キャッシュレス化の波が勢いを増し、近頃はスマホ決済アプリへの注目度が増している。そのなかでも有名なのが、2回にわたる100億円キャンペーンで評判のPayPayと、コミュニケーションアプリとして普及しているLINEから派生したサービスであるLINE Payだ。
どちらもQRコードを利用したスマホ決済に対応している点は共通しているが、利用店舗や方法など異なる部分も多い。本記事では「PayPay」と「LINE Pay」の支払い方法や加盟店などの特徴を比較し、利用目的別にどちらがおすすめできるのかを解説する。
目次
PayPay/LINE Pay比較表
PayPay | LINE Pay | |
---|---|---|
決済方法 | コード決済(表示/読み取り) オンライン決済 | コード決済(表示/読み取り) オンライン決済 プリペイドカード(JCB) |
支払い方法 | PayPay残高 クレジットカード | LINE Pay残高 クレジットカード |
チャージ方法 | 銀行口座(Yahoo!ウォレット登録口座) ヤフーカード セブン銀行(ATM/口座) ギフトカード ヤフオク!売上金 ソフトバンクワイモバイル | 銀行口座 セブン銀行ATM LINE Payカード ファミポート LINEポケットマネー |
ポイント還元率 | 0.5~1.5%※Yahoo残高/ヤフーカード払い | 1.0~3.0%※Visa LINE Payカード |
※2020年5月時点
決済方法の利便性
「PayPay」「LINE Pay」ともにQRコードを利用する点は共通している。
異なる点としては、LINE Payはコード決済以外にJCB加盟店で利用できるプリペイドカード決済にも対応している点があげられる。
PayPayの決済方法- コード決済(表示/読み取り)
- オンライン決済
PayPayは加盟店によって、利用者側がコードを表示して店側が読み取る場合と、店側がコードを表示して利用者側が読み取る場合がある。
小規模な店舗、チェーン系店舗など大規模な店舗では前者、個人店では後者のケースが多い。
後者の場合、店側は専用端末などを用意する必要なく、コードの表示だけを行えば良いのでより簡単に導入ができる。
PayPayはリリース当初は実店舗決済のみだったが、現在はPayPayモールやPayPayフリマ、その他ヤフー関連のサービスでオンライン決済も可能になっている。
LINE Payの決済方法
- コード決済(表示/読み取り)
- オンライン決済
- プリペイドカード決済
LINE Payのコード決済は、当初、利用者側がコードを表示して店側が読み取るタイプのみだったが、現在では店側がコードを表示して利用側が読み取る場合もある。
また、コード決済の他に、JCB加盟店で利用できるリアルカード「LINE Payカード」を発行できる。LINE Payカードにはバーチャルカードとリアルカードとがある。
※LINE PayにはQUICPayと呼ばれる決済方法があるが、Android端末+おサイフケータイアプリ+「Google Pay」アプリが必要と対象が限定的なので今回は省略した。
支払い方法の種類
決済金額の支払い方法はいずれもあらかじめチャージした残高からか、クレジットカードでの支払いとなる。
異なる点としては、残高へのチャージ方法に若干の違いがある。
PayPayの支払い方法
- PayPay残高
- クレジットカード
PayPay残高には、チャージなどによる「PayPayマネー」「PayPayマネーライト」と、特典やキャンペーンなどで獲得できる「PayPayボーナス」「PayPayボーナスライト」がある。
PayPay残高へのチャージ
PayPay残高へチャージする方法としては以下がある。
- 銀行口座(Yahoo!ウォレット登録口座)
- ヤフーカード
- セブン銀行(ATM/口座)
- ギフトカード
- ヤフオク!売上金
- ソフトバンクワイモバイル
基本は銀行口座かヤフーカードからのチャージになる。
銀行口座からチャージを行う場合、Yahoo!ウォレットに登録されている銀行口座を利用することになる。
ヤフーカードでチャージを行う場合は、3Dセキュア認証というセキュリティ対策が必要。
LINE Payの支払い方法
