Kyashはキャッシュレス決済サービスのひとつ。スマホアプリで利用を管理、Visa加盟店およびQUICPay+対応店舗で利用できるプリペイドカードを発行できる。
チャージの際にクレジットカードを利用することで、ポイントの二重取りが可能だ。
本記事では、そんなKyashを利用するメリットや、紐づけするのにおすすめのクレジットカードをご紹介する。
目次
Kyashの主なメリット
Kyashでは、アプリから3種類のプリペイドカード(Kyash Visaカード)を発行できる。これらのカードはVISA加盟店およびQUICPay+対応店舗での決済に利用できる。
Kyashのメリットとしては、大きく次の点が挙げられる。
年齢制限なしでVISAカードを使える
Kyashの利用には年齢制限がない。一部本人確認が必須だが、アプリ上で簡単にカードの発行手続きが可能。
審査もないので、誰でも簡単に利用できる。それでいてVisa加盟店での決済に利用できるという、非常に利便性の高いサービスだ。
プリペイドカードは、クレジットカードに比べると利用できる場所に制限があるが、それでもKyashが利用できるサービスは広がっている。
たとえば、2021年10月4日には、国内のレンタカー店舗(一部例外在り)においてKyash Cardによる実店舗決済が可能となった。
利用金額に応じて最大1.0%のポイント還元
Kyashは決済に利用した金額の0.2%~1%がKyashポイントとして還元される。還元率はカードにより異なる。
Kyashポイントは1ポイント=1円として、Kyash残高にチャージできるので、貯まったポイントが無駄にならない。
チャージ方法によるポイント付与上限の違い
Kyashでは、2020年12月11日より入金方法によって下表のようにポイント還元上限が変更されている。
カード種別 | 入金方法 | 還元上限 | |
---|---|---|---|
変更前 | 変更後 | ||
Kyash Card | 銀行口座など(*1) | 1,200ポイント/月 | 1,200ポイント/月 |
登録カードなど(*2) | 500ポイント/月 | ||
Kyash Card Lite Kyash Card Virtual | 銀行口座など(*1) | 600ポイント/月 | 600ポイント/月 |
登録カード(*2) | 250ポイント/月 |
*1:銀行口座、セブン銀行ATM、コンビニ、ペイジーからの入金
*2:クレジット/デビットカード、Kyashポイント、他サービスの売上金やポイントからの入金
クレジットカードなどからの入金はポイント付与上限が低めになっているため、利用金額が多い場合は注意しよう。
なお、Kyashのポイント還元は、リリース当初はキャッシュバックという形で行われていた。しかし、この制度が2019年9月30日をもって終了となり、2019年10月1日からはKyashポイントの付与が開始された。
Kyash CardはICチップ付、タッチ決済対応
Kyashの3種類のカードのうち、Kyash CardはICチップが付いており、Visaのタッチ決済にも対応している。
Visaのタッチ決済は、決済端末にカードをかざすだけで支払いが完了する、非接触の決済方法。決済スピードが速く、衛生面でも安心できる方法だ。
3種類のKyash Visaカード
Kyashで発行できるカードは当初、バーチャルカード1種類とリアルカード1種類だったが、2020年初旬、新たなリアルカード「Kyash Card」が加わった。
これにより、従来のリアルカードは「Kyash Card Lite」、バーチャルカードは「Kyash Card Virtual」という名称になった。3種類のカードの違いは下表の通り。
Kyash Visaカード比較表
Kyash Card | Kyash Card Lite | Kyash Card Virtual | |
---|---|---|---|
ICチップ | ○ | – | – |
Visaタッチ決済 | ○ | – | – |
国内利用 | ○ | ○ | オンライン決済のみ |
海外利用 | ○ | オンライン決済のみ | オンライン決済のみ |
決済上限/回 | 30万円 | 10万円 本人確認未完了:5万円 | 10万円 本人確認未完了:3千円 |
決済上限/月 | 100万円 | 15万円 本人確認未完了:12万円 | 15万円 本人確認未完了(本人認証済):12万円 本人確認未完了(本人認証未完了):5万円 |
ポイント還元率 | 0.2%~1% | 0.2%~0.5% | 0.2%~0.5% |
発行手数料 | 900円 | 300円 | 無料 |
本人確認書類 | 必要 | 不要 | 不要 |
Kyash Cardの新しい点
Kyash Cardは、次の点がKyash Card Liteと異なる。
- ICチップ付き(4桁暗証番号)
- Visaタッチ決済利用可能
