世界130カ国1,300カ所以上の空港ラウンジを利用できるプライオリティパスという会員制のサービスがある。
プライオリティパスで利用できる空港ラウンジは、クレジットカード会社の空港ラウンジよりも利用できる人が限られている。
しかも手荷物検査場の後にあるので、出発直前までゆっくりと過ごすことができる。
プライオリティパスには3つの会員ランクがあり、ランクによって年会費/無料で利用できる回数/同伴者の利用料が異なる。
本記事では、そのランクによる違いと、プライオリティパスの利用方法や利用できる空港について解説する。
基本的に、海外の主要な空港では利用可能だが、国内で国内線中心の空港では利用できない。
また、いずれのランクでも通常は年会費を支払う必要があるが、クレジットカードの中にはカードの年会費だけでプライオリティパスのサービスを利用できるものがある。
カードの年会費が付帯するプライオリティパスの年会費よりも安いお得なカードもある。
本記事では、そういったカードも含めたプライオリティパス付帯のクレジットカードについても紹介する。
カードによって付帯するプライオリティパスのランクや、同伴者の利用料金の扱いが異なるので、その点に注意して検討すると良いだろう。
3つのランクの違いを比較
プライオリティパスには、下表のようにスタンダード/スタンダード・プラス/プレステージの3つのランクがある。
ランク | スタンダード | スタンダード・プラス | プレステージ |
---|---|---|---|
年会費 | 99USドル | 249USドル | 399USドル |
無料で利用できる回数 | 無料利用なし 利用の都度27USドル | 年間10回まで無料 10回以上は都度27USドル | 無制限 |
同伴者の利用料 | 27USドル | 27USドル | 27USドル ※無料になるクレジットカードあり |
それぞれ、以下のような人におすすめだ。
スタンダード:空港の利用回数が少ないがラウンジを使いたい人
スタンダード・プラス:年間6回~10回程度、空港ラウンジを利用したい人
プレステージ:年間10回以上確実に空港ラウンジを利用する機会がある人
プライオリティパスのサービス
プライオリティパスは1992年に創立された。
プライオリティパスの会員は、航空会社や搭乗クラスに関わらず空港ラウンジを利用できる。
対象となる空港ラウンジは世界130カ国500都市に1,300カ所以上にある。
会員資格を持つ人しか利用できないので、混雑を避けて出発までの時間をゆっくりと過ごすことができる。
空港ラウンジにはソファ席があり、ソフトドリンクやお酒、軽食なども用意されている。
PC作業がしやすいテーブル、Wi-Fi、電話、ファックスなどがそろっていることも多い。
国際線で乗り継ぎをする場合、3~7時間の待ち時間が発生してしまうこともあるため、その間にリラックスしたり、仕事を進めたり、有効活用できる。
また、通常クレジットカードの特典として利用できるカード会社の空港ラウンジは手荷物検査前にあるものが大半だ。
しかしプライオリティパスでは手荷物検査後にあるVIPラウンジを利用できる。
そのため、出発直前までラウンジで落ち着いて過ごすことができるのだ。
付帯しているクレジットカード
プライオリティパスに入会する場合、通常はランクに応じた年会費を支払う必要がある。
しかし、クレジットカードの中にはカードの年会費のみでプライオリティパスのサービスを利用できるものがある。
プレステージ会員の年会費399USドル(約4万円)よりもカードの年会費のほうが安い場合もある。
ただし、クレジットカードによって付帯するプライオリティパスのランクは異なる。
また、プライオリティパスではいずれのランクでも同伴者のラウンジ利用は有料になるが、クレジットカード付帯のプライオリティパスの場合、同伴者も無料で利用できる場合がある。
自分の利用状況に合わせて、最適なカードを選択してほしい。
以下に、プライオリティパスが付帯するクレジットカードを紹介する。
楽天プレミアムカード
プライオリティパスランク:プレステージ会員
年会費:11,000円(税込)
同伴者料金:3,300円(税込)
プライオリティパスを最も安く利用できるクレジットカードが、楽天プレミアムカードである。
年会費11,000円(税込)で、日本円にして約4万円の価値があるプライオリティパスのプレステージ会員になれるのは驚きだ。
プレステージ会員なので、空港ラウンジは何度利用しても無料。同伴者は3,300円(税込)で利用することができる。
