日本発の国際ブランドであるJCB。
JCBは日本国内での加盟店が多く、国内での利便性が高い。
JCBのカードはアメックスなどと同じく「T&Eカード」と呼ばれ、トラベルやエンターテイメント関連の加盟店や特典が多い。
そして、JCBが発行するプロパーカードが「JCBオリジナルシリーズ」だ。
JCBオリジナルシリーズは、JCBが発行するカードの中でもステータス性があり、補償や優待が充実している。
また、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのオフィシャルスポンサーでもあるJCB。、
ディズニーリゾート関連の特典は、ディズニー好きには見逃せない。
以上のような点で、JCBオリジナルシリーズを検討する人は多いが、気になるのが年会費だ。
年会費無料のクレジットカードも多い中、JCBオリジナルシリーズのカードは基本的にどれも年会費がかかる。
そのため、2017年に登場したJCB CARD Wは、JCBオリジナルシリーズ唯一の年会費無料かつ高還元率のカードとして注目を集めている。
本記事では、JCBオリジナルシリーズの年会費を比較すると共に、年会費を払ってでも持ちたいと思えるメリットについても考察する。
JCBカードの年会費一覧
下表に、JCBが発行しているカードについて年会費を一覧にまとめた。
参考までに申込対象もまとめている。
券種 | 年会費 | 申込対象 |
---|---|---|
JCB一般カード | 1,375円(税込) ・オンライン入会で初年度無料 ・以下2つの条件を満たすと翌年も無料 1. MyJチェック(※)の登録(年会費支払い月の前々月19日まで) 2.年間合計50万円(税込)以上のショッピングの利用 | 18歳以上で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。 または高校生を除く18歳以上で学生の方(一部対象外の学校あり)。 |
JCBゴールドカード | 11,000円(税込) ・オンライン入会で初年度年会費無料 | 20歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方(学生不可)。 |
JCBゴールド ザ・プレミア | 初年度無料・2年目以降5,500円(税込) ・JCBゴールドの年会費に加えて別途発生 ・年間合計100万円(税込)以上のショッピング利用で無料 | JCBゴールドの利用が所定の条件を満たした人 |
JCBプラチナ | 27,500円(税込) | 25歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方(学生不可)。 |
JCBザ・クラス | 55,000円(税込) | インビテーション |
JCB CARD W | 無料 | WEB入会限定。 18歳以上39歳以下で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。 または高校生を除く18歳以上39歳以下で学生の方(一部対象外の学校あり)。 |
JCB CARD W plus L | 無料 | WEB入会限定。 18歳以上39歳以下で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。 または高校生を除く18歳以上39歳以下で学生の方(一部対象外の学校あり)。 |
JCB CARD EXTAGE | 無料 | 18歳以上29歳以下で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。 または高校生を除く18歳以上29歳以下で学生の方(一部対象外の学校あり) |
JCB GOLD EXTAGE | 初年度無料・2年目以降3,300円(税込) | 20歳以上29歳以下で、ご本人に安定継続収入のある方(学生不可)。 |
※「カードご利用代金明細書」の郵送を停止し、明細内容をMyJCBの「カードご利用代金明細照会」で確認するサービス。
年会費無料のJCB CARD W
JCBオリジナルシリーズで唯一、年会費永年無料なのが、JCB CARD W・JCB CARD W plus Lだ。
申込対象が「18歳以上39歳以下」と、若い世代が申し込みやすいカードとなっている。
39歳以下で申込をすれば、40歳以降でも継続して利用可能。
また、これらのカードは、他のJCBオリジナルシリーズに比べポイント付与が2倍になっており、お得感の強いカードだ。
JCB CARD WとJCB CARD W plus Lの基本機能は同じ。
ただし、JCB CARD W plus Lは、カード会員限定で加入できる女性向けの保険など、女性に特化したサービスを付加したカードとなっている。
また、JCB一般カードは条件により年会費を無料にすることができる。
カードで月5万円弱の利用があれば満たせる条件となっているので、年会費無料で利用している人も多いだろう。
JCB CARD W
年会費無料で還元率2倍のお得なJCBカード
