クレジットカードの利用金額の支払いは、基本の一括払い(1回払い)の他に、2回払い、分割払い、ボーナス払い、リボ払いがある。
もともとは同じ利用金額でも、支払い方法によって金利手数料や支払い総額が異なる。
クレジットカードを利用するなら、支払い方法についてきちんと知っておく必要がある。
クレジットカードの支払い方法のうち、金利手数料がかからないのは一括払い、2回払い、ボーナス一括払いだ。
支払いに問題がないのなら、このいずれかの方法で支払いをすることをおすすめする。
分割払い、リボ払い、そしてボーナス2回払いでは、金利手数料が発生する。
分割払いとリボ払いは、一回の支払い金額を抑えることができるが、その分金利手数料が増え、支払い総額が大きくなるため注意が必要だ。
本記事では、クレジットカードの一括払い、2回払い、分割払い、ボーナス払い、リボ払いの仕組みについてそれぞれ解説する。
また、手数料が発生する支払方法について、三井住友カード(NL)を例にして、支払い金額と支払い回数、そして支払い方法によって金利手数料がどう変化するかをシミュレーションする。
金利手数料が発生する支払い方法は、その仕組みをきちんと理解した上で利用しないと、支払いに苦しむことにもなりかねない。
ぜひこの記事を参考にしてほしい。
クレジットカードの支払い方法
クレジットカードの支払い方法には、「一括払い(1回払い)」「2回払い」「分割払い」「ボーナス払い」「リボ払い」などがある。
このうち、一括払いと2回払い、そしてボーナス一括払いでは金利手数料が発生しない。
その他の支払方法では金利手数料が発生するが、その仕組みを理解して上手に利用することで、金利手数料の総額を抑えることができる。
今回は、「三井住友カード」を例にあげて、金利手数料について考えていく。
支払方法の選択は、カード利用時に伝えるのが基本だが、カードによっては後から変更できることもある。
一括払い・2回払い・分割払い
一括払い、2回払い、分割払いは、ただ支払い回数が違うだけのように見えるが、金利手数料に大きな差がある。
一括払いと2回払いでは金利手数料は発生しないので、通常は一括払いで、支払い金額が大きいときは2回払いにすると良い。
また、1回もしくは2回ではどうしても支払いが厳しい場合は分割払いを検討すると良いだろう。
一括払い
一括払いとは、カード利用金額すべてがまとめて請求される方法だ。
「1回払い」と呼ぶカード会社もあるが、どちらも意味は変わらない。
ほとんどすべてのクレジットカードで採用されており、最も一般的な支払方法だ。
一括払いでは、一ヵ月の利用金額を締め日で区切り、翌月の引き落とし日(支払日)に支払う。
今回参考にしている「三井住友カード(NL)」では、「毎月15日締め、翌月10日支払い」か「毎月末日締め、翌月26日支払い」を選択可能。
一括払いでは金利手数料は発生しない。
利用した金額をそのまま支払えば良いので管理はしやすいが、高額の買い物をした翌月は支払金額が多くなり、家計を圧迫するリスクもある。
また、海外でカードを利用する場合は一括払いが原則だが、後述する「分割払い」や「リボ払い」に後から変更することも可能である。
2回払い
2回払いとは、文字通り、2回に分けて返済をする支払方法である。
分割払いと似ているが、分割払いは「3回以上の支払い」で金利手数料が発生するのに対し、2回払いでは金利手数料が発生しない。
一括払いでは支払いが大変だが、分割払いの金利手数料は支払いたくないという場合、ちょうど良い方法だ。
ただし、すべてのカード会社や店舗が2回払いを採用しているわけではない
「三井住友カード(NL)」では、2回払いの利用は1万円以上の買物に限定されている。
分割払い
分割払いは、2か月以上の期間にわたって3回以上に分割して支払う支払い方法である。
分割できる回数はカード会社ごとに違う。三井住友カード(NL)では、3回・5回・6回・10回・12回・15回・18回・20回・24回から選択可能だ。
分割払いを利用する場合、購入時に支払い回数を選択する必要がある。
分割払いで買い物をしたら、選択した支払い回数で、決められた返済日に毎回支払いをおこなうことになる。また、手数料が発生する。手数料の詳細は公式サイトで確認してほしい。
一般的には、分割回数によって金利手数料が異なり、回数が少ないほど金利手数料が少ない。
そのため、特に支払い金額が大きい場合、支払い回数を慎重に検討したほうが良い。分割回数が多ければ毎月の返済金額は少なくなるが、金利手数料が大きくなり、返済期間は長期化する。
リボ払い
リボ払いは正式名称を「リボルビング払い」という。
最近ではリボ払い専用カードを発行しているカード会社もある。
リボ払いは利用金額に関わらず、毎月一定の金額を返済する支払い方法だ。
高額商品でも購入しやすいというメリットがある一方、元金が大きく毎月の返済額が少ない場合、返済回数も手数料も大きくなる。
リボ払いは返済総額と返済回数に応じて金利手数料が高くなるので、毎月の返済金額を多めに設定するなど、早めに返す工夫が必要だ。
ボーナス払い
ボーナス払いとは、ボーナスの時期に一括返済をする支払い方法だ。
ボーナス払いは、ボーナスがない人でも利用できる。
