審査不要で誰でも気軽に発行可能でありながら、クレジットカードと同様にVisa加盟店で使え、ポイントも貯まる。
そんな利便性とお得さで人気の決済サービスが「Kyash」だ。
本記事ではKyashの特徴やカードの種類についてまとめつつ、人気の理由を解説する。
目次
Kyashとは
Kyashは、株式会社Kyashが提供する送金・決済サービス。
スマホアプリ「Kyash」をインストールして必要な設定を行い、アプリと同期するプリペイドカードを発行することで、VISA加盟店での決済が可能になる。
利用にはチャージが必要
Kyashはプリペイド式の決済サービスなので、利用にはチャージが必要だ。下表のように、チャージ方法によって残高の種類が異なり、利用できる範囲が異なる。
入金方法 | 決済 | 送金 | 出金 | |
---|---|---|---|---|
Kyashマネー | 銀行口座/ペイジー | ○ | ○ | ○ |
コンビニ/セブン銀行ATM | ○ | ○ | ○ | |
他サービスの売上金やポイント | ○ | ○ | ○ | |
Kyashバリュー | クレジットカード/デビットカード | ○ | – | – |
イマすぐ入金 | ○ | – | – | |
Kyashポイント | ○ | – | – | |
アカウント移行時の繰越残高 | ○ | – | – |
ただし、Kyashマネーを利用できるようになるには本人確認が必要で、本人確認が済んでいない場合はチャージ方法に関わらず残高はKyashバリューとなる。
「イマすぐ入金」は、Kyashが提供する、あと払いタイプの入金方法だ。3,000円〜50,000円を即時チャージでき、翌月末までに入金した分を後払いで返済する形になる。入金額に応じて手数料が発生するので注意しよう。
クレジットカード(デビットカード)は補助的なチャージ方法
Kyashでは、2021年2月4日より、クレジットカード(デビットカード)を利用した金額指定のチャージができなくなった。
クレジットカード(デビットカード)を登録しておくと、決済時に残高不足となった場合にのみカードから自動入金される形となる。
そのため、チャージ方法としてクレジットカード(デビットカード)を優先して使うことができず、他のチャージの補助的な方法と考えたほうが良さそうだ。
人気の3つの理由
クレジットカードやQRコード決済などキャッシュレス決済の利用が増える昨今だが、Kyashも人気のキャッシュレス決済のひとつだ。
Kyashの人気の理由としては、次の3点があげられる。
- 還元率が高い
- Visaタッチ決済に対応
- カード番号は裏面に記載
これらの点について、さらに詳しく解説していく。
還元率が高い
Kyashでは月の利用金額に応じてKyashポイントが貯まる。還元率は下表のようにカードと残高の種類によって異なる。
カードの種類 | 残高の種類 | Kyashポイント還元率(月間) |
---|---|---|
Kyashカード | Kyashマネー | 1.0%(最大1,200ポイント) |
Kyashバリュー | 0.2%(最大100ポイント) | |
Kyash Card Lite Kyash Card Virtual | Kyashマネー | 0.5%(最大600ポイント) |
Kyashバリュー | 0.2%(最大100ポイント) |
なお、上記は本人確認済のアカウントにおける還元率となる。また、月間のポイント上限はKyashマネーとKyashバリューを合計したものとなる。
Kyashの場合、Kyash CardでKyashマネーを利用した決済であれば還元率1%と高還元率になる。一般的にクレジットカードでは、常時1%以上の還元率があると高還元率カードと呼ばれる。
ポイントは利用代金に充てる
Kyashポイントは、1ポイント=1円としてKyashの利用代金に充てることができる。
クレジットカードのポイントでは、使い道によって1ポイントあたりの価値が変動することがあるが、Kyash Cardはそれがないため、安定して高還元率のカードといえる。
クレジットカードのポイント二重取りは難しい
前述の通り、Kyashのクレジットカードチャージは、金額を指定できず、残高不足のときにしか利用できない。
