リリース直後から数々のキャンペーンとその利用のしやすさで、利用者を増やしているスマホQR決済アプリのPayPay(ペイペイ)。
加盟店にとってもコストや手間を抑えて導入できる決済方法であり、飲食店やコンビニ、家電量販店、専門店やサービス業など、個人店からチェーン店まで加盟店数が増え続けている。
そんなPayPayだが、支払いができないものもある。それが、金券・ギフト券・プリペイドカードなどの換金性の高い商品や、電子マネーのチャージなどだ。
当初は公共料金・税金の支払いもできなかったが、2019年9月2日から「請求書払い」によるPayPayでの支払いが可能になった。
本記事では、PayPayで支払いができない・できる場合を、代表的な例ととも紹介する。
目次
PayPayで支払いができない
換金性が高い金券・プリペイドカード
PayPayを使える店は増えているが、PayPay加盟店であっても以下のように換金性が高い金券やプリペイドカードなどの購入には利用できない。
これはPayPayに限らずスマホQR決済やクレジットカード決済に共通する。
- プリペイドカード類
- 切手・はがき・印紙類
- ごみ処理券などの金券類
代表的なプリペイドカード類
以下のようなプリペイドカードは利用者が多く、コンビニなどで手軽に購入できるが、PayPay払いで購入することはできない。
- App Store & iTunes ギフトカード
- Amazonギフト券
- QUOカード
- テレホンカード
電子マネーチャージ
PayPay加盟店であっても、以下のような電子マネーのチャージにはPayPayを利用できない。
- nanaco
- 楽天Edy
- Suica
- PASMO
- その他交通系電子マネー
その他支払えない例
最近はコンビニで宅急便・宅配便を出荷することも増えている。
PayPayは主要なコンビニで利用できるが、宅急便・宅配便のコンパクト送料の支払いには使えないので注意しよう。
また、現金やクレジットカード、電子マネーなど他の決済方法との併用もできない。
「請求書払い」で光熱費などの公共料金、一部税金が支払いが可能
PayPayでは、「PayPay請求書払い」により、水道・ガス・電気料金などの公共料金、一部税金の支払いが可能だ。ただし、請求書払いはPayPayポイント還元の対象外となる(2022年4月1日より)。また、PayPayポイントでの請求書払いはできない。
代表的な電気・水道・ガス会社
電気 | 北海道電力 東北電力 東京電力 北陸電力 中部電力ミライズ 関西電力 中国電力 九州電力 沖縄電力 など |
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ガス | 北海道ガス 京葉ガス 東京ガス 静岡ガス 東邦ガス 大阪ガス など |
水道 | さいたま市水道局 東京都水道局 堺市上下水道局 神戸市水道局 岡山市水道局 広島市水道局 など |
※2022年4月時点
その他、民間のガス会社の多くの会社の請求書払いに対応している。また、通販でも請求書払いに対応している会社がある。
最新情報はPayPay公式サイト(※1)にて確認できる。
「オンライン請求書」で請求から支払いまでアプリで完結
2021年3月24日より始まったPayPayの新しいサービス「オンライン請求書」では、事前に設定することで、請求料金の通知・確認から支払いまでをアプリ上で行うことができる。
このサービスに対応しているのが東京水道局だ(2021年6月10日時点)。利用設定は以下の通り。事前に紙の請求書でのPayPay請求書払いの利用が必要になる。
- 紙の請求書を用意し、「PayPay」アプリを開き「請求書払い」アイコンをタップ
- 「請求書を読み取る」ボタンを押し、請求書のバーコードを読み取る
- 3支払い内容を確認し、支払う
- 支払い完了画面よりオンライン請求書への申し込みを行う
- 支払い先(事業者)との 契約名義を入力し、「同意して次へ」をタップ
- オンライン請求書への申込申請が完了
- 翌月以降、上下水道料金の請求通知を「PayPay」アプリで受信