基本は支払いを一時延長する支払い方法であり、その延長時期が一般的なボーナスの支給時期になっているため、この名称がついている。
ボーナス払いには、「ボーナス一括払い」と「ボーナス2回払い」とがある。
また、ボーナス払いは基本的にはこのいずれかだが、ボーナス月だけ増額して返済する「ボーナス併用払い」という支払い方法もある。
ボーナス一括払い
三井住友カード(NL)では、以下のようなスケジュールでボーナス一括払いの支払いを行なっている。
夏のボーナス | 12月16日~6月15日の利用金額 | 8月10日に支払い |
---|---|---|
冬のボーナス | 7月16日~11月15日の利用金額 | 翌年1月10日に支払い |
ボーナス一括払いには金利手数料が発生しない。
1回払いや2回払いだと支払いが大変だが、金利手数料は支払いたくないという高額の買い物について、おすすめの支払い方法だ。
ただし、2回払いと同様に取扱店舗や取扱カード会社が限られているので、確認が必要である。
ボーナス2回払い
ボーナス2回払いは、夏と冬の2回のボーナス時期に分けて返済をする方法である。
ここで注意したいのは、ボーナス一括払いでは金利手数料が無料だが、ボーナス2回払いになると金利手数料が発生するという部分だ。
ボーナス一括払いと同様に、取扱店舗や取扱カード会社が限られているので、その部分にも注意が必要だ。
リボ払いと分割払いの比較
クレジットカードの支払い方法のなかで、もっともわかりにくいのがが「リボ払い」と「分割払い」ではないだろうか。
ここで、「三井住友カード(NL)」を例にあげて、リボ払いと分割払いを比較していこうと思う。
三井住友カード(NL)の場合、5,000円以上1万円単位で、毎月の支払い金額を設定できる。
支払方法 | 支払い回数 | 支払金額 | 高額利用の際の毎月の支払金額 |
---|---|---|---|
分割払い | 事前に決める | 分割回数による | 多くなる |
リボ払い | 返済が完了するまで | 毎月一定 | 一定 |
さらに、以下の条件でカード決済した場合、リボ殻いと分割払いの違いについて具体的に見てみよう。
- 9月1日~9月30日までに5万円の買物
- 分割払いは10回払い、リボ払いは毎月1万円支払い
支払いに加え、2回目以降からは金利が発生する。
分割払いは、毎月5,335円の返済であり、この場合は分割払いの方が毎月の返済負担は少ない。
リボ・分割払い枠とキャッシング枠
分割払いやリボ払いでは、通常のショッピング枠とは別に専用枠が設けられている場合がある。
また、クレジットカードでお金を借りられる「キャッシング」の支払いは一括払いが基本だが、リボ払いが可能なクレジットカードもある。
キャッシングリボの金利は、ショッピングリボの金利よりも高いのが一般的だ。
ちなみに、三井住友カード(NL)では、それぞれの枠が以下のように設定されている。
利用方法 | 総利用枠 |
---|---|
ショッピング枠 | ~100万円 |
リボ・分割利用枠 | 0~100万円 |
キャッシング枠 | 三井住友カード公式サイトにて要確認 |
メリット
金利手数料がかかってもリボ払い・分割払いを利用するメリットとしては、高額の買い物がしやすいという点が大きい。
また、カード会社の補償やサービスを受けられる可能性も高い。
カードで購入した品物が盗難・破損の被害に遭った際、その被害金額を補償してくれる「ショッピング保険」がある。
三井住友カード(一般)では、お買物安心保険(動産総合保険)という名称で、保険が付帯している。
リボ払いならではのメリットは、毎月の支払い金額が一定なため、返済計画が立てやすいという点。
分割払いならではのメリットは、決まった回数で返済が完了し、金利がリボ払いよりは低い点。
リボ払い・分割払いのデメリット
共通のデメリットは、やはり金利手数料がかかることだ。
返済期間も長期化する傾向にある。
また、リボ払いのデメリットとして、金利手数料が分割払いよりも高い点があげられる。
返済が長期化すると金利手数料の総額は雪だるま式に増えていく。
また、いくら使っても毎月の支払金額は一定であるため、気づかないうちに支払い残高が大きくなる可能性も高い。
金利手数料を抑えるコツ
多くのクレジットカード会社では、決められた日に決められた金額を返済する「約定返済」以外に「随時返済」を取り扱っている。
「任意返済」とも呼ばれている随時返済は、返済用口座への入金などによって、決められた日以外に決められた金額以上のお金を返済することが可能だ。
しかも、随時返済のお金は全額元金の返済に充てられるため、元金の金額の減少に応じて金利手数料も減る。
分割払いやリボ払いでは、金利手数料が大きなネックとなっているが、随時返済を利用すれば、実質ボーナス併用払いのようなことができてしまう。
ただし、随時返済を行なっても約定返済は必要なため、お金に余裕のあるときに行おう。
基本は一括払いを利用し、どうしてもというときだけ分割払い・リボ払いを利用するというふうにに、最適な支払い方法を選ぼう。
今回例にあげたカード
三井住友カード(NL)
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