クレジットカードの国内&海外の旅行保険の基礎知識。保険の種類、補償金額、適用の条件まとめ

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クレジットカードは、決済機能以外にもさまざまな付加価値がある。中でもカードに付帯する旅行傷害保険は便利で何かと重宝する。旅行時の安心を得るためにも、カードに旅行傷害保険が付帯していれば心強い。

知っているようで知らない人も多い、クレジットカードの旅行傷害保険を徹底解説する。

よく聞く「自動付帯」「利用付帯」ってなに?

クレジットカードの旅行傷害保険の基礎知識として、2つの付帯状況を正確に理解する必要がある。「自動付帯」と「利用付帯」だ。

なんとなく意味は分かるが、詳しい内容は自信がない、という人も多いだろう。カードの付帯保険を解説する前に、まずは「自動付帯」と「利用付帯」を見ていく。

自動付帯とは

  • クレジットカードを保有しているだけで保険が適用される
  • 旅行代金の支払いなどの条件がない
  • 旅行時にクレジットカードを保持していなくても適用される

利用付帯とは

  • クレジットカードでツアー料金を支払うことが条件
  • クレジットカードで公共交通機関の料金を支払うことが条件

海外旅行保険は自動付帯、国内旅行保険は利用付帯となっているカードが多く見受けられる。自動付帯のカードに大きなデメリットはないが、利用付帯では旅行時の支払いを、カードですることが前提条件となる。例えば利用時にマイカーを利用した場合、高速道路料金をカードで支払っても保険が適用されないので注意が必要だ。

利用付帯の適用条件例

楽天カードの場合は、日本を出国する以前に「公共交通乗用具」または「募集型企画旅行の料金」を楽天カードで支払った場合に限る。
引用元:楽天カード:海外旅行傷害保険のページ

「公共交通乗用具」とは、自宅から空港までの道中で利用する『電車』『バス』『タクシー』などのことで、運賃をクレジットカードで支払うことが条件となっている。ただし、電車の場合はJR以外カード利用ができないケースが多く、バスや地方のタクシーでもカードが使えないことが多い。ツアーなどの「募集型企画旅行」の料金をカードで支払うことが最も確実だ。

クレジットカードに付帯する保険の種類

クレジットカードに付帯する保険は多種多様だ。

①病気やけが関する保険
②補償に関する保険
③紛失・盗難に関する保険

大別すると上記の3種類に分類される。①と②はカードによって、付帯していないケースも多くある。③は現在のクレジットカードなら、ほぼ100%適用されるようになった。

病気やけがに関する保険

  • 海外旅行傷害保険
  • 国内旅行傷害保険

海外・国内旅行傷害保険は、旅行中の死亡や、けがや病気になった場合支払われる。

補償に関する保険

  • ショッピング保険

ショッピング保険はクレジットカードで購入した商品が破損したり、盗難に遭った場合に支払われる。ただし、ショッピング保険に対しては、各カード会社でかなり細かい適用条件をつけているケースが多い。一定の条件をつけないと、カード会社にとっては請求ばかりが増えてしまうからだ。それだけ、適用されるケースが多いという裏付けでもある。

各カード会社では、保険の適用に以下のような条件を付けているケースが多い。

1.補償額は一般カードで年間100万円が限度(ゴールドカードで300万円)
2.商品購入から90日以内(30~60日の場場合もある)
3.海外のショッピングは支払い方法を問わず対象になる
4.国内のショッピングは金利手数料のかからない1回払いなどは対象外

紛失や盗難に関する保険

  • 紛失保険
  • 盗難保険

紛失・盗難保険はカードを失くした場合や、盗まれて不正使用された場合に補償してくれる保険だ。

このように、カードにはさまざまな保険が付帯している。

海外旅行傷害保険の種類

外務省によると、日本人の年間出国者数は1,600万人超。
※出典:法務省入国管理局「日本人出国者数」

海外に出かけることが一般的になるにつれ、クレジットカードの海外旅行傷害保険にも注目されている。なんとなくクレジットカードを持っていれば海外旅行保険は万全というわけではない。どういう条件でどのような保険が適用されるのか、適用条件や金額は事前にしっかりと確認するようにしたい。

クレジットカードに付帯している保険は国内よりも海外旅行傷害保険の方が手厚くなっていることが一般的である。ここでは海外旅行保険が付帯しているクレジットカードであればカバーしていることが多い項目について紹介して行きたい。