- 受信した請求通知をタップし、支払い内容を確認し支払う
地方公共団体等の税金・公共料金支払いに対応
上記以外にも、多くの地方公共団体等で税金・公共料金の支払いにPayPayの請求書払いに対応している。
自治体・団体によって対応可否は異なるが、たとえば横浜市では以下の支払いにPayPayの請求書払いを利用できる。
- 市民税・県民税(普通徴収)
- 固定資産税(土地・家屋)
- 固定資産税(償却)
- 軽自動車税(種別割)
- 国民健康保険料
- 水道料金
対応している自治体・団体の最新情報はPayPay公式サイト(※1)にて確認できる。
都道府県税はほとんどの自治体で対応
2022年4月時点で、秋田県を除いた全国45の都道府県の都道府県税(自動車税)などに、PayPayの請求書払いが対応している。
秋田県も対応予定で、2022年6月にはすべての都道府県税の支払いがPayPay請求書払いで可能になる予定だ。
PayPayが使えるコンビニ
前述のように一部支払いができないものはあるが、次のように主要なコンビニはほとんどPayPay払いに対応している。
- セブン-イレブン
- ファミリーマート
- ローソン/ナチュラルローソン/ローソンストア100
- ポプラ
- ミニストップ
- セイコーマート
- デイリーヤマザキ
ただし、コンビニによっても、PayPay払いの対応範囲が異なる場合がある。
セブン-イレブン公式アプリでPayPayを利用できる
セブン-イレブンでは、PayPayと連携してアプリ上でPayPay払いが可能なセブン-イレブンアプリを提供している。
セブン-イレブンアプリのPayPayは、セブン-イレブン店舗で利用でき、利用金額に応じてPayPayポイントとセブンマイルの二重取りが可能。
基本的にセブン-イレブンでの支払い時は、セブン-イレブンアプリのPayPayを使ったほうがお得だ。
セブン-イレブンならnanaco経由での支払いも
セブン-イレブンでは、電子マネーnanacoを利用することで、スマホQR決済では支払えないものの支払いをできる場合がある。
マルチコピー機でチケット等のPayPay払いが可能
ファミリーマートでは、マルチコピー機により、PayPayをはじめ主要なQRコード決済のチケット代金支払いに対応している。マルチコピー機で取り扱い可能なサービスは以下の通り。
- イープラス
- CNプレイガイド
- Rakutenチケット
- チケットぴあ
- OFCチケット
- FANY Ticket
- Famiパス
PayPayが使えるその他の店の一例
PayPayが使える加盟店のうち、ごく一部にはなるが、利用機会の多い店をジャンル別に以下にまとめた(2022年4月時点)。特に、飲食店の加盟店が多い。加盟店は各ジャンルで増え続けており、個人店などでも導入が進んでいる。
客側と店側、どちらがQRコード・バーコードを表示するのかは店舗によって異なるが、一定の規模のある店では客側が表示、個人店では店側が表示するケースが多い。
【カフェ・ファミレス・ファーストフードなど】
- スターバックスコーヒー
- モリバコーヒー
- タリーズコーヒー
- ドトールコーヒー
- エクセルシオール
- 上島珈琲店
- サンマルクカフェ
- ミスタードーナツ
- フレッシュネスバーガー
- モスバーガー
- ケンタッキーフライドチキン
- ファーストキッチン
- ウェンディーズ・ファーストキッチン
- ガスト
- ジョナサン
- バーミヤン
- 夢庵
- デニーズ
- ココス
- ジョリーパスタ
- すき家
- なか卯
- 松屋
- 吉野家
など
【家電量販店】
- エディオン
- ケーズデンキ
- ドスパラ
- Joshin
- デンキチ
- ノジマ
- PC DEPOT
- ビックカメラ
- コジマ
- ソフマップ
- ベイシア電器
- ヤマダ電機
- TSUKUMO
- ベスト電器
- マツヤデンキ
- パソコン工房
【宅配】
- すかいらーくグループの宅配
- ストロベリーコーンズ
- ナポリの窯
- デリズ
- ピザポケット
- ピザーラ
- 柿屋鮨
【書籍】
- くまざわ書店
