キャッシュレス化が推進されるなかで、全国のコンビニエンスストアにもキャッシュレス化の波が押し寄せている。そのなかで、クレジットカード対応だけでなく「スマホ決済」も積極的に導入されている。
スマホ決済は、アプリを使ってQRコードを読み込むタイプと、専用端末にかざす非接触のタイプとがある。少額決済が多いコンビニで、スマホ一台で簡単に決済ができるのは非常に便利だ。
本サービスでは、スマホ決済サービスについて、ファミリーマート/セブン-イレブン/ローソン/ミニストップのそれぞれの対応状況をまとめた(2019年4月時点)。
現時点ではセブン-イレブンのQRコード決済型のスマホ決済への対応が遅れているが、今後、強化していくことが発表されている。
また、2019年7月には、ファミリーマートから「ファミマペイ」、セブン-イレブンから「7pay」というQRコード決済サービスを含むスマホアプリがリリースされる予定だ。
これにより、コンビニ各社のスマホ決済状況はまた変わっていくのではないだろうか。
お得なスマホ決済を選ぶためのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。
QRコード型と非接触型
スマホ決済とは、クレジットカードや現金を使わず、スマートフォンを利用して行う決済方法で、大きく以下の2種類がある。
QRコード決済:スマートフォンに専用のアプリをダウンロードして、アプ
リ経由でQRコードを読み取って決済を行う。例)PayPay/LINE Pay/Origami Payなど
非接触決済:スマートフォンを専用の端末にかざして決済を行う。例)QUICPay/iD/モバイルSuicaなど
前払い/即時払い/後払い
スマホ決済で利用した金額の支払い方法は、以下3種類のいずれかだ。クレジットカードを利用することでポイントを貯められるが、クレジットカードを利用せずとも支払いができる方法もある。
前払い方式(プリペイド・チャージ):決済のためには残高へ事前チャージが必要。クレジットカードによるオートチャージが可能なサービスもある。
後払い方式(ポストペイ):一カ月分の利用代金を毎月所定の日にまとめて支払う。クレジットカード利用が多いが、口座振替や銀行・コンビニ振込が可能なサービスもある。
即時支払い方式(リアルタイムペイメント):金融機関の口座と連携させ、利用と同時に口座から引き落としがされる。
主要コンビニのスマホ決済対応早見表
ファミリーマート、セブンイレブン、ローソン、ミニストップで利用できるスマホ決済を早見表にまとめた(2019年4月時点)。
スマホ決済(QRコード型)の早見表
ファミリーマート | セブン-イレブン | ローソン | ミニストップ | |
---|---|---|---|---|
楽天ペイ | ○ | – | ○ | ○ |
LINE Pay | ○ | – | ○ | ○ |
d払い | ○ | – | ○ | ○ |
au Pay | – | – | ○ | ○ |
PayPay | ○ | – | ○ | ○ |
Origami Pay | – | – | ○ | ○ ※2019年5月~ |
メルペイQR | – | – | ○ | – |
Alipay | ○ | – | ○ | ○ |
WeChat Pay | ○ | – | ○ | ○ |
スマホ決済(非接触型)の早見表
ファミリーマート | セブン-イレブン | ローソン | ミニストップ | |
---|---|---|---|---|
Suica | ○ | ○ | ○ | ○ |
楽天Edy | ○ | ○ | ○ | ○ |
iD | ○ | ○ | ○ | ○ |
QUICPay | ○ | ○ | ○ | ○ |
nanaco | – | ○ | – | – |
WAON | ○ | – | ○ | ○ |
NFC Pay | – | – | ○ | – |
Apple Pay | ○ | ○ | ○ | ○ |
Google Pay | ○ | ○ | ○ | ○ |
コンビニごとのスマホ決済事情
「ファミペイ」リリース!ファミリーマートは導入が進む
ファミリーマートは、QRコード型、非接触型ともにスマホ決済の導入が進みつつある。
2019年7月からは現在のスマホアプリをリニューアルし、スマホ決済機能を搭載した「ファミペイ」をリリース予定だ。
ファミペイでは買い物金額に応じがキャッシュバックの他、Tポイントをはじめとする他社ポイントとも提携予定。2019年には、dポイントおよび楽天ポイントカードの導入が予定されている。
「セブンペイ」リリース!セブンイレブンはQRコード型対応が課題
セブン-イレブンは、非接触型のスマホ決済の対応は進んでいるものの、QRコード型のスマホ決済には対応できていない。
しかし、2019年4月に開催されたセブンイレブンの商品政策説明会にて、国内外のスマホ決済サービスを導入することが発表された。
これに伴い、中国のAlipayやWeChat Payをはじめ、国内のスマホ決済サービスも2019年上半期には導入予定だ。
また、セブンイレブン独自のスマホ決済サービス「セブンペイ」が2019年7月にリリース予定だ。
もっともスマホ決済に対応!ローソンではスマホレジも開始
ローソンは主要コンビニの中でもっともスマホ決済の導入が進んでおり、現状唯一Origami Payにも対応している。
