スマホ決済アプリ(QRコード決済)のPayPayでは、利用金額に応じたPayPayポイントの還元がある。毎月の利用状況と支払い方法に応じて還元率は変動し、0.5%~2.0%となっている。
PayPayポイントの還元の対象となる支払い方法は、PayPay残高/PayPayクレジット(クレジット)/PayPayカード/PayPayカードゴールドいずれか。PayPayカード/PayPayカードゴールド以外のクレジットカードは対象外だ。
PayPayではPayPayカード(旧ヤフーカード)以外のクレジットカードでは残高へのチャージができないので、PayPayでクレジットカードを使ったポイントの二重取りは基本的にできない。
しかし、PayPay開催のキャンペーンのなかには、稀にPayPayカード(旧ヤフーカード)以外の支払い方法でもPayPayポイントなどの還元を受けられる機会があり、その場合は二重取りが可能になる。
さらに、PayPayやヤフー対象サービスの利用状況によっては、PayPayカード(旧ヤフーカード)以外のクレジットカードを使ったほうがお得な場合もある。
本記事では、PayPayの仕組みと特徴を押さえたうえで、PayPayを利用する際におすすめのクレジットカードの使い方を紹介する。
目次
PayPayの仕組みと特徴
PayPayは、専用のスマホ決済アプリを介してQRコード・バーコードの提示・読み取りにより店頭での決済を行うこごのできる、「QRコード決済」と呼ばれるサービス。
リリース以降、いくつかの機能が追加され、現在では次のような決済に対応している(2021年4月時点)。
- 店頭決済:QRコード・バーコードの提示・読み取りによる決済
- ネットサービスの支払い:アプリ・SMS認証・QRコード読み取りいずれかで決済
- 公共料金の支払い:請求書読み取りまたはオンライン請求書で決済
- 定期支払い(自動引き落とし):Web上でPayPayを登録、PayPayアプリ上で決済
なお、PayPayの支払い方法は、事前チャージしたPayPay残高もしくはクレジットカード払いとなる。
毎月の利用状況と支払い方法に応じて最大2.0%還元
PyaPayには「PayPayステップ」というPayPayポイント還元の仕組みがある。
PayPayステップでは、支払い方法をPayPay残高/PayPayクレジット(クレジット)/PayPayカード/PayPayカードゴールドのいずれかに設定することで、ポイント還元の対象となる。
ただし、PayPayカード/PayPayカードゴールドはPayPayクレジットに登録しておく必要がある。
支払い方法 | PayPay残高 | PayPayクレジット(クレジット) | PayPayカード | PayPayカード ゴールド |
---|---|---|---|---|
基本付与分 | 0.5% | 1.0% | 1.0% | 1.0% |
条件達成特典 | +0.5% | +0.5% | +0.5% | +0.5% |
PayPayカード ゴールド特典 | – | +0.5% | – | +0.5% |
適用期間の合計最大付与率 | 1.0% | 2.0% | 1.5% | 2.0% |
まず、基本付与分としてPayPay残高での支払いは0.5%還元、それ以外のPayPayクレジット(クレジット)/PayPayカード/PayPayカードゴールドでの支払いは1.0%還元となっている。
これに加えて、以下の条件をすべて達成することで+0.5%還元となる。
- PayPayまたはPayPayカード、PayPayカード ゴールドで合わせて30回支払い(200円以上の支払いが対象)
- PayPayまたはPayPayカード、PayPayカード ゴールドで合わせて10万円支払い
さらに、PayPayカード ゴールドではPayPayカード ゴールド特典として+0.5%還元となるので、1.0%+0.5%+0.5%で合計最大2.0%となる。
また、PayPayカード ゴールドをPayPayクレジットに登録すると、PayPayクレジット(クレジット)でもPayPayカード ゴールド特典の+0.5%還元が適用されるので、PayPayカード ゴールドと同様に合計最大2.0%還元となる。
