1月に始まる予定の0歳から17歳までを対象とした少額投資非課税制度である。同じ10月1日には楽天証券やPayPay証券もこどもNISAの受付を始めており、今回は三井住友銀行・三井住友カードがSBI証券の仲介役として受付の案内を始めた形だ。
今回の発表で押さえておきたいのは、申込の入口によって口座の扱いが変わる点である。三井住友カードが案内する専用リンクから申し込むと、SBI証券の口座は「三井住友カード仲介口座」として開設される。このリリースで案内されているVポイントの付与は、この仲介サービスを通じて開設した口座が対象となっている。Vポイント連携を重視するなら、申込の入口を間違えないようにしたい。
なお、SBI証券の口座開設料・管理料は無料とされている。
子どものこどもNISA口座ではクレカ積立が使えない
今回の発表でもっとも注意したいのが、こどもNISA口座ではクレジットカードによる積立が利用できないという点だ。三井住友カードといえばクレカ積立(三井住友カード つみたて投資)でVポイントが貯まるイメージが強いが、それは親権者自身の口座での話であり、子どもの口座には当てはまらない。
子どもの口座で貯まるのは保有残高に応じた最大0.25%(年率)
子どもの口座で期待できるVポイントは、対象となる投資信託の保有残高などに応じて付与される最大0.25%(年率)のポイントである。仮に最大の付与率が適用され、保有残高が年間を通じて100万円だった場合、1年で2,500ポイント相当という計算になる。年間投資枠は60万円のため、積立の初年度は残高が小さく、ポイントは数百ポイント程度の規模にとどまると考えられる。
付与率は対象商品や条件によって変わり、すべての投資信託が最大0.25%になるわけではない。ポイントは「おまけ」程度と捉え、商品選びはあくまで信託報酬などのコストや運用方針を基準にするのが無難だ。
貯まったVポイントは1ポイント=1円で投資にも回せる
貯まったVポイントは、1ポイント=1円としてSBI証券の投資信託や国内株式(現物)の購入に使える。日々の買い物や資産運用で貯めたポイントを、そのまま投資の元手に回せる仕組みだ。
親権者のクレカ積立では最大6.0%のVポイント
一方、親権者自身のSBI証券口座では、三井住友カードやOliveフレキシブルペイによるクレカ積立が利用できる。証券口座に事前入金しなくても投資信託を積み立てられ、カードの種類や年間カード利用額などに応じてVポイントが貯まる。
発表されている最大6.0%の内訳は、以下の2段階になっている。
| 内容 | 最大付与率 | 条件 |
| クレカ積立のポイント | 4% | 対象カードごとの年間カード利用金額に応じて付与 |
| Olive資産運用特典の上乗せ | 2% | Olive資産運用サービスに申し込み、三井住友銀行・Oliveコンサルティングの資産運用特典の条件を達成 |
つまり、最大6.0%はカードの利用実績に加えて、Olive資産運用サービスの申込と特典条件の達成までそろった場合の数字である。一般的なカードを使い、年間利用額の条件を満たさない場合は、付与率はこれより大幅に低くなる。自分のカードと利用額でどの水準になるかを先に把握しておくことが大切だ。
このほか、親権者の口座でも投資信託の保有残高に応じた最大0.25%(年率)のVポイントを受け取れる。
親権者のSBI証券口座の有無で申込手順が変わる
子ども名義の口座を開くには、親権者のSBI証券口座が必要になる。親権者の口座の状況によって、手続きは次のように分かれる。
親権者がすでにSBI証券の口座を持っている場合
三井住友カードの専用ページから、未成年口座とこどもNISA口座を同時に申し込める。子どもの未成年口座をすでに開設済みの場合は、SBI証券のサイトに「未成年口座のアカウント」でログインし、こどもNISA口座だけを申し込む流れになる。
親権者がSBI証券の口座を持っていない場合
まず三井住友カードの専用ページから親権者のSBI証券口座を開設し、その後に子どもの未成年口座開設とこどもNISA口座の申込を行う。2段階の手続きになるため、親権者の口座開設にかかる日数も見込んでおきたい。
親権者が他社でNISA口座を持っていて、SBI証券に移したい場合は、別途金融機関変更の手続きも用意されている。
こどもNISAは一度選ぶと金融機関を変えられない
制度面での注意点も多い。とくに金融機関選びに直結するのが、こどもNISA口座では金融機関の変更ができないという点だ。成人後のNISA口座とは異なり、口座は1人1口座・1金融機関に限られ、口座内の投資信託を他社へ移管することもできない。口座を廃止すれば別の金融機関で新たに開設できるが、その口座で取引があった場合は遡って課税される。
今回の事前受付は、どの証券会社でこどもNISAを始めるかを事実上決める手続きでもある。ポイントの付与条件や取扱商品、アプリの使い勝手などを比べたうえで申し込むのが望ましい。
投資枠と払出し制限
こどもNISAで使えるのはつみたて投資枠のみで、成長投資枠はない。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円で、SBI証券で取引できるのはつみたて投資枠の対象となる投資信託のうち同社が指定するものに限られる。
資金や投資信託は、原則として子どもが18歳になる年の前年末まで払い出せない。例外として、災害・疾病などやむを得ない事由による場合や、12歳以降に本人の教育費・生活費に充てることを届け出た場合などに限り、一定の要件の下で非課税での払出しが認められる。12歳以降の払出しには子ども本人の同意も必要になる。18歳を迎える年には成人のNISA口座に自動的に移行する。
また、子どもに帰属しない資金で投資した場合や、払い出した資金を本人以外が使った場合には、贈与税などの課税上の問題が生じることがある。こどもNISA口座で生じた損失は他の口座の利益と損益通算できない点も、通常の課税口座とは異なる。
記念キャンペーンは近日発表予定
三井住友カードは、こどもNISAのスタートを記念したキャンペーンを予定しており、Vポイントなどの特典を用意するとしている。現時点では内容・期間・条件は公表されておらず、近日中に案内される予定だ。
金融機関を後から変えられない制度である以上、キャンペーンの内容が判明してから申込先を比較しても遅くはないと考えられる。
三井住友カードやOliveを使っている家庭に向く選択肢
今回の仕組みは、すでに三井住友カードやOliveを使っていて、親権者自身もクレカ積立でVポイントを貯めている、あるいは貯めたいと考えている家庭にとって選択肢になる。Oliveでは銀行口座・カード決済に加え、SBI証券の資産残高や損益状況をVpassアプリや三井住友銀行アプリでまとめて確認できる(三井住友銀行アプリでの確認にはOlive資産運用サービスの申込が必要)。
一方で、子どもの口座そのものではクレカ積立ができない。子どもの口座で得られるメリットは保有残高に応じた最大0.25%(年率)のポイントが中心になるため、「家族の資産をまとめて管理できるか」「親権者のクレカ積立と組み合わせられるか」を判断の軸にするとよいだろう。
投資信託は元本が保証されず、相場によっては投資額を下回る可能性がある。長期で使う予定のない資金で、無理のない金額から始めるのが基本となる。















