法人カードを活用することで、ビジネスにかかる支払いが通常よりお得になったり、業務が効率化したりすることも多い。
建設業界においては、ガソリンスタンドやホームセンターで割引になるカードや、ETCカードを無料で発行できるカードがおすすめ。
ガソリンスタンドと提携している法人カードや、ホームセンターなどと提携する法人カードなどが該当する。
そういったカードを利用することで、現場への移動に必要なガソリンや資材などを通常よりもお得に購入でき、有料道路の利用もスムーズになる。
本記事では、建設業界で法人カードを利用する場合の、おすすめの使い方とカードについて解説する。
現場への車移動がお得に
建設業界において、作業現場への移動は社用車やトラックを利用することが多い。
そこで、ガソリンスタンドの特典がある法人カードや、ETCカードをお得に発行できる法人カードがおすすめだ。
ガソリン代がお得なカード
石油元売り系が提携・発行してクレジットカードは、対象のガソリンスタンドにおいて割引が適用されるなど、通常のカード払いよりお得になる。
ENEOS BUSINESS/ENEOS BUSINESS II
入会金・年会費無料のENEOSのサービスステーションでのみ利用できるハウスカード。
法人・個人事業主が利用でき、ENEOSサービスステーションで販売する商品・サービスを購入できる。
ガソリン・軽油に関して、ENEOS BUSINESSはカード発券店と取り決めた契約価格、ENEOS BUSINESS IIは店頭価格で購入できる。
締め日・支払日を選択できるのも法人カードとして便利な点だ。
ENEOS BUSINESS
ENEOS専用の法人カード
年会費 | 無料 |
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申込条件 | 入会時に入会申込書の提出および必要書類による確認ができる法人様・個人事業主 |
利用可能店舗 | 全国のENEOSのサービスステーション |
購入可能商品 | ENEOSサービスステーションで販売している商品・サービス |
支払方法 | 「毎月末日締め、翌々月2日口座引き落とし」「毎月20日締め、翌月17日口座引き落とし」のいずれかから選択可能 |
有効期限 | 入会月より7年 |
ETCカード | 年会費550円(税込) |
支払回数 | 1回払いのみ |
シェルビジネスカード
昭和シェル石油提携のクレジットカード。JCB加盟店で利用できる。
カード利用金額に応じて下表のようにキャッシュバックがある。また、昭和シェル石油SS利用分については、キャッシュバック対象金額が2倍で計算される。
月間利用合計金額 | キャッシュバック率 |
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100万円以上 | 3.0% |
80万円~100万円未満 | 2.5% |
60万円~80万円未満 | 2.0% |
40万円~60万円未満 | 1.5% |
20万円~40万円未満 | 1.0% |
5万円~20万円未満 | 0.5% |
5万円未満 | 0% |
なお、キャッシュバックの対象となるのは、翌々月のカード利用分のうち、以下のように交通費・出張旅費利用分。
- 昭和シェル石油「シェルビジネスカード」加盟SS利用分
- レンタカー料金
- 高速料金(ETC利用を含む)
- 宿泊料金
- JR券
- 航空券
- タクシー料金
- 旅費
また、キャッシュバックの対象金額の上限は月間50万円で、年間最大18万円までキャッシュバックが可能。
クレジットカード機能が付いたカードの他に、以下2種類のカードを同時発行可能。これら2種類のカードの利用金額も、前述のキャッシュバック対象金額に合算される。
- SS専用カード:シェルのSS内のすべての商品に利用可能
- FUELカード:シェルのSS内のガソリン、軽油、灯油のみ利用可能
これらのカードを発行することで、利用者に応じたカードの使い分けができる。
なお、「SS専用カード」「FUELカード」のみの発行もできるが、その場合キャッシュバックは対象外となる。
シェルビジネスカード
昭和シェル石油でお得な法人カード
年会費 | 初年度無料 次年度以降1,375円(税込) |
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申込条件 | 法人または個人事業主 |
限度額 | 40~100万円 |