そのため、積極的にクレジットカードのポイント二重取りをねらうことが難しい。また、クレジットカードチャージの際のKyashポイント還元率は0.2%と低く設定されているため、ポイント二重取りのお得さがあまりない。
Visaタッチ決済に対応
Kyashの3種類のプリペイドカードのうち、Kyash CardにはICチップが付いており、Visaタッチ決済に対応している。
Visaタッチ決済とは、VISA加盟店のうちVisaタッチ決済対応マークのある加盟店であれば、店頭の端末にカードをかざすだけで決済が完了するというサービス。
暗証番号の入力不要、サインレスで決済が完了するので、利便性が非常に高く、世界のスタンダードとなりつつある。
QRコード決済なども比較的簡単な決済方法ではあるが、コード読み取りの手間はかかる。
Visaタッチ決済のようないわゆる非接触型の決済は、キャッシュレス決済のなかでももっとも簡単な決済方法といえるだろう。
Apple Pay/Google Payにも対応
Kyashは3種類のカードのいずれもが、QUICPAY決済によりApple Pay/Google Payに対応している。
日ごろからApple Pay/Google Payを利用している人は、Kyashもまとめて便利に利用できるだろう。
カード番号は裏面に記載
Kyashの3種類のプリペイドカードのうち、リアル店舗で利用する可能性があるのが、Kyash Card LiteとKyash Cardだ。
このうちKyash Cardは、カード番号が裏面に記載されており、店頭でカードを出したときに番号が他人の目に触れにくく、セキュリティ面でも評価できる。
また、Kyash Cardは、表面にKyashとVisaのロゴのみが印字された非常にシンプルでスタイリッシュなデザインだ。
リアルカードは店頭で出したときに他人の目に触れるものであるため、場所を問わず出しやすいデザインであることは、実は大切なポイントだ。
また、ネイビー、シルバー、ピンクの3つのカラーから選ぶことができ、いずれも上品なカラーとなっている。
Kyashの種類
前述の通り、Kyashのプリペイドカードには3種類ある。その違いは下表の通り。
Kyash Card | Kyash Card Lite | Kyash Card Virtual | |
---|---|---|---|
ICチップ | ○ | – | – |
Visaタッチ決済 | ○ | – | – |
国内利用 | ○ | ○ | オンライン決済のみ |
海外利用 | ○ | オンライン決済のみ | オンライン決済のみ |
決済上限/回 | 30万円 | 10万円 本人確認未完了:5万円 | 10万円 本人確認未完了:3千円 |
決済上限/月 | 100万円 | 15万円 本人確認未完了:12万円 | 15万円 本人確認未完了(本人認証済):12万円 本人確認未完了(本人認証未完了):5万円 |
ポイント還元率 | 0.2%~1% | 0.2%~0.5% | 0.2%~0.5% |
発行手数料 | 900円 | 300円 | 無料 |
本人確認書類 | 必要 | 不要 | 不要 |
リアルカードKyash CardとLiteの違い
バーチャルカードとリアルカードの違いは分かりやすいが、少し迷いやすいのが、Kyash Card とKyash Card Liteという 2種類のリアルカードの違いだ。
この2種類のカードを比較すると、次のような点でKyash Cardのほうが利便性が高く、お得に使える。
- ICチップ付きでVisaタッチ決済に対応
- 国内だけでなく海外のオフライン決済も可能
- 決済上限が1回あたり30万円・月あたり100万円と高め
- ポイント還元率1%と高還元率
Kyash Cardはよりクレジットカードに近い使い方ができるカードといえるだろう。
一方で、次のような点でKyash Cardの申込・利用には注意が必要だ。
- 発行手数料が900円かかる
- 申込時に本人確認書類2点が必要
Kyash Card Liteも発行手数料はかかるが、300円とKyash Card よりは安い。