楽天プレミアムカードは、インビテーション(招待)の必要はなく、自分で申し込むことが可能。
海外旅行保険も最高5,000万円までついており、楽天市場などではお得にポイントを貯めることもできる。
海外旅行時だけでなく、普段の生活でも頼りになる一枚である。
楽天プレミアムカード
年会費 | 11,000円(税込) |
---|---|
還元率 | 1.0%〜7.0% |
旅行保険 | 国内:最高5,000万円(自動付帯) 海外:最高5,000万円(自動付帯+利用付帯) |
JCBプラチナカード
プライオリティパスランク:プレステージ会員
年会費:27,500円(税込)
同伴者料金:2,200円(税込)
JCBのプロパーカードであるJCBオリジナルシリーズの中でもステータス性の高いカード。
ただし、最上位クラスのブラックカード(JCB THE CLASS)のようにインビテーションの必要はなく、直接申し込むことが可能だ。
年会費27,500円(税込)でプレステージ会員のプライオリティパスを利用でき、同伴者は2,200円(税込)と少し安く利用できる。
JCBプラチナカードの最大の魅力は、24時間365日いつでも利用できる「プラチナ・コンシェルジュデスク」を利用できることだろう。
専任スタッフがチケットやホテルの手配、レストランの予約まで代行してくれるので、仕事が忙しい方にとって非常に嬉しいサービスである。
JCBプラチナ
年会費 | 27,500円(税込) |
---|---|
還元率 | 0.50%~10.00% ※最大還元率はJCB PREMO に交換した場合 |
旅行保険 | 国内・海外:最高1億円(自動付帯) |
三井住友カード プラチナ
プライオリティパスランク:プレステージ会員
年会費:55,000円(税込)
同伴者料金:27USドル
三井住友カードの中で最上位ランクに位置する、三井住友カード プラチナ。
かつてはインビテーションがなければ申し込めなかったが、2010年以降は直接申し込むことができるようになっている。
年会費55,000円(税込)でプライオリティパスのプレステージ会員となれるだけでなく、出張や旅行のプランニングを全て一任できるコンシェルジュサービスも利用することが可能だ。
空港ラウンジやコンシェルジュサービスを活用していきたい方にとっては、非常に価値の高いカードであると言えるだろう。
三井住友カード プラチナ
年会費 | 55,000円(税込) |
---|---|
還元率 | 0.5~7% ※ポイント還元率は利用金額に対する獲得ポイントを示したもので、ポイントの交換方法によっては、1ポイント1円相当にならない場合があります。 |
旅行傷害保険 | 国内・海外:最高1億円(自動付帯) |
電子マネー | iD(専用) |
国際ブランド |
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
プライオリティパスランク:スタンダード会員
年会費:31,900円(税込)
ラウンジ利用料金:27USドル(年2回まで無料)
同伴者料金:27USドル
ステータスカードの代名詞的存在でもある、アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード。
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは年会費31,900円(税込)で、スタンダード会員のプライオリティパスが付帯している。
年2回の利用までは特別に無料となり、それ以降は27USドルの支払いが必要になるので気を付けてほしい。
ゴールドカードでありながらプラチナカードと同等のサービスを受けられると評判で、特典は極めて豊富だ。
「ゴールド・ダイニング」を利用すれば、国内外の約200店のレストランで、コースメニューの料理代が1名分無料となる。
海外旅行保険も最高1億円が付帯しているので安心だ。
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
年会費 | 31,900円(税込) |
---|---|
還元率 | 0.5% |
旅行保険 | 国内:最高5,000万円(利用付帯) 海外:最高1億円(利用付帯) |
アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)
プライオリティパスランク:スタンダード会員
