楽天証券と楽天カードは2026年9月28日、楽天証券の投信積立「楽天ブラックカード」クレジット決済のポイント進呈率を、現在の一律2.0%から最大3.2%に引き上げると発表した。上乗せを受けられるかどうかは積立額ではなく前年のカード利用額で決まるため、対象になるのは日常の支払いを楽天カードに集約している人に限られる。

楽天ブラックカードのクレカ積立、2027年1月買付分から最大3.2%に
今回の変更は、楽天証券の投資信託を楽天カードのクレジット決済で積み立てる「クレカ積立」のうち、楽天ブラックカードで決済する場合だけが対象だ。適用は2027年1月積立購入分(2026年11月13日(金)以降の積立設定分)からで、新NISAが始まって4年目の年明けに合わせた改定となる。
楽天カードでのクレカ積立は2018年10月に始まったサービスで、毎月上限10万円まで、積立額に対して0.5〜2.0%の楽天ポイントが付く。2026年8月時点で400万人以上が利用しているという。これまで最上位の楽天ブラックカードでも進呈率は2.0%が上限だったが、条件付きでその上に1.2%分を上乗せする形だ。
年間ショッピング利用400万円以上で3.2%、未満は従来どおり2.0%
引き上げ後の進呈率は、積立購入月の前年1月1日から12月31日までの楽天カードの年間ショッピング利用額で2段階に分かれる。400万円以上なら3.2%、400万円未満なら現在と同じ2.0%だ。400万円に届かなくても進呈率が下がるわけではないため、今回の変更で不利になる楽天ブラックカード会員はいない。
| 項目 | 変更前 | 変更後(2027年1月積立購入分から) |
| ポイント進呈率 | 一律2.0% | 2.0%〜3.2% |
| 条件 | なし |
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月10万円の満額積立なら年38,400ポイント、2.0%との差は年14,400ポイント
進呈率の差を金額に置き換えると、影響の大きさがわかりやすい。上限の月10万円を1年間積み立てると積立額は120万円になり、進呈率2.0%なら年24,000ポイント、3.2%なら年38,400ポイントだ。差額は年14,400ポイントで、月あたりにすると1,200ポイントの上乗せになる。
| 毎月の積立額 | 進呈率2.0%(年間) | 進呈率3.2%(年間) | 差額(年間) |
| 10万円 | 24,000ポイント | 38,400ポイント | 14,400ポイント |
| 5万円 | 12,000ポイント | 19,200ポイント | 7,200ポイント |
| 3万円 | 7,200ポイント | 11,520ポイント | 4,320ポイント |
※積立額×進呈率でオトクレが試算。1ポイント未満の端数処理は考慮していない
上乗せ分は積立額に比例するため、恩恵が最も大きいのは満額の月10万円を積み立てている人だ。積立額が少ないと、400万円の利用条件を満たしても上乗せは年数千ポイントにとどまる。
2027年の進呈率は2026年1〜12月のカード利用で決まる
楽天証券の公式お知らせによると、判定の対象は前年1月1日0:00から12月31日23:59までの、ご利用明細上の利用日ベースの利用分だ。翌年1月31日23:59までに楽天カードに届いた利用情報が集計に含まれる。つまり2027年1〜12月に買い付ける分の進呈率は、すべて2026年1〜12月の利用額で決まる。
年間400万円は月平均にすると約33万円だ。家賃や固定費、公共料金、日々の買い物までカード払いにまとめている世帯でないと、到達は簡単ではない水準といえる。
家族カードや複数枚の利用は合算、クレカ積立分そのものは対象外
判定額に含まれるのは、楽天カードのショッピング利用代金に加え、家族カード会員の利用分、複数枚持っている楽天カードすべての利用分だ。年の途中で別の券種から楽天ブラックカードに切り替えた場合も、切替前の利用分が合算される。
一方で、楽天証券の投資信託のクレカ積立で決済した分は判定額に含まれない。月10万円を積み立てていれば年120万円をカードで決済していることになるが、これは400万円のカウントに入らないため、積立以外の支払いだけで400万円を超える必要がある。このほか、キャッシングとその手数料、3回以上の分割払いなどのショッピング手数料、提携ATM・CDの利用手数料、キャンセル分も対象外だ。