サービス、還元率、保険、サポートなどクレジットカードの機能をバランスよく備えている人気のカードである。女性にはJCB CARD W plus Lもおすすめ。
年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0%〜5.5% ※最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合 |
旅行保険 | 海外:最高2,000万円(利用付帯) |
電子マネー | QUICPay、Apple Pay |
国際ブランド |
JCB CARD W plus L
年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0%〜5.5% ※最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合 |
旅行保険 | 海外:最高2,000万円(利用付帯) |
29歳以下限定のJCB CARD EXTAGE
若い世代向けにJCBが発行しているカードとしては、「JCB CARD EXTAGE(JCBカードエクステージ)」「JCB GOLD EXTAGE(JCBゴールドエクステージ)」というカードもある。
JCBカードエクステージは年会費無料、JCBゴールドエクステージは初年度年会費無料で2年目以降は年会費3,000円という、年会費の安いカードだ。
どちらも29歳以下限定で所有でき、30歳以上の更新でJCB CARD EXSTAGEはJCB一般カードへ、JCBゴールドエクステージはJCBゴールドへ自動更新される。
JCBオリジナルシリーズと同様のポイントプログラムで、しかも、入会後3ヶ月間はポイント3倍、入会後4カ月目以降はポイント1.5倍という、お得なカードとなっている。
年会費を抑えてJCBカードを試してみたいという時は、JCBカードエクステージやJCBゴールドエクステージを検討するといい。
ただし、20代~30代で長くお得にJCBカードを使いたい場合は、JCB CARD W・JCB CARD W plus Lの方がおすすめだ。
これらのカードは、39歳までに申し込む必要はあるものの、40歳以降も利用を続けることができる。
JCBカードエクステージ
年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0〜3.5% |
海外旅行保険 | 最高2,000万円 |
もうひとつのゴールドカード
JCBゴールド会員は、条件を満たすことで、ワンランク上のゴールドカード「JCBゴールド ザ・プレミア」への招待がある。
JCBゴールド ザ・プレミアを所有する場合は、JCBゴールドの年会費とは別に、年会費5,500円(税込)が発生する。
ただし、初年度は無料、年間100万円(税込)以上のショッピング利用で翌年も無料となる。
JCBゴールド ザ・プレミアでは、JCBゴールドのサービスに加え、以下のような優待サービスが充実する。
- 海外約1,300ヵ所の空港ラウンジを無料で利用できるプライオリティ・パス
- 国内の厳選されたホテルや旅館での宿泊優待
- 京都駅ビル内にある「JCB Lounge 京都」の利用
- ボーナスポイントのアップなど
JCBゴールド ザ・プレミアへ招待される条件は次の通り。
- JCBゴールドのショッピング利用合計金額が2年連続で100万円(税込)以上
- 本会員が会員専用WEBサービス「MyJCB」に受信可能なEメールアドレスを登録していること(毎年1月31日まで)
最上位カード「JCBザ・クラス」
上表のカードは、申込対象の条件を満たしていれば誰でも申し込むことができる。
一方で、JCBオリジナルシリーズにはインビテーション(招待)がないと申し込めないカードもある。
それが、最上位のブラックカードである「JCBザ・クラス」だ。
年会費は55,000円(税込)とJCBオリジナルシリーズの中では高額だが、ブラックカードとして考えるとリーズナブルとも言える。
ブラックカードは、補償や特典が他のカードの群を抜いて充実しているからだ。
JCBザ・クラスのインビテーションを受けるためには、下位カードで利用実績を積む必要がある。
法人カードもある
JCBオリジナルシリーズには、個人クレジットカードだけでなく、法人カードもある。
一般カードとゴールドカードは、個人カードと年会費が同様だ。
JCBプラチナの法人カードのみ、個人カードと年会費が違い、33,000円(税込)となっている。
また、法人カードには、個人カードのJCBザ・クラスやJCB CARD Wにあたるカードはない。
年会費がかかる理由
JCBオリジナルシリーズには、年会費無料になるカードもあるが、他のカードと比べると年会費無料のカードは少ない。
その理由として、JCBオリジナルシリーズが、JCBのプロパーカードとしてブランド力のあるカードであり、基本的にはステータス性重視のカードであることが考えられる。
その分、年会費無料というお得さよりも、アメックスなどと同様のT&Eカードとして、補償や特典など、サービスの充実が重視されているようだ。
JCBオリジナルシリーズのサービスとしては、次のようなものがある。
