ステータスカードと呼ばれるクレジットカードのなかでも独自の存在感を放つカードがある。それが「ラグジュアリーカード」だ。
「チタン」「ブラック」「ゴールド」の3券種があり、年会費が5万5千円(税込)/11万円(税込)/22万円(税込)という、ステータスカードのなかでも高額のカードだ。
しかしこのカード、使いこなせば年会費以上の体験を得ることができ、会員の満足度は非常に高い。
ラグジュアリーカード オンラインセールス&マーケティング本部長 児玉朋雄 氏に、ラグジュアリーカードのコンセプトやその特徴、どのように活用すればラグジュアリーカードの強みを最大限発揮できるのか伺った。
目次
ラグジュアリーカードの「ラグジュアリー」たるゆえんはさまざまなところにあるが、特に「ラグジュアリーカードによる体験とカードの素材」「コンシェルジュ」「ソーシャルアワー」の3点は、ラグジュアリーカードの大きな特徴といえる。
本記事ではこの3点について詳しく紹介していく。
ラグジュアリーカードを持つからできる体験
ラグジュアリーカードは、2008年にアメリカで作られたカードだ。
創業者のスコット・ブラムは、複数のビジネスで成功を収めた起業家であり、そんななか「自分で使いたいクレジットカードがない」という考えから、ラグジュアリーカードの開発に至ったという。
「ラグジュアリーカードは『Experience More』というキャッチコピーのもと、このカードを持つことでさまざまな新しい体験をしてほしいということをコンセプトにしています」。(児玉氏)
始まりはブラックカードから
ラグジュアリーカードは当初ブラックカードのみで始まったカードだったが、グローバルに展開するにあたり、下位カードとしてチタンカード、上位カードとしてゴールドカードが登場した。
そして2016年1月、日本で会員募集が開始される。日本でのカードの発行会社は株式会社アプラスだ。
「ブラックカードから始まったということで、今でもアメリカ本社の社名は『Black Card LLC』ですし、日本の会社も『Black Card Ⅰ 株式会社』となっています。当時は、マスターカードの最上位であるワールドエリートに日本で唯一採用されているカードでした」。(児玉氏)
金属製カードの特別な体験
ラグジュアリーカードの一番の特徴は、高級感のある金属製カードであること。これもラグジュアリーカードが日本初。
「クレジットカードは第一に『決済手段』です。ポイントや保険、特典などは、あくまでも付帯するものでしかありません。あらゆる決済でこのカードで良かったと思える、一目でほかのカードとの違いがわかる体験を提供したいと考え、金属カードの開発に至りました」。(児玉氏)
ラグジュアリーカードは、「一度手にしたら、これまでのカードには戻れない」ということをうたっているが、実際にユーザーからそういった言葉を聞くことも多いそうだ。
また洗練された金カードのデザインは、意外なところでも評価されている。
「以前聞いた話ですが、Apple製品が大好きで、iPhoneユーザーの方が、iPhoneのなかも美しくしたいと考えて、登録するカードにラグジュアリーカードを選んでくださったそうです。そうやって選ばれるのも嬉しいですね」。(児玉氏)
ゴールドカードは24金を仕様
ゴールド、ブラック、チタンともに、基本の構造はステンレスにカーボンを貼り合わせたもの。
厚さは一般的なプラスチック製のクレジットカードと同じで、カードを挿入するタイプの決済端末にもほぼ問題なく使える(*1)。
金属とカーボンを薄く貼り合わせるのは技術的に非常に難しく、特許を取得している点でもある。このステンレス素材という点にも、ラグジュアリーカードならではの観点があるそうだ。
*1:タイムズ駐車場の一部の精算機で利用できないものがある。
「チタンを使わないのかと訊かれることもあるのですが、チタンだと金属ならではの重厚感が出ないため、ステンレスを使っています。ラグジュアリーカードは22グラム弱ですが、チタンで作ると11グラムくらいになり、プラスチックカードとあまり変わらない感じになってしまうんです」。(児玉氏)
ロゴや名前などはレーザーで削り出され、後からICチップが埋め込まれている。
ICチップは一般的な8ピンではなく、小型の6ピンだ。コストはかかるが、6ピンのほうがカードのデザインを損なわないというのが採用の理由だ。
さらにゴールドは24金が使われている。
デザインは優れていても金属製カードは傷がつきやすいイメージがあるかもしれないが、ステンレス自体が丈夫な上に年々技術開発が進んでおり、新しいカードほど傷がつきにくくなっているそうだ。
特にブラックはマット加工で、ほとんど傷がつくことなく、傷がついたように見えてもそれは汚れで、拭くと落ちるということも多いという。
ゴールドが最上位なのはなぜ?
