ダイナースクラブは世界5大ブランドのひとつであり、社会的地位が高い人が保有するステータスカードのイメージが強いクレジットカード。ステータスカードらしくグルメやトラベル関連の特典・サービスが非常に充実している。
特徴的な点として、利用可能枠に一律の制限がないこと、カード提示・サイン不要の「スムーズダイニング」、世界850カ所の空港ラウンジを利用できることなどが挙げられる。また、Mastercardの加盟店で利用できる「コンパニオンカード」無料付帯のサービスにより、利用できる加盟店が拡大した。
ダイナースカードを利用する場合、まずは一般カードであるダイナースクラブカードに申し込むことになるが、その上位カードとしてダイナースクラブプレミアムカードがある。
本記事ではこの2つのカードの機能や付帯サービス・特典の違いを比較する。
目次
基本スペック比較表
ダイナースクラブカードとダイナースクラブプレミアムカードの基本スペックを比較表にまとめると、次のようになる。
ダイナースクラブ | ダイナースクラブプレミアム | |
---|---|---|
券面 | ||
年会費(税込) | 24,200円(家族会員5,500円) | 143,000円(家族会員無料) |
入会基準 | 27歳以上 | ダイナースクラブカード会員から招待制 |
利用可能額 | 一律の制限なし(100万~300万円が目安) | 一律の制限なし(300万円~が目安) |
ETCカード | 1枚を無料で発行 | 1枚を無料で発行 |
ポイント還元率 | 100円=1ポイント | 国内:100円=1.5ポイント/海外:100円=2ポイント |
海外旅行保険 | 最高1億円(自動付帯:5,000万円/利用付帯:5,000万円) | 最高1億円(自動付帯) |
国内旅行傷害保険 | 最高1億円(利用付帯) | 最高1億円(自動付帯) |
ショッピング・リカバリー | 年間500万円限度(利用付帯) | 年間500万円限度(利用付帯) |
コンパニオンカード | TRUST CLUBプラチナマスターカード | TRUST CLUBワールドエリートカード |
プレミアムカードに申し込むには、まずは一般カード会員になりインビテーションを受ける必要がある。
プレミアムカードのほうが年会費は高いが、限度額が上がったり、ポイント還元率が高くなったり、保険が充実するなどのメリットがある。
保険の補償金額・内容、種類の違い
保険 | 一般カード | プレミアムカード | |
---|---|---|---|
海外旅行保険 | 付帯条件 | 自動付帯 | 自動付帯 |
補償内容 |
|
| |
国内旅行保険 | 付帯条件 | 利用付帯 | 自動付帯 |
補償内容 |
|
| |
ショッピング・リカバリー | 年間最高500万円(自己負担金10,000円、補償期間は購入日から90日間) | 年間最高500万円(自己負担金10,000円、補償期間は購入日から90日間) | |
海外航空便遅延費用保険 | – |
| |
キャンセル・プロテクション | – |
| |
ゴルファー保険 | – |
(自動付帯) | |
交通事故傷害保険 | – |
(自動付帯) |
ダイナースクラブカードとダイナースプレミアムカードには、どちらも国内・海外旅行保険が付帯し、最高1億円の補償となっているが、付帯条件や家族特約、最高補償金額が異なっている。
プレミアムカードはほとんどの保険が自動付帯で、旅行保険に関しては家族特約がある。
また、プレミアムカードのほうが旅行保険以外の付帯する保険の種類が多い。
特典・優待・付帯サービス比較
お得なエグゼクティブ・ダイニング
ダイナースクラブのカードは「ダイナース(食事する人)」とあるだけ、グルメに関するサービスが充実している。
「エグゼクティブ・ダイニング」というサービスでは、対象のレストランでのコース料理1名分が無料になり、6名以上なら2名分の料金が無料になる。
エグゼクティブ・ダイニングは一般カード・プレミアムカードともに利用できるが、プレミアムカード会員のみが利用できる店舗もある。
国内外の空港ラウンジを無料で利用
ダイナースクラブ会員は国内・海外850カ所以上の空港ラウンジを無料で利用できる。
海外空港ラウンジの利用については、ダイナースクラブカードは年10回まで、プレミアムカードは無制限となっている。
また、プレミアムカードでコンパニオンカードを発行すると(年会費無料)、世界1,000ヵ所以上の空港ラウンジを利用できるラウンジ・キー(LoungeKey™)のサービスが付帯する。
