日本から近いこともあり、海外旅行の目的地として人気の高い韓国。首都・ソウルへのアクセスが良い仁川(インチョン)国際空港には、成田空港から約2時間半で到着する手軽さだ。
今回は、韓国のクレジットカード普及具合や使える国際ブランド、カード利用時の注意点、韓国に渡航する際に持っておきたいおすすめのクレジットカードを紹介する。
結論から言ってしまうと、韓国は世界1位のクレジットカード大国であるため、必ずクレジットカードを持って行くことをおすすめする。
また、韓国で主流のカードブランドは、VISA、MasterCard、American Express、銀聯カード、JCBで、日本とほぼ変わらずに利用することができる。
これからクレジットカードの作成を考えている方は、以下のおすすめカードを検討してほしい。
目次
クレジットカード普及率 世界1位
1999年、韓国政府が個人消費の拡大と小売店の脱税防止を目的としたクレジットカード推奨策を打ち出したことで、クレジットカードの利用が大いに広まった。
利用額に応じた控除やカードの領収書に宝くじをつけたことが有名で、日本クレジット協会の調査によると、平成26年時点で韓国の約70%がクレジットカード決済だという。
日本のクレジットカード決済率は約16%、アメリカで約22%なので、韓国がまさに「クレジットカード大国」であることが分かる。
そのため、デパートやスーパーはもちろん、観光地やコンビニエンスストア、個人の商店に至るまで数百円単位の買い物でもクレジットカードでの支払いが浸透している。
電車やバスなどの交通機関では、日本でいうSuicaやPASMOのような交通系ICカード「T-moneyカード」を利用するのが一般的で、現金を使う機会は日本よりも少ないと言える。
韓国で使える国際ブランド
韓国で主流のカードブランドは、VISA、MasterCard、American Express、銀聯カード、JCBで、日本とほぼ変わらずに利用することができる。
特にVISA、MasterCardは世界中で広く利用されており、韓国での利用率も多い。心配な場合には2つのうちどちらかを持っておくと良いだろう。
クレジットカードが使えない場所
クレジットカード払いが浸透している韓国でも、年商240万円以下の店舗ではクレジットカードの導入義務がないため、市場や屋台など規模の小さな店では現金払いになることも多い。
明洞や東大門市場など有名な観光地では利用できる屋台もあるが、念のため屋台を利用するぶんの現金を用意しておくと良いだろう。
現金とクレジットカードの違い
短期の旅行や出張などで海外へ行くとき、限られた滞在時間の中で両替は大きなタイムロスとなる。
滞在期間の長さに合わせて最低限必要な金額だけを両替しておき、あとはクレジットカードを利用することで両替の機会が減り、現地での時間を有効的に利用することができる。
両替所は空港や街中に多くあるが、手数料として両替する金額の3~8%がかかる。両替所によって大きく差が出るが、行先や時間との兼ね合いから条件の良い両替所で両替できないことも多いだろう。
一方、海外でクレジットカードを利用した場合には為替手数料がかかる。為替手数料は国際ブランドによって異なるが1.6%前後で、両替時の手数料と比べると格段に低いことが多い。
日本円建てと現地通貨建て
海外でクレジットカード利用時には現地通貨建てでカード決済が行われることが一般的だが、韓国やハワイなど観光客の多い国や地域では、自国通貨でのカード決済が選択できるDCC(Dynamic Currency Conversion)サービスが導入されている。
日本円建ては支払い金額がわかりやすいというメリットがあるが、店舗によって3~5%の手数料がかかるので注意しよう。
説明なしに日本円建てとなっている場合もあるので、サインをする前に明細書をしっかりと確認することが大切である。
また、日本円建ての場合はカード利用日、現地通貨建ての場合はカード会社に利用情報が到着した日がレート換算日となる。
便利な海外キャッシング
クレジットカードの海外キャッシング機能を事前に設定しておけば、現金が少なくなったときにもATMで現地通貨を借りることができる。
ATMの使い方はカードブランドによって異なるが、英語・日本語での表記がされていたり、図やイラストを用いた説明がついていたりと旅行者にもわかりやすく、困ることは少ないだろう。
多くのクレジットカードのキャッシング利率は年18%に設定されている。これを1日あたりで割ると0.049%となり、1万円をキャッシングした場合には1日あたり4.9円の利息がかかる。
帰国してから支払いまでの期間が長くなれば利息分の金額も大きくなるため、翌月の支払い日を待たずに繰り上げ返済するのがおすすめだ。
繰り上げ返済の方法は、カード会社に連絡して振込口座を教えてもらい振り込む方法が多い。
また、専用ATMが繰り上げ返済に対応しているエポスカードなど、より手軽に支払えるカード会社もある。
注意したいのは、オリコカードや楽天カードのように、海外キャッシングの返済方法がリボ払いのみとなっている場合だ。
海外キャッシングで利用した金額よりリボ払いの返済金額が低く設定されていた場合、翌月に支払い金額を残してしまうため利息が多くかかってしまう。
リボ払い時の返済金額を海外キャッシングの利用可能額と同じに金額に設定しておけば、一括で支払うこととなり利息が多くかかる事態を防ぐことができる。