年会費:13,200円(税込)
ラウンジ利用料金:27USドル
同伴者料金:27USドル
アメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)も、ステータスカードとして名高い一枚だ。
年会費13,200円(税込)で、スタンダード会員のプライオリティパスが発行できる。
アメックスゴールドとは異なり、プライオリティパスの無料利用サービスがないので、空港ラウンジを利用する場合は都度27USドルが必要になるので注意が必要だ。
トラベル関連のサービスが充実しており、空港から自宅までの往復で、スーツケース1個を無料配送してもらえる。
「グローバル・ホットライン」では、海外から24時間いつでも日本語でサポートを受けることが可能。
ホテルやチケットの手配だけでなく、緊急時の対応なども受け付けているため、万が一の場合にも安心だ。
アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード
充実のサービスと安心の補償を手に入れられる贅沢なカード
クレジットカードに最低限必要な機能はすべて備えており、プラスαのサービスが付帯している究極の一般クレジットカード。グリーンの次はゴールドカードを。
月会費 | 1,100円(税込) ※1,100円(税込)×12カ月=13,200円(税込)/年 |
---|---|
還元率 | 0.5% |
旅行保険 | 国内・海外:最高5,000万円(利用付帯) |
利用方法と利用可能な空港
プライオリティパス会員資格を得ると、プラスチックカードの会員証を受け取る。
空港ラウンジを利用する場合、その場で会員証を提示するだけで良い。
プラスチックカードの他に、デジタル会員カードが使えるアプリも提供されている。
アプリやWebサイトの「マイ・アカウント」から会員証(QRコード)を表示させ、受付にある機械に読み込ませればラウンジを利用できる。
ただし、楽天プレミアムカードなどの一部クレジットカードでは、デジタル会員カードを利用できないので注意しよう。
なお、年会費や利用料はすべて登録したクレジットカードでの支払いとなり、ラウンジ利用時に支払いをする必要はない。
国内外で利用できる空港
プライオリティパスは、世界500都市1,300カ所以上にある空港ラウンジで利用することができる。
海外の主要空港であれば、基本的にどこでも利用できると考えて問題ないだろう。
日本国内でプライオリティパスが利用できるのは、以下の空港となっている。
- 成田空港 第1ターミナル:KALビジネスクラスラウンジ、IASSエグゼクティブラウンジ
- 成田空港 第2ターミナル:IASSエグゼクティブラウンジ
- 関西国際空港:KALビジネスクラスラウンジ
- 中部国際空港:KALラウンジ、スターアライアンスラウンジ
- 福岡国際空港:KALラウンジ
羽田空港にはプライオリティパスが使えるラウンジが存在せず、国内線中心の空港も対象外だ。
上記以外の国内空港でラウンジを利用したい場合は、ゴールドカード以上に付帯しているカードラウンジを利用しよう。
プライオリティパス利用のコツ
世界130ヵ国1,300ヵ所以上の空港ラウンジが利用できるプライオリティパス。
プライオリティパスには、スタンダード/スタンダード・プラス/プレステージの3つの会員ランクがある。
会員ランクによって、年会費/無料で利用できる回数/同伴者の利用料が異なるので、自身の空港利用状況に合わせたランクを選びたい。
空港ラウンジでは、ソファ席やドリンク、軽食が用意され、ゆっくりと時間を過ごすことができる。
テーブル席やWi-Fiなど、仕事がしやすい設備もある。
また、プライオリティパスで利用できる空港ラウンジは手荷物検査後にあるため、出発直前まで時間を有効活用できる。
プライオリティパスの利用には年会費が必要だが、クレジットカードの中にはカードの年会費だけでそのサービスを利用できるものもある。
カードによっては、付帯するプライオリティパスの年会費よりもカードの年会費が安い場合もある。
そのひとつ、楽天プレミアムカードは年会費1万円でプレステージ(年会費4万円相当)のプライオリティパスが付帯しているので、非常にお得だ。
その他にも、さまざまな特徴を持ったクレジットカードがあるので、自分の利用シーンに応じて適した一枚を選んでほしい。
カードによって付帯するプライオリティパスのランクと、同伴者の利用料金の扱いが異なるので、その点をチェックしよう。