NTTドコモは24日、スマートフォンを利用したバーコード決済サービス「d払い」を、25日から30日にかけて、計9社1,727店舗で導入、開始すると発表した。
これまではネットショッピングのみに対応していたが、「d払い」アプリをインストールしておけば、25日以降は全国の加盟店で使えるようになる。
会計時に「d払いで」と伝えれば、アプリに表示されたバーコードやQRコードを、店舗側のレジや携帯端末で読み取るだけで会計が可能だ。
支払い方法はクレジットカード払い(Visa、MasterCard)のほかに、電話料金合算払いにも対応しているのが特徴的。街での買い物を、毎月の電話料金と合算して支払える。
さらに、支払金額200円につき、1ポイントの「dポイント」も貯まるようになっている。したがって、クレジットカード支払時は実質還元率が0.5%加算される。
dポイント加盟店であれば「dポイントカード」を提示すればdポイントを二重で貯められる。
加えて、クレジットカードを店員に渡す必要が無いため、セキュリティ面にも優れている。決済もスムーズだ。
それだけでなく、このd払いを含むバーコード決済は加盟店側にもメリットがある。
通常、モバイル決済の導入は、POSレジの回収を行い、専用の読み取り端末を設置する必要がある。導入にかかるコストは無視できない。
一方、d払いの導入は、タブレット端末を用意し、専用アプリをインストールしておくだけでいいので、非常に低コストでの導入が可能となるのだ。
モバイル端末によるバーコード決済は、すでに「LINE Pay」や「Origami Pay」などが先行しているが、「d払い」も、2018年中に10万店舗以上の展開を目指すという。
携帯キャリア初のバーコード決済アプリ
なお、ドコモのほかにau、ソフトバンクなど他社携帯キャリアでは、まだモバイル決済が導入されていない。
auが発行する「au WALLET」は、モバイルアプリがあるものの、残高確認と即時チャージのみで、決済にはカードが必要だ。
ソフトバンクでも、「ソフトバンクカード」を使った携帯料金合算払いサービスがあるものの、こちらもリアルカードによる決済となる。
そもそも国内では、バーコード決済を利用したモバイル決済自体、「アリペイ」や「WeChatPay」など中国発のサービスを除けば「LINE Pay」「楽天Pay」「Origami Pay」を含めて4つしかない。
他のキャリアも、モバイル決済が本格的に普及すれば参入してくる可能性は高い。
モバイル決済サービスでは「d払い」がトップクラスに手軽
現在、国内で広がりを見せているコード決済アプリは、どれもクレジットカード以外のチャージ方法はあるものの、手軽さでいえば携帯電話料金と合算できる「d払い」がもっとも手軽だろう。
LINE Payは基本的に事前チャージ方式で、楽天 Payはクレジットカード決済か事前チャージ。
Origami Payは先日「三井住友」と「みずほ」と提携し、デビットカードのようなリアルタイムチャージ方式を導入したが、まだすべての銀行と提携するには至っていない。
したがって、ドコモユーザーであれば事前チャージ不要の携帯電話合算払いは、メリットとして大きい。
クレジットカードを使わず、事前チャージも不要、おサイフケータイ設定も不要
上述したように、d払いは
と、手軽に利用できる仕様が最大限導入されている。
ドコモはすでにiD払いに対応させているが、事前チャージが必要なことと、設定が面倒で使っていないというユーザーも少なくない。
そうしたユーザーにとって、面倒な設定をする必要が無く、クレジットカードも使わずに済む「d払い」は、使うメリットも大きい。
逆に、すでにiDを使っているのであれば、加盟店の少ない「d払い」を現時点でわざわざ利用するメリットは薄いだろう。
「d払い」が本格的に活用するには、加盟店舗数が最低でもdポイント加盟店舗数と並ぶ程度にはなることが重要だ。
なお、「d払い」は、決済時にdポイントを使うこともできる。dカードでポイントを貯めているユーザーは、加盟店が拡大する「d払い」で、効率よくdポイントを貯めてみても良いだろう。
最終更新日:2018/10/03