一部店舗においては、ユーザーがローソンアプリで商品バーコードを読み取り決済できる「ローソンスマホレジ」も導入されている。
ローソンスマホレジでは、クレジットカードの他にApple PayやLINE Pay、楽天ペイを利用できる。
WAWON推し!ミニストップでも導入が進んでいる
ミニストップも、QRコード型、非接触型ともにスマホ決済の導入が進んでいる。
特にイオングループのミニストップは、スマホ決済の中でもWAONの利用促進に力を入れている。
また、2019年5月からはローソンに次いでOrigami Payを導入予定だ。
スマホ決済のメリット
スマホ決済の利用が進んでいる要因として、次のようなスマホ決済ならではのメリットが考えられる。
現金も財布も必要ない
スマホ決済は、QRコード型にしろ非接触型にしろ、スマホひとつで決済が完了する。現金はもちろんのこと、財布すら出す必要がない。
特に少額決済の場合、大きなメリットとなっている。
手数料がかからない
スマホ決済は、利用者側に手数料や年会費の負担がないものがほとんどだ。無料なら使ってみようかと、利用のハードルを大きく下げている。
また、スマホ決済は加盟店側の手数料が安めに設定されていることが多い。このため、加盟店も順調に増えている。
お得な特典やキャンペーン
大きな話題になったPayPayの「100億円キャンペーン」のように、最近のスマホ決済サービスは、利用者を増やすために期間限定でかなりお得なキャンペーンを実施している。
たとえば、LINE Payが実施したビックカメラなどでの最大20%還元キャンペーン、楽天ペイが実施したポイント40倍キャンペーンなどもそうだ。こういったキャンペーンを入口にして、スマホ決済を利用し始める人が多い。
また、期間限定のキャンペーンよりは還元率が下がるが、通常時でもポイント還元をおこなっていたり、クーポン配布などを行っているサービスもある。
クレジットカードがなくても使える
スマホ決済の利用金額の支払い方法はサービスによってさまざまだが、通常、クレジットカードの他に、現金や銀行振込などによる事前チャージ、口座振替など、いくつかの選択肢がある。
クレジットカードを持っていない人や、クレジットカードを使いたくない人であっても、簡単にスマホ決済ができるのだ。
セキュリティ面の安心
スマホ決済では、スキミングの被害を防ぐために端末で送受信される情報が全て暗号化される。
また、QRコードを用いたスマホ決済の場合は、支払いの際に表示するQRコードが一定の時間経過すると使用できなくなる。
そのため、再利用や悪用といったリスクがかなり小さくなっている。
また、スマホ決済アプリの起動時には暗証番号や指紋認証システムを行うサービスがほとんどであるため、万が一スマホを紛失してしまった場合でも悪用される可能性は小さい。
スマホ決済で一番お得な方法
数あるスマホ決済のなかで、どの決済方法が一番お得なのだろうか。
それは利用するタイミングや利用者の状況によって異なるが、以下のポイントを押さえておくと、もっともお得な方法を選びやすくなる。
期間限定のキャンペーンをチェック
スマホ決済サービス各社では期間限定のキャンペーンを頻繁に開催している。PayPayの100億円キャンペーンもそういったキャンペーンのひとつだった。
キャンペーン期間中は還元率が大幅にアップしたり、キャッシュバックを受けることができたり、対象店舗で利用できるクーポンが配布されたりする。
スマホ決済には、基本的に手数料や年会費がかからないので、キャンペーンのときだけ損をすることはないだろう。
期間限定キャンペーンに比べると地味になるが、常時ポイント還元やキャッシュバック、クーポン配布を行っているサービスもあるので、その点もあわせてチェックしておこう。
コンビニごとの推奨サービスを利用する
コンビニでスマホ決済を利用する場合、そのコンビニブランドが積極的に打ちだしている決済方法やそれに伴うポイントがある。
たとえば、セブンイレブンではnanacoをもっとも推している。
nanacoにQUICPay機能をつけた「クイックペイnanaco」を利用すれば、200円(税抜)につき1ポイントが貯まり、ひもづけたクレジットカードにも利用金額に応じたポイントが付与されるので、ポイントの二重取りが可能だ。
対象商品を購入すれば、ボーナスポイントも獲得できる。
また、リクルートカードやYahoo! JAPANカード、セブンカード・プラスなどの一部カードでチャージすると、チャージ金額に応じたポイントを貯めることができる。
ファミリーマートはTポイントを推しており、スマホ決済と同時にTポイントカードを提示するとポイントを貯めやすい。
2019年7月にリリース予定の独自のスマホ決済機能付きアプリ「ファミペイ」では、Tポイントを始めとした他社ポイントとの提携が予定されている。
ローソンでは、Pontaカードもしくはdポイントカードをスマホ決済時に提示するとよい。
クレジットカード払いでポイント二重取り
スマホ決済の支払いをクレジットカードで行う場合、スマホ決済独自のポイントとクレジットカードのポイントを両方貯める、ポイントの二重取りができるケースがある。
スマホ決済にクレジットカードを利用することに抵抗がないのならば、積極的に使っていきたいところだ。その場合、なるべく高還元率のカードを選ぶようにしよう。