ステータス性の高い法人カードの代表格である、ダイナースクラブビジネスカード。
法人カードならではの社用経費決済に利用できる利便性と、ステータスカードに相応しいビジネスに役立つ充実したサービス付帯があり、経営者を中心に根強い支持を集めている。法人経営者だけでなく個人事業主も申し込むことができる。
年会費は27,500円(税込)と高めだが、追加カードは無料で2枚まで発行できる。
審査では個人の信用が重視される傾向にあり、年収500万円が目安とされるなど審査は非常に厳しいと言われる。
ステータス性の高い法人カードを持ちたい場合、ダイナースクラブビジネスカード以外にもいくつか選択肢がある。
審査で重視される点はカードによって異なるので、同じように審査が厳しいカードでも、自分に合ったカードを選ぶことで審査をクリアしやすくなる。
また、どのカードにも共通するのが、下位カードの利用実績を積むことで信用が増すと、上位カードの審査に通りやすくなる。
ハイステータスカードの中にはインビテーション(招待)がないと申し込めないものもあるので、下位カードで利用実績を積むことは、ハイステータスカードへの第一歩と言えるだろう。
本記事では、ダイナースクラブビジネスカードの審査基準や付帯サービスを紹介すると共に、他の法人プラチナカードについても審査基準を中心に紹介する。
審査基準は厳しめ
ダイナースクラブビジネスカードの申込条件は、「年齢27歳以上で個人事業主、法人企業の代表者または役員の方」となっている。
実際の保有者には経営者や医師、弁護士などが多く、カードのステータス性を保持するために審査基準は厳しめである。
明確な基準は公表されていないが、法人経営者の場合は役員報酬が500万円以上、個人事業主・フリーランスの場合は確定申告の収入が500万円以上というのが一つの目安となっているようだ。
一方で、申込条件から推測する限り、事業規模や設立年数に関しては問われない可能性が高い。個人としての信用が重視されるので、クレジットヒストリー(クレジット利用履歴)も重視される。
クレジットヒストリーがない、いわゆる「ホワイト」「スーパーホワイト」と言われる状態では、個人の返済能力の信用度が分からず、審査に通らない可能性が高い。
ダイナースクラブの個人カードに比べると、ビジネスカードの方が若干審査も柔軟になると言われているが、それでも一般的な法人カードと比べると審査基準は厳しい。
ハイステータスの理由
ダイナースクラブビジネスカードには、エグゼクティブにふさわしい手厚い保険や、ビジネスに役立つ豊富なサービスが付帯している。
安心の旅行保険
海外旅行保険は最高1億円(自動付帯5,000万円+利用付帯5,000万円)補償となっている。
追加会員は最高5,000万円(自動付帯2,500万円+利用付帯2,500万円)の補償。
国内保険は最高1億円の補償で利用付帯、追加会員も最高5,000万円の補償で利用付帯となっている。
充実の補償制度
ダイナースクラブカードで購入した商品が壊れた場合や盗まれた場合などに、年間500万円まで補償する「ショッピング・リカバリー」が付帯している。
また、ゴルファー保険が付帯しており、最高300円の補償、入院・通院に関しても補償の対象となる。
ビジネスカードならではの特典
追加カード発行無料&ポイント集約
従業員用の追加カードを2枚まで無料で発行できる。各カードにつき1枚ずつETCカードも無料で発行可能。
追加カード利用分は、基本カードの利用分としてポイントが合算され、効率的にポイントが貯めることができる。
会計ソフト「freee(フリー)」利用料金割引
カードの利用デ-タをクラブ・オンラインから取りこむことができ、帳簿づけ、青色申告や決算書の作成が簡単になる会計ソフト「free(フリー)」。
その初年度有料プランが通常より2ヵ月分お得になる。
ビジネスエアポート
会員制シェアオフィス「Business-Airport」を入会事務手数料無料で利用できる。
ビジネスエアポートは、充実したサービス・設備でトータルビジネスライフをサポートするワークスペースだ。
ダイナースクラブ ビジネス・ラウンジの無料利用
ダイヤモンド社の会員制クラブ「ダイヤモンド経営者倶楽部」メンバーのみが利用できる「銀座サロン」というラウンジを、無料で利用できる。
銀座の真ん中というアクセス抜群の立地で、高級感があり落ち着いた雰囲気のラウンジで、仕事や商談、打ち合わせなどにも利用可能。
ドリンクが用意されており、ダイヤモンド社の新刊書籍も閲覧できる。
ビジネスコンサルティングサービス
事業承継・M&A、IPO、不動産売買など、ビジネスオーナーの事業に関する相談窓口として、三井住友信託銀行および三井住友トラスト・グループ各社を紹介。
ゴルフサービス「名門ゴルフ場予約」
国内約100コースの名門ゴルフ場のラウンド予約を会員に代わり手配。優待対象コースではプレー代金を月1回5,000円(税込)ダイナースクラブが負担。
ダイナースクラブ ビジネス・オファー
ビジネスシーンで活用できる加盟店優待プログラム。
税理士、社会保険労務士、弁護士、公認会計士といった各分野の専門家に、無料で相談を行うことができる。
また、企業情報・入札情報サービスのジー・サーチのサービス割引なども利用できる。
ポイントを世界中の航空会社マイルに交換可
通常、クレジットカードのポイントをマイルに交換する場合、ANAやJALなど限られた航空会社しか対応していないことが大半だ。
しかし、ダイナースクラブビジネスカードなら世界中の航空会社のマイルに交換することができる。
対象の航空会社はANA、デルタ航空、大韓航空、ユナイテッド航空となっている。
出張などで利用する機会の多い航空会社のマイルを手軽に貯めることができるのは、大きなメリットであろう。
ハイステータスな法人カード
ダイナースクラブビジネスカード以外にも、ハイステータスな法人カードにはいくつかの種類がある。