なお、PayPay残高の合計最大還元率は1.0%、PayPayカードの合計最大還元率は1.5%だ。
PayPay残高のチャージ方法
PayPay残高には以下のチャージ方法がある。PayPayカード(旧ヤフーカード)はPayPayにチャージできる唯一のクレジットカードだ。
- 銀行口座
- ヤフオク!・PayPayフリマ売上金
- セブン銀行ATM
- PayPayカード(旧ヤフーカード)
- ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い
なお、PayPayカード(旧ヤフーカード)からPayPayへチャージする際、ヤフーカード自体のポイント還元は対象外となるのでポイント二重取りにはならない。
PayPay残高の種類
PayPay残高にはチャージした残高も含めて以下の種類がある。
PayPayマネー | 本人確認後、銀行口座/セブン銀行ATM/ローソン銀行ATM/ヤフオク!・PayPayフリマ売上金でチャージした残高 |
---|---|
PayPayマネーライト | PayPayカード(旧ヤフーカード)/ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払いでチャージした残高 また、本人確認前に銀行口座/セブン銀行ATM/セブン銀行ATM/ヤフオク!・PayPayフリマ売上金でチャージした残高もここに含まれる |
PayPayポイント | 特典やキャンペーン適用で進呈された残高 |
PayPayボーナスライト | 特典やキャンペーン適用で進呈された残高。有効期限(60日間)がある |
このうち、出金できるのはPayPayマネーのみ、送金・わりかんができるのはPayPayマネーとPayPayポイントとなっている。
特典・キャンペーンで付与されたポイントは出金・送金・わりかんはできず、PayPayでの決済にのみ利用できる。
なお、PayPay残高での支払いでは、PayPayボーナスライト>PayPayポイント>PayPayマネーライト>PayPayマネーの優先順位で使われる。
PayPayと相性が良いのはPayPayカード(ヤフーカード)
PayPayのポイント還元対象となる唯一のクレジットカードがPayPayカード(旧ヤフーカード)だ。PayPay残高にチャージできるクレジットカードもPayPayカード(旧ヤフーカード)のみ。
PayPayカード(旧ヤフーカード)は年会費無料で、基本のポイント還元率は200円(税込)ごとに1%と高還元率。PayPayポイントが貯まるので、PayPayユーザー向けのカードといえる。
さらに、Yahoo!ショッピング、LOHACOでの利用ならいつでも還元率が5%還元になる。特に次のような人におすすめだ。
- スマホ決済アプリをPayPayメインで使いたい
- Yahoo!関連サービスをよく利用する
- ナンバーレスカードがほしい
PayPayカード
PayPayポイントが最大1.5%※還元!PayPay、ヤフー関連サービスと相性の良いカード
PayPayに唯一チャージ可能なクレジットカードで、PayPayの利用だけでなく、Yahoo!ショッピングで最大5%付与される。
年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0%~ ※200円(税込)ごと |
※出金・譲渡不可。PayPay/PayPayカード公式ストアでも利用可能。なお、所定の手続き後にPayPay加盟店にて使用できます。手続きはこちら(https://paypay.ne.jp/help/c0021/)からご確認ください。
※ポイント付与の対象外となる場合があります。
例)「PayPay決済」「PayPay(残高)チャージ」「nanacoクレジットチャージ」「ソフトバンク通信料(ワイモバイル、LINEMOを含む)」 「ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払いを介してのPayPay残高チャージのご利用分」
ヤフーカード以外を使うなら
PayPayの利用状況によっては、PayPayの支払い方法をヤフーカード以外にするのもおすすめだ。
