「カードの不正利用を防ぎたい」「カードで利用した金額をマメに把握したい」という人におすすめなのが、クレジットカードの利用通知メールだ。
カード決済後、利用日や利用金額、利用店舗などがスマートフォンやパソコンのメールに送られてくるサービスだ。
エポスカード、楽天カードなどのカード会社で、利用通知メールのサービスを無料で実施している。
利用通知メールの登録や解除は、会員専用サイトから簡単に行える。
設定の際には、迷惑メール設定などを事前に解除しておく必要がある。
メリットは、不正利用があった場合にすぐ気づいて対処できる、請求書を見なくても利用金額がわかるなど。
また、海外旅行時に決済が正しく行われたかチェックできたり、スキミング被害などに早めに気づいたりできるという点もメリットだ。
注意点としては、利用通知メールが送られてくるタイミングはバラバラであること、加盟店によっては利用通知メールが届かないこともあり、海外利用時は請求金額と異なる金額が記載されることもある。
さらに、もっとも注意しておきたいのが、詐欺目的の偽物のメールが送られてくることもある、という点だ。
件名や送信元のメールアドレスなどにいつもと違う点、不審な点があるときは注意しよう。
また、そういった不審なメールの本文に記載されたURLはクリックしないようにしたい。
本記事では、利用通知メールの仕組み、利用通知メールが来るクレジットカード、メリットや注意点などについて解説する。
利用通知メールの仕組み
店舗やネットショップなどでクレジットカードを使って決済を行った際に、利用した旨をメールで知らせてくれる。
利用通知メールには、利用日、利用店舗、利用金額などが明記される。
カード会社によって通知のタイミングは異なり、反映が済み次第通知、翌日通知、翌々日通知などがある。
ユーザーは利用通知をチェックすることで、利用明細を確認しなくてもカードの利用額を知ることができる。
また、身に覚えのない通知があった時にカード会社に問い合わせたり、カードをストップしたりするなど、不正利用があった場合の対策ができる。
なお、利用通知メールのサービスは全てのカード会社で行われているわけではなく、一部で実施されている。
利用通知メールが届くカード
エポスカード
エポスカードでは「あんしんサービス」の一環として、「カード利用通知サービス」を無料で実施している。
カード決済後、エポスNetに登録しているメールアドレスへ、カードの利用が通知される。
ただし、以下の場合には通知はされない。
- 携帯電話料金や光熱費、月額課金サービスなどの月々の支払い
- カード利用情報の照会がない利用
- 1回あたりの利用が1,000円未満の決済
(ガソリンスタンドなど、一部店舗では1,000円以下の利用でも通知が届くことがある) - totoオフィシャルサイトでの利用
また、加盟店によって、決済から通知までに時間がかかることもある。
エポスカードにはこのほかにも、不正利用を防ぐための以下のサービスがある。
- お支払予定額通知サービス:設定金額以上を利用した際、翌日にメール通知を行う
- 海外利用停止サービス:海外の店舗、ネットショップでのカード利用を停止する
- エポスNetログイン通知サービス:利用履歴やポイント確認等ができる「エポスNet」にログインした際にメール通知を行う
- エポスバーチャルカード:Web上でのみ利用できる専用カード番号を発行し、手持ちのクレジットカード番号を使わずにネットショッピングができるサービス
- 本人認証サービス:Netパスワードの入力で、ネットショッピングでの本人以外のカード利用を防止
楽天カード
「カード利用お知らせメール」を無料で利用できる。
カード決済後に、希望に合わせて以下2種類の利用通知メールが届く。
- 速報情報通知:カード決済の最短翌日に、利用日、利用金額、利用者がメールで通知される
- 売上情報通知:カード決済の最短2日後に、利用日、利用金額、利用者、利用先、支払い方法がメールで通知される
速報情報通知と売上情報通知の2種類を受け取るか、売上情報通知のみ受け取るかはユーザーが選択可能。
ただし、速報情報通知のみを受け取ることはできない。
また、速報情報通知の場合、以下のケースではメール通知がされない。
- 光熱費や月額課金サービスなどの継続的な支払いの場合(一部、携帯電話料金に関しては配信されることがある)
- カード利用情報の照会がない利用
- 1回あたりの利用が500円未満の決済
基本的には利用承認紹介があるたびにメールが配信されるため、商品を複数購入して同梱処理などが行われた場合、メールが複数回に渡り届くことがある。
利用方法、設定方法
エポスカード
エポスNetにログインし、「カード利用通知サービス(設定)」の「通知する」を選ぶことで設定できる。
メールアドレスは、携帯・パソコンのどちらのアドレスでも設定可能。
迷惑メール設定をしている場合は、事前に受信設定を変更しておく必要がある。
利用通知メールを解除する場合は、エポスNetにログイン後、「カード利用通知サービス(設定)」の「通知しない」を選べば解除できる。
