2020年10月1日(木)より、キャッシュレス決済総合プラットフォームのCAFIS(キャフィス)が新料金になることが発表された。
10年以上にわたって料金が変更されていなかったCAFISだが、新料金では、特に少額の決済手数料が値下げとなる。
本記事では、料金変更の詳細と、その背景にあるキャッシュレス業界の変化について解説する。
CAFISとは
CAFIS(キャフィス)とは、株式会社NTTデータが提供するキャッシュレス決済総合プラットフォームのこと。
キャッシュレス決済の加盟店とクレジットカード会社・金融機関などの、事業者間の決済活動の中継地点となっている。
1984年にスタートし、日本最大の利用数と取引量を誇る。
対応する決済手段
CAFIS(キャフィス)に対応している決済手段は下記の通り。
- クレジットカード
- スマホQR決済
- 電子マネー
- 金融機関
クレジットカード以外にも、主要なキャッシュレス決済でほぼ利用されており、多様なジャンルの事業者が関わっている。
利用事業者数
CAFIS(キャフィス)を利用している事業者の数は次の通り。
- クレジットカード会社:約120社
- 金融機関:約200社
- 収納機関:約400社
- 対面決済(百貨店、GMS、SCなどセンター/サーバー/POSS接続):約2,000社
- 対面決済(小売店、宅配、タクシーなどCCT接続):約85万台
- 非対面決済(ECショップ):約3,000社 など
事業の規模を問わず、また、対面決済・非対面決済いずれでも、CAFISは多くのシーンで利用されている。
キャッシュレス決済においてなくてはならないサービスなので、手数料の変更は重要なニュースとなるのだ。
CAFISの料金が高すぎるという声も
新料金になることが発表されたCAFIS(キャフィス)だが、以前は決済手数料が高すぎるという声があった。
10年以上にわたって料金が変更されていないということもあり、2020年4月21日(火)に公正取引委員会が言及したこともある。
また、スマホQR決済の登場と普及により、キャッシュレスの過半数を少額決済が占めるようになっていることが判明。
さらなる市場の発展やニーズに対応するために、CAFISの料金の見直しが決定される結果となった。
CAFISの料金プラン
今までのCAFIS(キャフィス)の料金プランと、2020年10月1日(木)からの料金プランを表にまとめた。
クレジットカードでのCAFIS処理料
決済金額 | 現行料金 | 新料金 |
---|---|---|
~1,000円 | 最大3.15円/1件 | 決済金額×0.3% |
1,001円~ | 最大3.15円/1件 | 現行料金と同様 |
(NTT DATA公式サイトをもとに作成)
たとえば決済金額が500円の場合、従来の手数料は最大で3.15円必要となっていた。
しかし新料金では、500円×0.3%=1.5円となるので、半分以下のCAFIS処理料で済むようになる。
QRコードチャージでのCAFIS即時口座振替取引のCAFIS処理料
現行料金 | 新料金 |
---|---|
最大3.15円/件 | 1円/件 |
(NTT DATA公式サイトをもとに作成)
CAFIS即時口座振替取引のCAFIS処理料とは、ユーザーがスマホQR決済にチャージする際、金融機関が負担している費用のこと。
上記のように、従来は最大で3.15円/件も必要だったが、2020年10月1日(木)からは3分の1以下となる1円/件となる。
キャッシュレス業界に変化の波が来ている
今回のCAFIS(キャフィス)の料金変更のように、キャッシュレス業界には新たな波が押し寄せている。
スマホQR決済など今までになかった決済手段の登場が理由となっており、金融機関をはじめとした各事業者は対応を迫られるだろう。
消費者、加盟店、決済事業者に配慮した体制作りが急がれる中、今後どのような形でキャッシュレス業界が変化していくのか注目だ。