キャッシュレス業界に大きな変革をもたらすであろう決済スキーム「Smart Code」。
国際ブランドのJCB発ということもあり注目度が高い。
本記事では、Smart Codeの概要やメリットなどを紹介する。
総務省が取り組む統一QRの普及事業「JPQR」との違いなど、分かりづらい点も解説するので参考にしてほしい。
Smart Codeとは?
Smart Codeとは、国際ブランドのJCBが提供するQRコード・バーコード決済スキーム。
スマホ決済(QR決済)事業者と加盟店をつなぐ決済情報処理センターを提供し、複数の決済サービスを一本化して加盟店に提供する。
Smart Codeで利用されるコードは、キャッシュレス推進協議会が定める統一QRコード・バーコード「JPQR」に準拠したものだ。
さまざまなサービスが乱立し、複雑化したスマホ決済の現状を整理するポテンシャルを秘めた決済スキームといえる。
JPQRとの違い
JPQRは、キャッシュレス推進協議会が定めた統一QRコード・バーコードだ。
Smart Codeで表示されるコードは、このJPQRに準拠したものとなっている。
だがSmart Codeは、統一コードというシステムを提供するだけではない。
Smart Codeの特徴は、加盟店契約から設置端末・精算までを一本化する決済スキームである点だ。
この点がJPQRとの違いであり、加盟店やスマホ決済事業者の負担をより軽くするものであるといえる。
Smart Codeのメリット
ここではSmart Codeのメリットを加盟店とスマホ決済利用者、スマホ決済業者の3つに分けて解説する。
加盟店
加盟店がSmart Codeを導入する最大のメリットは、複数のスマホQR・コード決済を一本化できるということ。
Smart Codeに対応している決済サービスなら個別に契約する必要がなくなり、手間とコストの削減が期待できる。
スタッフ向けのオペレーション業務も簡略化できるので、トータルの経営コストに良い影響があるはずだ。
スマホ決済利用者
Smart Codeが普及すれば、それだけ提携しているスマホ決済が利用できる店舗が増加する。
これがスマホ決済を利用するエンドユーザーのメリットといえるだろう。
ただし、ユーザーが利用するアプリが統一されるわけではないので注意しよう。
スマホ決済業者
スマホ決済業者にとっては、Smart Codeを利用することで、契約先が一本化される点が大きなメリットだ。
加盟店と個別に契約する必要がないので、導入サポート業務などにかける手間やコストが削減できる。
Smart Codeの課題やデメリット
Smart Codeには、今後の普及における課題となる、デメリットもある。
特に加盟店におけるデメリットとなるのが、現状、すべてのスマホ決済をカバーしているわけではないという点だ。
Smart Codeを導入したからといって、希望するスマホ決済すべてを一本化できるわけではないのだ。
また、スマホ決済を導入する際、初期費用無料や手数料無料など各社独自の加盟店向けキャンペーンを開催していることが多い。
しかしSmart Codeを利用して導入する場合、キャンペーンの対象外となる可能性もあるので、導入前に確認が必要だ。
Smart Code対応のスマホ決済
現時点(2020年7月7日)でSmart Codeに対応しているスマホ決済は下記の通り。
- LINE Pay
- メルペイ
- au PAY(7月から)
- atone
- K PLUS
- pring
- 銀行Pay
メジャーなスマホ決済だとLINE Payやメルペイなどが対応しているのは大きいだろう。
2020年7月1日(水)からはau PAYがSmart Codeへの対応をスタートさせたので覚えておこう。
しかし、PayPay、d払い、楽天ペイなどの利用者が多いスマホ決済は未対応なので要注意。
Smart Code導入企業
現時点(2020年7月7日)でSmart Codeを導入している企業は下記の通り。
- ポプラ
- カワチ薬品
- キリン堂
- 東急ストア
- 近鉄百貨店
- KFC
- コメダ珈琲店
- はなの舞
- 日高屋
- ロイヤルホスト
- 羽田空港
- 星野リゾート 青森屋
- adidas など
現時点ではそこまで幅広く加盟店が存在するわけではないが、利便性を考慮すると、今後数が増えていくと予想できる。