SMBCグループの個人向け統合金融サービス「Olive」提供開始、三井住友カードやVpassの利用がより便利に

2023年2月3日、株式会社三井住友フィナンシャルグループ（以下「SMFG」、同社グループを総称して「SMBCグループ」）、株式会社三井住友銀行（以下「SMBC」）、三井住友カード株式会社（以下「SMCC」）が、2023年3月より、『個人のお客さま向けの総合金融サービス「Olive（オリーブ）」』の提供を開始することを発表した。

総合金融サービス「Olive」とは

SMCCのリリースによると、『個人のお客さま向けの総合金融サービス「Olive（オリーブ）」』は、従来の「銀行店舗でのお取引」を前提としたサービスではなく、「モバイルアプリ上のお取引」を前提とした新たな概念のサービスとして紹介されている。

銀行口座、カード決済、ファイナンシャル、オンライン証券、オンライン保険などSMBCグループが提供するさまざまなサービスのさまざまな機能を、アプリ上でシームレスに組み合わせることができる。

SMBC ID登録で三井住友銀行アプリ・Vpassアプリ利用がシームレスに

三井住友カードユーザーにとって特に注目すべき点が、SMBCグループ共通の「SMBC ID」が導入されることだ。

これにより、三井住友銀行アプリ・Vpassアプリのいずれにもメールアドレスひとつでログインが可能になり、共通のIDで各アプリを利用できるようになる。

Vpassアプリは、三井住友カード会員向けのアプリだ。カードやポイントの利用状況の確認や、各種手続きを行うことができる。

三井住友カードユーザーがSMBC IDを登録して、三井住友銀行と連携することで、次のようなサービスを利用できる。

1. 利用端末によらず口座・カードの利用情報等が照会可能
   ※SMBC IDに三井住友銀行口座・VpassIDの両方を紐付けている場合
2. Vpassアプリ内で三井住友銀行の口座残高の確認が可能
3. 三井住友銀行アプリ内でクレジットカードの利用情報の照会が可能
4. 住所変更などの諸届が一括で手続き可能

なお、こういった複数のアプリのシームレスな利用は、SMBCグループの他のアプリやサービスにも拡大していくものと考えられる。

Oliveの4つの主な機能

Oliveは、「見える」「まとまる」「使い分ける」をコンセプトに、大きく4つの機能を備えている。

1.デジタル口座

Oliveでは、アプリ上でSMBCの銀行手続きが完結する。三井住友銀行アプリ・Vpassアプリを共通IDのSMBC IDで利用できるようになることも、そのひとつといえるだろう。

また、店舗や窓口を持たないデジタル上の支店で口座を開設することができる。これにより、近くにSMBCの店舗がなくても口座開設が可能だ。

一方で、全国のSMBC店舗やコールセンター等でも手続きや相談が可能なので、オンラインの利便性を取り入れつつ、オンラインだけではない安心感もある。

すでにSMBCの口座を持っている場合は、Oliveに申し込むと、現在利用している口座で新たな決済サービス機能の追加やさらなる特典の受け取りが可能だ。

なお、Oliveに申し込むことで、SMBCの利用に関してさまざまな特典を受けることができる。特典について詳しくは後述する。

2.マルチナンバーレスカード

Oliveでは、Visa開発の新機能を使用した「フレキシブルペイ」搭載のマルチナンバーレスカードを発行する。

これにより、1枚のカード / 1つのアカウントで、以下の機能をアプリにより切り替えて支払い方法の使い分けがができる。明細の確認は支払い方法ごとに可能だ。

• デビットカード
• クレジットカード
• ポイント払い（プリペイドカード）

さらに、マルチナンバーレスカードは、キャッシュカード一体型Visaカードでもある。つまり1枚で上記支払い方法を切り替えることに加え、キャッシュカードとしても利用できる。

なお、マルチナンバーレスカードは、カード両面ともにカード情報の記載のないデザインとなっており、必要な情報はアプリにて確認する仕組みだ。

3.SBI証券との連携

Oliveでは、フレキシブルペイを用いた投資信託つみたてサービス、スマートフォンアプリの連携強化を実施する。

4.保険ポータルサイト

Oliveでは、2022年11月にSMCCがリリースした「保険ポータルサイト」を活用し、以下のようにデジタルとリアルを融合したさまざまな保険のサービスを提供する。

Olive利用による特典

Oliveを利用することで、SMBCの口座で送金やATM利用を行う場合の手数料優遇が受けられる。

また、継続時のポイント付与や「選べる特典」などもあり、これはランクによって内容が変わる。詳細は下表の通りだ。

さらにOliveでは、決済内容に応じた特典と、取引内容に応じた特典の組み合わせによって、対象のクレジットカードのポイント還元率がアップする。詳細は下表の通り。

対象のコンビニ・飲食店の利用について、一般カードやゴールドカードでは通常のポイント分を含んだ最大15%のVポイントを還元、プラチナプリファードについては最大16％のVポイントの還元が実現する。

なお、対象のコンビニ・飲食店は以下の通り（2023年3月時点）。

【対象の店舗】
セイコーマート※1、セブン-イレブン、ポプラ※2、ミニストップ、ローソン※3、マクドナルド、モスバーガー※4、サイゼリヤ、ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサン、夢庵、その他すかいらーくグループ飲食店※5、ドトールコーヒーショップ、エクセルシオール カフェ、かっぱ寿司、ケンタッキー・フライド・チキン、デイリーヤマザキ
※1：タイエー、ハマナスクラブ、ハセガワストアも対象。
※2：生活彩家も対象。
※3：ナチュラルローソン、ローソンストア100、ローソンスリーエフも対象。
※4：モスバーガー＆カフェも対象。 ※5：ステーキガスト、から好し、むさしの森珈琲、藍屋、グラッチェガーデンズ、魚屋路、chawan、La Ohana、とんから亭、ゆめあん食堂、桃菜、八郎そば、三〇三も対象。

*最大7％内訳（通常ポイント0.5％+スマホのタッチ決済利用6.5％）
*商業施設内の店舗など、一部ポイント加算の対象とならない店舗があります。
*iD、カードの差し込み、磁気取引は対象外です。
*一定金額（原則1万円）を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
*ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。
*Google Pay™ で、Mastercard®タッチ決済はご利用いただけません。ポイント還元は受けられませんので、ご注意ください。

まずはOliveアカウント申込を

Oliveにより提供されるサービスは幅広く、今後もさまざまなサービスが拡充されそうなので、全体像を一気につかむことは難しいかもしれない。

ただ、たとえば三井住友カードと三井住友銀行といったように、SMBCグループのサービスを複数利用している人にとっては、Oliveを利用することでそれらの利用がより便利になることはたしかだ。

まずはOliveアカウントに申し込みを行い、自分がいつも利用しているサービスをどう連携して、どう便利になるのかを試してみると良いだろう。

最終更新日：2023/04/20