申込時の本人確認書類も必要ないため、利用する頻度は高くないがとりあえずリアルカードを発行しておきたいという場合はKyash Card Liteでも十分だろう。
Kyashカードの注意点
ここまでKyashの特徴やメリットなどを紹介してきたが、最後に、Kyashを利用する際の注意点をまとめておく。
デメリットとまではいかないが、申込前に一度確認してほしい。
発行手数料がかかる
Kyash Card Liteは300円、Kyash Cardは900円の発行手数料がかかる。
カードの申込はKyashアプリ上で行うのだが、その際に残高にチャージすることで発行手数料を支払う。
申込後のキャンセルおよび返金はできないので注意しよう。
なお、Kyash Card Virtualは無料で発行可能。また、いずれのカードも年会費はかからない。
本人確認書類が必要(Kyash Card)
Kyashの利用には年齢制限などの条件や審査がない(未成年者は保護者の同意が必要)。
利用規約に同意の上、対象端末を持っていれば誰もが利用できる。
ただし、3種類のプリペイドカードのうち、Kyash Cardは申込時に本人確認書類2点が必要となる。
カードの申込はKyashアプリ上で行い、その際に以下いずれかの書類をアップロードする。
1点は写真付きの書類が必要だ。また、いずれも現住所の記載が必要となる。
1点目として提出可能な本人確認書類
- 運転免許証 (仮運転免許証を除く)
- マイナンバーカード (通知カードを除く)
- パスポート (日本国政府発行のもの)
- 写真付き住民基本台帳カード
- 運転経歴証明書
- 在留カード
- 特別永住者証明書
2点目として提出可能な本人確認書類※1点目の書類を除く
- 運転免許証 (仮運転免許証を除く)
- マイナンバーカード (通知カードを除く)
- パスポート (日本国政府発行のもの)
- 写真付き住民基本台帳カード
- 運転経歴証明書
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 各種健康保険証(住所記載のものに限る)
- 国民健康保険/健康保険/船員保険/自衛官診療証/健康保険日雇特例被保険/健康保険特例退職被保険/介護保険/後期高齢者医療保険
QRコード決済活用、Kyashでポイント三重取りは可能?
スマホQR決済は、専用アプリによるQRコード読み取りにより支払いを行う決済方法。
支払い元の設定として、クレジットカードや銀行口座からのチャージの他、クレジットカードを紐づけて支払いができるサービスが多い。
このスマホQR決済の支払い元としてKyashを紐づけることで、以下3ステップでポイントの三重取りをする方法が以前はあった。
- クレジットカードでKyash残高にチャージしてクレジットカードのポイントが貯まる
- KyashをスマホQR決済の支払い元とすることでKyashポイントが貯まる
- スマホQR決済の利用でスマホQR決済の独自ポイントが貯まる
ただ、この方法は現在では積極的な活用が難しくなっている。
まず、(1)についてだが、Kyashではクレジットカードで金額を指定して好きなタイミングにチャージするということができなくなっている。
クレジットカードでチャージできるのは、Kyash残高が不足しているときだけで、不足分が登録しているクレジットカードから支払われる。つまり、Kyashのチャージ方法としてクレジットカードは補助的な選択肢となっているのだ。
また、(2)についても、クレジットカードでチャージしたKyash残高での支払いはポイント還元率が0.2%に設定されており、あまりポイントが貯まらない。
さらに(3)については、現在、QRコード決済ではポイント還元の対象となる支払い元やクレジットカードが限定される傾向にある。そのため、Kyashを支払い元に設定しても、スマホQR決済独自のポイントが貯まりにくく、QRコード決済に紐づけるメリットが弱くなっている。
三重取りが不可能なわけではないが、それよりもQRコード決済独自のキャンペーンを活用して還元率アップを狙ったり、Kyash Cardの条件を満たすことで還元率1.0%でポイント還元を受けるほうが効率的にポイントを貯められる。
Kyash インストールはこちらから