- TSUTAYA
- 古本市場
- とらのあな
- 明屋書店ブックファースト
- MARUZEN
- ジュンク堂
- LIBRO
- あゆみBOOKS
- オリオン書房
- パルコブックセンター
- 文喫
- 文禄堂
- miomio
- よむよむ
- ワンダ―GOO
【レジャー・娯楽】
- 快活CLUB
- カラオケ館
- Kid’s US.LAND
- コート・ダ・ジュール
- コロッケ倶楽部
- JOYSOUND
- タックルベリー
- CINECITTA
- 東京スカイツリー
- BIGECHO
- よみうりらんど
- ラウンドワン
【交通系】
- 江ノ島タクシー
- 湘南モノレール
- 第一交通産業株式会社
- 日本中央交通
- ロイヤルリムジン
- オリエンタルタクシー
- ジャパンプレミアム 東京シティエスコート
- 一二三交通自動車
【宿泊・ホテル】
- アパホテル
- H.I.S
- QUALITA
- 聚楽
- タビックスジャパン
- 東横イン
- ホテルニューオータニ
- プリンスホテルズ&リゾーツ
- スマイルホテル・スマイルホテルプレミアム
- ホテル日航新潟
- ホテルモントレ(赤坂/銀座/半蔵門/横浜)
- ホテルモントレ ラ・スールギンザ
- ホテルマイステイズ
- ホテルマイステイズプレミアム
- フレックスステイイン
- マンスリーレジステイズ
- リーガロイヤルホテル東京
- ワシントンホテルプラザ
- R&Bホテル
PayPayアプリや公式サイトでは、PayPayを利用できる店の最新情報を確認できるので(※2)、自分が使いたい店で利用できないか確認してみてほしい。
※1 PayPay請求書払いができるサービスの最新情報はこちら
※2 PayPayが使える店舗の最新情報はこちら
PayPayのサービス概要
最後に、PayPayについてサービスのポイントをまとめた。利用時の参考にしてほしい。
決済方法
- スキャン支払い:店側が表示したQRコード・バーコードを客側が読み取る
- コード支払い:客側が表示したQRコード・バーコードを店側が読み取る
- 請求書払い:ホーム画面にある「スキャン」をタップし公共料金の請求書のバーコードを読み取る
支払い方法
- PayPay残高(事前チャージ):銀行口座/セブン銀行ATM・ローソン銀行ATM/PayPayカード/PayPayクレジット/ヤフオク!・PayPayフリマ売上金/ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い
- クレジットカード:VISA/マスターカードのみ(PayPayカードのみJCB可)
ポイント還元
- 基本還元率:0.5~2.0%(※)
- 還元されるポイント:PayPayポイント
※PayPay残高/PayPayカード/PayPayクレジット(クレジット)いずれかで支払いの場合。基本還元率はPayPay残高が0.5%、それ以外が1.0%。前月の決済回数・金額により+0.5%、PayPayカード ゴールドはPayPayクレジット登録でさらに+0.5%。
その他の機能
- 個人間送金:QRコード読み取り/携帯電話番号・PayPay ID指定/受け取りリンクいずれか
- わりかん:QRコード読み取り/携帯電話番号・PayPay ID指定いずれか
請求書支払いに対応しているその他のバーコード・QRコード決済
PayPay以外のバーコード・QRコード決済では、LINE Pay、d払い、au PAY、FamiPAYで請求書支払いに対応している。
LINE Pay
LINEアプリのウォレット機能から利用できるバーコード・QRコード決済サービス。
Visa LINE Payクレジットカード(P+)を登録してチャージ&ペイという即時支払いを支払い元として設定すると、5.0%のLINEポイント還元がある。
LINE Payの請求書払いに対応している支払先は、LINE Pay公式ページやLINE Pay上で確認できる。なお、請求書払いに際しては以下の点に注意しよう。
- 支払先によっては手数料が支払者負担となる
- 税金の請求書支払いは上限30万円
