三井住友カードが、対象サービスへ事前登録するだけでクレカ乗車の実績に応じた割引を受けられる新サービス「Pass Case エントリー」を2026年8月24日(月)に始める。第一弾は江ノ島電鉄との取り組みとなる。
チケットを買わずにエントリーだけで割引が受けられる
「Pass Case エントリー」は、あらかじめクレジットカード等を登録して対象サービスにエントリーしておき、対象の公共交通機関で登録済みのカードによる「クレカ乗車」をするだけで、利用実績や所定の条件に応じた運賃割引などの特典を受けられるサービスである。事前にチケットや乗車券を購入する必要がないのが特徴で、日常的に使う交通機関の利用が、そのまま特典の対象になる。
クレカ乗車(タッチ決済乗車)は、改札の専用端末にタッチ決済対応のクレジットカードやスマートフォンをかざすだけで乗車できる仕組みで、近年は南海電鉄や福岡市地下鉄、各地のバス事業者など全国の交通機関へ急速に広がっている。切符や交通系ICカードのチャージが不要な手軽さが支持されてきたが、これまでは「乗れる」こと自体が中心で、乗るほどお得になる割引の仕組みは限定的だった。「Pass Case エントリー」は、この日常的なクレカ乗車に割引という動機づけを重ねる点が新しい。
従来の「Pass Case」との違い
三井住友カードは2025年3月に総合交通アプリ「Pass Case」を提供開始しており、これまでは主に企画乗車券を扱ってきた。利用者が事前に企画乗車券を購入し、購入時に登録したタッチ決済対応カードを改札端末にかざして乗車・入場する仕組みで、観光用途を中心に使われてきた。
これに対し「Pass Case エントリー」は、通勤・通学や日常のお出かけなど、普段から対象の交通機関を使う人に向けたサービスだ。チケットの都度購入が前提の企画乗車券と異なり、一度エントリーすれば日々の乗車が自動的に特典対象になる。なお「Pass Case エントリー」は「Pass Case」アプリ内では提供されず、専用のサービスサイトから利用する形になる。サービスサイトは2026年8月20日(木)に公開予定で、エントリー開始はサービス開始と同じ8月24日である。
第一弾は江ノ島電鉄の「ジモ得 週まとめ割」
本サービスの第一弾として、同じく8月24日から、江ノ島電鉄が江ノ島電鉄線全線を対象にしたオフピーク時間帯の上限運賃サービス「ジモ得 週まとめ割」を始める。月曜日から金曜日のオフピーク時間帯における利用額に上限を設けるもので、混雑を避けた時間帯や区間の利用を促し、地域住民の移動を支える狙いがある。
江ノ島電鉄は2025年3月の「Pass Case」提供開始時から、江ノ電1日乗車券「のりおりくん」を販売してきた。観光利用者向けの乗車券に加えて、今回は地元の日常利用者に向けた還元サービスを用意した形になる。具体的な運賃の上限額や割引額はプレスリリースでは公表されておらず、詳しい条件は8月20日公開のサービスサイトで確認できる見込みだ。
タッチ決済乗車を支える「stera transit」
「Pass Case エントリー」の基盤には、三井住友カードが提供する公共交通機関向けタッチ決済ソリューション「stera transit」がある。タッチ決済対応のクレジット・デビット・プリペイドカード、またはそれらを設定したスマートフォンなどを対応端末にかざすだけで、サインも暗証番号の入力も不要で決済が完了する(一定金額を超える場合は本人確認が必要)。
三井住友カードは、この「stera transit」のクラウド基盤と、利用実績を後からまとめて集計できる後払いの特長を生かし、MaaSプラットフォームの拡充を進めている。今後は商業施設やシェアモビリティとの連携により、公共交通以外のサービスに関する特典提供も予定しているという。
どんな人に向くか
このサービスは、対象エリアで毎日のように同じ路線を使う通勤・通学者や地域住民にとって使い勝手がよい。切符やチャージの手間なく、いつものタッチ決済乗車を続けるだけで割引の対象になるためだ。第一弾のようにオフピーク時間帯を対象とする設計であれば、時間に融通の利く人ほど恩恵を受けやすいと考えられる。
一方で、割引の具体的な条件や上限額はサービスや事業者ごとに異なり、公表前の段階では効果を見積もりにくい。利用を検討する際は、対象の交通機関・時間帯・登録できるカードの種類を、公開されるサービスサイトで確認したうえでエントリーするとよいだろう。















