
「セルビア」と聞いて、すぐに場所や文化が思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。私自身もそのひとりでした。
ダイナースクラブでは会員限定で、ダイナースクラブだからこそ体験できる貴重なイベントを開催しています。その中の一つがダイナースクラブ カルチャーラボの「大使館を訪ねて」シリーズです。
普段は足を踏み入れることのできない大使館で、その国の文化や歴史、食を体験できる——そんな唯一無二のイベントが今回は東京・品川区にある在日セルビア大使館で開催されました。
今回はこのイベントの体験の魅力を少しでもお届けできればと思います。
「大使館を訪ねて」シリーズとは?

ダイナースクラブが主催する「大使館を訪ねて」シリーズは、会員限定で各国大使館を訪問し、その国のリアルな文化・歴史・食を深く体験できる特別なイベントです。大使館という普段は立ち入ることのできない場所で、大使館スタッフから直接話を聞き、民族文化を体感できる点が毎回多くの参加希望者を惹きつけています。
これまでにも以下の大使館でイベントが開催されています。
- ペルー大使館
- ベルギー大使館
- ラオス大使館
- ルーマニア大使館
- など
今回のセルビア大使館イベントも、190名近い応募が集まるほどの人気ぶりで、選ばれた20名前後の参加者だけが体験できる貴重な機会となりました。
セルビア大使館イベントの概要
在日セルビア大使館は東京都品川区に位置しています。イベントは2026年2月27日(金)にて開催されました。

当日は大使館アシスタントの長門ティヤナさんが司会・進行を担当。セルビアの基本情報から観光スポット、食文化まで幅広く紹介してくださいました。参事のミラン・グルイッチさんも登壇し、セルビアの魅力を熱く語っていただきました。

セルビアとセルビア大使館
セルビアってどんな国?
セルビアと聞いて、正直私はどこにある国なのかもピンと来ませんでした。唯一知っていたのは、プロテニス選手のノバク・ジョコビッチ選手くらいでしょうか。
日本ではまだなじみの薄いセルビア。
「セルビアって寒い?」「スペインのセビリアとは違う?」「赤い花のサルビア?」
長門さんは冒頭でこうした”よくある勘違い”をユーモアたっぷりに紹介してくれました。
セルビアは東ヨーロッパ、バルカン半島に位置します。かつては「ユーゴスラビア」の一部でしたが、現在は独立した共和国として歩んでいます。
首都はベオグラード。スラブ語で「白い街」を意味するこの都市は、ケルト人が築いた歴史ある街で、ヨーロッパのアテネ・ローマと並ぶ最も古い都市の一つです。
国の面積は日本の北海道とほぼ同じで、人口は約667万人。北部は平地が広がる農業地帯で小麦やぶどうの産地として知られ、南部は山が連なり有名なスキー場もあります。宗教はセルビア正教(キリスト教の一派)が主流ですが、多民族・多文化が共存する国のため、イスラム教やカトリックの信者も多く暮らしています。
気候は日本と同じく四季があり、ベオグラードの冬は東京と同程度の寒さとのことですが、夏は暑くなるものの乾燥しているため過ごしやすく、大使館スタッフは夏はセルビアの方が過ごしやすいようです。
日本との意外な縁
日本との縁は、明治天皇の時代から両国の外交関係が始まった歴史があり、19世紀末から培われてきた縁は現在も続いています。

実は日本とセルビアの間には、知る人ぞ知る深い縁があります。
日本でおなじみの蚊取り線香。その原料となる「除虫菊」は、もともとセルビアが原産地だといわれています。(キンチョーのホームページにはセルビアとのゆかりも紹介されています。)
現在、大日本除虫菊(金鳥)の現会長がセルビアの名誉総領事を務めており、2025年の大阪・関西万博においても日本とセルビアの橋渡し役を担ったといいます。
大阪万博のセルビア館のレストランは「食べログ」の外国パビリオン部門でナンバーワンを獲得するほど大人気だったとか。
さらに2027年にはベオグラードで国際博覧会の開催が予定されており、音楽とスポーツをテーマに日本も参加する見込みです。セルビアを訪れるタイミングとしても、注目の機会となりそうです。
セルビアの踊り「コロ」
イベントではセルビアの踊り「コロ」も日本の大学生によって披露されました。