まず、PayPa残高・PayPayカード(旧ヤフーカード)以外でもポイント還元対象となるキャンペーンが開催されている場合。
この場合、キャンペーンを利用してPayPayポイントを受けつつ、クレジットカードのポイント還元もあるという、例外的にポイント二重取りができる状態となる。
また、一カ月のPayPay利用(200円以上)回数が30回未満か利用金額が5万円未満という状況が続く場合。
この場合、PayPayポイント還元はPayPay残高払いで0.5%、PayPayクレジット/PayPayカードで、還元率が1%より大きくなるクレジットカードを所有していれば、そのカードのポイント還元を受けたほうがお得だ。ただし、PayPay支払いがカードのポイント還元対象に含まれるかどうか、あらかじめ確認しておこう。
おすすめのカードとして、基本の還元率が1.0%以上の、楽天カード/リクルートカード/Vポイントカード Primeという三券種を紹介する。
楽天カード(マスターカード)
年会費無料で基本の還元率が1.0%という高還元率のカード。
年会費無料で高還元率のカードとして非常に知名度の高いカードだろう。ポイントプログラムは楽天ポイント。
楽天関連サービスでのポイントアップ機会が多く、PayPay利用だけでなく、楽天ペイを利用したい人にもおすすめだ。
国際ブランドは、VISA・マスターカード・JCB・アメックスの4つ。PayPayを利用する場合、VISAかマスターカードを選ぶことになる。ただし、人気デザインのカードはマスターカードのみ。
また、楽天カードは申込・審査のハードルが低いことでも知られている。
こんな人におすすめ
- 年会費無料で高還元率のカードを探している
- 楽天グループのサービスをよく利用する
- 海外旅行保険を利用したい
3つのおすすめポイント
・アルバイト、パート、学生、主婦でも申し込める
楽天カードは、申込・審査のハードルが低いといわれるカードだ。
申込基準は「満18歳以上の方(主婦、アルバイト、パート、学生も可)※高校生は除く」。
あえて「主婦、アルバイト、パート、学生も可」と記載されている点に、これらの人の申込を積極的に受け付けていることがうかがえる。
実際に、アルバイトの学生、パートの主婦で楽天カードを持っている人も多いと聞く。
PayPay利用者は幅広い属性の人がいると考えられるため、ハードルの低い楽天カードはおすすめできるカードのひとつと言える。
・楽天市場でいつでもポイント3倍
ネットショッピングは楽天市場がメインという人には、楽天カードは必須と言って良いだろう。
楽天市場で楽天カードを利用する場合、いつでもポイント3倍の還元率3.0%となり、キャンペーンを利用すればさらなるポイントアップが可能。
また、「SUP(スーパーポイントアッププログラム)」というポイントプログラムにより、楽天市場以外の楽天グループのサービスを合わせてポイントアップも可能だ。
・楽天Edy搭載でチャージごとにポイント付与
楽天カードには、電子マネー楽天Edyを搭載することができる。
楽天Edy搭載の楽天カードを利用すると、対応店舗では専用端末にカードをかざすだけで決済が完了する。
PayPayもそうだが、決済にスピーディーさ、簡単さを求める人におすすめだ。
さらに、楽天カードで楽天Edyにチャージすると、200円につき1ポイントが貯まる。
楽天カード
楽天SPUで最大14倍還元。ポイントアップキャンペーンの多さも魅力
- 年会費無料、いつでも1%還元の高還元率
- 楽天市場なら常時3%還元
- ポイントアップキャンペーンを常時開催
- 楽天ペイなら1.5%還元
楽天経済圏の必須アイテム、カード所持だけで楽天グループの決済に+2倍される。海外保険も付帯。
年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0% |
旅行保険 | 海外:最高2,000万円(利用付帯) |
電子マネー | 楽天Edy |
国際ブランド |
リクルートカード(VISA)
年会費無料でポイント還元率1.2%の、高還元率のカードのなかでも還元率の高いカード。
高還元率のカードでも、基本の還元率は1.0%で、条件を満たすことでポイントアップするというケースが多いので、何もしなくて還元率1.2%というのは大きなメリットだ。