2026年分の判定期間はすでに残り3か月
2027年分の判定期間は2026年1月1日から始まっており、この記事の時点で残りは約3か月しかない。これから支出の付け替えを考えても、年初からの利用額が大きく不足していれば2027年の3.2%には間に合わない可能性が高い。今年の利用額は楽天カードの利用明細で確認できるので、まずは現状の累計を把握しておくとよいだろう。
判定は毎年やり直されるため、2027年に届かなくても2027年1〜12月の利用で2028年分の3.2%を狙うことはできる。
上乗せ1.2%分は翌月末ごろに別で進呈、退会すると対象外に
3.2%のポイントは一度にまとめて付くわけではない。基本の2%分は積立注文月の15日前後に、上乗せの1.2%分は積立注文月の翌月末頃に、いずれも通常ポイントとして進呈される。
注意したいのは、上乗せ分の進呈時に資格が確認される点だ。進呈月の前月末時点で楽天会員や楽天ブラックカード会員を退会・資格取消になっている場合、または利用可能な楽天ブラックカードを持っていない場合は、1.2%分が対象外になる。カードの切り替えや解約を予定している場合は、直近の積立分の上乗せを受け取れなくなるタイミングがあることを頭に入れておきたい。
既存の積立は手続き不要、新規設定や増額は12月12日までに
すでに楽天ブラックカードでクレカ積立を設定している人は、特に手続きをしなくても2027年1月買付分から新しい進呈率が自動で適用される。2026年12月買付分までは現行の一律2.0%のままだ。
2027年1月買付分の進呈率は、2026年12月12日時点の積立設定に基づいて決まる。新しく積立を設定する場合や積立額を変更する場合に、1月分から新しい進呈率を適用させたいなら12月12日までに設定を済ませる必要がある。12月13日以降に設定・変更した分は、2027年2月買付分以降からの適用となる。
ほかの楽天カードの進呈率との差は最大2.7ポイントに
楽天証券のクレカ積立ページによると、現行(2026年9月時点)の進呈率は券種ごとに以下のとおりだ。代行手数料が年率0.4%(税込)未満の投資信託と、0.4%以上の投資信託で進呈率が異なる。
| 券種 | 代行手数料0.4%未満のファンド | 代行手数料0.4%以上のファンド |
| 楽天ブラックカード | 2.0% | 2.0% |
| 楽天プレミアムカード | 1.0% | 1.0% |
| 楽天ゴールドカード | 0.75% | 1.0% |
| その他の楽天カード | 0.5% | 1.0% |
※楽天証券「投信積立 楽天カードクレジット決済」ページの記載(2026年9月時点)。プレスリリースには券種別の内訳は掲載されていない
代行手数料0.4%未満のファンドを月10万円積み立てた場合、年間の獲得ポイントは現行で楽天ブラックカードが24,000ポイント、楽天プレミアムカードが12,000ポイント、楽天ゴールドカードが9,000ポイント、その他の楽天カードが6,000ポイントだ。楽天ブラックカードで3.2%が適用されれば38,400ポイントとなり、楽天プレミアムカードとの差は年26,400ポイントに広がる計算になる。
ただし、楽天ブラックカードは誰でも申し込めるカードではなく、申込みには楽天カードが定める条件がある。進呈率の差だけでカードの乗り換えを判断するのではなく、自分が申込み対象になるか、年会費を含めた保有コストに見合うかをあわせて確認したい。
年400万円を自然に使う楽天ブラックカード会員ほど恩恵が大きい
今回の引き上げで得をするのは、すでに楽天ブラックカードを持ち、生活費の大半を楽天カードで支払っていて、年間利用が自然と400万円を超える人だ。こうした人は手続きなしで、満額積立なら年14,400ポイントの上乗せを受けられる。
反対に、400万円に届かない人が上乗せのために支出を増やすのは割に合わない。月10万円の満額積立でも上乗せは年14,400ポイントなので、不要な買い物を数万円増やせば簡単に相殺されてしまう。固定費や定期的な支払いのうち、ほかの決済手段で払っているものを楽天カードに寄せて届くかどうか、という範囲で検討するのが現実的だろう。
楽天ブラックカード以外の会員にとっては、今回の変更で自分の進呈率は変わらない。クレカ積立のポイントは積立を続ける限り毎月発生するため、長期で見た差は小さくないが、判定期間や上乗せ分の進呈条件も含めて、自分の利用実態に照らして判断したい。














