JCBが東南アジアの決済大手Fiuuと提携し、マレーシア・シンガポール・フィリピンでJCBが使える店舗を広げると発表した。旅行や出張で現地を訪れるJCBカード会員にとって、現地決済の選択肢が増える可能性がある。

JCBがマレーシア発フィンテックのFiuuと提携
株式会社ジェーシービー(JCB)は2026年8月3日、海外業務を担う子会社の株式会社ジェーシービー・インターナショナルを通じて、マレーシア発のフィンテック企業Fiuuと提携すると発表した。対象となるのはマレーシア・シンガポール・フィリピンの3市場で、両社はこれらの国を含むASEAN地域でJCBの加盟店網を広げていく。
提携の背景には、ASEAN地域でブランドの加盟店網を広げたいJCBと、加盟店向けサービスをさらに充実させたいFiuuの狙いが一致したことがある。JCBは両社の取り組みを通じて、加盟店とJCB会員双方への提供価値を高めたいとしている。
Fiuuは東南アジア8市場で決済網を持つ大手
Fiuuは2005年設立の決済事業者で、オフラインとオンラインをつなぐO2O(offline to online)型のデジタル決済ネットワークを手がける。2025年度の総決済取扱高は130億米ドルを超え、東南アジア屈指の決済プロバイダーとしての地位を築いているという。
サービス提供地域は今回の提携対象となるマレーシア・シンガポール・フィリピンに加え、タイ・インドネシア・台湾・ベトナム・香港を含む8市場に及ぶ。各地で決済ゲートウェイを提供し、店頭とオンラインの双方でシームレスな決済を実現している。地域に根ざした加盟店網を持つFiuuと組むことで、JCBは自社単独では届きにくかった現地の店舗にもブランドを広げやすくなると考えられる。
現地でJCBが使える場面が広がる可能性
JCBは日本発の国際ブランドとして国内では高い加盟店カバレッジを持つ一方、海外ではVisaやMastercardに比べて使える店舗が限られる場面があることが知られている。今回の提携は、この弱点になりやすい海外加盟店網を東南アジアの主要市場で補強する動きといえる。
マレーシア・シンガポール・フィリピンへ旅行や出張で訪れるJCBカード会員にとっては、現地でJCBが使える店舗が今後広がっていく可能性がある。3か国はいずれも日本からの旅行先として人気が高く、現地決済でJCBを選べる場面が増えれば、複数ブランドを使い分ける手間が減るメリットも期待できる。
加盟店の拡大数や開始時期は今回未公表
一方で、今回の発表では具体的にどの業種・どの店舗でJCBが使えるようになるのか、加盟店がどの程度増えるのか、対応がいつ始まるのかといった数値や時期は明らかにされていない。「加盟店数が何倍になる」といった規模感は現時点では確認できないため、実際に現地でどれだけ使いやすくなるかは、今後の展開を見て判断する必要がある。
東南アジアへの渡航を予定していてJCBカードの利用を考えている場合は、現状ではVisaやMastercardなど他ブランドのカードも合わせて用意しておくと安心だ。提携の効果が現地の店舗に反映されていくかどうか、今後の続報を待ちたい。















