首都圏新都市鉄道は、つくばエクスプレス(TX)で早朝にタッチ決済乗車すると普通運賃が20%割引になる「クレカタッチでゆとり通勤キャンペーン」第2弾を、2026年10月1日から2027年1月31日まで実施する。第1弾の利用実績を踏まえ、駅ごとの実態に合わせて適用時間を見直した点が今回の特徴だ。
早朝のクレカ乗車で普通運賃が20%割引になる
対象は、2026年10月1日(木)から2027年1月31日(日)までの平日(祝日を含む)。対象の入場駅からタッチ決済で入場し、対象の出場駅で出場すると、普通旅客運賃(10円単位運賃)から20%が割り引かれる。
ここでいう「クレカ乗車」とは、三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」を活用した乗車サービスを指す。タッチ決済に対応したクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードのほか、これらを設定したスマートフォンなどをタッチして乗車できるサービスだ。
20%割引は普通運賃に対して適用される。仮に片道の普通運賃が高い区間ほど、1回あたりの割引額は大きくなり、平日の通勤で毎日使えば1か月単位ではまとまった差になる。具体的な割引額は乗車する区間の運賃によって変わるため、自分がよく使う区間の普通運賃をもとに2割引きで試算しておくとイメージしやすい。
対象は早朝の入場、都心側の主要駅で出場する場合
割引の対象となるのは、決められた入場駅から早朝の時間帯に入場したうえで、対象の出場駅で降りた場合に限られる。入場駅は2つのグループに分かれ、適用される時間帯が異なる。第2弾では、この適用時間が駅ごとの利用実態に応じて設定し直されている。
| 適用時間(入場) | 対象の入場駅 |
| 始発〜午前6時30分 | つくば、研究学園、万博記念公園、みどりの、みらい平、守谷、柏たなか、柏の葉キャンパス、流山おおたかの森 |
| 始発〜午前7時00分 | 流山セントラルパーク、南流山、三郷中央、八潮、六町、青井 |
対象の出場駅は、秋葉原、新御徒町、浅草、南千住、北千住の5駅。つくば方面から都心側のこれらの駅へ向かう、朝のピーク前の通勤利用が主に想定されている。同じ区間でも、入場が指定時間より遅くなると割引は適用されないため、割引を狙うなら早めに家を出て改札を通る必要がある。
通勤定期券を持つ人は使い分けの見極めがいる
注意したいのは、この割引が普通運賃を対象にしている点だ。すでに通勤定期券を利用している人は、区間内の移動に追加の運賃はかからないため、今回の割引による直接のメリットは基本的にない。
一方で、定期券を持たずにその都度運賃を払って通勤している人や、テレワークと出社を組み合わせて出社日数が少ない人にとっては、早朝の出社に合わせてタッチ決済で乗るだけで運賃が2割安くなる。定期券を買うほどの乗車頻度がない場合には、有力な選択肢になりそうだ。定期券を使っている人でも、定期区間外への早朝移動があれば、その区間で割引が効く場面はあるだろう。自分の乗車頻度と定期の有無を照らして、どちらが得かを見極めたい。
第1弾からの変更点は適用時間の見直し
第1弾は2026年5月から7月にかけて実施された。首都圏新都市鉄道によると、この期間に早朝時間帯への利用シフトや、タッチ決済の利用拡大といった一定の成果が確認できたという。
第2弾では、その利用実績を踏まえ、対象駅ごとの利用実態に応じて適用時間を見直している。入場駅が「始発〜午前6時30分」と「始発〜午前7時00分」の2グループに分けられているのはこのためで、駅ごとの混雑の出方に合わせて割引の効く時間帯を調整した形だ。第1弾を利用していた人は、自分の使う駅の適用時間が変わっている可能性があるため、改めて確認しておきたい。
背景にある8両編成化までの混雑緩和
こうした取り組みの背景には、TXの輸送力増強計画がある。同社は2030年代前半の完成を目指して8両編成化事業を進めており、それまでの間の混雑緩和策として、運賃割引によって利用時間帯の分散を促す狙いがある。
早朝に乗る人にとっては運賃が安くなり、鉄道側にとってはピーク時間帯の集中を和らげられる。利用者と事業者の双方にメリットがある形で、朝のラッシュを避けられる働き方の人ほど恩恵を受けやすい施策といえる。















