法人クレジットカード、申し込む前に知っておきたい審査基準とメリット・デメリット

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法人クレジットカード
法人クレジットカードは、数多くのカード会社で発行している。
VISA、MasterCard、JCB、アメックス、ダイナースクラブの5大国際ブランドが全てそろっている。
気になるのは、法人クレジットカードの審査基準、メリット・デメリットだ。
個人カードとの相違点なども含めて検証してみた。

法人クレジットカードとは?

法人クレジットカードは、ビジネスカードやコーポレートカードとも言われるカードの一種。法人カードは中小企業や個人事業主、コーポレートカードは大企業が対象になる
利用方法は、個人のクレジットカードと全く同じ。
支払い方法は一括払いのみだったが、最近では分割払い対応など個人カードとほぼ同じレベルになってきた。

法人カードは業務や事業で決済するために発行しているクレジットカード。

各カード会社の利用規約では、「個人カードで事業用の決済はできない」などと定めている。とはいえ、カード会社は限られた人員の中で、決済した項目を一つひとつ詳細に確認できない。

特に個人事業主の大多数は、個人カードで仕事用の決済もしているのが実情だ。

主な法人クレジットカード

▽VISAブランド
三井住友ビジネスカードクラシック
三井住友ビジネスカードゴールド
・三井住友ビジネスカードプラチナ

▽JCBブランド
JCB法人カード一般カード
JCB法人カードゴールドカード

▽アメックスブランド
アメックス・ビジネス・カードグリーン
アメックス・ビジネス・カードゴールド
・アメックス・ビジネス・カードプラチナ


▽ダイナースクラブブランド

・ダイナースクラブビジネスカード

個人カードとの違い

法人クレジットカードと個人のカードの利用方法は、全く同じで差がない。同じ決済能力を擁したクレジットカードになる。
海外・国内旅行傷害保険などの付帯保険やサービスなども差異はない。ゴールドカードなら、空港の専用ラウンジも無料で利用できる。ただし、いくつかの決定的な違いがある。

法人・個人カードの違い

  • 法人カードの決済口座は法人名義(一部カードを除く)
    (個人カードで決済口座を法人名義にできない)
  • 役員や社員向けのカードやETCカードも複数枚発行できる
    (個人カードは家族カード、ETCカードを発行)
  • 利用履歴を直接、端末に取り込むことができ、経理処理が合理化(一部カードを除く)
    (個人カードは利用明細で確認する)

法人カードと個人カードの最大の違いは、カードの発行枚数が挙げられる。

個人カードとは比べられないほど、カードを発行できることだ。従業員の数をある程度、カバーできないと法人カードの意味がないからだ。個人カードは「人」に発行するが、法人カードは一つの企業や会社に対して発行する、ということだ。

【主な法人カードの追加カードの最大発行枚数】

カード名称 追加カード ETCカード
JCB法人一般カード 無制限 無制限
JCBビジネスプラス法人カード(一般) 無制限 無制限
ライフカードビジネス 無制限 無制限
ダイナースクラブビジネスカード 無制限 無制限
UC法人カード(一般) 無制限 99枚
三井住友VISAビジネスカードクラシック 20枚 20枚
EX Gold for Biz M 3枚 無制限
アメックス・ビジネス・ゴールド・カード 5枚 5枚
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード 4枚 4枚
楽天ビジネスカード 設定なし 無制限

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、法人カードとして独自の特徴がある。
法人経営者、個人事業主を対象にしているが、決済口座が「法人名義」と「個人名義」の両口座から選べる。
1枚で事業用とプライベートの両方で利用、決済できるのだ。

もちろん、法人カードとしての機能も、高レベルなスペックになっている。

個人事業主でも持てるか?

法人クレジットカードは、その名の通り「法人=企業=会社」に対して発行される。
カード利用者は、法人の代表者、従業員らが対象になる。

しかし、その一方で組織に属さず活動するフリーランス、個人事業主も対象になる。多くの法人カードは、個人事業主も対象にしており、法人に属しているか否かはそれほど重要視されていない。

現在、各カード会社は個人事業主に向けて、積極的な法人カードの加入をPRしている。背景には、働き方の多様性がある。
日進月歩といわれるIT技術の加速で、フリーランスのさまざまな職業形態が創出された。
それだけ、フリーランスなどの個人事業主が大勢いる証拠だ。カード会社にとっても、法人カード需要を収益に相当数、見込んでいる。

ここで、逆転現象も起きるケースがある。例えば、過去に個人のアメックス・ゴールド・カードを申し込んで審査で否決された個人事業主が、法人のアメックス・ビジネス・ゴールド・カードをあっさり発行されたケースもある。同じように高属性が必要なダイナースクラブの場合も、同じ事例が各サイトで報告されている。

法人カードの審査基準は?

