旅行先としてはもちろん、留学先としても人気の国、イギリス。
実は日本よりずっとクレジットカード利用が進んだ国だ。
国際ブランドはVISAとマスターカードが主流のため、どちらかを選んでおけば間違いない。
ICチップ付きのカードが普及しており、スキミングといった不正への対策がなされていることがわかる。
ただし、スリなどの窃盗が日本に比べると多いため、クレジットカードの管理には十分に注意する必要がある。
日本ではあまり馴染みのないチップを払う文化もあるため、支払い方法などは事前に確認しておきたい。
本記事ではイギリスのクレジットカード事情、使用する上での注意点などをわかりやすくまとめた。
また、特に留学する学生におすすめのカードとして「三井住友カード(学生)」「エポスカード」を紹介する。
イギリスへの留学を考えている人には、ぜひ参考にしてほしい。
イギリスではカード払いが主流
イギリスではカードによる決済が普及しており、スーパーや飲食店、百貨店をはじめとして、駅や郵便局、その他多くの店で利用できる。
カードが利用できる店舗では、対応している国際ブランドのロゴが提示されている。
スキミング対策にもなるICチップ付きのカードが主流で、決済時に暗証番号の入力を求められる。
ICチップ付きでない(磁気式)カードも、使えないことはないが、不正利用を防ぐためにもICチップ付きのカードがおすすめだ。
イギリスに限らず海外旅行の機会の多い人は、ICチップ付きクレジットカードを作っておいた方が良い。
利用できる国際ブランド
クレジットカードの国際ブランドと、世界の購入取引件数のシェアは以下の通りだ。
- VISA・・・56%
- Mastercard(マスターカード)・・・26%
- UnionPay(銀聯)・・・13%
- American Express(アメックス)・・・3%
- JCB・・・1%
- Diners Club・・・1%
数字からVISAとMasterCardのシェアが圧倒的だということがわかるはずだ。
特にVISAが全体シェアの半数以上を占めるということは覚えておこう。
イギリスも例に漏れず、VISAとマスターカードが主流だ。
特にVISAがあれば、特に困ることはないだろう。
一方、JCBやアメックスは利用できない可能性もある。
普段JCBやアメックスのカードを利用している場合は、気軽に申し込める年会費無料のVISAカードを持っておくことをおすすめする。
デビットカードの利用率が高い
実はイギリスでは、クレジットカードよりも圧倒的にデビットカードがよく使われている。
クレジットカードと違い、即時決済で銀行口座からお金が引き落とされるデビットカード。
イギリスで銀行口座が開設できれば、審査なしで持つことができるため、若者にも広く使われているのだ。
手軽さに加えて、お金を管理しやすく、使い過ぎを防げるという点も、メリットとして挙げられるだろう。
ただし、不正利用時の補償や、ポイント還元率などの点では、クレジットカードの方が優れている。
デビットカードが使える店舗では、同じ国際ブランドのクレジットカードも利用できるので、旅行や留学の際にはクレジットカードを持っておけば十分とも言える。
チップもカードで支払える
イギリスでは、アメリカほど頻繁にチップを支払う習慣がない。
しかし、ホテルで荷物を運んでもらった時や、テーブルサービスのあるレストラン、タクシーなどではチップを支払うことが多いようだ。
ホテルのベッドメイクやカフェやファーストフードなどカジュアルな飲食店ではチップを支払う必要はない。
レストランのチップは、クレジットカードで支払うこともできる。
請求書が来た際に、サービス料としてチップの代金が含まれている場合と、自分でチップの額を記入する場合とがある。
後者の場合、記入したチップの額を含んだ代金がクレジットカードで決済される。
カードの利用に関する注意点
カードを利用する際、決済時に暗証番号の入力を求められることになる。
暗証番号を忘れない、他人に暗証番号を知られないよう入力時に手で隠すなど、日本同様に注意しよう。
加えて、イギリスでカードを利用する場合に気をつけるべき点を以下に挙げた。
カード利用時は目を離さない
イギリス、特にロンドンでは、残念ながら観光客を狙った窃盗や詐欺が多く起こっている。
クレジットカードでのショッピングにしろ、キャッシングにしろ、カード利用時にはカードから目を離さないことが重要だ。
警官を装ってカード提示を求めてくるケースもあるようだが、本物の警察官がパスポート以外の提示を求めることはない。
カードの提示を求められたら詐欺の可能性が高いため、うかつに出さないように気をつけよう。
クレジットカードが使えないケース
多くの店でクレジットカードを使えるイギリスだが、例外的に使えないケースもある。
露店での買い物や手渡しするチップ、公衆トイレやタクシーなど、現金払いが必要なケースもある。