海外旅行傷害保険の内容

傷害死亡・後遺傷害

海外旅行中の事故によって死亡、後遺傷害になった場合に支払われる。最高○○○○万円と表記されるケースのほとんどは、傷害死亡・後遺傷害のことをいう。

傷害治療費用

海外旅行中の事故による負傷に対して治療費が支払われる。例えば滞在先のホテルの階段を踏み外して転倒し、骨折して病院で治療を受けた場合など。

疾病治療費用

海外旅行中に病気にかかった場合、治療費が支払われる。例えば現地でインフルエンザにかかり、病院で投薬治療を受けた場合など。

損害賠償

海外旅行中に施設の備品などを破損させた場合や相手を怪我させた場合に支払われる。例えば滞在中のホテルで浴室の蛇口を閉め忘れ、部屋を水浸しにさせた場合など。

携行品損害

海外旅行中に所持品の破損に対して支払われる。例えばカメラやバッグが盗難に遭った場合など。免責(自己負担金)額が決まっているケースが多い。

救援者費用

海外旅行中に遭難したり入院した場合、現地に駆けつける親族の現地渡航費などが該当する。

多くのクレジットカードは傷害死亡・後遺傷害と損害賠償、傷害治療費用と疾病治療費用の最高額が同額になるケースが多い。海外旅行傷害保険は上記の6項目が付帯するケースが最も多い。しかし、一部カードの中には、傷害死亡・後遺障害のみ付帯、携行品損害が付帯していないケースもあるので注意が必要だ。

海外の医療費は日本と比べて1ケタ違う!

海外でのカード利用を想定した場合の保険の中でも、カード会社は海外旅行傷害保険を主力サービスとして提供している。なぜそこまで海外旅行傷害保険に力を入れるのか?理由は海外の医療費の高さが挙げられる。

国によってまちまちではあるが、仮に各国での虫垂炎(盲腸)治療費を比較してみよう。

各国の虫垂炎(盲腸)の手術費用の例:AIU保険調べ

  • スイス・ジュネーブ   297万円(入院3 泊4日)
  • 米国・サンフランシスコ 250万円(入院2泊3日)
  • 米国・ハワイ(ホノルル) 191万円(入院2泊3日)
  • 英国・ロンドン     151万円(入院2泊3日)
  • フランス・パリ     113万円(入院2泊3日)
  • 豪州・シドニー      86万円(入院2泊3日)
  • 中国・上海        68万円(入院2泊3日)
  • 韓国・ソウル       63万円(入院2泊3日)
  • 日本           10万円(入院2泊3日)

日本で虫垂炎の手術をした場合、健康保険が適用され、自己負担で約10万円。韓国・ソウルでその6倍以上、ハワイで20倍近くの費用がかかる。

この他、海外では救急車を呼ぶと、距離に応じて日本円にして数万円単位でかかるケースもある。海外旅行傷害保険の中にふくまれる「治療費用」では、このような高額な治療費などを補償してくれる。

「救援者費用」は海外旅行中のトラブルにより、本人が遭難もしくは入院した場合、家族や救援者が現地に駆け付ける必要がある場合に、救援車の交通費や宿泊費などを補償してくれる。

国内旅行傷害保険の種類

国内旅行傷害保険は通常海外旅行傷害保険とセットになっていることが多く、補償している内容も海外旅行傷害保険と大きく異なっている。

旅行中の負傷や病気も、国内であれば容易に対処は可能であり、治療費も想定の範囲内だ。保険証1枚あれば最悪、手持ちの現金が足りなくても、取りあえず受診することができる。このような理由から、カード会社では国内旅行傷害保険に、海外旅行傷害保険のような手厚い補償はしていない。

国内旅行傷害保険 補償範囲の一例

1.公共交通乗用具に搭乗中の傷害事故
2.宿泊施設に宿泊中の火災・破裂・爆発による傷害事故
3.宿泊をともなう募集型企画旅行(パックツアーなど)参加中の傷害事故

国内旅行傷害保険の内容

▽傷害死亡・後遺傷害

国内旅行中の事故によって死亡、後遺傷害になった場合に支払われる

▽入院保険

国内旅行中の事故によって入院が必要な場合に支払われる。通常日額で設定される。

▽通院保険

国内旅行中の事故によって通院が必要な場合に支払われる。通常日額で設定される。

▽手術保険

国内旅行中の事故によって手術が必要な場合に支払われる。

入院・通院の場合は日額で計算され、最高で180日を限度にしているケースが多い。一般カードでは傷害死亡・後遺傷害のみで、ゴールドカード以上で入院・通院保険、手術保険がプラスされるパターンが多い。入院・通院保険の適用は、事故発生から1週間などの一定期間を経過してから保険が適用されることが多い。

旅行傷害保険では複数カードで合算して適用可能?