コロとは?
セルビアの民族舞踊を代表するのが「コロ(Kolo)」です。スラブ語で「輪・円」を意味するこの踊りは、手をつないで輪になり、音楽に合わせてステップを踏む集団舞踊。バルカン半島の歴史・文化・共同体意識を象徴する伝統芸能として、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
コロの大きな特徴は、参加者全員が手をつなぐことで生まれる一体感。V字型またはW字型に腕を組みながら横一列または円形に並び、左右にリズミカルなステップを踏んでいきます。
アコーディオンをはじめ民族楽器の演奏に合わせて踊るのが伝統的なスタイルで、現在も結婚式・収穫祭・宗教行事・地域の祭りなど、さまざまな場面で踊り継がれています。
実際に体験してみると

当日は音楽に合わせて実際にコロの踊りも披露されました。独特の足さばきで、実際に教えてもらいながらやってみると、なかなか難しい…。習得するにはコツを掴む必要がありそうです。
セルビアの料理とワイン
踊りの後には料理とワインも楽しみました。
当日のメニュー
セルビア料理は、バルカン半島の素朴さ、オスマン帝国の影響、そして中央ヨーロッパの食文化が混ざり合った力強い料理が特徴です。
パプリカを多用したシンプルかつ家庭的な味わいが魅力で、今回のビュッフェランチにもその個性がよく表れていました。今回の料理はセルビア料理教室も開催されているティヤナさんが作られたとのことで、大変おいしくいただきました。




ビュッフェランチ
- アイバル(パプリカペースト) — パプリカペーストはローストしたパプリカをベースにしたペーストをパンに塗ったり肉料理に添えたりと万能に活躍するセルビアの食卓に欠かせない一品
- ほうれん草ロール — ほうれん草を包んだロール料理
- プロヤ(コーンブレッド) — とうもろこしの粉で作ったセルビア伝統のパン
- ショプスカサラダ — トマト・きゅうり・チーズをたっぷりかけたサラダ。日本人にも馴染みやすい
- ムチュカリッツァパスタ(ピリ辛の豚肉パプリカシチューパスタ入り) — 豚肉とパプリカのスパイシーなシチューパスタ
デザート
- くるみクッキー
- あんずジャムクッキー

どれもセルビアの家庭料理らしい温かみのある味わいで、ワインとも相性がよく、非常に贅沢な時間を過ごすことができました。
セルビアのワイン
今回はセルビア産のワインが2種類提供されました。

| ワイン | 品種 | ヴィンテージ |
|---|---|---|
| Vila Vina Tamjanika(白) | タムヤニカ | 2024年 |
| Virtus Prokupac(赤) | プロクパッツ | 2020年 |

セルビアはローマ時代から続くワインの産地で、国内各地に小規模なワイナリーが点在しています。日本ではまだ流通が少なく馴染みは薄いですが、その品質の高さに驚く人も多いといいます。
今回特に印象的だったのが白ワインの「タムヤニカ」。マスカットを思わせるような甘く華やかな香りが特徴的で、セルビア料理との相性も抜群でした。セルビアのワインを試す機会があれば、ぜひ白ワインから試してみることをおすすめします。
「大使館を訪ねて」に参加するには
ダイナースクラブ「大使館を訪ねて」は、ダイナースクラブの会員限定イベント。
倍率は高いというものの、当選倍率を考えても高すぎるというほどではないと思います。こういう会員限定のイベントも開催されているので、カードを持ったらぜひ細かくチェックすることをおすすめします。
イベントの募集情報は公式サイトの「優待・サービス>エンターテインメント>カルチャー>ダイナースクラブ カルチャーラボ」のページに掲載されています。各回の募集人数は少なく、今回のように190名近くの応募が集まることもあるため、気になる方はこまめにチェックすることをおすすめします。
普段は入れない大使館で、その国の文化に触れ、料理やお酒を楽しめるこのシリーズ。ぜひ体験してみてください。