ここからは、ハイステータスな法人カードとして代表的なカードについて、それぞれ審査基準や特徴紹介していく。
これらのカードを持つためには、基本的にはワンランク下のカードで利用実績を重ねることが重要だ。
また、プラチナ法人カードなどハイステータスと言われるカードの中にも、比較的審査に通りやすいものもある。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
法人カードの最高峰である「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード(アメックス・ビジネスプラチナ)」は、年会費も143,000円(税込)と非常に高額だ。
ホテルや航空券の予約手配からレストランの紹介まで、365日いつでも何でも相談に乗ってくれるコンシェルジュデスクが使えたり、世界中の空港ラウンジが利用できたりと、年会費に見合う充実したサービスが付帯している。
経営者の多くが憧れるカードであるが、インビテーションを受けなければ申し込むことができない。
インビテーションを受けるためには、「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード(アメックス・ビジネスゴールド)」で利用実績と信用を重ねていく必要がある。
アメックス・ビジネスゴールドの審査基準はそれほど厳しくなく、設立1年未満の法人や個人事業主でも申請が可能だ。
審査基準は非公表であるが、売上や利益が0円の状態でも審査に通過したという声がある。
年会費は34,100円(税込)と法人ゴールドカードにしては比較的高めであるが、ステータス性は十分だ。
アメックス・ビジネスプラチナのインビテーションを受けたいなら、まずはアメックス・ビジネスゴールドから始めることをおすすめする。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
法人プラチナカードの中で、もっとも取得しやすいのが「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」である。
年会費は22,000円(税込)とプラチナカードの中では安い。
法人・個人事業主問わず設立年数や決算状況の基準はなく、年収300万円程度でも発行できると言われている。
特徴としては、アメックスのステータス性はもちろんのこと、JALマイルのポイント還元率が最大1.125%と高く設定されていることがあげられる。
出張などビジネスでJALをよく利用する人におすすめだ。
JCBプラチナ法人カード
JCBのブラックカード「JCB THE CLASS」と同等のステータスの法人カードが「JCBプラチナ法人カード」である。
年会費は33,000円(税込)で、個人事業主や法人経営者ならインビテーションなしでも申し込むことが可能だ。
ただし審査基準は比較的厳しめで、会社設立から3年経過かつ2年以上の黒字という条件を評価されていると言われている。
明確な審査基準は公表されていないが、JCBプラチナ法人カードを取得するためには、ビジネスで実績を残すことが必要だと言えるだろう。
カードの特徴としては、世界の空港ラウンジが利用できるプライオリティ・パスが付いていたり、海外旅行保険が最高1億円まで自動付帯していたりと、手厚いサービスがあげられる。
JCBのプロパーカードとしてのステータス性も高い。
三井住友ビジネスプラチナカード for Owners
ステータス性と共に審査も厳しいイメージのある三井住友カードであるが、「三井住友ビジネスプラチナカード for Owners」の審査はそこまで厳しくない。
決算書や登記簿謄本の提出が必要ないため、会社の設立年数や経営状況は審査において問われないのだ。
そのため、設立間もない法人の経営者や個人事業主でも申し込むことが可能である。
ただし、その分個人の信用力が問われるので、クレジットヒストリーや消費者金融の利用状況などには注意しておきたい。
年会費は55,000円(税込)と高めであるが、コンシェルジュサービスやプライオリティ・パスなどプラチナカードならではの特典が充実している。
また、国際ブランドはVisaかMastercard®から選択でき、海外で利用しやすいというメリットもある。
決算書を提出せず申し込める法人向けプラチナカードを探している人におすすめの一枚だ。
法人カードとステータス性
ハイステータスな法人カードには、ビジネスを支援するさまざまな特典、サービスが付帯している。
本記事で紹介したダイナースクラブビジネスカードも、ハイクラスな法人カードとして名高く、それ相応しい特典が充実している。
しかし、その分審査基準は厳しいと言われており、最低でも年収500万円はないと取得するのは難しいだろう。
ハイステータスな法人カードを利用するためには、自分に適した審査基準のカードに申し込むことが必要になる。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードはインビテーション制なのですぐには手に入らないが、比較的審査に通りやすいビジネス・ゴールド・カードで信用を積み上げていけば可能性が開ける。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、アメックスのステータス性がありながら、審査に通過しやすいと言われる。
JCBプラチナ法人カードは会社設立から3年経過しており、経営も2年連続で黒字でないと審査に通過しづらいとされている。
三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersは、決算書などの提出が求められないので個人の信用力で審査に勝負することが可能だ。
どのカードもプラチナカードに相応しいステータス性があり、特典やサービスが充実しているので、自分の状況に応じたカードを選んで申し込もう。