- LINE Pay残高
- クレジットカード
「LINE Pay」の支払い方法はシンプルで、チャージした金額分の利用が可能となっている。クレジットカード払いにも対応している。
LINE Pay残高へのチャージ
LINE Pay残高へチャージする方法としては以下がある。
- 銀行口座
- セブン銀行ATM
- LINE Payカード
- ファミポート
- LINEポケットマネー
基本は銀行口座からのチャージ。オートチャージの設定も可能だ。
クレジットカードからのチャージはできないが、セブン銀行ATMやファミリーマートのファミポートを使ったチャージが可能。
ポイント還元率
PayPayもLINE Payも、利用金額に応じたポイント還元の仕組みがある。
PayPayのポイント制度
PayPayでは利用金額と支払い方法に応じてPayPayボーナスが付与される。PayaPayボーナスは有効期限なしで、PayPay残高での支払い時に優先的に利用される。
PayPayの通常の還元率はヤフーカード(Yahoo!Japaカード)もしくはPayPay残高で支払う場合は0.5~1.5%、ヤフーカード以外のクレジットカードでの支払いはポイント還元の対象外となる。
なお、基本の還元率は0.5%で、前月1日~末日の利用回数・金額によって還元率が変動し、100円以上の決済回数50回以上達成で+0.5%、利用金額10万円以上で+0.5%となる。
ポイント還元率を重視する場合は、Yahoo!Japanカードを使うか、PayPay残高での支払いをおすすめする。
LINE Payのポイント制度
以前は月の利用額に応じて還元率が0.5~2.0%となるマイカラー制度があったが、2020年5月1日に終了した。
新たに始まったのがLINEポイントプログラムで、過去6ヶ月間で獲得したLINEポイントによってマイランクが決定し、ランクごとに特典がもらえる仕組みになっている。
この特典のひとつが、LINE Payの支払いをVisa LINE Payクレジットカードで行った際のポイント還元で、ランクに応じて還元率が1~3%と変動する。詳細は下表の通り。
ポイント | マイランク | 還元率 |
---|---|---|
5000 | プラチナ | 3% |
500 | ゴールド | 2% |
100 | シルバー | 1.5% |
0 | レギュラー | 1% |
LINEポイントプログラム開始により、LINE PayではVisa LINE Payクレジットカード以外の支払いでのポイント還元がなくなった。
加盟店の数
現時点でPayPayとLINE Payの加盟店数に大きな差はない。
ただ、ヤフー関連サービス以外のオンライン店舗の対応範囲はLINE Payがややリードしているといえる。
LINE PayのJCBリアルカード
LINE Payでは、LINE PayカードというJCBブランドのリアルカードが発行できる。
このカードはプリペイド式で、チャージすることで全国のJCB加盟店でクレジットカードと同様に利用できる。
代表的な加盟店
PayPayとLINE Payの加盟店から、代表的な店舗の一部を以下に紹介する。
PayPay
- 和民
- 白木屋
- 松屋
- ファミリーマート
- ローソン
- ビックカメラ
- ソフマップ
- イオン(一部店舗)
- 江の島タクシー など
LINE Pay
- 魚民
- 白木屋
- 松屋
- ローソン
- スターバックス
- 阪急百貨店
- ZOZOTOWN など
キャンペーンの充実度
「PayPay」の100億円キャンペーンや「LINE Pay」の20%還元キャンペーンなど、スマホ決済アプリはユーザーを獲得するために、かなりお得なキャンペーンを定期的に開催している。
過去に開催されたキャンペーン
PayPayもLINE Payも期間限定のキャンペーンをよく開催している。キャンペーンの利用有無によってお得だがまったく異なるので、チェックしておこう。
PayPay
- 100億円キャンペーン
- やたら当たるくじ
LINE Pay
- 「Payトク」の20%還元キャンペーン
- ドラッグストアでのコード支払いで20%還元
こんな人にPayPay or LINE Payがおすすめ
ヤフー関連サービスをよく利用する
