楽天銀行は2026年10月1日、楽天グループのフィンテック事業再編に伴う新体制のスタートを記念し、最大35,000ポイントを進呈するキャンペーンを開始した。見出しの数字は大きいが、大半は高額の預金残高が前提で、多くの人にとっての獲得額は3,000〜6,000ポイント程度になる。
最大35,000ポイントのうち30,000ポイントは「平均残高1,000万円以上」
今回のキャンペーンは3つの特典で構成され、最大35,000ポイントは「特典1(3,000ポイント)+特典2の最高ランク(30,000ポイント)+特典3(2,000ポイント)」を合計した数字だ。つまり最大額の約86%は、2026年11月から2027年1月までの3カ月間、平均残高1,000万円以上を維持した人だけが受け取れる特典2の最高ランクが占めている。
| 特典1(はじめてのかた限定) | 口座開設+一度に6万円以上の入金で3,000ポイント |
| 特典2(特典1達成者限定) | 2026年11月〜2027年1月の平均残高に応じて1,000〜30,000ポイント |
| 特典3(既存口座保有者も対象・要エントリー) | 楽天カード利用代金の新規口座振替設定+1回あたり4万円以上の初回引き落としで2,000ポイント |
裏を返せば、口座開設と6万円の入金だけでも3,000ポイントはもれなく受け取れる。高額の預金を移す予定がない人は、特典1と特典3の組み合わせ(最大5,000ポイント)を基本線として考えるのが実態に近い。
平均残高別に見た「実際にもらえるポイント」
特典2は特典1の条件をすべて満たした人だけが対象で、2026年11月1日から2027年1月31日までの平均残高によって進呈ポイントが4段階に分かれる。特典1の3,000ポイントと合算すると、新規口座開設者が受け取れる額は次のとおりだ。
| 3カ月の平均残高 | 特典2 | 特典1と合計 | 特典3も達成した場合 |
| 50万円未満(6万円以上の入金のみ) | なし | 3,000ポイント | 5,000ポイント |
| 50万円以上 | 1,000ポイント | 4,000ポイント | 6,000ポイント |
| 100万円以上 | 3,000ポイント | 6,000ポイント | 8,000ポイント |
| 300万円以上 | 10,000ポイント | 13,000ポイント | 15,000ポイント |
| 1,000万円以上 | 30,000ポイント | 33,000ポイント | 35,000ポイント |
年率に換算すると0.8〜1.3%程度に相当
特典2だけを預金への上乗せとして見ると、各ランクのちょうど下限の残高で3カ月預けた場合、50万円で1,000ポイント(3カ月で0.2%)、100万円で3,000ポイント(同0.3%)、300万円で10,000ポイント(同約0.33%)、1,000万円で30,000ポイント(同0.3%)となる。単純に4倍して年率に引き直すと、およそ0.8%〜1.3%程度に相当する計算だ。効率が最も高いのは300万円ちょうどのケースで、1,000万円ランクは獲得額こそ大きいものの、残高あたりの効率は100万円ランクと同水準にとどまる。
この換算は各ランクの下限ちょうどの残高を前提にした目安で、たとえば平均残高が290万円なら100万円ランクの3,000ポイントにとどまり、効率は大きく下がる。また進呈されるのは利息ではなく期間限定ポイントで、受け取り後の有効期限も短い。ポイントを実際に使い切れるかどうかまで含めて判断したい。
入金が遅れると平均残高が下がる可能性がある
特典1の入金期間は11月30日まで設けられているが、特典2の平均残高の判定期間は11月1日から始まる。入金が11月下旬にずれ込むと、その前の期間の残高が低いまま平均に含まれ、目標のランクに届かない可能性がある。特典2を狙うなら、10月中に口座開設と入金を済ませ、11月1日の時点で目標額を入れておくのが確実だ。
既存口座を持つ人は特典3の2,000ポイントが対象
特典1・特典2が「はじめてのかた」限定なのに対し、特典3は楽天銀行の口座をすでに持っている人も対象になる。条件は、キャンペーンにエントリーしたうえで、楽天カードの利用代金の引き落とし口座を新たに楽天銀行に設定し、初回の引き落とし額が1回あたり4万円以上であることだ。
引き落とし口座の変更は楽天e-NAVIで行い、設定期限は2026年11月10日21:59まで。引き落とし判定日は10月27日と11月27日で、初回の引き落としが4万円以上になる必要がある。楽天カードの月々の請求が4万円に満たない人は、条件を満たせない点に注意したい。
過去に楽天カードの引き落とし口座を楽天銀行に設定したことがある人は、特典3の対象外となる。現在は別の銀行に戻している場合でも「新規」設定にはあたらないため、ポイントは進呈されない。
特典1・2は自分で「受け取る」操作が必要
ポイントの受け取り方にも注意が必要だ。楽天銀行のキャンペーンページによると、特典1と特典2は条件を達成しても自動では付与されず、受取期間内に楽天銀行にログインし、自分で「ポイントを受け取る」ボタンを押す必要がある。受取期間を過ぎると受け取れなくなるため、カレンダーに登録しておくとよいだろう。
