クレジットカードの支払い方法には一括払いや分割払い、ボーナス一括払い、リボ払いなど様々な支払い方法がある。
その中でリボ払いは、毎月決まった額を支払っていく方式で、月々の支払いが無理なく行えるのが魅力だ。
たとえば、リボ払いで月々の支払い金額を5,000円と設定しておけば、10万円の商品を購入しても、引き落とされるのは5,000円のみだ。
一方で、金利の計算方法が分かりにくく、支払いがなかなか終わらず、手数料が大きくなりやすいというデメリットもある。
利用する場合は利息について正確な知識を持ち、計画的に無理のない範囲で利用したい。
リボ払いでは平均的に年利15%となる。
ただし、リボ払いは複雑な方式があり、カードごとの利息や計算方法などは分かりにくい。
そこで本記事では、まずリボ払いの利用に必要な知識をまとめた。
次に、リボ払い利用の多い下記4種類のカードについて、カードごとにリボ払いの金利計算方法を紹介する。
楽天カード
エポスカード
セゾンカード
イオンカードセレクト
さらに、利息を減らす返済方法についても解説する。
リボ払いの種類
リボ払いには3種類の方式があり、それぞれ仕組みが異なる。
定額方式
元金定額方式
あらかじめ月々の支払い金額の元金を設定しておき、それに手数料・利息が上乗せされた金額を毎月支払う方法。
毎月一定の元金を支払っているため、リボ払いの中では比較的早めに返済が完了する。
元利定額方式
あらかじめ月々の支払い金額を設定しておき、決まった金額を毎月支払う方法。
金額の中には元金と手数料・利息が全て含まれている。
金額が変動することがないため、家計管理が楽というメリットがあるが、元金定額式より支払う総額は多くなる。
定率方式
毎月決まった日に残高を確定し、指定した定率で返済する方式。
完済日がはっきりせず、定率方式を採用しているカード会社はほとんどない。
一般的に、先ほど説明した定額方式と、次に挙げる残高スライド方式を採用しているクレジットカードがほとんどである。
残高スライド方式
残高に応じて返済額や定率が異なる支払い方式。
残高が減ることによって支払い額も少なくなる。
定額方式と定率方式を組み合わせたような支払い方法で、カード会社によって残高スライド定額方式と残高スライド定率方式に分かれる。
さらに、残高スライド定額方式の中でも元金定額方式と元利定額方式に分かれている。
リボ払いの金利計算
クレジットカード会社が設定しているリボ払いの金利は年率だ。
年率とは、1年間お金を借りていた場合に元金に対してかかる手数料の利率のこと。リボ払いでかかる1か月の利息は以下の計算式で求められる。
利用残高×年率÷12か月
例えば、利用残高10万円で年率15%なら、
10万円×15%÷12か月=1,250円
が1か月にかかる利息だ。
カード別シミュレーション
リボ払いで実際にかかる利息をカード別に見ていこう。
10万円の商品をリボ払いで購入したケースでシミュレーションしてみる。
各カードのリボ払いの種類、年利、支払回数、支払総額をまとめたものが以下の表だ。
リボ払いの種類 | 年利 | 支払回数 | 支払総額 | |
---|---|---|---|---|
楽天カード | 残高スライド元金定額方式 | 15% | 20回 | 113,120円 |
エポスカード | 残高スライド元利定額方式 元利定額方式 | 15% | 11回 | 107,497円 |
セゾンカード | 元利定額方式 | 14.52% | 11回 | 106,804円 |
イオンカードセレクト | 残高スライド元金定額方式 | 15% | 10回 | 106,875円 |
※シミュレーションの結果は参考値で、利用状況や返済期間、各カード会社の締め日などによって金額は変動することがある。
リボ払いを利用したら、必ず引き落とし明細書で実際の支払い額を確認しよう。
楽天カード
- 年利:15%
- 方式:残高スライド元金定額方式
元金の支払いは、利用残高が20万円以内なら月々5,000円、20万円を超える場合は月々10,000円となる。
利用金額を100,000円とし、月々の支払い元金を5,000円と設定した場合の返済シミュレーションは以下の通り。
- 利用額:100,000円
- 残高スライド元金定額方式
- 支払回数:20回
- 支払手数料:13,120円
- 支払総額:113,120円
回数 | 支払い金額 | 元金 | 手数料 | 支払い後残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 6,250円 | 5,000円 | 1,250円 | 95,000円 |
2 | 6,187円 | 5,000円 | 1,187円 | 90,000円 |
3 | 6,125円 | 5,000円 | 1,125円 | 85,000円 |
4 | 6,062円 | 5,000円 | 1,062円 | 80,000円 |
5 | 6,000円 | 5,000円 | 1,000円 | 75,000円 |
6 | 5,937円 | 5,000円 | 937円 | 70,000円 |
7 | 5,875円 | 5,000円 | 875円 | 65,000円 |
8 | 5,812円 | 5,000円 | 812円 | 60,000円 |
9 | 5,750円 | 5,000円 | 750円 | 55,000円 |
10 | 5,687円 | 5,000円 | 687円 | 50,000円 |
11 | 5,625円 | 5,000円 | 625円 | 45,000円 |
12 | 5,562円 | 5,000円 | 562円 | 40,000円 |
13 | 5,500円 | 5,000円 | 500円 | 35,000円 |
14 | 5,437円 | 5,000円 | 437円 | 30,000円 |
15 | 5,375円 | 5,000円 | 375円 | 25,000円 |
