クレジットカードの支払い方法のひとつに「ボーナス払い」というものがある。
ボーナス時期まで支払い期限を延ばせることからこの名称が付いているが、対応しているカードであればボーナスの有無に関わらず利用できる。
ボーナス払いのメリットは、手数料無料で支払い期限が延ばせること。ただし、支払い期限にはきちんと支払いができるよう計画的に利用することが重要だ。
また、利用は国内のみで、店舗によって利用できる店舗とできない店舗があるので確認が必要だ。最低利用金額や支払い期限がカードによって異なるので、ボーナス払いの利用を考えてカードを選択する場合は、その点も確認しておきたい。
本記事では、ボーナス払いについての基本を解説した上で、おすすめのカードを紹介する。
目次
ボーナス払いの特徴
ボーナス払いとは一回払い、分割払い、リボ払いなどと同様に、クレジットカード会社が設定する支払い方法の一つである。
前述したとおり、ボーナス払いに対応したクレジットカードならボーナスのない職種の人でも選択できる。
カード会社はカードの所有者がボーナスを受け取るかどうかは把握していない。
単に支払いタイミングがボーナス時期であるためにつけられた名称となっている。
最大のメリットは、手数料無料で支払い時期を遅らせることができること。
1回なら手数料無料
ボーナス払いは基本的に手数料無料である。
3回以上の分割払いやリボ払いでは手数料が発生するが、ボーナス払いは手数料がかからないのでうれしい。
特に金額の大きな買い物をする際には非常にお得である。
年利15.00%のJCBのクレジットカードで100,000円の買い物をし、12回払いにするとかかる手数料は8,081円にもなる。
同じ買い物をボーナス払いにするだけで8,081円の無駄な出費を防げるのだ。
クレジットカードによっては、夏と冬の2回に分けて支払うボーナス2回払いが選択できることもある。
ボーナス2回払いではほとんどのカードで手数料がかかるが、分割払いやリボ払いと比較して格段に安いことが多い。
引き落とし時期
ボーナス払いでは多くのカード会社が引き落とし月を1月と8月に設定している。
たとえば、楽天カードで2月1日に買い物した場合、支払いは8月27日(土・日・祝日の場合は翌営業日)になり、余裕を持った支払いが可能となる。
利用頻度の高いカードのボーナス払いの手数料と支払い月は下記の通り。
アメリカン・エキスプレス、三井住友カード、三菱UFJカード、dカード、JCB
- 夏のボーナス払い
- 冬のボーナス払い
- 手数料
支払い月:8月
対象期間:12月16日~6月15日
支払い月:1月
対象期間:7月16日~11月15日
1回のみ無料
※アメリカン・エキスプレスのみボーナス払いの利用に事前の登録が必要
オリコカード
- 夏のボーナス払い
- 冬のボーナス払い
- 手数料
支払い月:6月・7月・8月(支払い日によって異なる)
対象期間:1月1日~6月30日
支払い月:12月・1月(支払い日によって異なる)
対象期間:7月1日~12月31日
1回のみ無料
2回:3.50%
エポスカード
マルイでの買い物
- 夏のボーナス払い
- 冬のボーナス払い
- 夏のボーナス払い
- 冬のボーナス払い
- 手数料
支払い月:7・8月(支払い日によって異なる)
対象期間:1月1日~6月末日
支払い月:12・1月(支払い日によって異なる)
対象期間:7月1日~12月末日
Visa加盟店での買い物
支払い月:7・8月(支払い日によって異なる)
対象期間:12月16日~6月15日
支払い月:12・1月(支払い日によって異なる)
対象期間:7月16日~11月15日
1回のみ無料
楽天カード
- 夏のボーナス払い
- 冬のボーナス払い
- 手数料
支払い月:6・7・8月(支払い日によって異なる)
対象期間:2月1日~6月末日
支払い月:12・1月(支払い日によって異なる)
対象期間:9月1日~11月末日
1回のみ無料
2回:13.89%
PayPayカード
- 夏のボーナス払い
- 冬のボーナス払い
- 手数料
支払い月:6・7・8月(支払い日によって異なる)
対象期間:2月1日~6月末日
支払い月:12・1月(支払い日によって異なる)
対象期間:9月1日~11月末日
1回のみ無料
2回:3.5%
セゾンカード
- 夏のボーナス払い
- 冬のボーナス払い
- 手数料
支払い月:8月
対象期間:12月11日~7月10日
支払い月:1月
対象期間:11月1日~12月10日
1回のみ無料
2回:3.00%
利用方法
ほとんどのカードは買い物時に「ボーナス払いで」と伝えるだけで良い。
ただし、アメリカン・エキスプレスは事前の登録が必要である。
ネットショッピングでもAmazonはビューカードならボーナス1回払いが選択できる。
楽天では出店する店舗によって対応が異なるので、利用したい店舗があれば確認してみよう。
支払い方法の変更
多くのクレジットカード会社ではボーナス払いを後からリボ払いに変更できる。
支払い月に他の支払いが重なってしまったり、想定していたよりも支払い金額が大きかったりといった場合には、リボ払いに変更することで支払いできないという事態を避けられる。
しかし、手数料がかかるリボ払いに変更するのはなるべくなら避けたいところだ。
1回払いをボーナス払いに変更
ビューカードが発行するクレジットカードは「1回払いの買い物を後からボーナス払いに変更したい」という場合にも対応している。
