TOP

アメックス・プラチナの海外旅行保険が利用付帯に、10月1日出発分から

アメリカン・エキスプレスのプラチナ・カードに付帯する海外旅行傷害保険が、2026年10月1日から「旅行代金をカード決済した場合のみ補償される」利用付帯に切り替わった。カードを持っているだけで補償された従来の自動付帯とは異なり、これからの海外旅行では支払い方法そのものが補償の有無を左右する。

海外旅行傷害保険は「持っているだけ」では補償されなくなった

今回の変更は、2026年7月1日に発表されたプラチナ・カードの特典変更に伴うものだ。10月1日以降に出発する海外旅行では、旅行代金をプラチナ・カードで支払っていることが補償の前提条件になる。

補償額の水準は改定後も大きく、基本カード会員の傷害死亡・後遺障害は最高1億円、傷害治療・疾病治療はそれぞれ最高1,000万円が用意されている。ただし、これは「旅行代金をカード決済した場合」に適用される内容であり、別のカードや銀行振込、現金で航空券を手配し、出国後にプラチナ・カードで交通機関のチケットも買わなかった旅行では、この補償を受けられない。

プラチナ・カードを「保険のために持っている」という人ほど影響が大きい変更だ。これまで旅行のたびに支払いカードを意識していなかった人は、出発前に「何で払ったか」を確認する習慣が必要になる。

10月1日をまたぐ旅行と付保証明書の扱い

切り替えの境目について、アメリカン・エキスプレスは公式のよくある質問で、出発日が9月30日以前か10月1日以降かで扱いを分けている。

9月30日以前に出発した旅行は自動付帯のまま

出発が2026年9月30日以前で、帰国が10月1日以降になる旅行については、従来の自動付帯の補償対象になると案内されている。現在海外に滞在中の会員が、旅行の途中で急に無保険になるわけではない。自動付帯の保険金の請求期限は、請求権が発生した日の翌日から起算して3年である。

発行済みの自動付帯の付保証明書は10月1日以降の出発には使えない

注意したいのが、すでに発行してもらっている自動付帯の付保証明書だ。付保証明書は発行日時点で有効なものとされ、10月1日以降に出発する旅行では自動付帯の補償対象外になる。利用付帯の付保証明書が必要な場合は、アメリカン・エキスプレス・保険ホットライン(0120-234-586、9時〜17時、土日祝休)に連絡して発行を依頼する必要がある。

  • 10月1日以降に出発する旅行では、手元にある自動付帯の付保証明書は補償の裏付けにならない
  • 旅行代金をプラチナ・カードで払っていなければ、利用付帯の補償も受けられない

補償の条件になる「旅行代金」の定義

利用付帯で最も重要なのが、何を払えば条件を満たすのかという点だ。公式の定義では、海外旅行の場合の旅行代金は次の2パターンに限られている。

原則は「出発前に日本国内で」航空券やツアー代金を決済

基本となるのは、旅行前に日本国内でカード決済した、日本の出入国のために時刻表に基づいて運航される公共交通乗用具のチケット、またはパッケージ・ツアーの料金である。公共交通乗用具とは、航空法・鉄道事業法・海上運送法に基づいて運行される航空機・電車・船舶などを指す。

つまり、日本を出入国するための航空券(または船のチケット)や、それを含むパッケージ・ツアーをプラチナ・カードで支払うのが、確実に条件を満たす方法になる。定義上の対象は公共交通乗用具のチケットとパッケージ・ツアー料金であり、ホテル代だけをカードで払ったケースは旅行代金に含まれないと考えられる。

国内決済がなければ現地で交通機関のチケットを決済

日本国内でのカード決済がない場合は、出国後に海外で時刻表に基づいて運行される公共交通乗用具のチケットをプラチナ・カードで買うことでも条件を満たす。ただしこの場合、補償期間は「チケットを購入した時点から」になる。出国してから現地でチケットを買うまでの間に起きた事故や病気は補償されない点に注意が必要だ。

アメリカン・エキスプレスも、旅行代金をプラチナ・カードで払っていない人への案内として「旅行前に日本国内でプラチナ・カードを利用して、出入国のための公共交通乗用具のチケットやパッケージ・ツアーの料金を支払う」よう求めている。公式の案内は出発前の日本国内での決済を基本としている。

改定後の補償内容、家族カード会員と家族で差がある

旅行代金をカード決済した場合に適用される補償内容は次のとおり。括弧内は、基本カード会員・家族カード会員の「家族」(カードを持っていない配偶者や生計を共にする親族)に対する補償額である。

