日本郵便は10日、切手やはがきなどの物販商品や郵便料金・運賃の支払いを、クレジットカードや電子マネーで行えるようになると発表した。
2020年2月以降、全国の郵便局(簡易郵便局を除く)に順次導入される。
具体的に、どのような支払いにどのようなサービスが利用できるようになるのかは、以下の通り。
(1) 決済種類
・クレジットカード
・電子マネー
・アプリ(スマホ)決済
(2) 利用対象
郵便窓口における切手・はがき、レターパック及び物販商品等の商品(印紙を除く。)の販売並
びに郵便料金及び荷物(ゆうパック、ゆうメール等)運賃の支払い
(3) 導入拠点
全国の郵便局(簡易郵便局を除く。)
引用:郵便窓口におけるキャッシュレス決済の導入
なお、窓口で取り扱い可能なブランドやサービス名は、決定次第改めて発表するとのことだ。
クレジットカードや電子マネーだけでなく、スマホ決済も対応するとのことで、Apple Payやコード決済への対応も期待できる。
日本郵便は、今回の対応をきっかけに日本におけるキャッシュレス社会の実現に貢献していく。
日本では2025年までにキャッシュレス決済率40%を目指しており、全国の郵便局での対応は大きな足がかりとなるだろう。
カード・電子マネー・スマホ決済に対応するメリット
これまで、はがきや切手の購入や郵便料金の支払いは現金のみというのが一般的だった。
例外として、Webレタックス、Web速達、Webレター、e内容証明の支払いはクレジットカードが利用可能。
とはいえ、ウェブサイトからの事前登録なので、多くの人にとって利便性が高いとは言いづらい。
そのため、今後料金の支払いがキャッシュレス決済に対応することにより、以下のメリットが考えられる。
- 郵便局の利用時にポイントが貯まる
- 現金が手元になくても支払いが可能
- 支払いを先延ばしにできる
- 素早く決済ができるので窓口の混雑解消に繋がる
- 年賀はがきのまとめ買いや大量配送の支払いに向く
一人当たりの支払いにかかる時間が短くなれば、それだけ混雑も解消される。
キャッシュレス決済ができるようになることは、現金派のユーザーにとっても、少なからずメリットになるのだ。
また、カードや電子マネーを利用できる場所が大幅に増えるため、単純にキャッシュレス決済自体の利便性も上がると言える。
ただし、収入印紙は支払いに使えないという点には注意が必要だ。
以前は新宿郵便局で電子マネーが利用できた
過去に新宿郵便局ではSuica払いが利用できたが、2015年9月30日をもって終了している。
もともと試験的な導入とのことだったが、2007年の民営化以降8年にわたって導入を続けていた。
2020年以降は全国の郵便局で電子マネーが使えるようになっていくため、利便性は飛躍的に向上するだろう。
補足ではあるが、コンビニならカードやnanaco、WAONで切手を買ったり、ゆうパックの支払いをしたりすることが可能。
- セブンイレブン:nanaco(ゆうパックは受け付けていない)
- ローソン:電子マネーやクレジットカード
- ミニストップ:WAON払い
目的が切手の購入やゆうパックの支払いだけなら、コンビニを活用するのも一つの手だ。
取り扱うブランドは何?主要ブランドへの対応は有力
今回、対応ブランド・サービスは未発表だったが、決定次第発表されるとのこと。
クレジットカードの国際ブランドとしては、JCB、VISA、MasterCardは問題なく対応するだろう。
電子マネーはSuicaやPASMOといった交通系ICカードが最有力だが、ユーザー数の多い楽天EdyやWAON、nanacoあたりも有力と思われる。
QUICPayやiDといった後払い型電子マネーにも対応する可能性がある。
また、QRコード決済にも対応するようになれば、幅広いユーザーにとって、郵便局がより身近な存在になるはずだ。
ようやく郵便局でキャッシュレス決済ができるようになったことで、カードや電子マネーの利便性はさらに広がるだろう。
日本のキャッシュレス化への期待が高まる。