事前に返済方法を確認し、リボ払いのみの場合は返済金額を上げておこう。
クレジットカードを使用する際の注意点
各項目でも注意点を述べてきたが、ここでは韓国滞在時にクレジットカードを使用する際の総合的な注意点をあげる。
一つは、カード利用時には確認をしっかり行うこと。
明細書にサインをするとき、領収書をもらったとき、その都度気になることは確認して、トラブルを未然に防ぐ心構えを持っておこう。
日本国内でカードを利用したとき、明細を少し見ただけでサインするという人は少なくない。しかし近い国ではあるが韓国は外国であり、悪意はなくても言葉の行き違いや受け取り間違いによって会計に誤りが出ることも考えられる。
二つ目は、万が一の紛失や盗難に備えてクレジットカード会社の緊急連絡先をメモしておくこと。
携帯電話に登録したりウェブページをブックマークしていてもカードと一緒に紛失したり盗まれたりすることもあるだろう。
アナログな方法ではあるが連絡先を紙に記し、緊急時にはいち早く連絡ができるようにしておこう。
おすすめのクレジットカード
三井住友カード(NL)
日本最初のVisaカードとして有名な「三井住友カード」も、海外旅行では欠かせない。
三井住友カード(NL)では、旅行安心プラン(海外旅行傷害保険)として、海外旅行傷害保険が最大2000万円付帯している。
傷害死亡・後遺障害 | 2,000万円 |
---|---|
傷害・疾病治療費用 | 50万円 |
賠償責任 | 2,000万円 |
携行品損害 (免責3,000円) | 15万円 |
救援者費用 | 100万円 |
保険の適用は、事前に旅費などを当該カードで決済することが必要になる。
特に、3か月以上のアメリカ長期留学者におすすめなのが、三井住友カード(NL)の海外旅行傷害保険(利用付帯)の裏技だ。
三井住友カードの海外旅行傷害保険(利用付帯)の適用開始日は、「海外で交通費を支払った時点」から適用される。保険適用の条件としても、以下が紹介されている。
日本出国後に航空機、電車、船舶、タクシー、バスといった乗客として搭乗する公共交通乗用具(※1)の利用代金を特定クレジットカードで決済した場合。
引用:旅行安心プラン(海外旅行傷害保険)
他のカードで90日間の海外旅行傷害保険を利用し、それが切れるタイミングで三井住友カード(NL)を使用し、現地交通費を支払えばさらに90日間の保険適用を受けられる。
合計で180日程度の有効期間があるので、半年程度の留学ならば十分に対応可能だ。
さらに三井住友カード(NL)のNLはナンバーレスの略。カード券面にカード番号が印字されていないので、番号を盗みみられることがなく安心できる。 最新のVisaタッチ決済にも対応しており、海外でも安全かつスピーディーに支払いできるのが魅力だ。
三井住友カード(NL)

Vポイントが貯まる!ナンバーレス、タッチ決済対応の三井住友カード
対象のコンビニ・飲食店で、Visaのタッチ決済/Mastercard®コンタクトレスの利用すると最大5%還元。
*商業施設内にある店舗など、一部ポイント加算対象とならない店舗および指定のポイント還元にならない場合があります。
*一定金額(原則1万円)を超えると、タッチ決済でなく、決済端末にカードを挿しお支払いただく場合がございます。その場合のお支払い分は、タッチ決済分のポイント還元の対象となりませんので、ご了承ください。上記、タッチ決済とならない金額の上限は、ご利用される店舗によって異なる場合がございます。
年会費 | 永年無料 |
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還元率 | 0.5%~5.0% |
旅行傷害保険 | 海外:2000万円(利用付帯) |
楽天カード
年会費無料の楽天カードは、基本のポイント還元率が1%と高還元カードとなっている。
また、国際ブランドはVISA/Mastercard/JCBから選択可能なので、海外旅行に向けて作る人はVISAかMastercardを選ぶと良いだろう。
海外旅行保険は最高2,000万円が利用付帯する。
海外旅行中の病気やケガの治療費の他、賠償責任、携行品損害も補償される、カードを所有している本人以外に、家族カードを所有している同伴者にも適用される。
万が一カードを紛失・盗難してしまった場合は、24時間受付の専用ダイヤルが設けられている。
また、渡航中のみ利用可能な再発行カードを現地で手配する緊急カードサービスもある。
普段使いでも、海外旅行のお供にもおすすめできるコストパフォーマンスが非常に優れたカードだ。
エポスカード
エポスカードは年会費無料でありながら、海外旅行保険が最高500万円まで自動付帯している。
また、最短即日発行に対応しており、急な海外出張などが入った際に心強い。
さらに、国際ブランドがVISAなので、韓国に限らず世界中で利用安心して利用できる。
旅行中の怪我や病気、持ち物の破損、盗難に対応してくれるため、海外旅行に向けてぜひ作っておきたいカードだ。
また、ショッピング利用枠を一時的に増額できるので、旅行費用の支払いや現地で大きな買い物を予定している場合にも使いやすい。
海外キャッシングの支払いはPay-easy(ペイジー)、コンビニATMからリボ増額払いができる。