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ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)が2028年に大改定!ラウンジ維持には年間300万円の決済が必要に

ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)が2028年4月から制度変更。ラウンジ利用には年間カード決済300万円以上が条件となり、これまで「一度取れば一生モノ」とされてきたステータスに大きな変化が訪れる。

ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)とは?おさらい

ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)とは、ANAのマイレージクラブにおけるプレミアムメンバーシップと提携クレジットカードを組み合わせた上位ステータスカードです。

通常、ANAのプレミアムメンバー資格(プラチナやダイヤモンド)は、1月〜12月の1年間に一定量のプレミアムポイントを獲得することで取得できますが、その資格は翌年末で失効します。一方、SFCはプラチナ以上の資格を取得した年にカードに入会することで、以降ずっと継続してプレミアムサービスを受けられるという特別な仕組みを持っています。

「修行」でステータスを取得し、一生使えるカードだった

この「一度取れば一生モノ」という特性が、いわゆる「修行」文化を生みました。修行とは、1年間に集中してANA便に搭乗し、プラチナ資格のプレミアムポイント条件をクリアすることを指します。長距離路線や国内線の往復を繰り返し、旅行としての目的よりも「ステータス取得」を優先して飛ぶスタイルです。

修行さえ乗り越えれば、その後は毎年大量に飛ばなくても空港ラウンジを使え、優先チェックインや優先搭乗などの特典を享受し続けられる——それがSFCの最大の魅力でした。

2028年4月から何が変わるのか?新制度の全容

ANA公式サイトの発表によると、2028年4月1日から特典区分が新しくなります。すでにSFCをお持ちの方も含め、全保有者が新制度の対象です。

ラウンジ利用に「年間カード決済300万円」の条件が加わる

新制度では、ラウンジを利用するためにはANAカードまたはANA Payによる年間決済額300万円以上の達成が条件となります。

この条件を達成した場合は、これまで通り空港ラウンジ(ANAラウンジ・提携ラウンジ)が利用可能です。さらに、300万円以上の決済で5,000マイルのボーナスも加算されます。

年間300万円決済を達成した場合の主な特典

  • ANAグループ便・スターアライアンス加盟航空会社のラウンジ利用
  • 優先チェックイン・優先搭乗・手荷物優先受け取り
  • ボーナスマイル5,000マイル積算

300万円未達成の場合、SFCは継続もランクダウン。特典は減少

年間決済額が300万円に届かなかった場合でも、SFCの資格自体は失効しません

ANAグループ便では、ラウンジ利用はできなくなりますが、優先チェックイン・優先搭乗・手荷物優先受け取りなどのサービスは引き続き利用可能です。一方、スターアライアンス加盟航空会社利用時はスターアライアンス・シルバー資格相当となり、ラウンジをはじめ優先チェックイン・優先搭乗・手荷物優先受け取りといった主要サービスが利用不可となります。

年間300万円決済を達成できなかった場合の変更点

  • 空港ラウンジの利用不可(ANAラウンジ・スターアライアンス加盟ラウンジともに)
  • ボーナスマイル5,000マイルは積算されない

ただし、300万円未達の場合であっても、SFC会員資格そのものは維持されます。翌年度の判定期間に年間300万円以上の決済を達成すれば、再びラウンジ利用が可能になります。なお、区分の判定は毎年行われます。

スターアライアンスのステータスにも影響する

SFCは、スターアライアンス加盟航空会社を利用する際にも重要な役割を果たします。ANAのステータスは自動的にスターアライアンスのステータスとして付与されます。SFC保有者はこれまでスターアライアンス・ゴールドが付与されていましたが、新制度では年間300万円の決済条件を達成できない場合、スターアライアンス・シルバー相当のサービスに変わります

ゴールドとシルバーでは、受けられるサービスに大きな差があります。

サービス内容ゴールド(300万円以上)シルバー(300万円未満)
空港ラウンジ○ 利用可能×
優先チェックインカウンター○ 利用可能×
空港での優先搭乗○ 利用可能×
手荷物優先受け取り○ 利用可能×
無料手荷物許容量の優待○ 利用可能×
予約時の空席待ち優先○ 利用可能○ 利用可能
空港での空席待ち優先○ 利用可能○ 利用可能

シルバーで引き続き受けられるのは空席待ちの優先取り扱いのみです。ラウンジ・優先チェックイン・優先搭乗・手荷物優先受け取り・追加手荷物許容量といった主要サービスはすべてゴールド限定となっています。

ルフトハンザ・シンガポール航空・ユナイテッド航空などのスターアライアンス加盟航空会社を使う機会が多い方にとっては、この差は特に大きく感じられるでしょう。国際線でよく乗り継ぐ場合、ラウンジの有無は快適さに直結するため、注意が必要です。

100万ライフタイムマイル到達者は例外でSFC PLUSを維持

例外として、ANAグループ運航便で100万ライフタイムマイルに到達した方は、年間カード決済額に関わらず自動的に「ANAスーパーフライヤーズカード SFC PLUS」の対象となります。これはANAに長年にわたって搭乗し続けてきたヘビーユーザーへの配慮といえます。

ただし、100万ライフタイムマイルは相当な累計フライトが必要なため、多くのSFC保有者には関係のない条件となります。

いつから、どう動けばいい?制度変更のスケジュール

制度変更のスケジュールは以下の通りです。

現在事前案内期間(制度変更のアナウンス)
2026年12月16日判定期間スタート(この日から1年間の決済額が、翌年度の区分判定に使われる)
2028年4月1日新サービス開始(判定結果に応じた区分でのサービス提供が始まる)

2026年12月16日から判定期間スタート

2026年12月16日〜2027年12月15日の1年間の決済額が、2028年度の区分判定基準になります。つまり、新制度に向けて動き始めるタイミングは「2026年12月」が実質的な起点です。

