2020年6月より三井住友カードがポイントシステムを従来の「ワールドプレゼント」から「Vポイント」に変更した。この記事では、変更点やどのような交換がお得かを詳しく解説する。
目次
Vポイントは何が変わった?
ワールドプレゼントから名称が変更されているが、これは非常に良かったと感じている。従来のワールドプレゼントはそもそもポイントシステムの呼称かどうかすら分かりづらかったため、ポイントは「英語一文字」+「ポイント」と分かりやすいポイント名称になった。
Vポイントの「V」は、もともとも三井住友カードをはじめとしたVJAグループで利用できるVpassと関係していることを考えればVisaのVに由来があると推測される。
ポイント付与条件が変更
一番大きな変更点はポイント付与条件の変更である。
毎月の利用金額合計ごとに付与されるポイントの条件が以下のように変わる。
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
付与条件 | 1000円(税込)ごとに1ポイント付与 | 200円(税込)ごとに1ポイント付与 |
1ポイントの価値 | 1ポイント=約5円 | 1ポイント=1円 |
従来まで1000円未満が切り捨てられていたのに対して、200円単位となったことで、従来よりもポイントがより貯まりやすくなっている。
また、1ポイントの価値も1ポイント=1円相当とわかりやすくなった点も評価できる。
対象カードは?
【従来】
個人カード(一部の提携カードは除きます。)
一部のビジネスカード、コーポレートカード
【変更後】
個人カード(一部の提携カードは除きます。)
三井住友ビジネスカードfor Owners
三井住友コーポレートカード(個人システム型)
こちらの内容をみると、(for Ownersがつかない)三井住友ビジネスカードなどは、従来どおりのワールドプレゼントが適用されているようである。ビジネスカードや提携カードをお持ちの方は、それぞれのカードでポイントシステムを混同しないように確認した方がよいだろう。
三井住友銀行と共通ポイントに
三井住友銀行の利用に応じて貯まるポイントもVポイントに共通化され、どちらでも貯めて、使えるように利便性がアップした。
従来はそれぞれ別々で貯めることしか出来なかったため、グループ間でより融通がきくようになった形だ。
【従来】
三井住友カード:ワールドポイント
三井住友銀行:SMBCポイント
【変更後】
三井住友カード:Vポイント
三井住友銀行:Vポイント
近年楽天銀行の楽天ポイント、イオン銀行のWAON、セブン銀行のnanacoなど、銀行のポイントが共通ポイントで利用される流れが続いており、三井住友カードもその流れにのった形だ。
三井住友カード、三井住友銀行で貯まったポイントを合算する場合、「ポイントおまとめ手続き」が必要となる。
Vポイントの交換先・使い道
Vポイントは1ポイント=約1円とわかりやすくなったため、ポイント交換もわかりやすくなった。
Vポイントアプリでショッピング利用
2021年2月1日、Vポイントを有効活用できるVポイントアプリがリリースされた。
アプリ内でVisaのバーチャルプリペイドカードを発行でき、Vポイントをアプリ残高にチャージすることで、以下の支払いに利用できる。
- Apple Pay:iD加盟店
- Google Pay:Visaのタッチ決済加盟店
- オンラインVisa加盟店
また、次のような機能も備えている。
- プリペイド機能「Vポイント残高」表示
- 保有するVポイントの表示
- Apple Pay(iD)、Google Pay(Visaのタッチ決済)設定・支払い
- 買い物やチャージ明細の履歴を表示
- Visaプリペイドカードの番号表示
Vポイントを有効活用でき、管理も楽になるのでぜひアプリを役立ててほしい。
主要ポイントの交換
主要な共通ポイントの交換にも対応している。
ポイントシステム | Vポイント | 交換先価値 | 交換単位 |
---|---|---|---|
楽天ポイント | 1P | 1P | 500ポイント以上500ポイント単位 |
楽天Edy | 1P | 0.8円 | 500ポイント以上500ポイント単位 |
dポイント | 1P | 1P | 500ポイント以上500ポイント単位 |
nanacoポイント | 1P | 0.8P | 500ポイント以上500ポイント単位 |
Tポイント | 1P | 0.8P | 500ポイント以上500ポイント単位 |
Pontaポイント | 1P | 0.8P | 500ポイント以上500ポイント単位 |
WAONポイント | 1P | 0.8P | 500ポイント以上500ポイント単位 |
WAONポイント(三井住友カードWAON) | 1P | 1P | 休止中 |
auWALLETポイント | 1P | 1P | 500ポイント以上500ポイント単位 |
特に交換レートのよいおすすめの交換先は楽天ポイント、dポイント、auWALLETポイントの3つのポイントシステムの移行レートが高くおすすめとなっている。auWALLETポイントはpontaポイントに統合されたため、今後は楽天ポイントかdポイントに移行することになりそうだ。
その他のポイントシステムへの移行
様々なポイントシステムに移行できるが、ポイントの種類によってはカードの種類が限定されているため、全てのポイントシステムで移行できるわけではない。例えば、夢なびポイントへの移行は夢なびVISAカードを持っている方のみが移行できる。
