freeeは26日、三井住友カードと協業し、個人事業主・中小企業向け事業用クレジットカード「freee VISA カード」の発行を開始した。
同社は昨年9月にもライフカードと提携し、MasterCardブランドの「freeeカード」をすでに発行している。
設立間もない企業や個人事業主など、法人カードの発行が難しかった層も代表者本人の資料のみ(登記簿謄本・決算書不要)で事業用カードを作ることが可能となる。
事業用決済に法人カードを使うことは、仕入れや経費計算といった業務の効率化、経営状況の可視化に有効だ。
「freee VISA カード」は、初年度無料(2年目以降は年50万利用で無料)、999枚まで発行でき、中小企業のコーポレートカードとしても活用できる。
さらに、同社のクラウド会計ソフト「freee」との提携により、カード決済履歴を入力の手間なく会計できるのが強みだ。
加えて、福利厚生サービスの割引や、航空券のチケットレス発券、会計freeeが2ヶ月無料など、かなり豊富な優待特典も付く。
創業と同時に発行しておきたいカードに仕上がっているといえるだろう。
なお、今回の取り組みは「freee」「三井住友カード」だけではなく、「VISA」「ストライプジャパン(以下Stripe)」4社間による協業となっている。
4社は提携し、中小企業・個人事業主のキャッシュレス化・業務効率化への働きかけを強化。
今後も、VISAによるビジネス会員向け優待サービスや、Stripeによる法人取引の決済効率化サービスを提供していくとしている。
個人カードと同じ感覚で発行できる
今回発行された「freee VISA カード」「freee VISAゴールドカード」は、「創業時から使える」ことをウリにしており、本人確認資料のみで決算書類不要、個人カードとほぼ同じ感覚で発行できる法人カードといった位置づけだ。
大きなメリットとしては、年会費が初年度無料、2年目以降も「前年度50万(税込)以上利用」または「マイ·ペイすリボ設定+利用」で年会費を無料にできる点だろう。
もし、条件を満たせなくても、WEB明細書登録しておけば年会費は825円(税込)しかかからず、法人カードとしては破格だ(未登録の場合は1250円)。
そのほかにも、以下のような特徴がある。
- 999枚まで発行可
- Web明細書も発行可
- Apple Pay&電子マネー「iD」決済可
- ETCカードを利用者と同じ数だけ追加可
- タクシーチケット・エクスプレス予約サービス利用可
- リボ払い・分割払い(1〜2回)・ボーナス払い・キャッシングに対応
注意点として、ポイント還元は上位カード「freee VISAゴールドカード」のみ、還元率も0.1%と低い。
しかし、そもそも法人カードはポイント還元率が低いものなので、あまり気にする部分ではないだろう。
年会費は最安値
従来の法人カード(ビジネスカード・コーポレートカード)と比較した際、際立つのが「年会費の安さ」だ。
年会費無料の法人カードとしては、他に「三井住友カード ビジネスオーナーズ」があるが、いずれにせよ法人カードとしては珍しい。
そもそも、従来の法人カードは以下のような特徴があり、創業したての層をターゲットにしていないものだった
- 申し込みに決算書類が必須
- 年会費が高い
- 中小企業の中でも安定した経営をしている層向け
世間的にも、法人カードは個人事業主などが持つカードではないという認識があったと言われている。
今回、個人事業主に人気の会計ソフトがカードを発行したことにより、法人カードのハードルは一段と下がっていき、さまざまな層がメリットを享受しやすくなるだろう。
創業時こそ重要な仕事に集中
freeeは、開業届や確定申告書を簡単に作成できるなど、特に個人事業主との相性が良い会計ソフトだ。
本カードをfreeeの利用と同時に発行しておけば、開業、日々の会計、確定申告など、煩わしい業務をストレスフリーで処理できる。
創業間もない頃こそ、利益の発生しない会計業務ではなく、自分の仕事に集中すべきタイミング。
創業したての人は、日々の会計から解放される「freee」と「freee VISA カード」をぜひ導入しておきたいところだ。
最終更新日:2022/01/19