QUICPay、JCB、ジャックス、Kyashは9日、Google Payでの決済に各種カードとアプリが対応したことをそれぞれの公式サイトで発表した。
これにより、Google Payアプリに対応カードを登録するだけで、QUICPayに対応した実店舗でのスマホ決済が可能となる。
なお、対応端末はAndroid5.0以上で「おサイフケータイ(6.1.5以上)」に対応したスマートフォン。
対応カードは、ジャックスカード・JCBブランドのクレジットカードなど。
なお、QUICPay非対応のVisa、MasterCardブランドのクレジットカードでも、後述する「Kyash」アプリを経由すればQUICPayを利用できる。
QUICPayにおける、1回の利用上限金額は2万円以内。
「QUICPay+」対応店舗では、2万円以上の会計が可能だ。
Google Payの特徴
Google Payは、「Suica」「nanaco」「WAON」「楽天Edy」等の電子マネーを一元管理できるアプリ。
それぞれの電子マネーはGoogle Payから直接チャージでき、それぞれの店舗で支払いも可能だ。
ここまでだと「おサイフケータイ」と機能的には同じだが、実はGoogle Payの方がメリット多い。
まず、おサイフケータイはそれぞれのサービスの管理・チャージには専用アプリを開く必要があった。
一方、Google Payは1つのアプリでチャージも残高管理も行うことができ、履歴一括確認まで可能だ。
よって、「Suica」「nanaco」「WAON」「楽天Edy」を複数使い分けているユーザーにとっては、非常に利便性が高い。
さらに、Google Payには電子マネーだけでなく「Tポイントカード」や「dポイントカード」などさまざまなポイントカードも登録可能。
ポイントカードは基本的にバーコードがついているものであれば何でも登録できる。
かさばりがちなポイントカードを1つのアプリにまとめられるのは非常に便利だ。
また、おサイフケータイを利用した「モバイルSuica」だと年間1,080円(税込)の料金がかかるが、Google PayからSuicaを利用するのは無料となるのも強み。
その他、Google Play残高の管理や、クレジットカードを利用したオンライン決済にも対応している。
加えて、Google Payで支払いを行う度に抽選に参加でき、50円~5,000円分のGoogle Playクレジットが加算されるボーナスもある。
これはSuicaやEdyのチャージも対象となるので、積み重なればお得度が増す。
Kyashで還元率2%+クレカ還元
なお、今回もっとも大きいのは、2%の還元率(制限あり)を誇る「Kyash」がQUICPayに対応したことだ。
これまでも、リアルカードを発行すればVisa加盟店で使うことはできた。
しかし、QUICPay決済とカード決済ではスピードも安全性も異なり、圧倒的にQUICPayの方が便利だ。
今回のQUICPay対応により、Kyashはさらに利便性を増したと言える。
さらに、本来QUICPayに登録できないVisa、MasterCardブランドのカードでも、QUICPayを使えるようになったのも大きなメリット。
たとえば、メインカードがVisaの楽天カードかつauの端末を使っている場合、カードと端末の都合でQUICPayとiDのどちらも使えないのだ。
JCBブランドの対応カードを作るのは手間なので、こうした手段が登場したのは喜ばしい。
なお、KyashにクレジットカードをしGoogle Payで利用るには、以下の手順を踏む必要がある。
- 1.Kyashアプリをインストール
- 2.Kyashアプリにクレジットカードを登録
- 3.Google Payアプリの「支払い」タブをタップ
- 4.お支払い方法の追加から、Kyashカードの情報を手動入力
- 5.カードの確認が済み次第、利用可能に
Apple Payとの比較
今回の対応により、Google Payは単なる電子マネー・ポイント管理アプリから本格的な決済アプリに進化した。
となると、気になるのは似たような機能を持つApple Payとの比較。
ただ両者は、ターゲットとするユーザーがiOSとAndroidで完全に分かれており、類似アプリながら競合と呼べる関係ではない。
したがって、今回は競合サービスとしての比較ではなく、単なる機能面でどういった違いがあるかという点に触れていこう。
まず、Apple Payは以下の特徴を持っているアプリだ。
- iPhoneに搭載されたFelica機能でiD、QUICPay、Suicaを利用できる
- Apple Pay、iD、QUICPay、Suica対応店舗ならどこでも利用可能
- カードを登録すればオンライン決済でも利用可能
- ユニクロ、GU、Yahoo!ショッピング等で利用可能
実質的に、電子マネーが利用可能な店舗であればどこでも使えるのは、Apple Payの大きなメリットだ。
ただし、Google Payとの比較として見た際には、iDが利用できてQUICPay、Suicaが利用できないという店舗は限られているため、両者に大きな差はないと言える。
また、Apple PayではWAON、nanaco、楽天Edyの一元管理はできない。
Tポイントカードやdポイントカードなどの登録もできず、ポイントカード管理アプリとしては劣る。
ただし、オンライン決済に関しては先行しているApple Payの方が便利だ。
Apple Payはユニクロ、GU、Yahoo!ショッピング、BASE、出前館等で利用でき、使えるシーンは多い。
一方で、Google Payは全国のタクシーをはじめとする7サイトでのみ利用可能。
ネット上での利便性は、Apple Payの使い勝手が圧倒的に良いと言える。
ここまで出た違いをまとめると、以下のようになる。
- 対応店舗数は、iDが使えるぶんApple Payが場所を選ばず便利
- Apple Payはほぼすべてのクレジットカードカードが登録可能だが、Google PayはQUICPay対応カードのみ
- WAON、nanaco、楽天ペイなど電子マネーに関する機能性はGoogle Payが便利
- Google Payはポイントカードも管理できる
- オンライン決済の利便性は、先行しているApple Payが使いやすい
上記でいくと、純粋な決済アプリとしての使い勝手はApple Payが上となる。
一方で、電子マネー・ポイントカードが管理可能な点で機能面ではGoogle Payが勝る。
今後、Google Payの利用サイトが広がったり、iDが利用可能になれば差はさらに縮まるだろう。
Google PayはすべてのAndroidユーザーにおすすめ
Google Payは、Androidユーザー(Felica搭載機)であれば入れておきたいアプリだ。
Google Payを使えばポイントカード、電子マネーを一元管理できて、さらにQUICPayも使えるようになる。
また、QUICPay非対応のクレジットカードでも、Kyashを経由させれば利用可能になり、利用シーンは幅広い。
オンライン決済が可能なサイトがまだ少ないのがネックだが、実店舗で利用する分には困ることはないだろう。
Suica、WAON、nanacoあたりを利用するユーザーはもちろん、今までカード払いを使っていたユーザーも利用してみてはどうだろうか。
2019年10月1日より、ポイントプログラム「Kyashポイント」がスタート。それにともない、還元率も2%から0.5~1%に変更となる。また翌月にKyash残高として付与されていた還元額は、kyashポイントとして即時付与される。
- 還元率の変更点:2%→0.5~1%に変更(リアルカードでの決済1%還元、バーチャルカードのみの発行の場合は0.5%還元)
- 還元方法の変更点:翌月Kyash残高に付与→Kyashポイントとして即時付与
最終更新日:2019/09/05