また、電車やバスといった公共通機関については、日本でいうSuicaのようなプリペイド式の電子マネー「オイスターカード」が便利だ。
オイスターカードにはクレジットカードでチャージすることもできる。
支払い前に金額と支払通貨を確認する
慣れないうちは大変かもしれないが、支払前に支払通貨と金額を確認しておくと安心だ。
円払いだと店舗独自の交換両替手数料などが加算されることがあるため、その場合はポンド払いを選んだ方が良い。
また、金額に誤りがないかの確認も、トラブルを防ぐために大切だ。
さらに、クレジットカードが利用できないこともあるので、多少の現金も持っておいた方がいいだろう。
現金の注意点として、高額の50ポンド紙幣はより少額の紙幣に交換することを忘れないようにしよう。
なぜなら、50ポンド紙幣はあまり流通していない紙幣のため、偽札と疑われて支払いを拒否されることもあるからだ。
現金が必要な時はキャッシングも便利
イギリスで現金が必要な場合、両替よりもキャッシングの方が得になることが多い。
出国前に、手持ちのクレジットカードでキャッシングができるか、また、ショッピング利用額と合わせたキャッシング限度額も確認しておこう。
必要であれば、限度額は一時的に引き上げることもできる。
キャッシングは、PLUSマークのついているATMで可能だ。
ATMは国際空港やショッピングセンター、地下鉄駅など多くの場所に設置されている。
銀行のATMは24時間利用が可能で便利。キャッシングにもショッピングと同様、暗証番号が必要となる。
キャッシングには利息が発生するため、帰国後はすぐに一括返済することも忘れずに。
また、留学などで1年以上イギリスに滞在する場合は、イギリスに口座を作っておくと便利だ。
学生の留学におすすめのクレジットカード
イギリスは旅行先としてだけでなく、留学先としても非常に人気が高い国だ。
ここからはイギリスに留学する学生におすすめのカードを2券種紹介する。
選定にあたっては以下の点を基準とした。
- 国際ブランドが世界シェアNo.1のVISA
- 年会費が無料である
- 海外旅行傷害保険が付帯する
VISAブランドは世界200カ国以上、3,000万店以上で利用可能なため心強い。
さらに、帰国後もそのまま使い続けられるスペックのカードとした。
クレジットカードを作ろうと思うが、どのカードを選べばいいのかわからないという人は、ぜひ参考にしてみてほしい。
三井住友カード(学生)
三井住友カード (旧:三井住友VISAカード)

テレビCMでおなじみの信頼と実績のあるクレジットカード
クレジットカードを一枚だけ持つならば、このカードが生活の様々なシーンをカバーしてくれるだろう。
※2020年2月3日に三井住友VISAカードから名称変更、並びに券面がリニューアルされた。
年会費 | 初年度無料(オンライン入会) 2年目以降は条件により無料 <通常> 1,250円+税(三井住友カード) 1,500円+税(三井住友カードA) ※学生カードは年会費無料 |
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還元率 | 0.5%~2.5% |
電子マネー | iD、WAON、PiTaPa |
三井住友カードは日本初のVISAカードであり、非常に信頼性の高いカードだ。
旅費などをこのカードで支払うという条件はつくが、海外旅行傷害保険が最高2,000万円付帯する点もおすすめする理由の一つだ。
基本的なカードスペックも申し分なく、安心して長く使うことができるだろう。
また、三井住友カードの特徴の一つして、学生カードの存在が挙げられる。
通常は2年目以降は年会費1,250円(税抜)がかかるところ、学生カードの場合は在学中無料になるため、非常にお得だ。
学生なら、申し込みの際に必ず学生カードを選択しよう。
エポスカード
エポスカード
年会費 | 無料 |
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還元率 | 0.5% |
旅行保険 | 海外:最高500万円(自動付帯) |
電子マネー | 楽天Edy、モバイルSuica ※チャージによるポイント付与のみ |
国際ブランド | ![]() |
エポスカードはマルイでの買い物がお得になるという強みを持つカードだが、マルイを利用しない人にもおすすめできる優秀なカードだ。
海外旅行傷害保険は、カードの利用といった条件のない「自動付帯」で最高500万円まで補償される。
また、即日発行に対応しているため、マルイまで受け取りに行けるなら、その日の内に受け取ることも可能。
留学に向けて急いでクレジットカードを作りたいという人にとっても、嬉しいサービスと言える。
国内のカラオケ、居酒屋、映画館など10,000店舗以上で優待サービスを受けられるため、帰国後もお得なカードとして使い続けられるはずだ。