クレジットカードの用語は似た用語が多い。
例として「利用残高」と「利用可能残高」や「請求予定額」「請求額」などが挙げられる。
上記の用語は似ているが、異なる意味を指している。そのため、使用例や注意事項を読む際に各用語の意味が曖昧なままだと誤った利用につながる恐れがある。
そんな事態を避けるため、本記事では「クレジットカードの基本用語」について詳しく解説していく。解説する用語は以下の通りである。
- 利用残高=「利用した金額」
- 利用可能残高=「利用できる残りの金額」
- 利用限度額=「利用できる上限の金額」
- 請求予定額=「確認時点で次の支払日に請求する金額」
- 請求額=「実際に請求される金額」
- 利用明細書=「カード利用の利用先と金額の記録」
- WEB明細=「WEBで確認する利用明細」
上記の用語はクレジットカードを利用するならば絶対に知っておきたい知識である。
各用語の解説では、言葉の説明だけではなく、勘違いしやすい点を注意事項としてまとめた。
「利用残高」「利用可能残高」「利用限度額」
クレジットカードには「利用残高」「利用可能残高」「利用限度額」という3種類の似た用語がある。
これらの用語は頻繁に利用するが、それぞれ何の金額を指しているのか名前だけでは理解しにくい。
クレジットカードを使う上では必ず知っておいてほしい基本的な用語のため、知らなかった人はよくチェックしてほしい。
利用限度額=「利用できる上限の金額」
利用限度額とは「利用できる上限の金額」のことである。
クレジットカードは無限に買い物ができるわけでなく、利用者個々人に合わせて「利用限度額」という上限金額が設定されている。
例えば利用限度額が「10万円」だった場合、合計で10万円を超える買い物はできない。
利用限度額は引き上げられることがあり、カードの継続的な利用、月々の支払いを繰り返していると、クレジットカード会社から利用限度額の引き上げについて連絡がある場合が多い。
カード会社によっては「利用可能枠」という用語を用いることもある。
結婚式費用の支払いや引っ越し費用の支払いなど、特別な出費で限度額以上の金額を利用する予定がある場合には、「一時増額」という方法で限度額を一時的に引き上げる方法も存在する。
一時増額ができるか、どの程度の金額まで引き上げられるかは決まっていないので、希望する場合はカード会社に連絡をしてみると良いだろう。
利用残高=「利用した金額」
利用残高とは「カードを利用した金額」のことである。
クレジットカードで決済を行うと、カード会社が支払いを立て替えることになる。
利用残高とは「カード会社が立て替えている金額」を指している。
通常「残高」という場合「預金残高」を想像する人が多い。そのため「利用残高」を「利用できる残りの金額」だと勘違いしてしまう人が多い。
「利用できる残りの金額」は次に紹介する「利用可能残高」となる。各用語の意味の違いに注意してほしい。
利用残高は請求額と同様に締め日でリセットされると誤解されることが多いが、支払い(引き落とし)をしない限り減ることはない。
そのため、支払日を迎えるか、繰り上げ支払いを行った場合のみ減ると覚えておくと良い。
利用可能残高=「利用できる残りの金額」
利用可能残高とは「利用できる残りの金額」のことである。
利用限度額から利用残高を差し引いて求められる。数式を用いて表現すると、以下のように表せる。
利用可能残高 = 利用限度額 — 利用残高
利用可能残高が0円の場合は利用限度額いっぱいまでカードを利用している状態ということだ。
0円のままだとカードを利用できないため、限度額が小さいうちは計画的な使用を意識しよう。
「請求予定額」と「請求額」
続いて確認する用語は「請求予定額」と「請求額」の2つだ。どちらも請求に関する用語であるが、システム上指している金額が異なる。
同じ請求額であるにも関わらず「請求予定額」と「請求額」にズレが生じる理由も含めて紹介する。
請求予定額=「確認時点で次の支払日に請求する金額」
請求予定額とは「確認時点で次の支払日に請求する金額」のことである。
電話、またはWEBで次の支払日にいくら引き落とされるかを確認することができる。
請求予定額はその名前の通り「予定」であって確定したものではなく、「確認時点での請求額」であるため、実際の請求額とは異なることがあることを覚えておこう。
請求予定額は支払い方法の変更や追加のカード利用を行うと請求額は変わってしまう。
締め日に請求金額を確認しても、実際の請求額は請求書の金額が出るまで確定ではないという点に注意してほしい。
請求予定額のことを「お支払い予定額」と呼ぶカード会社もある。
請求額=「実際に請求される金額」
請求額とは「実際に請求される金額」のことである。
請求書に記載された金額が請求額であり、支払日に引き落とされる金額だ。
きちんと口座の残高で支払いができるかを確認するためにも、webなどで請求額をこまめにチェックしよう。
カード会社によっては請求額が確定した時点でメール通知をおこなってくれるサービスがある。
支払いできなかったという事態を防ぐためにこういったサービスを利用するのも良いだろう。
予定日に引き落としができなかった場合は信用情報に傷がつく可能性がある。
信用情報に傷がつくと新たにカードを作れなかったり、ローンを組めなかったり、悪質な未払いの場合は利用限度額の減少や、カード利用停止などのペナルティが課せられる可能性もある。
万が一支払いが厳しい場合は、カード会社へ事前に相談することをおすすめする。
「利用明細書」「WEB明細」
「利用明細書」と「WEB明細」はどちらも、クレジットカードの利用先と利用金額が記載された証明書のようなものだ。
「利用明細」は紙で郵送される明細書を指し、「WEB明細」はWEB上で確認する明細書を指す。
利用明細書=「カード利用の利用先と金額の記録」
利用明細書は「カード利用の利用先と金額の記録」のことで、基本的に紙で記載された物を指す。
紙の明細を選ぶメリットとして、個人が保管している限りずっと明細を確認できる点や、月に一度決まったタイミングで郵送されるため利用状況を確認する習慣を作れる点が挙げられる。
後述するWEB明細の場合は、保管期間が限定されていることが多い。
明細書を長期間保管したい場合は紙の明細書を選ぶか、WEB明細をダウンロードしておくことをおすすめする。
WEB明細=「WEBで確認する利用明細」
WEB明細は「WEBで確認する利用明細」のことで、明細書に記載されている内容は紙とWEBで違いはない。
WEB明細のメリットとして、利用者の都合の良いタイミングで確認できるという点、データとして保管できるため場所を取らない点、紙の郵送よりも速い点が挙げられる。
さらにカード会社によってはWEB明細を選択すると年会費が割引されるなどの優遇があるカードも多い。
クレジットカードの基本用語を覚えよう
クレジットカードを使う場合は「利用残高」「利用可能残高」「利用限度額」を始め、「請求予定額」と「請求額」、「利用明細」「WEB明細」などの基本的な用語を理解しておこう。
クレジットカードは非常に便利なアイテムではであるが使用にあたってはさまざまな注意点がある。
各カード会社が使用上の注意などをWEBや契約書に記載しているが、上記のような専門用語が多数並んでいるため、内容を理解するには用語の意味を正確に知らなければならない。
「利用残高」「利用可能残高」「利用限度額」は各用語がぱっと見で似ているため、特に注意必要だ。
用語を勘違いして思ったよりも利用残高が多かったり、利用可能残高が少なかったりということがないようにしてほしい。