保険種別 基本カード会員 家族カード会員
傷害死亡・傷害後遺障害 1億円(1,000万円) 1億円(1,000万円)
傷害治療費用 1,000万円(1,000万円) 1,000万円(1,000万円)
疾病治療費用 1,000万円(1,000万円) 1,000万円(1,000万円)
賠償責任 5,000万円(5,000万円) 5,000万円(5,000万円)
救援者費用(保険期間最高) 1,000万円(1,000万円) 1,000万円(1,000万円)
携行品損害 100万円(100万円) 100万円(100万円)
乗継遅延・出航遅延・欠航・搭乗不能費用 1回につき最高3万円(なし) 1回につき最高3万円(なし)
受託手荷物遅延費用 1回につき最高3万円(なし) 1回につき最高3万円(なし)
受託手荷物紛失費用 1回につき最高6万円(なし) 1回につき最高6万円(なし)

家族カード会員は基本カード会員と同水準

家族カード会員の補償額は、すべての項目で基本カード会員と同じだ。傷害死亡・後遺障害の1億円や、遅延・欠航・手荷物に関する費用補償も受けられる。

カードを持たない家族は死亡補償1,000万円、遅延・手荷物の補償なし

一方、家族カードを持っていない家族は、傷害死亡・後遺障害が1,000万円にとどまり、乗継遅延・欠航・受託手荷物の遅延や紛失に関する費用補償は対象外となる。治療費用・賠償責任・救援者費用・携行品損害は会員と同額だ。ここでいう家族とは、カード会員(家族カード会員を含む)の配偶者と、カード会員と生計を共にする子どもや両親などの親族(6親等以内の血族・3親等以内の姻族)を指す。

家族旅行で遅延・欠航時の費用補償まで備えたい場合は、同行する家族が家族カード会員になっているかどうかが分かれ目になる。

ゴルフ保険は9月30日15時59分の事故までで終了

プラチナ・カードに付帯していたゴルフ保険は、2026年9月30日をもってサービスを終了した。補償の対象になるのは、事故の発生日時が2026年9月30日15時59分までのものに限られ、16時以降に発生した事故は対象外となる。基準は事故を報告した時刻ではなく、事故が発生した日時である。

9月30日16時以降にゴルフ用品の破損に気づいた場合でも、16時より前にゴルフ場内で生じた破損であることが客観的に確認できれば補償対象になるとされている。事故報告は事故発生日から30日以内に保険会社へ連絡する必要があるため、9月下旬にプレーして破損やトラブルがあった人は早めの連絡が求められる。

なお、アメリカン・エキスプレスは現時点で、ゴルフ用品の破損やホールインワン達成時の費用を補償する追加保険は用意していないと説明している。ホールインワン保険などが必要なゴルファーは、損害保険会社が個別に販売している商品を検討することになる。

プラチナ・カード会員が出発前に確認したいこと

今回の変更で最も影響を受けるのは、航空券を航空会社のマイルで発券したり、別のカードでポイントを貯めるために旅行代金を支払ったりしていた会員だ。こうした使い方をしていた人は、これまで当たり前に付いていた海外旅行傷害保険が付かなくなる可能性がある。特典航空券の諸税・燃油サーチャージだけをカードで支払うケースなど、定義に当てはまるか判断が難しい場合は、出発前に保険ホットラインへ問い合わせておくと安心だろう。

逆に、航空券やパッケージ・ツアーをもともとプラチナ・カードで支払っている人にとっては、出発前の支払い方法は変わらないため、実質的な影響は小さいと考えられる。家族カード会員にも基本カード会員と同等の補償があるため、家族で旅行する場合は家族カードの発行状況とあわせて、誰のカードで旅行代金を支払うかを事前に決めておきたい。

すでに10月以降の海外旅行を別の手段で予約済みの場合は、出発前に日本国内でプラチナ・カードを使って出入国の交通機関のチケットやツアー代金を支払う方法がないか確認するのが現実的な対策になる。それが難しい場合は、現地で交通機関のチケットを購入すれば購入時点から補償が始まるが、それまでの期間は無補償となるため、別途の海外旅行保険への加入も選択肢に入るだろう。

最終更新日:2026/10/01

シェア ツイート LINEに送る
シェア ツイート LINEに送る
オトクレ編集長 池田 星太

執筆・編集

池田星太

オトクレ編集責任者。2013年より「大人のクレジットカード」を運営。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、金融全般での情報発信を行っている。また、クレジットカード専門家として、雑誌やメディアでの編集や監修も行っている。日常生活のほぼすべてをキャッシュレスで過ごす。

大人のクレジットカード編集部について詳しく見る