コンパニオンカードを発行しない場合は、世界900カ所あまりの空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」が無料で付帯する。なお、コンパニオンカードを発行した場合、プライオリティ・パスへの新規申込ができなくなる。
プレミアムはコンシェルジュの利用が可能
プレミアム会員になると、24時間365日対応の専用コンシェルジュ「プレミアム専用デスク」が利用できる。
レストラン紹介や予約、チケット手配はもちろん、旅行の手配などを行っている。
プレミアムのみ利用可能なラウンジ
プレミアムカード会員*は、銀座にあるダイナースクラブ専用ラウンジ「銀座プレミアムラウンジ」が利用可能。
このラウンジでは、Wi-Fiが完備されているほか、コーヒーや紅茶、ソフトドリンクなど飲み物、スイーツなども用意されており、プライベートカフェのように利用できる。
*銀座ダイナース、ANAダイナースプレミアムの会員も利用可能
コンパニオンカード
ダイナースクラブカードでは、マスターカード加盟店で利用でき、マスタカード提供の優待・サービスが付帯するクレジットカード「コンパニオンカード」を無料で発行できる。
コンパニオンカードにはグレードがあり、一般カードは「プラチナマスターカード」、プレミアムカードは「ワールドエリートカード」が発行できる。ワールドエリートはマスターカード最上位のグレードだ。
コンパニオンカード利用分のポイントはダイナースクラブリワードプログラムに合算され(100円で1ポイント)、請求もダイナースクラブカードと一緒になる。
プラチナ/ワールドエリートのサービス比較
コンパニオンカードにはマスターカードが提供する優待・サービスが付帯している。プラチナマスターカード、ワールドエリートそれぞれの特典・サービスを下表にまとめた。
特典・サービス | プラチナマスターカード | ワールドエリートカード |
---|---|---|
Taste of Premium |
|
|
Boingo Wi-Fi利用 | ○ | ○ |
空港ラウンジサービス「ラウンジ・キー」 | – | ○ |
Taste of Premiumは、プラチナマスターカードでは8特典、ワールドエリートでは18特典の利用が可能。
Boingo Wi-Fiは、国内を含む、世界100カ国、100万箇所でインターネット接続が可能なサービス。これはいずれのカードでも無料で利用できる。
ワールドエリートのみに付帯する「ラウンジ・キー」サービスは、世界1,000カ所以上の空港ラウンジを無料で利用することができるサービス(専用サイトで登録が必要)。同伴者1名まで無料で利用できる。
提携航空会社へのマイルに交換
ダイナースクラブで貯めたポイントは、「ダイナースグローバルマイレージ」に参加している提携の航空会社のマイレージに移行することができる。
一般カードでは別途プログラム参加費6,000円(年会費)が発生するが、プレミアムカードの場合は無料となる。提携航空会社とマイルレートは次の通り。
- 全日本航空/ANAマイレージクラブ:1,000ポイント=1,000マイル(年間移行マイル数の上限:4,000マイル)
- 日本航空/JALマイレージクラブ:2,500ポイント=1,000マイル(年間移行マイル数の上限なし)
- デルタ航空/スカイマイル:2,000ポイント=1,000マイル(年間移行マイル数の上限:140,000マイル)
- ユナイテッド航空/マイレージプラス:2,000ポイント=1,000マイル(年間移行マイル数の上限:120,000マイル)/li>
- 大韓航空/スカイパス:2,000ポイント=1,000マイル(年間移行マイル数の上限:120,000マイル)/li>
- 日本航空/JALマイレージバンク:2,500ポイント=1,000マイル(年間移行マイル数の上限:なし)/li>
保険やサービスを重視するならプレミアムカードを目指すのもあり
ダイナースクラブプレミアムカードは、一般カードと共通する機能、サービスも多いが、保険やサービスそれぞれがより手厚くなっている。
海外旅行の機会が多い人、ホテルやレストランの予約機会が多い人は、プレミアムカードのメリットを最大限引き出せるのではないだろうか。
プレミアムカードはインビテーション制のため、プレミアムカードを利用したい人はまずは一般カードで利用実績を積んでいこう。