- 海外の実店舗でも利用できる
- 1回あたりの決済上限が30万円
- 月あたりの決済上限が100万円
- 発行手数料900円
- 本人確認書類が必要
- 3Dセキュアに対応(2020年11月17日より)
発行手数料900円と本人確認書類が必要にはなるが、Kyashの利便性がより増した。
また、2020年11月17日以降、Kyash Cardは本人認証サービス(3Dセキュア)に対応を開始し、利用できる範囲が広がった。
また、Kyash Card登場により、リアルカードは次の点が変更となった。
- 名称:リアルカード→Kyash Card Lite
- ポイント還元率:1%→0.5%
- 発行手数料:無料→300円
本人確認アカウントは入金・出金が可能
Kyashでは、2020年9月7日以降、本人確認アカウントに移行することで、対応銀行からの入金および全銀ネットを利用しているほぼすべての金融機関の銀行口座への出金が可能となった。
本人確認アカウントに移行するためには、以下いずれかの条件を満たす必要がある。
- Kyash Card有効化
- 入金用の銀行口座をKyashアプリに登録
また、出金および送金ができるのは、以下いずれかの方法でチャージした残高のみ。
- 銀行口座
- セブン銀行ATM
- コンビニ
- ペイジー
以下の方法でチャージした残高は出金・送金できない。
- クレジットカード/デビットカード
- Kyashポイント
- 他サービスの売上金やポイント
- アカウント移行時の繰越残高
Kyash登録におすすめのクレジットカード
登録前に知っておきたい注意点
Kyashではクレジットカードによるチャージが可能だが、好きなタイミングに指定金額をチャージするということができなくなっている。
クレジットカードチャージは、支払いでKyash残高が不足しているときに、登録しているカードから不足分が支払われるという形だ。Kyashのチャージ方法におけるクレジットカードは、補助的な方法といえる。
また、クレジットカードでチャージした残高による支払は、ポイント還元率が0.2%となる。クレジットカードのポイントとKyashポイントというポイント二重取りはできるが、二重取りによる合計還元率アップはそこまで大きくない。
クレジットカードを選ぶポイント
上記を踏まえた上で、Kyashに登録するクレジットカードは、次の点を押さえて選ぼう。
- 国際ブランド:VISA/Mastercard ※JCB/プリペイドカード不可
- ポイント還元率の高いカード
- 年会費無料
ポイント二重取りのメリットがそこまで大きくないとはいえ、やあり、ポイント還元率が高いカードがおすすめだ。
また、スマホ決済を取り巻く状況は変化が激しく、ポイント還元などの条件が急に変更されることが珍しくない。そういったときも損をしないよう、年会費無料でKyash以外でも便利に使えるクレジットカードが良いだろう。
これらの点を押さえて、Kyashに登録するカードとして次の3券種をおすすめする。
リクルートカード
リクルートが発行する年会費無料のカード。ポイント還元率が1.2%と高いのが、最大の特徴。
リクルートポイントが貯まり、リクルート関連サービスで利用できる。また、Pontaに1:1の等価交換ができるため、ローソンを始めPontaを利用することが多い人にもおすすめだ。
じゃらん・ホットペッパービューティーなど、リクルート関連のサービスでポイントアップの機会もある。
たとえば、ネットショッピングのポンパレモールは、通常でも3%のポイント還元があるが、リクルートカードで決済すれば4.2%の還元になる。
こんな人におすすめ
- ポイント還元率がもっとも重要な人
- じゃらん・ポンパレモールなどを利用する人
- Pontaポイントを貯めたい人
3つのおすすめポイント
- 年会費無料でポイント還元率が1.2%
- リクルート関連のサービスでポイントアップ
- 貯まったポイントはPontaポイントへ移行可能
楽天カード
年会費無料でポイントがよく貯まるカードといえば、楽天カードも有名だ。
楽天市場など楽天関連サービスでお得にポイントを貯めるには欠かせないカードで、イベント・キャンペーンを利用することでかなり大きなポイントアップが可能。
スマホ決済アプリの楽天ペイでは、楽天カードを支払い方法に設定すると還元率が+1%となる。キャンペーン時にはさらなるポイントアップの可能性も。
また、カード入会キャンペーンもよく開催しており、入会だけで5,000~7,000ポイントがもらえることもある。
楽天スーパーポイントはコンビニやドラッグストアなど、ネット以外のリアル店舗でも利用できる場所が増えているので、使いやすいのもメリットだ。
こんな人におすすめ
- 楽天市場を普段からよく利用する人
- 楽天ペイを使う機会がある人
- 入会特典を重視する人
3つのおすすめポイント
- 楽天市場でポイントが3倍になる
- 楽天ペイの利用がさらにお得になる