16 | 5,312円 | 5,000円 | 312円 | 20,000円 |
17 | 5,250円 | 5,000円 | 250円 | 15,000円 |
18 | 5,187円 | 5,000円 | 187円 | 10,000円 |
19 | 5,125円 | 5,000円 | 125円 | 5,000円 |
20 | 5,062円 | 5,000円 | 62円 | 0円 |
エポスカード
- 年利:15%
- 方式:標準コース・長期コース(残高スライド元利定額方式)、定額コース(元利定額方式)
カード発行時は残高スライド方式に設定されており、利用残高に応じて支払い額が決定される。
残高が5万円以下であれば月々3,000円の支払い、5万超10万円以下であれば月々5,000円の支払いとなる。
元利定額方式では、残高に関係なく月々の支払い額を設定できる。
利用金額を100,000円、支払い方法を元利定額方式(定額コース)、支払い金額を10,000円とした場合の返済シミュレーションは以下の通り。
- 利用金額:100,000円
- 支払い方法:定額コース(元利定額方式)
- 支払回数:11回
- 支払手数料:7,497円
- 支払総額:107,497円
回数 | 支払い金額 | 元金 | 手数料 | 支払い後残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 10,000円 | 8,750円 | 1,250円 | 91,250円 |
2 | 10,000円 | 8,860円 | 1,140円 | 82,390円 |
3 | 10,000円 | 8,971円 | 1,029円 | 73,419円 |
4 | 10,000円 | 9,083円 | 917円 | 64,336円 |
5 | 10,000円 | 9,196円 | 804円 | 55,140円 |
6 | 10,000円 | 9,311円 | 689円 | 45,829円 |
7 | 10,000円 | 9,428円 | 572円 | 36,401円 |
8 | 10,000円 | 9,545円 | 455円 | 26,856円 |
9 | 10,000円 | 9,665円 | 335円 | 17,191円 |
10 | 10,000円 | 9,786円 | 214円 | 7,405円 |
11 | 7,497円 | 7,405円 | 92円 | 0円 |
セゾンカード
- 年利:14.52%
- 方式:長期コース・標準コース(元利定額方式)/li>
長期コースは月々3,000円、標準コースは月々10,000円の定額を支払う。
利用金額を100,000円、支払い金額を10,000円(標準コース)とした場合の返済シミュレーションは以下の通り。
- 利用金額:100,000円
- 支払回数:11回
- 支払手数料:6,804円
- 支払総額:106,804円
回数 | 支払い金額 | 内手数料 |
---|---|---|
1 | 10,000円 | 795円 |
2 | 10,000円 | 1,119円 |
3 | 10,000円 | 976円 |
4 | 10,000円 | 897円 |
5 | 10,000円 | 785円 |
6 | 10,000円 | 651円 |
7 | 10,000円 | 556円 |
8 | 10,000円 | 426円 | 9 | 10,000円 | 322円 | 10 | 10,000円 | 203円 | 11 | 6,804円 | 74円 |
イオンカードセレクト
- 年利:15%
- 方式:残高スライド元金定額方式/li>
利用金額を100,000円、支払い金額を10,000円とした場合の返済シミュレーションは以下の通り。
- 利用金額:100,000円
- 支払回数:10回
- 支払手数料:6,875円
- 支払総額:106,875円
回数 | 支払い金額 | 元金 | 手数料 | 支払い後残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 11,250円 | 10,000円 | 1,250円 | 90,000円 |
2 | 11,125円 | 10,000円 | 1,125円 | 80,000円 |
3 | 11,000円 | 10,000円 | 1,100円 | 70,000円 |
4 | 10,875円 | 10,000円 | 875円 | 60,00円 |
5 | 10,750円 | 10,000円 | 750円 | 50,000円 |
6 | 10,625円 | 10,000円 | 625円 | 40,000円 |
7 | 10,500円 | 10,000円 | 500円 | 30,000円 |
8 | 10,375円 | 10,000円 | 385円 | 20,000円 |
9 | 10,250円 | 10,000円 | 250円 | 10,000円 |
10 | 10,125円 | 10,000円 | 125円 | 0円 |
利息を減らす方法
リボ払いでは、月々の支払い額を増額したり、繰り上げ返済により早期に完済が可能だ。
繰り上げ返済は一括または部分返済も可能だ。
一部返済するだけでも利息を減らせるのでメリットは大きい。
繰り上げ返済は銀行振り込みやATMからの返済、次回の支払い日に引き落としてもらうなど、カード会社によって方法が異なる。
電話や会員ページからの申込で受け付けているケースが多いので、リボ払いを利用するときには繰り上げ返済も視野に入れてから活用したい。
リボ払いは毎月一定額が引き落とされるので、高額な買い物をしても支払いが楽というメリットがある。
しかし、平均年利が15%と高く、総支払額も高額になりがちだ。
どうしても必要なものを購入しなくてはならないが、手持ちのお金が少ない場合など、利用するシーンを限定したい。
また、少しでもかかる利息を減らすため、余裕があるなら積極的に繰り上げ返済を行うようにしよう。