企業向け自動サービス機器や情報処理機などの販売・製造を手がけるグローリーは10日、医療機関向けに患者の会計待ち時間を不要にする「料金後払いシステム」を展開すると発表した。
東京衛生病院からの待ち時間短縮の要望を受け、医療機関向けソフトウェアの開発・保守を行うCEホールディングスとの協業で制作されたシステムだ。
料金後払いシステムを導入した病院では、患者側は診察後の会計後払いを希望すれば会計の待ち時間なしで帰宅できるようになる。
決済手段としては以下の3つが利用可能だ。
対応しているクレジットカードブランド・銀行は医療機関によって異なるのが注意が必要。
たとえば、ファーストユーザーとして本システムを納入した東京衛生病院では、以下のクレジットカードが利用できる。
お使いになれるカードは、次のものに限ります。
・UC、VISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレス(Amex)、
・デビットカード(J-Debit)
引用:http://www.tokyoeisei.com/hospital/expenses/
利用方法はいたって簡単で、受付にある専用端末で初回利用時のみ「診察券番号」「メールアドレス」「クレジットカード情報」を入力するだけだ。
後払い登録後は受付・診察を行った後会計ファイルを窓口に提出するだけでいい。
会計を待たずにそのまま帰宅することが可能だ。
口座振替・クレジットカード決済の場合は、病院での会計処理後に決済処理が実行され、利用者にメールで金額が通知される仕組みとなっている。
コンビニ決済の場合は、会計処理完了後に登録したメールアドレスに届く支払いメールをもとに、コンビニで決済をする方式となっている。
決済にあたって追加で利用手数料などはかからない。
従来のシステムは別途手数料が必要な機器が多かったため、この点も大きなメリットといえる。
患者側、病院側双方にメリットの大きいシステム
患者側は会計待ちがなくなることで診察後にすぐ帰宅できるほか、現金の持ち合わせがなくても医療機関で診察を受けることができる。
これは病院側にとってもメリットで、会計待ちがなくなれば必然的に院内や窓口の混雑緩和に繋がり、一般の患者に割く時間を増やすことが可能だ。
さらに、システム導入で病院側は従来手作業で入力していた入金消込を自動化でき、会計処理業務の効率化を図ることができる。
導入に当たっては契約中のクレジットカード会社を継続利用することが可能で、すでにクレジットカード決済を対応している医療機関も導入しやすいことメリットだ。
なお、本システムは7月11日から3日間東京ビッグサイトで開催される「国際モダンホスピタルショウ2018」のグローリーブースにて展示されている。
現金払いが圧倒的に多い医療機関こそ、キャッシュレスは必要
医療機関では医療費にクレジットカードや電子マネーが利用できないケースが非常に多い。
したがって、圧倒的に現金払いが多いのが現状だが、医療機関にこそキャッシュレス決済の普及は重要と言える。
理由としては、まず「診察を終えるまでいくらかかるかわからない」という点。
急病にかかった際、運悪く現金の持ち合わせがない場合、体の心配に加えてお金の心配もしなければならなくなってしまう。
クレジットカードや電子マネーが使えれば、少なくともそういった心配をする必要は無くなるだろう。
次に、前述したように「会計待ちをなくすことによるメリットが大きい」という点も重要だ。
体調の優れない患者を、待合室のイスで10分以上待たせておくのは得策とは言えない。
こうした患者が会計を待たずに帰宅できれば、院内全体の混雑緩和にも繋がり、窓口対応の時間も減らせる。
このように「スピーディーに決済できる」というキャッシュレス決済の利点は、医療機関にこそ活かさなくてはならない。
医療費がクレジットカードで自動支払いできるようになれば、さらに医療機関が利用しやすくなるはずだ。