海外旅行をきっかけに、安全性と利便性から、クレジットカードを持とうと考える人は多い。
しかし、クレジットカードは、申込条件や審査などにより利用できない人もいる。
また、使い過ぎが心配などの理由で、クレジットカードを使いたくないという人もいるだろう。
そういった人々に選ばれているのがデビットカードだ。
デビットカードは即時払いのカードで、申込対象年齢が広く、審査が簡単、使い過ぎ防止などの利点がある。
海外ではクレジットカードよりデビットカードが主流という国もあるほどだ。
海外旅行においては、国際ブランドが対応していれば一括払いに限るものの、クレジットカードと同様に使うことができる。
また、海外ATMで現地通貨の引き出しも可能だ。
デビットカードを選ぶ際は、加盟店の多いVISAかMastercard(マスターカード)で、ICチップ付のカードがおすすめだ。
また、海外ATMの利用機会が多い場合は、レートと手数料が安いカードを選ぶと良いだろう。
その他、カードによっては高還元率であったり、ショッピング保険が付帯したりするものもある。
本記事では、以上のようなデビットカードの海外における利用状況と、デビットカードを選ぶ際に確認すべき点をまとめている。
目次
デビットカードは即時払いのカード
デビットカードの使い方は、基本的にはクレジットカードと同様で、カードの国際ブランドの加盟店で利用できる。
クレジットカードとの大きな違いは、クレジットカードが後払いの仕組みであるのに対し、デビットカードは指定口座から決済と同時に引き落としがされる即時払いであるという点だ。
またその仕組み上、15歳以上や16歳以上など、クレジットカードを申し込めない18歳未満でも申し込めるカードがあり、引き落とし口座さえあれば、審査が不要、あるいは審査があっても通りやすいなど、クレジットカードよりも申し込みやすい。
日本では、デビットカードの普及率は低いが、海外ではクレジットカードと同等かそれ以上に普及している。
海外でカードを利用する利点
デビットカードを海外で利用する場合、国内での利用と同様、国際ブランドの加盟店で利用できる。
クレジットカードにも共通するが、海外で多額の現金を持ち歩く必要がないというのは大きな利点だ。
クレジットカードやデビットカードであれば、万が一盗難や紛失などに遭っても、カードを止めることで被害を小さくとどめられる。
また、必要最低限の現地通貨は持っておいた方が良いが、カードをメインに使うことで、両替の手間や手数料を抑えることができる。
デビットカードを使う理由
クレジットカードではなくデビットカードを使う理由としては、次の点が挙げられる。
基本的にデビットカードは、クレジットカードが持てない人や、使い過ぎなどクレジットカードに不安がある人におすすめのカードと言える。
クレジットカードが持てない人
デビットカードは18歳未満でも持てるカードがある。
また、引き落とし口座があれば審査は不要か、審査があっても通りやすいものなので、クレジットカードを持てない人でも、デビットカードであれば利用できることが多い。
使い過ぎを防止
デビットカードは、引き落とし口座の残高分までしか利用できない。
特に海外旅行の場合、普段よりも金銭感覚が緩み勝ちだ。
デビットカードであれば、口座の残高が使い過ぎのストッパーとなってくれる。
とはいえ、残高いっぱいまで使ってしまうと後で困ることになるので、そこは気を付けよう。
海外で便利なデビットカードの機能
特に海外旅行の際に便利なのが、海外ATMでの現地通貨引き出しとショッピング保険だ。
ショッピング保険は付帯していないカードもあるので注意しよう。
海外ATMでの現金引き出し
海外の多くの国と地域では、日本よりもずっとクレジットカードやデビットカードが普及しているが、それでも小さな店や露店など、カード利用不可のお店はゼロではない。
そのため、多少の現地通貨は持っておくべきだが、足りない場合は、特定のATMでクレジットカードやデビットカードでの現地通貨引き出しが可能だ。
指定の日本の口座から、自動でレートを計算し、現地通貨で出金されるという仕組みになっている。
レート上乗せや手数料は発生するがが、日本円を両替できる場所を探すよりも便利だ。
ショッピング保険
デビットカードの中にも、ショッピング保険が付帯されているものがある。
ショッピング保険は、カードを利用して買った商品が、事故や事件で紛失したり故障した際、利用金額を補償してくれる保険だ。
デビットカードのデメリット
ここまでデビットカードのメリットを紹介してきたが、一方で、デビットカードにはクレジットカードと違うデメリットもある。