気になるのは、法人クレジットカードの審査基準だ。

法人と名がつくからには、事業内容や収益など厳しくチェックされがち、と思うが、ちょっと違う。各カードによって差はあるが、柔軟な審査をするケースが多い。

審査の難易度でいえば「個人用カード」>「法人カード」になる事例も数多い。

一般的には設立が古いほど有利で、赤字よりも黒字が有利とされている。

具体的には

  • 設立後、3年以上は経過している
  • 黒字決算

とされる。

しかし、そうでもない。立ち上げたばかりの会社、個人事業主でも審査に通る。
赤字もその性質が問題で、節税対策で車両の購入などで故意に赤字計上している場合がある。これはカード会社にとって上客になる。

一般的な法人カードの審査書類

▽法人
・希望限度額が100万円以下→「登記事項証明書」「代表者の本人確認書類」
・希望限度額が500万円以下→上記の必要書類に加え、「決算書2期分」
・希望限度額が500万円超→上記書類に加え、「不動産謄本」

▽個人事業主
・希望限度額が100万円以下→「事業主の本人確認書類」
・希望限度額が100万円超→上記書類に加え、「確定申告書2期分」

ということは、法人も個人事業主も希望限度額を100万円以下に設定すれば、審査対応が柔軟になる可能性が高い。

言い換えれば、100万円以下の場合、カード会社の審査で赤字になっているのか、黒字になっているのか問わないということだ。
事業形態としての体裁が整っていれば、スムーズにカードが発行される可能性がある。

メリット・デメリット?

法人クレジットカードが、ここまで一般的になったのは大きなメリットがあるからだ。

もちろん、前述した通り、個人のクレジットカードでは、事業用や経費の決済ができないということもある。
事業や経費決済において、法人カードは非常に利便性が高い。その一方でデメリットもあるので、しっかり理解することが大事だ。

法人クレジットカードのメリット

・経費処理の出納業務の負担が軽減される
・経理担当業務が合理化され、人員配置に余裕ができる
・経費の支払いが一本化され、効率的な事業運営に集中できる
・個人事業主の場合、仕事とプライベートの利用を区分けできる
・クレジットカードの付帯サービス(海外旅行傷害保険)が利用できる

法人クレジットカードのデメリット

・年会費無料のカードが個人用カードに比べて極端に少ない
・ポイント還元率が低く(0.5%以下)、全く付与されないカードもある
・個人用カードに比べて種類が少ない
・法人カード(法人経営者)にはキャッシングの設定がない

法人カードのメリット・デメリットは、各事業形態によっても変わってくる。

家族経営の法人では、法人カードの導入で優秀な経理社員を雇ったようなものだ。
最近はカードと経理ソフトと連動し、クラウド上で自動的に経費処理ができる機能もある。
カードを積極的に使えば、デメリットはほとんど気にならないレベルだ。

法人カードとコーポレートカードとの違い

法人クレジットカードは2つに分類される。法人カードやビジネスカードと言われるカード群、コーポレートカードと言われるカード群になる

ともにカードスペック、使い方に差はないのだが、大きな特徴は会社の規模によって分類されること。
法人カード・ビジネスカード=中小企業・個人事業主、コーポレートカード=大企業という図式だ。

法人クレジットカードの場合、カードの券面は個人名が記載される。
一方のコーポレートカードは、券面に会社名と個人名を記載するケースが多い。
コーポレートカードという名の通り、対象企業にカスタマイズしたクレジットカードになる。個人事業主や20人以下の企業は対象外になるケースが多い。

三井住友カードの法人カード比較

1)三井住友ビジネスカードfor owners
・対象は満20歳以上の個人事業主、もしくは中小企業代表者
・年会費は1,250円(税別)

2)三井住友ビジネスカード
・法人のみを対象(カード使用者は20名以下が目安)
・年会費は1,250円(税別)