トラベル関連サービス
旅行前に役立つサービス
- たびらば(旅LOVER):優待情報や旅行に役立つ情報を地域別に紹介。
- JCB空港優待ガイド:国内主要国際空港内のおすすめ加盟店を紹介。優待クーポンあり。
- JCB旅行ガイドアプリ:観光ガイド、優待店舗の検索ができる。
- JCBプラザコールセンター(日本):現地加盟店の電話予約手配ができる無料サービス。
旅行中に利用できるサービス
- JCB GLOBAL Wi-fi:Wi-fiルーターレンタルサービスの優待価格。
- 空港免税店割引サービス:成田国際空港、関西国際空港の免税店にてカード利用で割引。
- 海外レンタカーサービス:JCBカードの支払いで5~25%の割引。
- JCB PLAZA:海外に設置されたJCBのサービス窓口。日本語対応可能。
旅行後に役立つサービス
- JCB海外おみやげサービス
- 空港宅配優待サービス
エンターテイメント関連サービス
東京TDRオフィシャルスポンサー
JCBは、東京ディズニーランド(R)、東京ディズニーシー(R)のオフィシャルスポンサー。
東京ディズニーリゾート(R)・パークチケット(ペア)が当たるキャンペーンやイベントの招待などの特典がある。
チケットJCB
コンサートやミュージカル、スポーツなど多彩な公演に申し込める。
JCB会員だけの先行販売や割引チケットあり。
JCB優待ガイド
JCBカードの提示または利用で、割引やサービスなどの優待が受けられるJCB加盟店を紹介。
補償・保険
JCBプラザコールセンター(海外)
海外でJCBカードの紛失・盗難にあったときや、海外旅行中の万が一の事故や緊急トラブル時に電話で相談できるサービス。
24時間・年中無休で対応。
ショッピングガード保険
海外の加盟店にてJCBカードで購入した品物が、偶然の事故による破損・盗難などにあった場合、購入日から90日間、カード毎に定められた年間最大金額まで補償。
基本的には年間最大100万円(1回の事故につき自己負担金1万円)は補償される。
上位カードでは補償金額が上がり、国内での購入も対象になる場合もある。
旅行保険
海外旅行傷害保険および国内旅行傷害保険が付帯。
付帯状況や補償金額はカードによって異なるが、カバーする範囲や金額は大きめ。
例えば、一般カードでは、最高3,000万円補償の旅行保険が海外・国内ともに利用付帯となる。
ポイントアップ活用でお得に
JCBオリジナルシリーズの年会費は、ステータス性の高いカードの中では、比較的安い部類に入る。
また、年間利用額に応じたポイントアップやパートナー店舗や海外利用でのポイントアップなどもあり、工夫することでお得に利用することも可能だ。
ポイントアップの方法としては次のようなものがある。
JCB STAR MEMBERS
カードの年間利用金額に応じて自動的に提供されるメンバーシップサービス。
ただし、基本のポイントが2倍となっているJCB CARD W・JCB CARD W plus Lは対象外。
利用金額に応じてメンバーランクが決まり、メンバーランクごとに付与されるポイントがアップする。
たとえば、JCB一般カードを年間100万円以上利用した場合、メンバーランク「スターαPLUS」となり、ポイント1.5倍となる。
JCB ORIGINAL SERIESパートナー店舗
JCB ORIGINAL SERIESパートナー店舗でのカード利用で、2倍以上のポイントアップが可能。
スターバックスやセブンイレブンなどの実店舗から、Amazon.co.jpやビックカメラ.comなどのネットショップまで、さまざまな店舗が対象となる。
Oki Doki ランド
ポイント優待サイト「Oki Doki ランド」を経由して、対象のネットショップでカードを利用すると、2倍~最大20倍のポイントアップが可能。
約400店舗が対象で、大手ネットショップも多い。
JCB ORIGINAL SERIESパートナー店舗と重複している場合は、どちらのポイント倍率が高くなるか要確認。
おすすめのJCBオリジナルシリーズ
ここまで、JCBオリジナルシリーズの年会費と、JCBならではのサービス、そして使い方次第でお得になることをまとめてきた。
JCBオリジナルシリーズの中でどのカードを選ぶかは、カードをどのように活用していきたいかによって変わる。
39歳以下の方でお得さを重視するならば、年会費無料のJCB CARD W、女性であればJCB CARD W plus Lがおすすめだ。
一方で、ステータス性をより重視するならば、JCB一般カードから利用実績を積み、ゴールドカード、プラチナカードとランクアップしていくと良いだろう。
また、29歳以下で、将来的にはステータス性重視でカードを持ちたいが、今は年会費を抑えたいというのであれば、JCB CARD EXTAGE・JCB GOLD EXTAGEがおすすめ。
JCBオリジナルシリーズは、日本唯一の国際ブランドとして、国内で多くの加盟店とステータス性を持つ。
また、海外旅行時にも役立つ特典や補償が充実している点も大きなメリットと言えるだろう。
自分のライフスタイルに合ったカードを選び、存分に活用してほしい。