PayPalは25日に従来のクレジットカードでの支払いに加え、新たにPayPal口座に連携させた銀行口座からもPayPalの利用が可能になったことを発表した。
これにより、クレジットカードを持たないユーザーでも口座振替を経由してPayPalを利用できるようになった。
対応する銀行口座は以下の通りだ。
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- ゆうちょ銀行
上記の銀行口座とPayPal口座を紐付ければ、PayPalを使ったショッピングや決済が可能となる。
銀行口座からPayPal口座へのチャージは不可能なので注意が必要だ(銀行口座振替での決済のみとなる)。
また上記のアップデートに加えて、PayPalは企業向けに提供していたペイアウト(受け取り)機能の拡張も同時に行い、個人ユーザーがPayPal口座を通して企業からの支払いを受け取ることが可能となった。
受け取る側の個人ユーザーがPayPal口座を開設している必要はなく、入力したメールアドレス宛てに届いたメールから30日以内に新規登録を済ませれば受け取りが可能になる。
1回当たり10万円までの支払いであれば、本人確認手続き不要で簡単に受け取ることが可能だ。
ただし、受け取った支払いを銀行口座に引き出すには本人確認が必要となる。本人確認は対応する銀行口座とオンラインで連携を済ませることで完了する。
本人確認により1回当たりの受取額が100万円までに拡張され、銀行口座へ引き出せるようになるという仕組みだ。
銀行口座への引き出しには最短3営業日を要し、5万円未満の引き出しには250円の手数料が発生するので注意。
今回の仕様変更によって、支払いを行う企業側には個人ユーザーのPayPal口座と金額を指定するだけで支払いを済ませられる環境が整備された。
なお、この機能はあくまで企業から個人宛にPayPalで支払いたいというニーズに対応しており、個人間送金には利用できない。
新しくなったPayPal送金(ペイアウト)を利用するメリット
PayPalを使った支払いサービス「ペイアウト」は国内外の企業で広く利用されている。
今回のアップデートで銀行口座振替による支払いが可能になったことで、PayPal決済の幅がさらに広がった。
送金側にとってのメリットはアプリで簡単に支払いを済ませられるという点だ。
また、国内支払いであれば手数料が1件あたり2%(最大120円)という安さで、振り込み手数料を抑えられるのは大きなメリットだ。
クレジットカードしか対応していないという点でPayPal利用を避けていた層は、この機会に利用してみる価値はあるかもしれない。
CtoCビジネスを手がける個人事業主におすすめ
今回の機能追加でもっとも恩恵を受けるのは、個人でビジネスを行っている層だろう。
特に個人で手がけるマーケットプレイスやシェアリングエコノミーなど、新しくなったペイアウトはCtoCビジネスにおいて利用価値が高い。
中でも海外ユーザーをターゲットにする場合は国内外の口座を問わずリアルタイムで支払うことができる点と、利用手数料が2%(最大120円)である点が大きなメリットであると言える。
また、個人事業主の場合でもラウドソーシングでの報酬支払いや、ECサイトでの決済に採用することで管理のコストを削減できる。
さらに、ファイルアップロードやAPIを利用することで複数の相手に一括で送金することも可能。
工夫すれば効率的に支払い業務を進めることが可能だ。
さまざまな送金アプリが登場する中、ここへきて大きな進化を遂げたPayPal。
世界1億5000万人に利用される安全な送金サービスの評価は高い。
最終更新日:2018/10/03