ETCカード | 年会費無料 |
キャッシュバック | あり |
支払日 | 毎月15日締め翌月10日払い |
支払回数 | 1回払い、2回払い |
仕入れ業務をお得かつ効率化
建設業界では、必要な資材などをいったん自分たちで購入して仕入れ、後から取引業者に請求するのが一般的だ。
このとき、クレジットカード払いではポイントが付くので、現金よりもお得だ。さらに、仕入先の提携・発行クレジットカードでは優待や特典が付くこともある。
さらにカード払いでは、代金の支払いを先延ばしにできるのもメリットとして大きい。
建設業界では、取引先からの支払いがあるまで材料費などが一時的な持ち出しとなるため、キャッシュフローが苦しくなることがある。しかしカード払いにすれば、支払いの猶予を作ることができる。
また、カード払いでは自動的に銀行口座から引き落としがされ、仕入れ日時や金額、仕入先などはすべて明細に記録されるので、お金の流れを管理しやすいというのもメリットだ。
ホームセンターでお得な法人カード
コーナンPRO BusinessCard
ポケットカードとホームセンター「コーナン」の提携カード。年会費無料、従業員カードは5枚まで発行可能でこちらも年会費無料。
カード利用1,000円(税込)ごとにポケット・ポイントが1ポイント貯まる。ポケット・ポイントは200ポイントでコーナン商品券1,000円分と交換できる。
ショッピング1回払い利用分は、支払いが最長3ヶ月後となるのが特徴のひとつ。キャッシュフローに余裕が持てるカードだ。
さらに、伊藤忠エネクス系列の提携SSで割引あり。ハイオク・レギュラー・軽油がカード利用で1リッターごとに2円引きとなる(月間500リッターまで)。直営店なら店頭でさらに1円引きとなり、合計3円引き。
コーナンPRO BusinessCard
現場での細かい仕入れに強い味方
年会費 | 無料 |
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利用~支払いまでの日数 | 最長3カ月 |
利用可能枠 | ショッピング:上限300万円 キャッシング:上限300万円 ※審査あり |
カード発行可能枚数 | 5枚 |
ポイント | ポケット・ポイント(1,000円=1ポイント) |
支払回数 | 1回払い/リボ払い |
Web経由の仕入れもお得に
定期的な仕入れについては、法人であってもWebショッピングがお得になることがある。
実際に、ビジネス用品専門のサイト「大塚商会」や、「Yahoo!ショッピング」「楽天市場」などの総合通販サイト、「ヨドバシカメラ」などの家電量販店サイトなどで、建設業界の仕入れが増えているようだ。
大量注文をすれば送料も無料もしくは格安になることが多いので、場所をとらない小物建材ならばWebサイトで購入するのも良いだろう。
ただし、個人用クレカで法人の仕入れを行なうことは利用規約違反の可能性がある。
Webショップの提携で発行されている法人カードはほとんどないが、「楽天プレミアムカード」とセットで「楽天ビジネスカード」を発行することができる。
楽天ビジネスカード
支払い口座が法人名義の場合、商業登記簿謄本または法人登記印の印鑑証明書を提出する必要がある。
楽天プレミアムカードの支払い口座は個人口座を指定するので、支払いを分けられて経費処理も簡略化できる。
楽天ビジネスカード
年会費 | 2,200円(税込) ※楽天プレミアムカードは年会費1万円(税込) |
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ETCカード | 年会費550円(税込) ※1枚目のみ無料 |
限度額 | 最高300万円 ※2枚のカードと合算 |
申込条件 | 20歳以上で安定した収入のある法人代表者様(会社登記上、代表権を有する方)、及び個人事業主 |
支払回数 | 1回払いのみ |
ポイント | 楽天ポイント(100円=1ポイント) |
自社に合う法人カードを選ぼう
法人カード選びのポイントは、会社として求めるポイントを明確にすることである。
たとえば、ガソリン代をお得にしたいなら石油元売り系カード、ネットショッピングがメインなら、ネット系カードがおすすめだ。
個人向けクレジットカードと比較して、法人向けカードは限度額が多いが、キャッシング枠が付いていないカードも多い。
また、法人向けカードを個人利用すると、利用規約違反になる恐れがあるため、個人向けカードとの棲み分けはしっかりとしておこう。