| 特典 | 受取・進呈時期 | ポイント有効期限 |
| 特典1 | 2027年1月4日(月)17:00〜1月31日(日)23:59に受取操作 | 2027年2月28日(日)23:59 |
| 特典2 | 2027年3月1日(月)17:00〜3月31日(水)23:59に受取操作 | 2027年4月30日(金)23:59 |
| 特典3 | 2026年12月末頃に進呈 | 2027年1月31日(日)23:59 |
いずれも期間限定ポイントで、有効期限は受取期間の終了から1カ月程度しかない。特典1を受取期間の最終日に受け取った場合、使える期間は約1カ月になる。
ハッピープログラムへのエントリーが共通の前提条件
キャンペーンページによると、すべての特典の共通条件として、2026年11月末までに楽天銀行の「ハッピープログラム」にエントリー(楽天会員とのリンク登録)しておく必要がある。特典進呈日までにハッピープログラムを退会した場合や、口座を解約・利用停止している場合も対象外だ。
口座開設は10月30日まで、入金は「一度に6万円以上」
キャンペーンの各期間は次のとおり。口座開設の申込期限と特典3のエントリー期限はいずれも10月30日で、残された期間は1カ月を切っている。
| 特典1 口座開設申込期間 | 2026年10月1日(木)0:00〜10月30日(金)23:59 |
| 特典1 入金期間 | 2026年10月1日(木)0:00〜11月30日(月)23:59 |
| 特典2 平均残高判定期間 | 2026年11月1日(日)〜2027年1月31日(日) |
| 特典3 エントリー期間 | 2026年10月1日(木)0:00〜10月30日(金)23:59 |
| 特典3 引き落とし口座設定期間 | 2026年10月1日(木)〜11月10日(火) |
| 特典3 引き落とし判定日 | 2026年10月27日(火)・11月27日(金) |
特典1の入金は「一度に6万円以上」が条件で、3万円を2回に分けるなど合計で6万円に達しても対象にならない。対象となる入金はATMまたは他行からの振込で、口座開設もキャンペーンページから申し込む必要がある。別ページから申し込んだ場合や、アフィリエイト・キャッシュバックサイト経由の場合は対象外とされている。
楽天カード・楽天証券の企画と合わせると最大48,000ポイント
プレスリリースでは、楽天カード・楽天証券の対象企画の条件も達成すると、合計で最大48,000ポイントになるとしている。リリースで案内されている3つの企画の内容は、各社のページによると次のとおりだ。
| 企画 | 主な条件 | 特典 |
| 楽天カード 新規入会特典 | 楽天カードの新規入会、楽天e-NAVIへの初回登録、カードを3回以上利用、口座振替設定 | 5,000ポイント(入会特典2,000+利用特典3,000) |
| 楽天証券 クイズ正解で口座開設 | キャンペーンページのクイズに正解し、同ページから口座開設、初期設定・マイナンバー登録を完了 | 2,000ポイント(楽天証券ポイント) |
| 楽天カード×楽天証券 | エントリー、NISA口座の開設、楽天ポイントコース設定、楽天カードのクレジット決済で4万円以上の積立設定・約定 | 6,000ポイント |
これら3企画の合計は13,000ポイントで、楽天銀行の最大35,000ポイントと合わせて48,000ポイントとなる。ただし48,000ポイントに届くのは、楽天カードと楽天証券をどちらも持っていない人が新たに申し込み、さらに平均残高1,000万円以上を維持した場合に限られる。楽天カード×楽天証券の企画は積立の約定判定が2027年4月で、楽天銀行の特典とは期間も大きく異なる。
楽天カードの引き落とし口座を楽天銀行にすると、楽天証券との口座連携サービス「マネーブリッジ」や楽天カードでのクレカ積立と組み合わせて使える。今回のキャンペーンは、楽天グループのフィンテック事業再編にあわせて、楽天銀行・楽天カード・楽天証券をまとめて使ってもらうための入口として位置づけられていると考えられる。
得をするのは誰か、達成条件の現実ライン
楽天銀行の口座をまだ持っておらず、楽天カードを使っている人は、口座開設と6万円の入金、楽天カードの引き落とし口座の変更で最大5,000ポイントを狙える。いずれも預金を長く寝かせる必要はなく、今回のキャンペーンで最も手が届きやすい組み合わせだ。
まとまった待機資金がある人は、特典2の平均残高ランクを検討する価値がある。100万円や300万円を3カ月置いておけるなら、年率換算で1%を超える水準のポイントになる。ただし進呈されるのは期間限定ポイントで、受取操作の手間や有効期限の短さもある。他行の定期預金の金利などと比べて、本当に有利かどうかを見極めて判断したい。
一方、すでに楽天銀行の口座を持ち、楽天カードの引き落としも楽天銀行に設定したことがある人は、楽天銀行の3つの特典はいずれも対象外となる。見出しの「最大35,000ポイント」に惹かれる前に、自分がどの特典の対象になるかを確認しておきたい。