楽天カード
楽天カード会員専用サービスの「楽天e-NAVI」にログインし、「サービス一覧」の「ご登録情報」カテゴリーより、「カード利用お知らせメールの登録」をクリックする。
売上情報通知、速報情報通知の欄で希望するものに「通知する」を選び、メール送信先を選択し、登録する。
その後は登録したメールアドレスに、楽天カード利用お知らせメールの通知が届く。
利用を解除する際には、同じく「カード利用お知らせメールの登録」から、「通知しない」を選ぶことで介助が可能。
メリット
不正利用に早めに気づける
利用通知メールは利用店舗の端末などを通じて照会後に送られてくるため、もし身に覚えのない利用通知が届いた際に、不正利用を疑い対処が可能になる。
カード会社に連絡をしてカードの利用をストップすれば、不正利用の被害を食い止めることができるほか、ネットショッピングの場合にも利用通知メールが届くため、身に覚えのない利用通知が届いた場合、発送をキャンセルすることができる。
カードの紛失はもちろん、カード番号の情報漏洩などにも早い段階で気づくことができるため、防犯につながる。
利用金額を随時把握できる
クレジットカードは現金なしで決済ができる分、請求が来た時に「思っていたより使ってしまっていた」ということにもなりがちだ。
利用通知メールを設定することで、どこでいくら使ったのかを随時把握できるため、後から明細が届いて驚く可能性も低い。
「クレジットカードを持つとつい使いすぎてしまう」「計画的に利用したい」という人にとって、利用通知メールのメリットは大きい。
海外旅行でも安心
海外旅行でもクレジットカードを利用できる店舗は多いが、正しく決済がされているのか心配な人もいるだろう。
利用通知メールには利用金額が表示されるため、きちんと決済が行われたかを確認できるだけでなく、金額の間違いなどがあった際にも気づくことができる。
また、財布の盗難や紛失のリスクは、日本よりも海外の方が高い。
また、細工したカードリーダーに通したり、カードデータの読み込みが可能な機会をカバンや財布に近づけたりしてカード情報を盗む「スキミング被害」も少なくない。
万が一これらの被害に遭った場合でも、利用通知メールを設定しておけば気づくことができる。
普段は利用しなくても、海外旅行へ行く前には利用通知メールを設定しておくのもひとつの方法だ。
注意点
メールの通知タイミングはバラバラ
利用通知メールで注意したいのが、「必ずしもリアルタイムでメールが届くわけではない」ということだ。
基本的に、利用店舗から利用情報がカード会社に届いてからの通知となるため、加盟店ごとにそのタイミングは異なる。
そのため、決済から利用通知メールが届くまでに数日かかることもある。
ライブなどの抽選申し込みを行っていて決済方法をクレジットカードに設定していた場合も、利用通知メールが届くのは当選後になることがある。
なお、継続して支払いをしているもので利用通知メールが届く場合、メールの受信が深夜などになることもある。
「カードを利用した瞬間にメールが届くわけではない」という点は理解しておこう。
通知が届かない・請求金額と異なることがある
月額課金サービスなどの継続した支払いや、利用店舗や利用金額によっては、メールが届かないこともある。
事前に、利用通知メールの注意事項を確認しておこう。
海外でカードを利用した場合、利用照会の時点でレート換算を行って利用通知メールが送られる。
そのため、実際の請求金額とは異なることもある。
キャンセル後に利用通知メールが届くことがある
カード利用後にキャンセルをした場合でも、タイミングによっては利用通知メールが配信されることがある。
もちろん実際の請求金額には反映されないが、キャンセルをしてもメールが届いてしまう可能性があることは知っておきたい。
偽物のメールに注意
個人情報の抜き取りなどを目的とした、利用通知メールを装ったメールが送られてくる可能性がある。
普段届くものとはタイトルやアドレスが異なる利用通知メールが来た時は、メールを開く前に注意が必要だ。
メールを開いてしまっても、記載されているリンクに飛んだり情報を入力したりするのは避けるべきた。
偽物の利用通知メールが届いた際には、ウイルス感染予防などのためにも速やかに削除しよう。
メールを上手に活用しよう
利用通知メールは、防犯面や金額の把握などにおいてさまざまなメリットがある。
特に、不正利用を未然に防いだり、被害を最小限に食い止めたりする方法のひとつとして有効だ。海外旅行の際にも活用できる。
通常、カードの利用から請求までには期間が空くため、利用通知メールをチェックする習慣をつけることで今どれくらい使っているかを認識でき、ムダ遣いなどにも注意できる。
「頻繁にメールが届くのが嫌」「請求書でまとめてチェックできれば良い」という人以外は、設定しておいて損はない。
設定後に不要になった場合でも、簡単に解除できるため心配はない。
利用通知メールを上手に活用して、不正利用から身を守ることをおすすめする。