1回払いを分割払いに、ボーナス払いをリボ払いに変更するなど、手数料無料の支払い方法から手数料がかかる支払い方法に変更できるクレジットカードは多いが、逆は少ない。
大きな買い物の場合は前々からボーナス払いを検討しておくに越したことはないが、後からでも変更できるカードがあることを知っておくと困ったときに便利である。
メリット
ボーナス払いの大きなメリットは以下の2点。
- 手数料がかからない
- 支払いを大幅に遅らせることができる
リボ払いは手数料が高いことでよく知られているが、分割払いの手数料を意識している人は少ないのではないだろうか。
3回以上の分割払いでは年利15.00%の手数料がかかるが、あまり気にせずに「6回払い」や「12回払い」を選択している人も多いはずだ。
ボーナス払いならば家電や引っ越しなどまとまった費用を支払う必要がある場合でも、一定期間は手元に現金を残しておける。
災害時や葬儀、お祝い・お見舞い金など、現金が急に必要となる機会は少なくない。
注意点
便利なボーナス払いだが、利用するにあたって以下のような注意点がある。
最低利用金額
ボーナス払いが利用できる最低利用金額は、オリコカードなら30,000円、セディナカードなら10,000円というように、カード会社によって異なる。
また、JCB、楽天カード、ニコスカードなどは加盟店によって最低利用金額が異なる。
商品を購入する前にボーナス払いが使える条件を満たしているか確認しよう。
ボーナス払い不可の店舗もある
ボーナス払いを受け付けるかどうかは加盟店によって異なる。
ボーナス払いは利用者にとって支払いを先延ばしにでき便利な反面、加盟店にとっては商品の代金が支払われるのが大幅に遅くなり、手数料も高くなるためできることなら避けたい支払い方法なのだ。
特に小規模な事業者ではボーナス払いを受け付けていない場合も多い。
利用限度額
通常の支払いと別に考えてしまいがちなボーナス払いだが、利用限度額を超えての利用はできない。
たとえば、100万円の利用限度額があったとして、50万円の商品をボーナス払いにすると残りの限度額は50万円となる。
ボーナス払いの支払いが行われるまで限度額を埋めてしまうため、日ごろよくカードを使う人は注意が必要だ。
家族カードを発行していて、自分以外にクレジットカードを使う人がいる場合には特に気をつけたいポイントである。
複数のクレジットカードを使う、ボーナス払い用のクレジットカードを設定するなどの対策をしておこう。
海外では使えない
ボーナス払いは日本独特の支払い方法であり、海外では使えない。
海外での買い物は一回払いかリボ払いがメインとなるので注意しよう。
使えない時期がある
加盟店によって多少の違いがあるが、6月16日から7月15日、11月16日から12月15日の期間はボーナス払いが使えないカードがある。
理由としては、世間的にボーナスが出る直前の時期であり、ボーナス払いの引き落とし日と重なるためである。
実際にはボーナスが出ない人や、ボーナスの支給時期が一般と異なる人はオリコカードやイオンカードのようにボーナス払いが使えない時期を定めていないカードの利用をおすすめする。
おすすめは「ビックカメラSuicaカード(VISA・JCB)」
ビックカメラSuicaカードは、ビューカードがビックカメラと提携して発行するカード。
初年度年会費無料で、年1回の利用があれば2年目以降も年会費は無料。
通常の買い物で貯まるJRE POINT*1以外にもビックカメラ、コジマでの買い物でポイントが貯まり、二重取りが可能。
(*1 従来のビューサンクスポイントは2018年6月28日より「JRE POINT」に変更された。)
Amazonでのボーナス払いに対応するのはビューカードだけなので、ネットショッピングが多い人はぜひ手に入れたい。
また、1回払いで購入した後にボーナス払いに変更できるという点でも便利なカードだ。
ビックカメラSuicaカード
初年度年会費無料で最大11.5%の高還元率!オートチャージにも対応
Suicaを普段から使っている方でビックカメラの利用がある方にとってメリットは大きい。
年会費 | 初年度無料 2年目以降:425円(税込) 年1回の利用で翌年も無料 |
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還元率 | 1.0%~2.0% |
電子マネー | モバイルSuica ※オートチャージ対応 |
計画的に利用しよう
ボーナス払いは、クレジットカードを日本国内で利用する場合、手数料無料で支払い期限が延ばせるという支払い方法。
ボーナスが出る職種や会社の場合は、ボーナスを見込んで大きめの買い物をすることができる。
便利な支払い方法だが、注意したい点を最期にまとめておく。
ボーナス払いはボーナスの有無に関わらず利用できるが、ボーナスが出ない場合は支払い期限までに、支払い代金を貯めておくようにしよう。
後からリボ払いに変更できる場合も多いが、手数料が発生してしまうのでできればボーナス払いで済ませたい。
カードによって支払い期限や最低利用金額が異なり、また、店舗によって利用可能なところと不可なところがあるので、あらかじめ確認しておきたい点だ。
また、ボーナス払いも利用限度額の制約を受けるので、大きな金額を利用する場合はこの点も確認しておこう。