楽天ペイメントは楽天ペイアプリ(iOS/Android)にパスワード不要のログイン認証「パスキー(FIDO2)」を導入した。指紋認証や顔認証、PINコードといった端末のロック解除方法をそのままログインに使える仕組みで、パスワードを覚える手間と漏洩リスクの両方を減らせる。
パスキーとは何か、従来のパスワードログインと何が変わるのか
パスキーは、端末そのものを鍵として使うログイン方式である。楽天ペイアプリでは、スマートフォンの指紋認証・顔認証・PINコード・パターン認証など、普段画面ロックを解除しているのと同じ操作でログインできるようになる。
従来のパスワードログインでは、文字列を記憶して入力する必要があり、その文字列が流出すれば第三者にログインされる恐れがあった。パスキーは認証情報が端末内にとどまり、パスワードのような「盗んで使い回せる文字列」が存在しない。そのため、パスワードの漏洩を起点としたなりすましを物理的に防ぎやすいのが特徴だ。
読者にとっての実利は主に二つある。ひとつは、複雑なパスワードを覚えたり管理したりする負担がなくなること。もうひとつは、フィッシングなどでパスワードを抜き取られても、それだけではログインを突破されにくくなることである。
楽天グループ共通の仕組みで、他の楽天サービスとも連動する
楽天ペイのパスキーは、楽天ペイ単独の機能ではなく、楽天グループ共通のパスキーを使う仕組みになっている。楽天グループは2026年1月から順次パスキーの導入を進めており、楽天モバイルなど複数のサービスへ広げてきた。楽天ペイもその流れに加わった形だ。
登録したパスキーは楽天アカウントの管理サイト(デバイス管理ページ)で一元管理される。一度パスキーを登録すれば、対応する他の楽天サービスでも同じ端末認証でログインできるため、サービスごとにパスワードを使い分ける煩わしさが減る。
対応するOSとブラウザのバージョン
パスキー認証を使うには、一定以上のOS・ブラウザ環境が必要になる。公式に案内されている対応環境は以下のとおりだ。
対応OS
| スマートフォン | iOS 16以上/Android 9以上 |
| パソコン | Windows 10/macOS Ventura/ChromeOS 109以上 |
対応ブラウザ
| Chrome | 109以上 |
| Safari | 16以上 |
| Edge | 109以上 |
| Firefox | 122以上 |
古い端末やブラウザを使っている場合は、パスキーを設定する前にアップデートできるか確認しておくとよい。
設定と利用の前に知っておきたい注意点
パスキーは便利な一方で、いくつか前提条件がある。あとで戸惑わないよう、設定前に押さえておきたい。
設定時に必要な準備
パスキーを登録する際は、事前に楽天IDでのログインと本人確認が必要になる。あわせて、端末側で画面ロックとBluetoothを有効にしておく必要がある。iPhoneやMacなどApple端末の場合は、iCloudキーチェーンの有効化が必須だ。iCloudキーチェーンをオフにしているとパスキーが正しく機能しないため、事前に設定を確認しておきたい。
削除すると全楽天サービスで無効になる
- パスキーを1度削除すると、楽天ペイだけでなくすべての楽天サービスで共通してパスキー認証が無効化される
- 楽天ペイだけパスキーをやめる、といった個別解除ではない点に注意が必要だ
パスキーは楽天グループ共通の仕組みであるため、削除の影響も楽天ペイ単体にとどまらない。機種変更やトラブルでパスキーを削除する場合は、他の楽天サービスへのログイン手段も含めて、事前に把握しておくと安心だ。
どんな人に向いているか
パスワードを何度もリセットしている人や、使い回しが不安な人にとって、パスキーは有力な選択肢になる。指紋や顔認証でそのままログインできるため、日常的に楽天ペイを開く頻度が高い人ほど、入力の手間が減る恩恵を受けやすい。
一方で、対応OS・ブラウザの条件を満たさない端末を使っている場合や、iCloudキーチェーンをあえてオフにしている場合は、すぐには使えない・使いにくいこともある。自分の端末環境と、パスキー削除時にグループ全体へ影響する点を確認したうえで、導入を検討するとよいだろう。