PayPayはYahoo!ショッピングやヤフオク!など、ヤフー関連のオンラインサービスでも利用可能。ヤフーユーザーにとって使いやすいサービスといえる。
リリース当初はクレジットカード支払いによる二重取りで効率的にポイントを貯められるサービスだったが、現在はヤフーカード以外のカードではポイントが付かない。
一方ヤフーカードでの支払いやPayPay残高で支払えば、0.5~1.5%のポイント還元率となるので、これらを利用している人はお得だ。
ただし、PayPay決済およびPayPay残高へチャージを行う際、ヤフーカード自体のポイントはつかない。
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LINEサービスをよく利用する
LINE Payは以前はクレジットカードのしばりなく、月の利用金額に応じてポイント還元率がアップしていたので、特定のサービスに偏らずにお得に利用したい人におすすだった。
しかし、2020年5月から始まったLINEポイントプログラムと同時に、Visa LINE Payクレジットカードを利用しないとポイントが還元されなくなった。
そのため、お得にLINE Payを利用するためには、Visa LINE Payクレジットカードを利用した上で、LINEポイントを多く獲得できるようLINEサービスを積極的に利用する必要がある。
JCB加盟店で利用できる
LINE Payでは、LINE Payカードを利用することでJCB加盟店でも決済が可能になり、利便性が高い。
ポイントはつかないが、LINE Pay加盟店以外でも広く利用したい場合には、LINE Payが便利だ。
興味があるなら両方をダウンロード
PayPayとLINE Payのどちらがお得かは、その人のライフスタイルや、その時々のキャンペーンにもよる。
両方をダウンロードして、店舗や時期によってお得なほうを使い分けるというのも良いのではないだろうか。
おすすめクレジットカード
PayPayでは2019年10月1日より、ヤフーカード以外のクレジットカードでの支払いがポイント還元の対象外となるため、おすすめのクレジットカードはヤフーカード一択となる。
LINE Payの場合、なるべく還元率が高いカードを利用することで、ポイントの二重取りで得ができる。
PayPayにおすすめ
ヤフーカード(Yahoo! JAPANカード)
- 年会費:無料
- 申込資格:18歳以上で安定した継続収入がある方(高校生不可)
- ポイント還元率:1.0%~
「ヤフーカード(Yahoo! JAPANカード)」は通常のポイント還元率が1.0%、Yahoo!ショッピング、LOHACOで利用は還元率3倍になるヤフー関連サービスでお得なカード。
PayPayと相性の良いカードで、唯一PayPayへのクレジットカードチャージが可能。
また2019年10月1日から、PayPayではヤフーカード以外のクレジットカード払いがポイント還元の対象外となり、ヤフーカードのみ0.5~1.5%のポイント還元を受けることができる。
その際、基本の還元率は0.5%で、前月1日~末日の利用回数・金額で還元理宇が変動し、100円以上の決済回数50回以上達成で+0.5%、利用金額10万円以上で+0.5%となる。
ヤフーカード自体の利用には利用金額に応じてTポイントが貯まり、使い勝手が良いのもメリット。TSUTAYA、ファミリーマートをはじめとするTポイント提携先でポイントを貯めたり使ったりできる。
ただし、PayPay決済、PayPay残高へのチャージ時、ヤフーカード自体のポイントはつかない。
LINE Payにおすすめ
Visa LINE Payクレジットカード
- 年会費:1,375円(税込)※初年度年会費無料
- 申込資格:満18歳以上(高校生は除く)
- ポイント還元率:1.0~3.0%
LINE Payの支払いで唯一ポイント還元の対象となるクレジットカード。
VISA加盟店での利用で、2021年4月30日利用分まで3%還元となり、LINEポイントが貯まる(期間が変更される可能性あり)。
ポイントの還元には、事前にLINE Payアカウントへの登録が必須だ。LINE Payを活用するためのクレジットカードといえる。