ポイントシステム | Vポイント | 交換先価値 |
---|---|---|
Gポイント | 1P | 1P |
PeXポイント | 1P | 10P |
OZポイント | 1P | 1P |
Suica移行(SMBC CARD Suica専用) | 1P | 1円 |
Suica移行(ANA VISA Suicaカード専用) | 1P | 1円 |
ソニーポイント | 1P | 1P |
ヨドバシゴールドポイント | 1P | 1P |
ベルメゾン・ポイント | 1P | 1P |
ジョーシンポイント | 1P | 1P |
ビックポイント | 1P | 1P |
カテエネポイント | 1P | 1P |
Trip.com割引コード(ホテル) | 1P | 1P |
Trip.com割引コード(航空券) | 1P | 1P |
JAF継続年会費 | 1P | 1P |
JAF継続年会費交換(JAFカード専用) | 1P | 1P |
RealPay | 1P | 10リアル |
PiTaPaショップdeポイント | 1P | 10P |
夢なびポイント | 1P | 1.2P |
スターバックス カード | 1P | 0.8円 |
タリーズカード | 1P | 0.8円 |
カエトクカード | 1P | 0.8円 |
プレミアムバンダイ プレミアムポイント | 1P | 0.8P |
ポイント移行のレートは1円相当のものと0.8円相当のものがあるため、できるだけ1円に等価で交換できるポイントシステムを選ぶようにしたい。PeXのように10Pに移行できるものもあるが、それらは1ポイントの価値が0.1円相当となっているため、誤解しないように注意したい。
マイルへの移行
ANAマイルを中心として、複数のマイルへ移行できる。
マイレージ種類とコース | Vポイント | 移行先 |
---|---|---|
ANAマイレージ 3倍コース(プラチナカード会員の方) | 1P | 3マイル |
ANAマイレージ 2倍コース(ゴールドカード会員の方) | 1P | 2マイル |
ANAマイレージ 通常コース(一般カード会員の方) | 1P | 1マイル |
ANAマイレージ 2倍コース(一般カード会員の方) | 1P | 2マイル |
ANAマイレージ 通常ポイントの交換 (ANAカード会員の方) | 1P | 0.6マイル |
ANAマイレージ (ANA銀聯カード会員の方) | 1P | 1マイル |
ANAマイレージ (ANAカード会員以外の方) | 1P | 0.6マイル |
フライングブルーマイレージ | 1P | 0.6マイル |
ブリティッシュ・エアウェイズエグゼクティブクラブAvios | 1P | 0.6Avios |
AIRDOポイント | 1P | 0.05P |
ソラシド スマイルクラブ | 1P | 2マイル |
ANAとの提携カードがマイル移行レートがよく、ANA提携カードではない、一般のカードの場合の移行レートは1ポイント=0.6マイルとなっている。0.6マイルとかなりレートが悪く見えるが、1マイルの価値は2円相当と考えられるため、ギリギリ合格ラインのようにも思える。とはいえ、そこまでしてマイルへ移行する位なら最初からANAとの提携カードを申し込んだ方がよいだろう。
ポイント以外の使い方
ポイント移行以外にも、支払いの充当に充てることもできる。
三井住友銀行の手数料に利用する
銀行の振込手数料の割引に利用できる。従来のSMBCポイントとしての役割がVポイントに引き継がれた形だ。
キャッシュバック
1ポイント=1円として、クレジットカードの支払い金額にキャッシュバック(充当)できるサービス。1ポイント以上1ポイント単位で使える。
対象月の支払いがない場合は、キャッシュバック繰越残高として翌月に繰り越される。有効期限は3ヵ月間。
2021年3月1日より、従来のキャッシュバックサービスの交換レートや移行単位が変更となり、より使いやすくなった。
また、以前はiDの利用金額にキャッシュバックができるiDバリューというポイントの使い方もあったが、2021年2月28日で終了した。
Vポイントモールで使う
Vポイントモールとは、ポイントで好きな商品と交換できるインターネット上のカタログサイトである。WORLD PRESENT MALLという名前だったが2020年6月より現在のVポイントモールに変わっている。
Vポイントをお金やポイントに交換するの面倒、、、という方はありかもしれないが、家電量販店で購入できる金額を考えると少し割高だったりする。このあたりは個人の価値感にもよるだろう。
Vポイントの付与対象の支払い
Vポイントの付与は以下の対象外の支払い以外でポイントが付与される。
付与対象外の支払いに注意
ポイント付与の対象外 | 具体例 |
---|---|
年会費のお支払い | クレジットカード年会費、ETCカード年会費、PiTaPaカード年会費など |
キャッシングご利用分 | キャッシングリボおよび海外キャッシュサービスのご利用分 |
手数料のお支払い | リボ払い手数料、分割払い手数料、マイレージ移行手数料など |
保険料のお支払い | 国民年金保険料および株)エスシー・カードビジネスを保険代理店とした一部の保険料のお支払い |
交通系電子マネー | モバイルSuica(※)、SMART ICOCA、モバイルPASMO |
その他電子マネー | Edy、WAON、nanaco、三井住友カードが発行するプリペイド |
※Apple Payの利用も含む