- 入会すると多くのポイントがもらえる
PayPayカード
年会費無料で通常の還元率が200円(税込)につき最大1.5%※の高還元カード。楽天カードのライバルとも言える1枚だ。
※PayPayカードをPayPayアプリに登録およびPayPayステップの条件達成が必要。
※出金・譲渡不可。PayPay/PayPayカード公式ストアでも利用可能。なお、所定の手続き後にPayPay加盟店にて使用できます。手続きはこちら(https://paypay.ne.jp/help/c0021/)からご確認ください。
※ポイント付与の対象外となる場合があります。
例)「PayPay決済」「PayPay(残高)チャージ」「nanacoクレジットチャージ」「ソフトバンク通信料(ワイモバイル、LINEMOを含む)」
「ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払いを介してのPayPay残高チャージのご利用分」
PayPayポイントが貯まり、QRコード決済のPayPayと相性が良い。PayPayポイントは、PayPayでの支払いに利用できる。
また、PayPay残高へのチャージが可能な唯一のクレジットカードであり、PayPayの支払い元に設定することでPayPayポイント還元の対象となる唯一のクレジットカードでもある。
さらに、ヤフー関連サービスとの相性も良く、Yahoo!ショッピングやLOHACOでの利用でPayPayポイントの合計還元率3%となり、3倍のポイントが貯まることになる。キャンペーン利用でさらなるポイントアップも可能。
こんな人におすすめ
- PayPayを最大限活用したい人
- ヤフー関連のサービスをよく利用する人
- 高還元率のカードがほしい人
3つのおすすめポイント
- PayPayにチャージできる唯一のクレジットカード
- PayPayポイント還元対象となる唯一のクレジットカード
- Yahoo!ショッピングやLOHACOでポイント3倍
スマホ決済アプリ連携でポイント三重取りは可能か?
以前は、Kyashとスマホ決済アプリを連携させることで、Kyashとそれに紐づいているクレジットカードのポイントの二重取りに加え、スマホ決済アプリのポイントも貯まり、ポイントの三重取りが可能だった。
しかし現在、Kyashと連携できるスマホ決済アプリは減っており、さらに連携可能なアプリでもKyash払いではスマホ決済アプリのポイントが付かないなど、ポイントの三重取りができる機会はほとんどない。
ただ、スマホ決済アプリと連携させることで、Kyashが使えない店舗でもスマホ決アプリ経由でKyashを使うことになり、Kyashのポイントを貯めるという点では多少のメリットがある。
主要QRコード決済のポイント還元条件
主要なQRコード決済では、ポイント還元の対象となる支払い方法は以下のようになっている。
- PayPay:PayPay残高(チャージできるクレジットカードはPayPayカードのみ)、PayPayカード
- LINE Pay:Visa LINE Payクレジットカード
- 楽天ペイ:楽天キャッシュ(チャージできるクレジットカードは楽天カードのみ)、楽天カード
- d払い:電話料金合算払い、d払い残高、dカード(dカード/dカードGOLD)
- auPAY:支払い方法に関わらずポイント還元あり
- メルペイ:ポイント還元なし
Kyash Cardは3Dセキュア対応カード
QRコード決済ではセキュリティ対策のため、登録できるカードは3Dセキュア対応のカードのみ、または3Dセキュア非対応のカードは利用上限が下がるといった設定が増えている。
Kyashでは3種類のプリペイドカードが発行できるが、このうちKyash Cardは3Dセキュア対応のカードであり、PayPayや楽天ペイなどに登録可能だ。
ただし、決済時にKyashポイントは還元されるものの、QRコード決済のポイント還元対象にはならない。
おすすめのKyash活用術
最後に、ここまでの内容を踏まえて、Kyashをお得に利用するための活用方法をまとめる。
普段の支払いをKyashに集約しよう
Kyashのポイントを効率的に集めるなら、日常的な支払いをできる限りKyashでおこなうのがおすすめだ。
AmazonでもKyashのポイントが貯まるので、実店舗以外にネット通販でもポイントを貯める機会は多いのではないだろうか。
また、Kyashが使えない場所でも、PayPayなど他のスマホ決済が使える場所では、Kyashを紐づけることでKyashのポイントを貯めることができる。
ここで注意しておきたいのが、Kyashのポイント還元の対象外となる取引があること。対象外となる取引の具体例は、下記のとおりだ。
- 楽天Edy・nanaco・WAONなどのチャージ
- 金券・商品券・有価証券などの購入
- 税金、ふるさと納税の支払い
- モバイルSuicaアプリでの購入