2020年7月28日(火)、三井住友カードとSBI証券の業務提携が発表され、三井住友カードの利用に応じて貯まるVポイントがSBI証券の投資で利用できるようになるほか、投資信託の買付に三井住友カードが利用できるようになる。
サービスは2021年2月以降から開始の予定。
本記事では三井住友カードとSBI証券の新サービスの解説や、「楽天証券×楽天カード」との比較を行っているので参考にしてほしい。
新しいサービスの内容
主なサービスは以下の4つ。
- SBI証券の投信積立サービスにおける三井住友カードのクレジットカード決済(決済金額の0.5%分のVポイントを付与)
- 三井住友カードアプリ上でのSBI証券総合口座情報の表示
- Vポイント1ポイント=1円として、SBI証券の投資信託の買付ができる「Vポイント投資」
- 投資信託保有残高に応じてVポイントを付与
サービスの利用には、三井住友カード経由でSBI証券を開設することが条件となる。各サービスについて、詳細を見ていこう。
1.投信積立で三井住友カードの決済が可能に
SBI証券の投資信託では、毎月など一定間隔で自動的に積立購入することが可能だが、この買付に三井住友カードが利用可能になる。
決済金額の0.5%分のVポイントが貯まるため、従来の積立購入よりもお得に積立が可能になる。
2.三井住友カードアプリ上でのSBI証券総合口座情報の表示
三井住友カードではVpassというアプリから、利用照会などが可能だが、これにSBI証券の口座情報が確認出来る。具体的にどのような情報が確認できるかまでは、現時点では発表されていない。
3.Vポイントを使って投資信託の買付が可能
Vポイントだが、三井住友カードの利用金額に応じて貯まるポイントのことで、以前はワールドプレゼントという名称であったが、2020年6月に現在のVポイントにリニューアルした経緯がある。
貯まったVポイントは1ポイント1円相当で使えるようになる見込みだ。
三井住友カード経由でSBI証券口座を解説すると、Vポイントを利用したポイント投資が可能になる。
4.投資信託保有残高に応じてVポイントを付与
投資信託の残高に応じてVポイントが付与される。すでにTポイントでも投資信託保有残高に応じてTポイントが貯まる「投信マイレージサービス」というサービスがあるが、そちらとの重複はできない。
具体的な金額や貯まるポイント数は発表されていないが、Vポイントの活用の幅が広がる意味ではうれしいニュースである。
三井住友カードからの口座開設が必要
ここまで紹介したサービスのうち、1と2は三井住友カード経由でSBI証券口座を開設した方のみが対象となっており、3と4のサービスは、すでに口座開設している方でも利用できるサービスとなる。
楽天証券×楽天カードと比較
クレジットカードと投資サービスの組み合わせとして有名な「楽天証券×楽天カード」。
積立投信を楽天カードで購入することが可能で、上限5万円までは楽天カードの利用に応じた0.5%~1%の楽天ポイントが還元される。還元率は、ファンドの代行手数料および楽天カードの種類によって変動する。
新しく始まる三井住友カードでSBI証券の投資信託を買う場合の還元率は0.5%となっており、還元率だけを比較すれば、楽天証券の方がお得ということになる。
三井住友カードとSBI証券の場合、上限額が未発表なので、追加情報によっては楽天証券と楽天カードの組み合わせを上回るとSBI証券側にもメリットが出てくる。
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
クレジットカード※ | 三井住友カード | 楽天カード |
還元率 | 0.5% | 0.5%~1.0% |
上限 | 未発表 | 1.0% |
※投資信託の購入でポイントが貯まるクレジットカード。
楽天証券とSBI証券の比較
楽天証券とSBI証券は、ネット証券の中で最大手の2つの証券会社。
2020年7月時点ではSBI証券の口座数は570万を超え野村證券を抜いて業界1位に躍り出た。一方で楽天証券も順調に口座数を伸ばしており、SBI証券に迫る勢いだ。
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
口座開設数 | 542万※ | 410万 |
使えるポイント | Tポイント | 楽天ポイント |
メリット | 取扱銘柄数が多い IPO銘柄の取り扱いが多い | 楽天サービスを組み合わせて さらにお得に |
※20年6月末時点でSBI証券は570万口座
取扱銘柄数やIPOの扱い銘柄ではSBI証券が優れている。一方で楽天証券は楽天ポイントを中心とした楽天経済圏でよりお得になるサービスを提供している。
今回三井住友カードのVポイントがSBI証券で活用できるようになったことで、SBI証券の利便性はさらに高まることになりそうだ。
最終更新日:2023/06/16