クレジットカードは一般的にブラックのほうがゴールドより上位に来るが、ラグジュアリーカードに限っては下から順にチタン、ブラック、ゴールドという通常とは異なる順になっている。
ここにもラグジュアリーカードならではの理由がある。
「当社はカードブランドではあると同時に、『ラグジュアリーブランド』であるという自負があります。ゴールドの24金というのは、素材のなかでは一番上のものですよね。だから、クレジットカードの常識ではなく、ラグジュアリーブランドの常識に則って、ゴールドを最上位にしています」。(児玉氏)
コンシェルジュサービスを気軽に使おう
ラグジュアリーカードはデザインはもちろんのこと、ハイステータスカードらしく特典が非常に充実している。
なかでも評価が高いのが、コンシェルジュサービスだという。
ラグジュアリーカードでは、世界最大のコンシェルジュサービス 『Aspire Lifestyles』と提携してラグジュアリーカード専用デスクを設置しているのだ。
「特に日本のラグジュアリーカード会員の利用率は高く、リピート率が7~8割になっています。それは、使ってもらうためにいろいろ工夫をして、気軽にコンシェルジュをご利用くださいと案内を続けているからだと思います」。(児玉氏)
その工夫のひとつが問い合わせ時の本人確認の簡略化だ。
一般的なカードだとコンシェルジュサービスや問い合わせをする際、本人確認のためにカード番号の一部を伝える必要がある。
しかしラグジュアリーカードの場合、入会時に登録した電話番号でコンシェルジュに電話をかけると、生年月日や引き落とし口座がある銀行名など、ランダムで訊かれる2点を答えることで本人確認が済む。
また電話をかけたとき、「この電話はサービス品質向上のために録音されています」といった案内や、問い合わせの内容によって対応番号を案内される自動音声対応などは行っていない。
「コンシェルジュサービスはオペレーターにつながるまでの時間が短く、お客様からも使い勝手が良いという評価を頂いています」。(児玉氏)
日常的なレストラン・飲み会予約でも使える
コンシェルジュというと、高級レストランや高級ホテルを予約するようなときでないと使ってはいけないイメージがあるかもしれないが、まったくそんなことはないそうだ。
「コンシェルジュの利用で一番多いのはレストランの予約手配です。それもコース料理系の高級レストランではなくて、単価5,000円~10,000円くらいのカジュアルレストランの予約が一番多いです。高級レストランの予約手配もありますが、一方で3,000円台の飲み放題の店のリクエストもあります」。(児玉氏)
レストランに次いで多いのが国内外のホテルの予約手配だという。
人気の観光地や地方で大きなイベントがあるときなど、一般的な宿泊予約サイトでは部屋がすぐに埋まってしまうことが多い。
しかしそんなときでも、コンシェルジュを利用することで部屋が取れる可能性がある。
「旅行代理店が使うような専用の検索システムを使ったり、個別にホテルに電話をかけたりして、ご希望に合う部屋の確保に努めます。コンシェルジュだから枠が空くということはないのですが、ホテルというのは、ウェブサイト表示しているもとは別に何枠か部屋を残していることがあります。だから、個別に電話をすると部屋が取れることがあるんです」。(児玉氏)
予約が取れない店の予約が取れる?
ホテルと同じく「予約が取れない」といわれるレストランなどでも、コンシェルジュサービスにより予約が取れることがある。
予約が取れないといわれていても、実際に電話をかけていない人は意外と多いとのこと。
「もし予約がいっぱいでもそこから一歩、二歩踏み込んで、ほかに空いている日を確認したり、同じような価格帯・評判のレストランを提案したりします。コンシェルジュだから絶対に予約が取れるわけではありませんが、お客様にご満足いただくためにできる限り手を尽くしてご提案をさせていただきます」。(児玉氏)
コンシェルジュは年会費以上の価値がある
特別な予約に限らず、日常的な飲み会や会食などの店探しにコンシェルジュを利用することで、時間を効率的に使うことができると児玉さんはコンシェルジュの利用をすすめる。
「普段の店探しをコンシェルジュに任せることで、自分の時間を節約できます。コンシェルジュを活用するだけで年会費の元が取れると言ってくださるお客様もいらっしゃるくらいです」。(児玉氏)
普段店を探すときというのは、エリアや価格帯で絞り込みながら口コミやメニュー、店の雰囲気などをネットで調べるものだが、直近や週末となると良さそうな店はなかなか空いておらず、調べたり電話をかけたりしているうちに20~30分経っていたということも多いと思う。
その時間がなくなるというのは大きいのではないだろうか。
海外旅行先の予約手配にぜひ活用を
さらに児玉さんがおすすめするのが、海外旅行先のレストラン予約にコンシェルジュを活用することだ。
ラグジュアリーカードはもともとアメリカで発行されたカードであり、コンシェルジュデスクも海外の会社と提携しているため海外の情報には強い。
「海外旅行って、良いホテルに泊まっているのに、食事は行きあたりばったりでもったいないケースが多いように感じます。当社のコンシェルジュデスクでは、現地の人気店に行きたいとかこういう料理を食べたいなどのご要望を頂ければ、店のご提案から予約まで、日本語対応のオペレーターが24時間対応しています」。(児玉氏)
ソーシャルアワーなど特別な機会の提供
コンシェルジュのほかに会員に好評な優待としては、「ソーシャルアワー」というものがある。
これは、東京の4カ所のホテルでそれぞれ月1回ずつの計4回、大阪のコンラッド大阪で平日毎日、ラグジュアリーカード会員限定(ブラック以上)に開催されるイベントだ。
2,000~3,000円の参加費で、テーマに合わせたアルコール2種類とフィンガーフードを楽しむことができる。
「ホテルのラウンジというのはなかなか利用する機会がないと思うのですが、ソーシャルアワーをきっかけにその良さを体験してもらったり、おいしいワインを知ってもらったりしてもらえれば嬉しいですね。それも『Experience More』ではないかと思います」。(児玉氏)
つねにほかのカードの上を行く優待を
そのほかにも、東京を中心とした国立美術館の常設展・企画展を無料で利用できたり、枚数制限はあるものの映画館の無料優待があったり、ラグジュアリーカードの優待はほかにない、独自の企画が多い。
「当社がご案内する優待は、基本的には他のカードにはないもの、最低でも同等のものをご案内するようにしています。当社は優待では収益を得ていません。これは、優待で手数料を取るなら、その分を会員様へのサービスに回してほしいという方針です。だからこそ、会員様にはぜひ積極的にご活用いただきたいです」。(児玉氏)
【後編】「高還元率、ビジネスカードとしてもパーフェクト!「ラグジュアリーカード」担当者に無駄なく使いつくす技を訊いてきた」へ続く
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