ポイントプログラムはリクルートポイント。リクルート関連のサービスではさらにポイントアップが可能。
国際ブランドはVISA、マスターカード、JCB。PayPayを利用する場合はVISAかマスターカードを選ぶことになる。
本記事でおすすめしている3つのカードのうち、VISAを使いたいならリクルートカードが良いだろう。
こんな人におすすめ
- とにかく高還元率のカードがほしい
- リクルート関連のサービスをよく利用する
- 国内・海外旅行保険付帯のカードがほしい
3つのおすすめポイント
・リクルート関連サービスでさらなるポイントアップ
リクルートカードは通常でもポイント還元率1.2%と高還元率だが、リクルート関連のサービスを利用することでさらなるポイントアップが可能。
具体的には、ポンパレモールでの利用でポイント還元率4.2%、じゃらんでの宿泊予約でポイント還元率3.2%、ホットペッパーグルメ予約では来店人数に応じたポイントが付与される。
・Pontaポイントなど交換先が豊富
リクルートカード利用で貯まるリクルートポイントは、Pontaポイントを始めとしたさまざまなポイントに交換できる。
特にPontaポイントは1:1で交換することができ、利用できる店舗も多いので使い勝手が良い。
・国内・海外旅行保険が付帯
リクルートカードには、最高1,000万円補償の国内旅行保険、最高2,000万円補償の海外旅行保険が付帯している。
いずれも利用付帯ではあるが、年会費無料かつ高還元率のカードで、国内・海外ともに旅行保険が付帯しているのは珍しい。
旅行の機会が多い人で、旅行保険付帯のカードを持っていないのなら、リクルートカードはメリットの大きいカードと言えるだろう。
リクルートカード
年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 0.5%~1.2% |
旅行保険 | 国内:最高1,000万円(利用付帯) 海外:最高2,000万円(利用付帯) |
国際ブランド |
Vポイントカード Prime
初年度無料、年1回のカードショッピング利用で次年度以降も無料となる、実質年会費無料のカード。
基本のポイント還元率1.0%(100円につき1ポイント)、日曜の利用は還元率1.5%(200円につき3ポイント)という高還元率カード。
ポイントポログラムはVポイント。国際ブランドはMastercard。国内・海外旅行保険の付帯や全国170,000件以上での優待があるなど、ポイント還元以外の機能も優れている。
こんな人におすすめ
- 年会費無料で高還元率のカードを探している
- 日曜によく買い物をする
- Vポイントを貯めたい
3つのおすすめポイント
・還元率1.0%以上の高還元率カード
Vポイントカード Primeは、100円利用につきVポイントが1ポイント貯まり、還元率は1.0%。
さらに日曜日のカード利用は200円につき3ポイントが貯まり、還元率は1.5%になる。日曜日にまとめて買い物をすることが多い人に特におすすめしたいカードだ。
・Vカード提携先ではポイントが二重に貯まる
Vポイントは提携先の多い共通ポイントで、提携先によっては、Vポイントカード提示のみでポイントが貯まることもある。
これは、2024年4月22日のVポイントとTポイントの統合前の、Tポイントの提携先でのポイント付与が引き継がれた形だ。
Vポイントカード PrimeはVポイントカード機能を搭載しているので、対象店舗ではカード提示およびカード決済の二重にVポイントが貯まる。
・国内・海外旅行保険が付帯
年1回の利用で年会費が無料となり、さらに高還元率というお得なカードでありながら、本カードには国内・海外旅行保険がいずれも付帯している。
とくに海外旅行損害保険の場合、最高2,000万円まで自動付帯となる。
PayPayに登録できるクレジットカード
PayPayに登録できるクレジットカードは以下の通り。
- VISA
- Mastercard
- PayPayカード(旧ヤフーカード)
JCBブランドでPayPayに登録できるのはヤフーカードのみなので注意しよう。
JCB CARD Wなども還元率1%の高還元率カードだが、JCBブランドのみなので残念ながらPayPayには登録できない。