- 一部請求書支払いにLINE Payボーナスが利用できない
代表的な支払先
【水道光熱費】
- 東京電力エナジーパートナー
- 関西電力
- 東北電力
- 九州電力
- 中国電力
- 東京ガス
など
【収納代行会社】
- 電算システム
- SMBCファイナンス
- 三菱UFJファクター
- 地銀ネットワークサービス
- アプラス
- NTTデータ
- 三菱UFJニコス
など
d払い
NTTドコモが提供している決済サービス。ドコモユーザー以外でも利用可能。
実店舗では200円(税込)利用につき1ポイント、ネット利用では100円(税込)利用につき1ポイントのdポイントが貯まる。
支払い元設定としては、d払い残高(事前チャージ)/クレジットカード/電話料金合算(ドコモユーザーのみ)/dポイント充当があるが、請求書支払いを利用する場合はd払い残高を支払い元に設定する必要がある。
また、請求書支払いの決済上限額は30万円(税込)で、支払い先企業によっては手数料が発生する場合がある。
d払い公式サイトやアプリにて、請求書支払いに対応している支払先を確認できる。
請求書支払いに対応している主な公共料金
- 関西電力
- 東京ガス
- 東京電力エナジーパートナー
- 大阪ガス
- 九州電力
- 中国電力
- NHK
- 京葉ガス
- 北陸ガス
- 沖縄電力
※2022年4月時点
au PAY
au PAYは、KDDIが運営するバーコード・QRコード決済サービス。auユーザー以外でも利用できる。
au PAY加盟店の他、楽天ペイ加盟店でも利用可能。また、Android版のアプリではSuicaの発行およびモバイルSuicaとの連携が可能。
ポイント還元もあり、200円(税込)利用ごとに1ポイントのPontaポイントが貯まる。Pontaポイントは利便性の高い共通ポイントだ。
請求書支払いでも同様にポイント還元がある。請求書支払いの決済上限額は、au PAYの決済上限額によって決まる。また、支払い先企業によっては手数料が発生することがある。
FamiPay
FamiPayは、ファミリーマートが提供するスマホアプリ「ファミペイ」の決済機能。ファミリーマートを中心とした加盟店で利用できる。
FamiPay決済の支払い設定は、事前チャージが基本。ファミペイ翌月払いという後払い設定もある。
ポイント還元があり、200円(税込)利用につき1ポイントのFamiPayボーナスが貯まる。また、dポイント/楽天ポイント/Tポイントのうちいずれかのポイントを登録・提携して貯めることも可能。
その他、ファミペイアプリでは、ファミリーマートで利用できるクーポンの配信などさまざまなお得な情報を確認・利用できる。
FamiPayの請求書支払いでは、支払い1件につきFamiPayボーナス10円相当が進呈される。※一部対象外あり。
ファミペイ公式サイトやアプリで対応している支払い先を確認できる。
請求書支払いの主な支払い可能企業
電力:北海道電力、東北電力、北陸電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、九州電力、沖縄電力
ガス:北海道ガス、北ガスジェネックス、京葉ガス、東京ガス、レモンガス、静岡ガス、東邦ガス、大阪ガス、広島ガス
水道:東京都水道局、神奈川県企業庁、松本市上下水道局、川崎市上下水道局、名古屋市上下水道局、四日市市上下水道局、京都市上下水道局、大阪市水道局、西宮市上下水道局、神戸市水道局、広島市水道局、北九州市上下水道局
通信:NTTファイナンス(NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ)
※2022年4月時点
クレジットカード対応の税金もある
自治体や税金の種類によっては、クレジットカード払いに対応しているものもある。その場合、Yahoo!公金支払いもしくは決済代行会社のサービスを利用することになる。
税金・公共料金をクレジットカードで支払うことができるのは便利だが、手数料が利用者負担となってしまうため、還元率の高いカードで支払うようにしたい。
最終更新日:2024/03/06