3)三井住友コーポレートカード
・大企業向け(カード使用者は20名以上が目安)
・年会費は1,250円

中小企業経営者、個人事業主を対象にした法人カードは、利用限度額が100万円以下なら、柔軟に発行される可能性がある。

しかし、コーポレートカードの場合、企業の規模はもちろん、財務体質まできっちり審査される。数百人~数千人の従業員を抱えている大企業だけに、倒産すればカード会社にとっても、深刻なダメージを受けるからだ。

法人カードの名義はどうなっている

法人クレジットカードの名義は、法人(会社)なのか個人なのか。そんな疑問が沸いてくる。
「法人カードだから、当然、会社名義」と言う方もいるかと思う。

同じような回答として個人カードではないので、会社名義だと思うかもしれない。これは、半分正解で半分不正解といったところか。

法人カードもコーポレートカードも、個人名義になる。意外な気がするが、法人(会社)名義にすると、大変なことになるからだ。

よく考えれば、法人カードとはいえ、券面に必ず個人名が入っていることに気づく。法人名義なら会社名だけでいい。
最終的にカード裏面のサイン欄には、個人のサインを書くので、個人名義であることが分かる。

もし、法人カードが法人名義なら、誰が利用したのか分からなくなる。これでは、クレジットカードとしての基本的なシステムが機能しないことを意味する。防犯管理上の問題もあるので、国内の全ての法人カードは個人名義になっている。アメックスやダイナースクラブの法人カードも同じだ。

1)社長の法人カード=社長名義→引き落としは法人名義の口座
2)役員の法人カード=役員名義→引き落としは法人名義の口座
3)社員の法人カード=社員名義→引き落としは法人名義の口座

引き落とし口座は、いずれの場合も法人名義の口座になる。このため、冒頭の「半分正解で半分不正解」ということになる。

ただ、引き落とし口座に関しては、法人名義が絶対条件でない。
例えばX社がY銀行の普通口座を業務口座として、従業員名義で持たせた場合、この口座を引き落とし口座にすることもできる

主な法人カード

個人カードに比べれば、はるかに少ない法人カードだが、それでも多種多様のラインナップだ。

希少価値にあふれるリーズナブルな年会費無料のカード。ステータスのある法人カード。法人カードながら電子マネーが充実しているタイプもある。そんな代表的な法人カードをピックアップした。

ライフカードビジネス

法人カードの中では、希少な年会費が完全無料のカードで注目度がピカイチだ。

・対象は法人経営者、個人事業主
・年会費無料
・国際ブランドはVISA、MasterCard、JCB
・追加カード、ETCカードの年会費は無料

EX Gold for Biz S(M)

ポストペイ型(後払い式)の電子マネー「iD」「QUICPay」をダブル搭載している。

・対象はSが個人事業主、Mが法人代表者
・年会費は初年度無料で、次年度以降2,000円(税別)
・国際ブランドはVISA、MasterCard
・追加カード、ETCカードの年会費は無料

UC法人一般カード

ポイントの有効期限のない「永久不滅ポイント」が経費削減に大きく貢献。

・対象は法人経営者、個人事業主
・年会費は1,250円(税別)
・国際ブランドはVISA、MasterCard、JCB
・追加カードは年会費1,250円(税別)、ETCカードの年会費は無料

まとめ

フリーランスなどの個人事業主は、サラリーマンよりも社会的な信用度が低いとされる。

個人カードの新規発行は、ステータスカードだと難しいのが実情だ。年収、職業形態、勤務先など属性が審査されるからだ。極端な例では、年収1,000万円以上を稼ぐ個人事業主よりも、年収300万円の公務員の属性が高いケースもある。

しかし、法人カードとなれば話は別だ。
法人カードに申し込む人は、収入の多少を抜きに、確実に就業している。
審査は事業の実態を電話確認することが最大のポイントで、就業形態(正規雇用、非正規雇用)、家族構成、住居形態(借家、持ち家)などの個人カードの審査項目が簡略化されるケースが多い。

個人事業主、実績のない法人経営者は、個人カードよりも法人カードを最初につくれば、審査で否決される可能性が少なくなる。法人カードで延滞歴がなく、クレジットヒストリー(利用実績)を積み重ねていけば、将来的に個人のステータスカードの審査に通りやすくなる。

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執筆・編集:大人のクレジットカード編集部

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