現時点(2026年4月)から準備期間はまだ8カ月ほどあります。年間決済額をどのカードに集中させるかなど、カード利用の方針を整理しておくことが重要です。

決済額のカウントで注意すべき「対象外」の支払い

「300万円に向けて決済を増やそう」と考える際に注意が必要です。ANA公式の案内によると、以下の支払いは年間決済額のカウント対象外となっています。

  • カードに付帯する電子マネー(楽天Edy・PASMO・Suica・nimocaなど)の利用分
  • ANA銀聯カードの利用分
  • 年会費・各種手数料(付帯カード発行・マイル移行・ショッピングリボ払い手数料・分割払い手数料・キャッシングなど)
  • ANAカードからANA Payへのチャージ金額
  • カード番号変更(紛失・切り替え・再発行)によるお客様番号の変更後の利用分(条件あり)

なお、ショッピングリボ払い・分割払い・ボーナス一括払いについては、ご利用日が対象期間内であれば利用金額は対象に含まれます(手数料部分は除く)。また、払い戻しが発生した場合は、対象期間の決済額から差し引かれる点にも注意が必要です。

なぜANAはこの変更をするのか?背景と狙い

ANA側がこの制度変更を行う背景には、推測にはなりますが、いくつかの要因が考えられます。

一つは、ラウンジの混雑問題です。SFCが「修行で一度取れば一生モノ」であったため、実際のフライト頻度が低い会員もラウンジを利用できる状態が続いていました。空港ラウンジの混雑は利用者からも指摘されており、より実際にANAをよく使っている会員に恩恵を集中させたいという意図があると考えられます。

もう一つは、カード決済の促進です。ANAは金融サービス(ANAカード・ANA Pay)を重要な収益源として位置付けており、ステータス特典とカード利用を紐づけることで、日常的な決済もANA経済圏に取り込む狙いがあると推測されます。

「修行」でSFCを取得したものの、その後はほとんどANA便に乗らない・カードも使わないという会員に対して、一定の「継続的な貢献」を求める形への移行ともいえます。

JALのLife Statusと比べるとどう違う?

航空会社のステータス制度に注目が集まる中、JALも近年「JMBライフステータス」という新制度を導入しています。ANA SFCの変更と合わせて比較することで、両社の方向性の違いが見えてきます。

JAL Life Statusとは?飛び続ければ永久ステータスを取得できる仕組み

JALのJMBライフステータスは、生涯を通じて積み上げた「ライフステータスポイント(LSP)」の合計に応じて、永久ステータスを付与する仕組みです。毎年のフライト実績を積み重ねることで、ある閾値に到達すると「サファイア」「ルビー」「ダイヤ」といった段階の永久資格が与えられます。

JALの場合、基本的には「飛び続けること」が条件の中心であり、カード決済額の条件は前面に出ていません。

ANA vs JAL、ステータス維持の方向性の違い

比較項目ANA SFC(新制度)JAL Life Status
ステータス取得1年間の集中フライト(修行)生涯の累計フライト実績
ラウンジ維持条件年間カード決済300万円以上ステータス閾値到達後は原則維持
修行の位置づけ取得には必要だが、維持には不十分長期的に積み上げることに価値
方向性カード決済での経済圏への貢献長期フライヤーへの生涯報酬

JALが「飛び続けた人への生涯報酬」という発想であるのに対し、ANAは「毎年カードを使い続ける人への継続特典」という方向性を選んだといえます。

どちらが優れているかは一概にはいえませんが、「フライトは多いがカード利用は分散させたい」という人にはJALの制度が合いやすく「普段の買い物もANAカードに集約できる」という人にはANAの新制度でもメリットを得やすい、という違いがあります。

SFC取得(修行)はまだ意味がある?現在・これから目指す人への影響

新制度を踏まえると、「修行してSFCを取る意味はまだあるのか」という疑問は自然な反応です。

結論として、年間決済額が維持できるかどうかは、SFCを目指す上での大きな分かれ目になります。

「修行でSFCを取れば空港ラウンジを一生使える」という前提は2028年以降は成立しません。ラウンジ利用を前提として修行を計画していた方は、年間300万円の決済を継続できるかどうかを事前に検討する必要があります。

年間300万円の決済は、月平均25万円のカード利用に相当します。日常の固定費(家賃・光熱費・通信費・保険など)や、法人カードとしての利用も含めれば届く水準ではありますが、家計や業務の状況によって現実的かどうかは異なります。

修行を検討している方は、「SFCを取得した後に300万円決済を継続できるか」という視点を加えて判断することをおすすめします。

まとめ

ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)の制度変更について、ポイントをまとめます。

  • 2028年4月1日から新しい特典区分制度がスタート
  • ラウンジ利用には年間カード・ANA Pay決済300万円以上が条件に
  • 300万円未達成でもSFC資格は維持、ラウンジ以外の特典は継続
  • 100万ライフタイムマイル到達者は決済額問わずSFC PLUS対象
  • 判定期間は2026年12月16日スタート。今から準備が必要
  • JALのLife Statusは「生涯フライト実績」が軸で、方向性が異なる

「修行をしてSFCを取れば一生安泰」という時代は終わりを迎えつつあります。今後のSFCの活用を考えるにあたっては、自分のカード年間利用額がどの程度になるかを確認することが第一歩です。

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オトクレ編集長 池田 星太

執筆・編集

池田星太

オトクレ編集責任者。2013年より「大人のクレジットカード」を運営。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、金融全般での情報発信を行っている。また、クレジットカード専門家として、雑誌やメディアでの編集や監修も行っている。日常生活のほぼすべてをキャッシュレスで過ごす。

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