複数枚クレジットカードを持っている方は旅行傷害保険を合算して適用出来ることがあるのをご存知だろうか。

以下に実際の実例を紹介しながら合算を紹介したいと思う。

ハワイで虫垂炎にかかって手術したPさんのケース

・手術と入院費などで200万円が請求
・Pさんは「Aカード」(疾病治療費用100万円)と「Bカード」(疾病治療費用100万円)の2枚、クレジットカードを所有している

この場合、合わせて200万円の保険金が支払われ、治療費の最終的な自己負担はなかった。

このようにクレジットカードを複数枚保有していると保険金額が合算されるのだ。

ただし、注意点があり、「合算」は傷害死亡・後遺傷害には使えない。違う会社の複数枚のクレジットカードを保有しても、この場合は最高額のカードの保険金に設定される。

つまり、カード会社が複数の場合は保険金が最高額内で按分される形になる。さらに、同じカード会社では、合わせ技を使えない。

一般カードではどうしても補償が低額になるため、合わせ技を使うのもアリだ。

ゴールドカード以上になると、傷害・疾病治療費用が300万円以上に設定されることが多い。ハイブランドのクレジットカードを所有していない人、社会人経験が少ない若年層は、海外旅行時にクレジットカードの「合算」で乗り切るのが得策ともいえる。

最適な1枚に出合う、たった2つの着目点

旅行傷害保険が付帯するクレジットカードは、どこのカードがいいのか。非常に悩んでしまいそうだが、ポイントを絞っていけば、最適な1枚が見つかるはず。実はチェックポイントは、たったの2つしかない。この2点を見るだけで、旅行傷害保険で「使える」カードに巡り合える。2点のうち、1点でも満たしていれば検討する価値がある。

クレジットカードの旅行傷害保険 2つの着目点

  • 保険適用の条件が「自動付帯」のカードを選ぶ
  • 傷害治療費用」と「疾病治療費用」が100万円以上ある

「自動付帯」は、カードを保有するだけで保険が適用になるので、非常に便利なシステムである。最も多く想定されるのは「傷害治療費用」と「疾病治療費用」だ。日本と違い、道路事情の悪い海外では、ホテル周辺をジョギング中に捻挫するケースがとても多い。さらに、エアコンの効きすぎた南国のホテルでは体調を崩す人も多い。

国内にいても、現実的に想定されるような「傷害治療費用」と「疾病治療費用」が手厚い付帯保険がベストだ。カード会社が競うように、傷害死亡・後遺障害が5,000万円や1億円などというPRをするが、これはあまり関係ない。そもそも、このような重大な事故は、かなりのレアケースだからだ。

もちろん、2つの条件が満たされる旅行傷害保険つきのクレジットカードが最良ではある。だが、この条件を満たすカードは年会費が10,000円~50,000円(税別)のステータスカードがほとんど。メインカードならいざ知らず、サブカードだと維持費から見て、年会費に10,000円以上かけるのは効率的とはいえない。

おすすめのクレジットカードはコレ!

「自動付帯」「傷害治療費用」「疾病治療費用」のキーワードで探すと、おすすめのカードがある。

三井住友VISAクラシックカードA

三井住友VISAカードクラシック

・年会費は初年度無料で、次年度から1,500円(税別)
・国内ブランドはVISA、 MasterCard
・海外旅行傷害保険の傷害治療費用と疾病治療費用は各100万円
・国内旅行傷害は最高で2,000万円(自動付帯300万円+利用付帯1,700万円)

公式サイトを見る

楽天カード(利用付帯)

楽天カード

・年会費は無料
・国内ブランドはVISA、 MasterCard、JCB
・海外旅行傷害保険の傷害治療費用と疾病治療費用は各200万円
・国内旅行傷害保険は設定なし

公式サイトを見る

エポスカード

エポスカード

・年会費は無料
・国内ブランドはVISA
・海外旅行傷害保険の傷害治療費用200万円、疾病治療費用270万円
・国内旅行傷害は設定なし

公式サイトを見る

これらのクレジットカードは、コスパも高く、おすすめできるカードだ。

年会費が有料の三井住友VISAクラシックAは、国内旅行傷害保険も付帯する。エポスカードは傷害死亡・後遺傷害が500万円と抑えられているが、傷害治療費用と疾病治療費用がアメックス・ゴールドの自動付帯分より高額になっている。

まとめ

クレジットカードは単なる決済手段ではなく、生活を便利にしてくれる一方で、サービスも重要な位置づけだ。旅行傷害保険の内容を見ると、カード会社の充実度合も分かる。万が一に備えて、各自のライフスタイルに合ったカードの選択は、とても重要になる。海外では1枚のクレジットカードに救われた例が数多く実在する。

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