デビットカードは、即時決済という仕組み上、複数回にまたがる支払いなど、使えない場所がある。
また、ほとんどのデビットカードはポイント還元率が低いので、還元率を重視する場合は選ぶカードが限られる。
デメリットを踏まえた上で、自分に合ったデビットカードを選ぶことが重要だ。
デビットカードが使えない場合がある
デビットカードの支払い方法は一括払いのみで、分割払いやボーナス払い、リボ払いなどは利用できない。
そのため、光熱費や携帯電話料金、定期購入など定期的な引き落としには使えない。
海外旅行で使う場合、ホテルやレンタカーのデポジットでデビットカードが使えない場合がある。
また、もしカジノなど海外でギャンブルを考えている場合、デビットカードではコインと交換できないので注意しよう。
J-Debitは使えない
日本の銀行の多くのキャッシュカードには、日本国内限定でデビットカードとして使える「J-Debit」という機能が備わっている。
このJ-Debitは、海外では使えないので、日頃利用している人は注意しよう。
海外旅行でデビットカードを使いたい場合は、自分が日頃使っているカードが海外でも使えるのか必ず確認をしよう。
ポイント還元率が低い
クレジットカードを選ぶ際、ポイント還元率を基準にしている人も多いだろう。
しかし、デビットカードでは、ポイント還元率が低いことが多い。
ただし、数は少ないがポイント還元率が高めのデビットカードも存在するので、還元率を重視するならばそういったカードを選ぼう。
今後、日本でデビットカードの普及率が高まれば、還元率が改善される可能性も
デビットカードを選ぶ際のポイント
海外での利用を考えてデビットカードを選ぶ場合は、特に国際ブランド、海外ATM利用時のレートと手数料、そしてIC対応を基準に選ぼう。
国際ブランドは「VISA」か「Mastercard」
「VISA」と「Mastercard」は、国際ブランドの中でも圧倒的なシェアで、多くの国と地域で利用できる。
クレジットカードでも同様だが、海外で利用する場合は、このいずれかの国際ブランドのカードを持っておくと安心だ。
「JCB」は、日本発のブランドだけあり、日本国内では加盟店が多く、サービスや特典も充実しているが、海外では加盟店が少ないので海外旅行にはあまり向かない。
海外ATM利用時のレート・手数料が安いカード
デビットカードを使って海外のATMで現地通貨を引き出す場合、国際ブランドによって定められたレートに加え、カード会社によって設定された手数料が上乗せされる。
レートは3%前後になることが多いが、それでも1%台~5%台のカードもあり幅がある。
手数料についても、無料のカードもあれば100円~200円程度かかるカードもある。
海外ATMの利用が多くなりそうな場合は、なるべく安く済むカードを選ぶと良いだろう。
ICチップがついているカード
ICチップ付きのカードは、クレジットカード・デビットカード共に、カードの不正利用防止や犯罪対策などセキュリティ面で大きな効果がある。
カードのIC化は世界的に進められており、多くのクレジットカード・デビットカードカードはICチップ付きになっているが、ICチップが付いてないカードもまだ存在する。
ICチップ付きのカードだからといって絶対安全というわけではないが、ICチップの付いていない磁気カードよりははるかにセキュリティ機能が高いことは確かである。
クレカが不安な人はデビットカード
デビットカードのメリットは、一括払いであればクレジットカードと同じように使え、申込や審査が簡単で、使い過ぎが防げる点だ。
クレジットカードの申込や審査に不安がある人、使い過ぎそうで心配な人は、デビットカードを活用すると良いだろう。
海外利用においても、VISAやマスタカードであれば多くの国と地域で問題なく使え、海外ATMで現地通貨の引き出しも可能だ。
ただし、ホテルやレンタカーのデポジットやカジノのコイン交換など、デビットカードが使えない場所もあるので注意したい。
カードによっては、ショッピング保険の付帯や、ポイント還元率が高めのものもあるので、必要に応じて選ぼう。
また、海外ATMの利用機会が多くなりそうな場合は、レートや手数料が低いカードを選んでおいた方が良いだろう。
ただし、一般的にデビットカードはポイント還元率が低く、お得感はあまりない。
クレジットカードのポイント還元率や旅行保険、旅行関連の特典を考えると、クレジットカードで問題ない人はクレジットカードを使った方がメリットは大きい。
または、デビットカードをメインに使いつつ、予備としてクレジットカードを持っておくというのも良いだろう。